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【 男女とも日本がダントツで1位、えっ?AI失業の可能性?! 】

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所要時間 約 9分

AIロボットの進化、男女それぞれ失業する可能性が最も高い国はどこ?

女性が多く進出している職種は管理業務のサポートなど、AIロボットによる自動化のリスクが50%を超える分野に集中

 

ミミ・ラウンダー / インディペンダント(英国) 2018年3月28日

最終的にAIロボットが世界を支配するようになれば、女性は少なくとも一度は良い目を見るかもしれません。
多分女性たちは職場で一度は男性たちの上に立つことになるからです。
進化した人工知能を持つロボットが組織の頂点に立つ時、そのすぐ下に位置するのは女性たちになるはずです。
なぜなら女性たちの方が男性よりもそうした環境を受け入れる能力が高いからです。

この予測は社会のロボット化が進むことによって男女間の格差にどのような影響が及ぶかについて研究を続けているウェブサイト・ビルダー・エキスパート(Website Builder Expert - WBE)が行った新しい調査に基づくものです。

 

WBEは研究対象としたOECD加盟33カ国の80%で、男性は女性よりもロボットに仕事を奪われるリスクが高いことを明らかにしました。
そして専門家は800億人分(原文通り: 800,000 million jobs experts - 2015年現在の世界人口は国連の推計によれば約73億人)の専門家の雇用をロボットが引き継ぐことになると予測していることを考えれば、極めて多くの人間の生計手段がたちまちにして奪われてしまうことを予測させるものです。

この調査では自動化の結果、男女それぞれが失業する可能性が最も高い国が明らかになりました。

▽ 女性が人工知能・ロボットの進化により仕事を失う可能性の高い国上位10ヵ国(パーセンテージ)
1位  日本     63.056
2位  チリ     55.726
3位  トルコ    55.584
4位  メキシコ   55.277
5位  スロヴァキア 52.699
6位  韓国     52.692
7位  チェコ    51.851
8位  ハンガリー  51.762
9位  イタリア   51.757
10位  ドイツ    51.217

 

▽ 男性が人工知能・ロボットの進化により仕事を失う可能性の高い国上位10ヵ国(パーセンテージ)
1位  日本     65.257
2位  メキシコ   58.611
3位  チリ     57.602
4位  トルコ    57.004
5位  韓国     56.6
6位  スロヴァキア 56.395
7位  ハンガリー  54.402
8位  ラトヴィア  53.172
9位  ポーランド  52.528
10位  イタリア   52.495

 

性別による給与格差を一掃するために必要なのはロボットだけでしょうか?
問題はそれほど単純ではありません。
男性の農業従事者はAIロボットに取って代わられる重大なリスクにさらされている可能性がありますが、CEOや会社役員の男性のリスクははるかに小さい可能性があります。

一方、女性が多く進出している職種は、管理業務のサポート、サービス業務、技術者など、AIロボットによる自動化のリスクが50%を超える分野に集中しています。
実際に働く女性が占めるすべての職種においてAIロボットによる自動化は次々と実現される段階に入っています。

この状況は男性の場合は少し異なっています。

 

男性がAIロボットによる自動化のリスクにさらされている国では、男女の差はほとんどありません。

技術大国日本は、男女ともにAIロボットが人間の職業を取り上げてしまう可能性が、人間の雇用が維持されるであろう割合を上回る結果になりました。
女性対男性の自動化の可能性は63%対65%です。
日本人女性の大部分(約57%)は、サービス業務または管理業務の補助スタッフとして働いています。
ふたつとも将来のAIロボットによるオートメーション化の可能性が最も高い分野です。

興味深いことに、英国女性の仕事の方が米国女性よりもAIロボットに取って代わられるリスクが高くなっています。
アメリカ女性はランキングで6番目に安全ですが、英国女性は8位です。
これはおそらく、管理職以上の地位にいるアメリカ女性の割合が15%を占めているのに対し、英国女性は8%に留まっているためです。

 

ラトヴィアは男女格差の最大の本拠地となり、研究の結果ラトヴィアの男性は女性よりもロボットに取って代わられる可能性が非常に高苦なっています。
ラトヴィアの男性労働者の職業はAIロボットによるオートメーション化のリスクが高く8位という順位ですが、ラトヴィア女性の職業は23位に留まっています。

 

この研究を率いたのはWBEのアレックス・イングリッシュです。

 

https://www.indy100.com/article/countries-where-women-are-most-at-risk-of-losing-their-jobs-to-robots-8275871

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私が現代の人間について確信していることがあります。

それは文明の進歩と共に人間そのものは退化しているということです。

アフリカ大陸には、今でも10キロ先まで裸眼で物を見分けられる人々が暮らしているという例をわざわざ持ち出すまでもなく、江戸時代、私たち日本人の先祖は日本全国どこへでも歩いて行きました。

今当時の標準とされる日にちをかけて東京・京都間を歩いたら、体調を崩す人が続出するのではないでしょうか?

私たちの生活はたかが50年前と比べても飛躍的に便利になっていますが、それは物やインフラの進化が著しいためであり、人間そのものが進化していることにはなりません。

300年前の日本人は現代人と比べ、体も小さく栄養状態も良くはなく平均寿命も30年も短かったはずですが、変な言い方ですが人間としての機能性はどうだったのでしょう?

AIロボットに労働を任せてしまう社会は、人間にさらなる退化をもたらすのではないでしょうか?

 

ただ一つ、すべてをロボットに任せ、人間が関わらないようにすれば良いと思うものがあります。

戦争です。

これまでの戦争はどうやって敵を効率的に大量に殺すか、ということがテーマでした。

しかし武器がなければ戦うことはできず、その武器はいまやほとんど自動化できるはずです。

国際法で戦争において人間を攻撃の対照に含めることを禁止し、どうしても戦争したいというときはすべてロボット同士にさせれば、人間を殺さなくても済みます。

そうなれば技術力と財力だけの勝負であり、負けた方は戦争を命令した政治家に責任を取らせ、国民は損失と賠償を弁済するために多額の税金を納めることにすれば良いはず。

政治家に戦争することを許した国民は、多額の借金を背負わされ己の愚かさを呪うことになるでしょう。

戦争という手段に訴えなければならなくなるということは外交で解決できなかったということであり、それは失政ということであり、それは政治家の責任であると同時にその政治を選んだ国民の過失です。

だからと言って命まで差し出さなければならないというのは、今の時代、理不尽以外の何ものでもありません。

 

どうしても無人島を守りたいというのなら人工知能による防御システムを完成させれば良いだけの話で、70年間平和を守り続けた憲法を変えてしまったり、国民を徴兵したりする必要など全くない話のはずです。

【 米朝協議と置いてけぼりの安倍首相 】

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所要時間 約 12分

突然決まった米朝会談、安倍首相への期待も居るべき場所も見当たらず
安倍政権のご機嫌取りにうつつを抜かしてきた日本の外務省、外交環境の劇的展開に無能無策

 

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ 2018年3月29日

日本の安倍首相は米国のトランプ大統領と「政策のすり合わせ」のため、急きょワシントンへ行きを調整しなければならなくなりました。
しかし安倍首相は、トランプに対し米国の利益よりも日本の安全保障問題や拉致問題解決のため取り組みを優先させるべきだということを納得させられるのでしょうか?

3月下旬キム・ジョンウン北朝鮮労働党総書記が中国を訪問し、習近平主席と会談を行ったという報道に接すると、安倍首相は直ちに反応しました。
安倍首相は4月中旬にワシントンを訪問し、北朝鮮が核兵器開発とミサイル計画を放棄しなければならないことをドナルド・トランプ米大統領と再確認し、北朝鮮に対する『政策を協調させる』と語りました。

日本の総理大臣は米国の大統領に北朝鮮に対する国際的経済制裁が効果を発揮していると強調した上で強硬姿勢をとり続けるべきだと強く求め、予定されているキム・ジョンウン総書記との首脳会談が実現しても、譲歩したりしないよう強く迫るものとみられています。

韓国政府関係者は4月27日、北朝鮮と韓国が10年以上にわたり途絶えていた首脳会談を再開することを発表しました。

 

安倍首相はトランプ大統領に対し、北朝鮮との首脳会談において日本の拉致問題を交渉のテーブルに乗せるよう求めています。
具体的には北朝鮮によって拉致された日本人全員の帰還を実現するよう求めるものです。

トランプはビジネスマンとしてはやり手で冷酷非情な有能な人間かもしれないものの、彼が相手にしているのは70年にわたり北朝鮮を支配する一族の三代目で、若い割には明らかに国力の劣る北朝鮮が大国であるアメリカと対等に渡り合うだけのスキルを持った人間です。
日本国内にはこれらの点から、拉致問題の行方を不安視する意見があります。

▽ 韓国にとっては渡りに船の北朝鮮の外交攻勢

 

韓国は北朝鮮が本気で南北間の関係を再構築しようとしていると確信しているようです。
中国は現在、北朝鮮から望んでいた通りの外交的提案をを受けています。
一方日本政府は、米国政府がキム・ジョンウン政権と友好関係を構築してしまったら、逆に日本の外交的立場は惨めなものになってしまう可能性があると懸念しています。

 

しかしトランプは何十年もの間、アメリカに取って喉に刺さった小骨のような存在であり、これまでの歴代のアメリカの政権が手にすることができなかった北朝鮮問題に対する外交的勝利を望んでいます。
そのためトランプは日本が北朝鮮に対し抱えている数々の問題の存在が無視して、交渉を一気にまとめようとするかもしれないという懸念もあります。
アメリカ・北朝鮮の合意がまとまれば、トランプの政治家としての評価が飛躍的に高まる可能性があります。

 

テンプル大学日本校の国際関係学部のジェームズ・ブラウン準教授は、ドイチェ・ヴェレの取材に次のように答えました。
「対米関係においても対北朝鮮においても、日本にとってすべてが極めてまずい展開となりつつあることは明らかです。安倍首相はできるだけ早くトランプに会って事態の転換を図らなければならない状況に置かれています。」


「ほんの数週間前まで安倍首相はトランプ大統領の扱い方を知っている人物として「トランプの囁き手」と表現されていました。」
「しかし今回日本はトランプに完全にスルーされました。トランプがキム・ジョンウンとの会談に同意した瞬間に、アメリカはそれまでの最大限の経済制裁を続けるという政策から完全な方向転換をしてしまったからです。」

 

ブラウン準教授はキム・ジョンウンとの会談に同意したことで、トランプはすでに最大限の経済制裁を行う政策からの撤退を宣言したのに等しいとつけ加えました。
ただしジョン・ボルトンを北朝鮮問題の当事者の一人に指名したことにより、トランプはいつでも最大限の経済制裁の実施に舵を戻すことができるようにしている可能性があります。

※ジョン・ボルトン
トランプ大統領がジョン・ボルトンを国家安全保障問題担当顧問に任命したことはたちまち世界中に伝わり、北朝鮮やイランに対する軍事侵攻を主張するタカ派の代表的人物が大統領の耳目として採用されたことに、同盟国は一斉に警戒感を露わにしています。
ドイツ政府、イスラエル政府、韓国政府、そして日本政府はこれまでトランプの予測不可能な政策論理が必ずしも具体策として実行されないことに安心してきましたが、ボルトンの任命を受け一斉に対応に追われることになりました。
同じくタカ派のマイク・ポンペオの国務長官に続きボルトンが顧問に任命されたことで、歴代政権同様の外交路線に乗せようとしてきたジム・マティス国防長官は周囲をタカ派に取り囲まれたことにより、孤立する可能性が出てきました。(2018年3月2日付ワシントンポスト The Return of John bolton より)

 

▽ トランプに泣きつく安倍首相

 

北朝鮮に拉致された被害者とその家族に対し安倍首相の立場を演出するというアメリカ側の配慮についても、トランプが優先度を下げる可能性が高くなりました。
「北朝鮮による拉致は首相に返り咲く前の安倍氏の政治的名声を作るための材料でもあったという点で、日本にとって大きな問題であると同時に、安倍首相にとっては個人的な問題でもあるのです。」
ブラウン準教授がこう語りました。
「他の国々の見解は次のようなものです。拉致された人々とその家族には同情するが、核兵器を搭載した北朝鮮の弾道ミサイルが何百万人という米国市民の安全を脅かしているという脅威を解消する方を優先せざるを得ない…」

最終的に安倍首相にとって現在の最大の懸念は、北朝鮮、韓国、米国、中国という4極体制が形作られつつあり、日本だけが脱落する構図が見えてきたことです。
日本の安全保障上の懸念や拉致された市民の運命が、議論の際に傍においわられてしまうことは避けたいと考えています。

明治大学国際研究所の奥村準教授は、日安倍首相の懸念には十分な根拠があるとドイチェ・ヴェレの取材に答えました。

「安倍首相はワシントンを訪問し、たとえ米朝会談が成功裏終わったとしても、その段階ではまだ北朝鮮は核弾頭を装備したミサイルを廃棄したわけではないのだという現実をトランプに再認識させ、強い圧力をかけたいと考えています。」
奥村教授はこう語り、安倍首相は金正恩が保有する中距離ミサイルはグアムやアラスカを射程圏内に収め、韓国と日本に駐留している米軍を攻撃できる能力を有している点を強調するべきだと語りました。

「さらに安倍首相は、もし金総書記が大量破壊兵器の保有を継続することが可能になれば、核兵器の拡散の危険性が増大する点も強調することになるでしょう。」と語り、そうなれば中東地域のアメリカの権益が脅かされることになるとつけ加えました。

 

しかし中国が突如として再び北朝鮮の支持者としての立場を鮮明にすれば、トランプは金総書記を脅かすだけの能力をもはや失ってしまい、北朝鮮から提示されるいかなる提案も「今後の会談で」のまざるを得ない状況に追い込まれる可能性があることを、奥村教授が指摘しました。
それでもなおトランプは会談の成果を強調するだろうし、そうなってしまえば日本は完全に孤立してしまうだろうと奥村教授は見ています。
「安倍政権は北朝鮮に直接的な影響力を持ったことは一度もなく、米国を通じてしか圧力をかけることができません。私自身としては一方では、このタイミングで安倍首相がワシントンに行くのは馬鹿げていると考えることもできるでしょう。」
奥村教授がこう語りました。


「安倍首相はトランプに泣きついているようにも見えます。しかし結局はトランプは何があっても自分がやりたいようにやるでしょう。」
「米朝協議は日本を一層に不利な立場に置き、気がつけば日本だけが北朝鮮に対し厳しい経済制裁を科している国として『取り残される』可能性が高くなっています。」
とつけ加えました。

 

しかし、北朝鮮が国際社会の一員として再び信頼を取り戻すことができるかどうか、あるいは日本が心配した通りの結果が待っているのか、それはその時になってみなければわかりません。

 

http://www.dw.com/en/after-kim-xi-meeting-abe-eager-to-advance-japans-interests/a-4318170

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安倍政権については、

軽佻浮薄

阿諛追従

貪官汚吏

秩序紊乱

などなど、一国の政府は「そうあるべきでない」という四字熟語がたくさん浮かんできます。

そのことに気がついていないのは『安倍政権を支持』する『40パーセント』の日本の世論調査の回答者のみなさんだけでしょう。

しかし習近平にもトランプにも、そして金正恩にすらそのあたりを見透かされてしまっている安倍政権に、歴史の転換点になりうる場で『役』を与えようとは国際社会の誰も思わなかったのでしょう。

 

幸い、まだ多くの人々が安倍政権について

悪逆無道

と言うほどの有様を見てはいません。

 

しかし戦前戦中、平和主義や基本的人権を口にしただけで一般市民が特高警察に連行され、拷問を加えられてなぶり殺しにされた悪逆無道の時代は一朝一夕に出現したわけではありません。

第一次世界大戦後しばらくして『大陸進出(侵略)』が続いた日本では、大政翼賛会が出現し、治安維持法が制定され、徐々に市民の権利が奪われていき、気がつけば民主主義などかけらも残っていませんでした。

その挙句、多くの一般市民がアジア大陸や中国大陸や旧満州国内、そして南太平洋諸島など日本から遠く離れた場所で、疫病、飢餓、そして集団自殺などによって残酷な死を強いられることになりました。

いわゆる満州引揚者で戦争末期に侵攻してきたソ連軍によって夫と子供を殺された妻の大叔母は、当時のことを決して口にしようとせず、尋ねられても黙り込んだまま首を振るだけだったそうです。

日本国内には米軍のB29戦略爆撃機の大群が連日連夜現れて、子供だろうが女性だろうが無差別殺戮を繰り返し、最後には核爆弾を2回も投下され、いたるところで無残な死が大量生産されました。

 

軽佻浮薄/阿諛追従/貪官汚吏/秩序紊乱……そうした政治の先には、悪逆無道の体制が待ち受けているかもしれない……

それは私たち日本人の祖先が大量の血と涙を流して得た歴史の教訓なのです。

 

 

子どもたちの未来に基地はいらない!《後篇》

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所要時間 約 6分

太平洋戦争沖縄戦による外傷後ストレス障害に苦しむ人々に、米軍機の爆音が悪夢を甦らせる

沖縄にやってきた何十万人という米軍は地元の村落から土地を奪い、島全体に多数の軍事基地を建設した

 

リサ・トリオ / アルジャジーラ 2018年2月27日

辺野古のキャンプシュワブの前で基地建設反対のデモを行う沖縄の人々(写真)

 

普天間小学校の校庭にヘリコプターの窓枠が落下した事故以降、アメリカ軍は学校周辺での飛行を自粛すると誓いましたが、一週間もしないうちに学校上空をヘリコプターが飛行していることが確認されました。

アルジャジーラの取材に対し海兵隊第1航空団のクロネン氏はこの事件が発生して以降、部隊に所属する
「航空機の離着陸を最も安全な形で行うため、海兵隊普天間飛行場に極めて近い場所にある多くの学校やその他配慮が必要な施設について詳細な調査を実施し、現在飛行パターンの見直し作業を行っています。」
と語りました。
しかし地元のメディアによると、米軍は2月27日には早くも普天間第二小学校上空をヘリコプターが飛行したことを認めました。
同じ日、アメリカ軍は部品落下の事件について調査を開始したと述べました。

 

▽「戦争は決して終っていないと思った方が良い…」

 

最近起きた事件は、第二次世界大戦(太平洋戦争)終了後沖縄の島々で積み重なってきた歴史の一部分でしかありません。


沖縄は1879年に日本に統合され、第二次世界大戦中には日米間の最大の激戦地となり、約12万人の地元住民が命を失いました。
1945年第二次世界大戦が終了すると、米軍は何十万人もの兵員を沖縄に配置するため地元の村落から土地を奪い、島全体に多数の軍事基地を建設し、この結果沖縄はアメリカにとって軍事的要衝の一つとなったのです。

 

日本が第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗北して以降、アメリカ軍基地の総面積は沖縄本島の約20%を占め続けています。

 

人口密度の高い宜野湾市内でかつては約1万人の住民が暮らしていた場所に、広大な普天間飛行場の敷地があります。

こんにち数多くの学校、病院、そして一般家屋が基地を取り囲むようにして建ち並んでいます。

「私たちの祖父母は、基地の周囲に家や学校を建てること以外の選択肢はありませんでした。」

自身空軍基地の近くで育った宮城恵理子さんがこう語りました。

 

「これらすべてのヘリコプターを見る限り、戦争が終わったとはとても思えません。」

アルジャジーラの取材に知念さんがこう語りました。

自分自身が基地の近くで育ち、そして今は自分たちの子どもたちを学校に通わせている人々が、

「何も変わっていない」と感じていると語りました。

2人の子供を保育園に通わせている大城義郎さんは、自分が大学生のときにCH-53Dヘリコプターが大学の建物の1つに墜落した経験を持っています。

「12月の事件について知った時、すぐに私は自分自身の経験を思い出しました。」

 

子ども時代に普天間第二小学校に通学し、現在は3歳の娘を保育園に通わせている与那城ちえみさんは、低空飛行を行っている軍用機の爆音を聞くのは当たり前のことになっていると語りました。

「軍用機の爆音のために教師が授業を中断するのは日常茶飯事でした。」

与那城さんがこう語りました。

 

▽ 子供たちは忘れない

 

沖縄県嘉手納基地では、22,000人以上の住民がこどもたちが通学している学校上空の夜間と早朝の軍用機の飛行禁止を求める訴訟を起こしました。

嘉手納基地は太平洋地区でアメリカ軍の最大規模の空軍基地です。

1982年に初めて法廷に訴状が提出されて以来、地元の住民たちは米軍機の騒音被害が生活に与える影響について話し合いを続けてきました。

那覇地方裁判所は、2017年2月、住民が嘉手納基地の騒音被害が原因の不眠症や聴覚障害への補償と米軍機の飛行禁止を求めた訴訟について、補償は認めましたが、アメリカ軍の施設における飛行を制限できないとの判決を下しました。

原告側の住民はこの判決を不服として、控訴する予定です。

 

原告の一人である平真一さんは嘉手納基地の外で毎週行なわれている抗議活動の企画と管理を担当しています。

第二次世界大戦(太平洋戦争)による外傷後ストレス障害に苦しんでいる住民の多くが、頭上を飛び交う米軍機の爆音によって当時の悪夢が再現する症状に苦しんでいると語りました。

平さんは最近起きた一連の事故によって同様の心理的障害が子供たちの中に残ることを心配しています。

自身の小学生時代、自宅の庭からB-52爆撃機がベトナムに向かって離陸していた光景を記憶としてしまいこんでいる平さんは、こう語りました。

「子供たちは忘れません。」

 

平さんが8歳だった1959年の夏、アメリカ軍のF-100ジェット戦闘機が沖縄中部の小学校に墜落し、11人の子供たちを含む17人が死亡しました。

「私たちのこうした記憶は、一生消えることはありません。」

 

〈 完 〉

https://www.aljazeera.com/news/2018/02/okinawans-demand-military-flights-schools-180222104205546.html

子どもたちの未来に基地はいらない!《前篇》

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所要時間 約 8分

沖縄の人びとが求めているのは「基地問題を移転させる」ことではなく、解消すること

2017年米国海兵隊による航空機事故の発生は、2004年以来最高の件数を記録した

 

 

リサ・トリオ / アルジャジーラ 2018年2月27日

2017年12月7日の朝、沖縄県宜野湾市の保育園で一歳児たちが外に出て遊ぶ用意をしていると、低空飛行するヘリコプターの爆音がして、何かがぶつかるような大音響がとどろき渡りました。

「何人かの子供たちが泣き叫ぶ騒ぎになりました。」

 

その時のことを振り返り、緑ヶ丘保育園で育児の仕事に携わり、自らも一時の母である宮城恵理子さんがこう語りました。
宮城さんと同僚の職員たちは保育園の屋根に向かって駆け上がり、 そこに『飛行前に取り外す』そして『米国』と記された赤いラベルが貼られた円筒形の物体を見つけました。

それから1週間も経たない12月13日、今度は金属製のヘリコプターの部品と思われる窓枠が空から近くの小学校の敷地に落下しました。

約7.7kgのウインドウが砕け散った当時、当時普天間第二小学校の校庭では50人の児童が体育の授業中でした。

この事故で15メートルほど離れた場所にいた10歳の男子児童が軽傷を負いました。

 

どちらの事件も原因を作ったのは、小学校とはわずかフェンス一枚で仕切られているアメリカ軍海兵隊普天間基地に所属するCH-53Eヘリコプターだと見られています。
幸いにも子供たちに深刻な被害はありませんでしたが、事件をきっかけに地元自治体などからは軍用機の学校上空の通過をやめるよう求める声が高まっています。

緑ヶ丘保育園の屋根への落下物(写真)

 

「どうすればこんな事故が起きるのでしょうか?」

12月の事件が起きた保育園と小学校の両方に二人の子供を通わせている宮城知子さんがこう語りました。
「一体全体、なぜこんな事故が起きるのか私には理解できません。」
宮城さんはアルジャジーラの取材にこう答えました。
彼女は軍用機の学校上空の飛行禁止を求めるキャンペーンを開始した保護者グループのメンバーの一人です。
2017年12月下旬、宜野湾市庁舎前で約600人の保護者とその支持者が抗議を行いました。

そして2018年2月初め、緑ヶ丘保育園の保護者会のメンバーと会が東京の日本政府の当局を訪問し、1万人以上の署名を集めた請願書を提出しました。
請願書は沖縄の学校上空の軍用機の飛行差し止めに加え、保育園で起きた事件について真相の徹底的な究明を求めています。

 

現在アメリカ軍は日本政府と歩調を合わせ、人口密集地の普天間にある空軍基地を沖縄の中で人口の少ない辺野古に移転させるとしてアメリカ軍海兵隊基地を建設中ですが、そうした中で保護者たちの抗議は行われました。

5歳の娘を保育園に通わせている椎名幸子さんはアルジャジーラの取材に次のように語りました。
「私たちは自分たちが抱えている問題をどこか他の場所に持って行けと求めているわけではありません。私たちが求めているのは中止することだけです。」

日本の防衛省によれば2017年1年間の米軍機による事故は少なくとも25件ありました。

沖縄の辺野古には「子供たちの未来に基地はいらない」と書かれたサインボードを掲げる女性(写真)

 

沖縄の面積は日本の国土のわずか0.6%に過ぎませんが、日本にある米軍基地の70%以上が県内にあり、大きな面積を占有しています。
米国海軍安全センターのデータによると、2017年米国海兵隊による航空機事故の発生件数は2004年以来最高になりました。

 

2018年に入ってからもこれまで3回のアメリカ軍機による不時着事故が発生しています。

アメリカ軍は2017年12月、保育園の屋根に落ちた円筒形の物体が自軍のCH-53ヘリコプターのものでこのうち1機が保育園上空に向け離陸したしたことは認めましたが、一方でこのヘリコプターが装備していたシリンダーの全ての所在を確認してはいないとしています。

アルジャジーラの取材に対し、海兵隊第1航空団のグレゴリー・クロネン氏は声明で、
この日「緑ヶ丘保育園の屋根に落下した物体は、確かにこの地域で作戦行動を行っている海兵隊第1航空団の装備品リストの中に含まれることを確認しました」が、その出処などそれ以上詳しい状況はまだ把握していないと述べています。

アメリカ軍は2017年12月、保育園の屋根に落ちた円筒形の物体が自軍のCH-53ヘリコプターのものでこのうち1機が保育園上空に向け離陸したしたことは認めましたが、一方でこのヘリコプターが装備していたシリンダーの全ての所在を確認してはいないとしています。

アルジャジーラの取材に対し、海兵隊第1航空団のグレゴリー・クロネン氏は声明で、
この日「緑ヶ丘保育園の屋根に落下した物体は、確かにこの地域で作戦行動を行っている海兵隊第1航空団の装備品リストの中に含まれることを確認しました」が、それ以上詳しい状況はまだ把握していないと述べました。

 

〈後篇に続く〉

https://www.aljazeera.com/news/2018/02/okinawans-demand-military-flights-schools-180222104205546.html

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私たち『本土』の人間にとって、現実として理解できないことが沖縄にはたくさんあるようです。

生活圏の頭上すれすれに軍用機が飛び交う日常などというのも、私たちにはピンとはきません。

それがすなわち沖縄の人々にとっての理不尽なのだと思います。

わからないからといって無視して良いはずもなく、私たちはその『痛み』についてどうにかして理解できるよう努めるべきであるはず。

ところが肝心の現在の日本政府、安倍政権にはそんな気はまったく無いようです。

沖縄における米国という存在がいわば『治外法権』扱いで、米国が

「東シナ海から南シナ海にかけてアメリカが睨みを効かせるために、辺野古には航空基地が必要だ。」

と主張すると、安倍政権は

「はいはいご無理ごもっとも!」

とばかりに、基地建設に反対する沖縄県民の前に全国から集められた機動隊員が立ちはだかるありさまです。

最先進国の民主主義国家にあるまじきこの状況もまた、此の期に及んで安倍政権の支持率が30パーセント以上あるという状況を許している私たちの責任だと思うのです。

【 昭恵氏は公の場で真実を語るべきである 】

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所要時間 約 7分

国民の62パーセントが昭恵夫人が国会で証言するよう求めている

政権寄りのメディアですら、安倍政権不支持の割合が支持を上回っていることを明らかにせざるを得ない状況

 

アルジャジーラ 2018年3月27日

2015年6月7日ドイツ、ガルミッシュ・パルテンキルヒェン付近での安倍晋三首相と安部昭恵首相夫人(写真)

 

かつては超保守主義者として知られる夫とは対照的に進歩的な考えを持っている点に注目が集まっていた安部昭恵首相夫人は現在、かつて関わりがあった国家主義教育機関への不正な国有地売却問題で、再び苦しい立場に追い込まれています。

 

日本の野党各党は国有地が国家主義教育機関である森友学園に、不当と言えるほど安く売却された不正便宜供与疑惑と事実を隠ぺいするため公文書が改ざんされた問題で、安部昭恵首相夫人が国会で証言を行うよう要求しています。

この一連の疑惑によって安倍首相への支持率はぼろぼろになっています。

 

日本の財務省は3月12日、安部昭恵首相夫人について言及している部分削除するなどして、取引に関する公文書を改ざんしたことを認めました。
一方昭恵夫人の夫である安倍首相は、自分自身並びに昭恵夫人が土地の売却手続きに介入したこと、そして隠蔽工作を命じたことを否定しています。

▽ 逆説的な見解

 

安部昭恵首相夫人は(55歳)は夫が2012年に首相に就任して以降、同性愛者の権利を訴えるパレードに参加したり、原子力発電の継続に反対したり、あるいは沖縄で予定されている米軍基地建設に反対して抗議者のもとを訪れるなど、自由主義的立場の人々の共感を得ていました。
彼女はまた小さなオーガニックレストランを経営しており、大麻を医療用途に限って合法化することに賛成する発言をしたこともあります。
こうした一連の行動によりにより、首相夫人は「身内の野党」というニックネームをつけられました。

 

しかし一方ではこれまで公の場では安倍首相の保守的な見解にこれまで以上に足並みをそろえる行動をとってきました。

さらには戦没者を祀る東京の靖国神社の参拝も行いました。

靖国神社には第二次世界大戦(太平洋戦争)後の連合軍の裁判所において争犯罪者として有罪判決を受けた戦争指導者も合祀されているため、中国と韓国は日本の過去の軍国主義の象徴と捉えています。

安倍首相自身は2013年12月に靖国参拝を一度参拝しましたが、その後は参拝することを控えています。

 

昭恵夫人を知る人は、一見すると彼女が逆説的な見解を持っていることについて別に驚く必要はないと語りました。

「彼女は理論や論理に基づいて行動するのではなく、心の命ずるままに行動する人なのです。」

NPO法人の代表を務める豊永さんがこう語りました。

▽ ノーコメント

 

3月に入り日本の政界では森友スキャンダルが爆発したため、彼女は直接この問題に関わる発言はしていません。
昭恵夫人は自分自身が置かれている立場についてまるで理解していないとして批判を浴びています。

3月9日の夕刻、森友事件に関わったされる近畿財務局の職員が自殺した可能性があると警察が捜査を続けていたこの日、昭恵夫人はある有名人が主催したパーティーに参加していました。

この時の様子がこの有名人のインスタグラムに投稿されたと地方紙が伝えました。

その後この投稿は削除されました。

 

同じ3月9日、前日に開催された国際女性デーのアートフェアで笑顔を浮かべた昭恵夫人の写真がフェイスブックに投稿されました。

支持するコメントが書き込まれた一方、「配慮に欠ける」「殺人者」などと昭恵夫人を厳しく批判するコメントも書き込まれました。

 

批評家などからは昭恵夫人は今は自制すべきだろうという意見が出ています。

保守派であり安部政権を支持するサンケイ新聞は、滝田真紀子記者の次のような論評を掲載しました。

「これまでの日本の首相夫人の誰とも異なる昭恵夫人のフリースタイルの生き方には、多くの人が魅了されてきた。」

「しかし、現在は行政が厳しい状況に置かれており、彼女の不適切な言動が政権の足元をすくう結果につながっている。」

滝田記者はこう続けました。

「現在の言動は首相夫人としての一線を越えてしまっており、自制を心掛けることが賢明ではないだろうか。」

安部首相は昭恵夫人が森友事件について国会で証言することを拒否していますが、3月26日発行の日経ビジネスの世論調査では、62%が夫人が国会の場で疑問に答えるべきだと回答しています。

同じ調査で安倍政権の支持率は42%に低下し、内閣に反対を表明する人の割合は49%に上昇しました。

 

昨年のこの事件が明るみに出るまで、昭恵夫人は安く払い下げられた国有地に森友学園が建設する予定だった小学校の名誉校長になる予定でした。

さらに昭恵夫人は天皇制を中心に置く戦前の国家主義教育同様のカリキュラムの下で教育を行っていた森友幼稚園を訪問していました。

 

https://www.aljazeera.com/news/2018/03/akie-abe-accused-land-sale-scandal-180326160533384.html

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タックス・ヘヴンという言葉がありますが、日本という国が詐欺まがいの行為や政治的ペテンのパラダイスになってしまっていることに怒っておられる方も多いと思います。

これは保守とかリベラルとかそういうレベルの話ではなくて、ただ単に本当かウソかという話です。

しかもこの記事にあるように大きな問題は『国有地売却における不正便宜供与』と『公文書の改ざん』と2つあるのに、27日の佐川長官の公文書改ざんについて「上からの指示はなかった」という国会での証言だけで与党自民党は全てが決着したかのような、いつも通りの『すり替え』を行おうとしています。

オノレの自己保身のために日本を詐欺漢のパラダイスにするな!

私たちはもっと怒るべきだと思います。

【 『公正の原則』は邪魔 – 安倍首相、今度は放送法の改変がターゲット 】

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9月総裁選に向け、テレビ放送を支持率回復のための道具に変えてしまう安倍首相

安倍首相のなりふり構わぬ延命策、日本という国の一層のプラックボックス化に深刻な懸念

 

ロイター / ニューヨークタイムズ 2018年3月26日

安倍首相は日本の放送局に公平性を求める日本の法律を廃止したいと訴えています。
こうした政策に批判的な人々は、そうなれば日本の放送がセンセーショナルな報道、極端な見解や意見を表現する場になりかねないとの懸念を深めています。

 

安倍首相は日本の構造改革関連法案のひとつとして放送法の改正草案を公表し、5月早々にも法案の形にまとめ上げる方針を固めたことを、複数の政府関係者がロイターに伝えました。
この問題については影響が多岐にわたることから、情報提供者は全て身分の秘匿を求めています。
この情報筋によると、草案には日本の放送法の第4条の廃止が含まれています。
第4条は放送免許保有者には対照的な政治的見解を示すことを求めており、これまで米国公平主義原則の日本版ととみなされてきました。

しかし米連邦通信委員会(FCC)は、放送局の自由を制限しているとの批判を受け、1987年にこの原則を廃止することを決めました。
2011年に一連の手続きが完了したことにより、米国では政治的立場を明確にしたラジオのトークショーやニュース番組を生み出すのにつながったとという評価がなされています。

 

かしペンシルバニア大学のアンネンバーグ・コミュニケーション・スクールのコミュニケーション担当準教授のビクター・ピッカード氏は次のように語りました。

「放送法には公正の原則の予防措置が必要であり、そうでないと公共のメディアは市場の影響、すなわち金の力に左右されやすくなってしまいます。」
「アメリカの先例は、むしろやってはいけない教訓とすべきものです。」

 

▽ 低下する安倍政権支持率の回復が真の狙い?

 

安倍氏は従来の放送法を改変し、テレビ局のチャンネルを放送法第4条による制限を受けていないオンライン・メディアと同等の立場に置くという見直しを望んでいると語っています。
なおこの法律は印刷媒体には適用されません。

2月の国家開催中、安倍首相はインターネット広告代理店サイバーエージェントとテレビ朝日が運営しているライブ放送サービスであるアベマTVに出演しました(番組名と安倍首相の間には経済的なつながりなどはありません)。
安倍首相は出演している間、彼は提示されるべき反対意などがないまま、一方的に自分の主張だけを展開することを許されました。
「従来の放送メディアとデジタルメディアを区別することはもはや無意味です。公的資産である放送電波を最大限に活用するため、放送事業を大胆に見直すべきです。」
安倍首相はこう述べました。

しかし批評家は放送法の改変は安倍首相の支持を強化し、数多くの問題が指摘されている日本の平和憲法の改変を推進するために、安倍政権を支持する翼賛的放送の量を増やそうという邪まな意図に基づくものだとの批判を強めています。
安倍氏は今年9月におこなわれる自民党総裁選挙で3回目となる3年任期を獲得するものと期待していましたが、不当な便宜供与に関わるスキャンダルとが明るみにでた上、その事実の隠蔽工作への関与が疑われ、窮地に立たされています。

「安倍総理が望んでいることは、自分の見解を宣伝することだ」
野党希望の党の奥野総一郎議員がこう語りました。

 

日本ではテレビは依然として人気が高く信頼されている媒体です。
公共放送はNHK1局です。
日本政府が公開したデータによれば、平日に一般世帯がインターネットは100分未満、新聞購読は10分未満であるのに対して、テレビ視聴には168分を費やしています。
同じ調査によれば、70%の人々が新聞が提供する情報は信頼できると回答し、テレビを信頼できる媒体だと回答したのは66%でした。
がインターネットが信頼できる情報源であると回答したのは約34%の人々でした。

▽ 公正の原則

 

保守的な政治家は政権に対して批判的なテレビ放送局を攻撃するために、数年来放送法を利用してきました。
安倍首相と同政権の元総務大臣は、2016年にテレビ局が政治的に偏向した放送を繰り返していると、テレビ局の放送免許を取り消しが閉鎖に追い込む可能性に言及しました。
国境なき記者団は、安倍政権がメディアを弾圧する材料に使われかねないという批判が相次いだ特定秘密保護法を立法化したことについて厳しく批判しています。
日本は現在、国際基準の『報道の自由度』において、マラウイやハンガリーにも劣る72位にランクされています。

 

近年、安倍氏の政策を批判的に伝えていた有名なニュースキャスターが相次いで辞任に追い込まれた事実は、放送局に対する政治家からの圧力が強くなっているいるとの事実を裏打ちするものだと見られています。

武蔵大学でメディアと社会学の研究を指導している長田浩三氏がこう語りました。
「私たちは少し歪んだ状況に置かれています。現在日本において政府自身が『もっと自由が必要だ、この制限を撤廃しよう。』と言っているのです。」
しかし長田氏は放送法第4条が、テレビ放送が権力機構のプロパガンダ・マシン(宣伝の道具)として使われることを防ぐという、本来の目的に留意しなければならないと語りました。
「この法律の背景にある歴史的事実を理解することなく、第4条を都合よく改変することはあってはなりません。」

ほとんどの放送局は安倍首相の動きに反対しています。

日本商業放送協会会長であり、日本を代表する商業放送局TBSを運営するTBSホールディングス名誉会長である井上寛氏は、
「フェイク(偽りの)ニュースを扱うことは今や世界共通の社会問題になっており、バランスの取れた情報を提供するメディアの役割はかつてない程高いものになっています。」

 

https://www.nytimes.com/Japan's Abe Seeks to Remove 'Balance' Requirements in Broadcast News

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公正の原則より居直りの原則、居座りの原則、それが安倍政権、といったところでしょうか?

森友学園スキャンダルについて、国民の側にしてみれば何も明らかになっていないのに、そして安倍政権の退陣を求める声がこれほど高まっているのに、5月法変更のシナリオを明らかにするなどというのはどういう神経なのでしょうか?

しかしこのまま安倍首相の居座りを許せば、この先日本という国がどんなことになってしまうのか、明らかにされたという見方もできます。

一般市民は戦い続けるしかありません、でなければ民主主義や基本的人権について口にしたら『非国民』と罵られる日本になってしまうかもしれないのですから。

垂れ込めるスキャンダルの暗雲、安倍首相は振り払うことができるか?

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安倍首相は批判の矛先を『防波堤』である麻生財務大臣に集中させるつもり?

野党分裂 / 衆院選の投票率の低さ / 北朝鮮の核兵器・ミサイル開発の脅威 - あらゆる材料を動員した安倍政権支持率の回復

 

リンダ・ジーグ / ロイター 2018年3月20日

2012年の政権復帰以降、安倍晋三首相は夫人の昭恵氏が個人的に関係のある森友学園に国有地を売却した問題の疑惑の渦中にあり、現在最大の政治危機に直面しています。

 

安倍首相は、国有地が法外に安く森友学園に払い下げられた経緯に昭恵氏が関わったこと、そして一連の取引について記録した公文書を改ざんしたこと、そのいずれに対しても関与を否定しました。

 

そして政権が発足して以降、安倍政権を支えてきた一人である麻生財務大臣も、部下である財務省官僚が行なった記録文書の改ざんについて関与したことも責任をとることも否定しました。

しかし3月中旬に行われた世論調査では、安倍首相の支持率は31%まで低下したという結果が明らかになりました。

低下している支持率は、2018年9月に行われる自民党総裁選挙で3回目3年の任期の獲得という安部首相の期待を打ち砕く可能性もあります。

仮に安倍首相が勝利すれば、彼は日本の政治史上で最長の首相としての任期を手にすることになります。

以下、今後の『あり得るシナリオ』について検証した結果についてご紹介することにします。

▽ 安倍首相の支持率が回復し、自民党総裁としての任期を手中にした場合

 

昨年安倍首相(63歳)の支持率は森友学園への国有地払下げ問題や加計学園への便宜供与疑惑などによって著しい低下を経験しました。

その結果与党自民党は東京都議会選挙で歴史的な敗北を喫しました。
しかしその後の世論調査では安倍政権の支持率は回復し、野党の分裂と投票率の低さに助けられ、さらには北朝鮮の核兵器とミサイル開発の脅威に対して厳しい姿勢をとることにより、10月の衆議院の解散総選挙で3分の2という「圧倒的過半数」の議席を獲得しました。
もし森友問題においてこれ以上大きな事実が暴かれたり別のスキャンダルが明らかにならなければ、再び昨年と同じような展開になる可能性があります。

安部首相が外交問題において何らかの手腕を発揮すれば、その傾向は一層強まることになるでしょう。

 

さらに安倍首相は批判の矛先を辞任の意向について否定している麻生首相に集中させることを決心する可能性があります。

しかしそんなことをすればかえって一般市民の怒りを安倍首相に集中させる結果となり、麻生氏がその役割を担っている「防波堤」を失ってしまう可能性があります。

自民党の支持率が回復し、党内の支持者が態度を変えなければ安倍氏は自民党総裁として第3期目の任期を獲得し、2021年まで首相の座に座り続けることが可能です。

▽ 9月以前の辞職

 

安倍政権の支持率がさらに下がりそのまま回復しなければ、過去に首相を辞任した経験があり、二度とそんな目にはあいたくないと思っていても、9月に行われる自民党総裁選挙の投票前に辞任することを決心するかもしれません。

安部首相は2007年の第一次安倍内閣の発足後、閣僚の相次ぐスキャンダルと議会の機能停止により、自らの健康上の問題を理由に、首相就任後1年で辞職を余儀なくされました。

 

辞任することになれば、安倍首相は現在自民党の政策責任者を務めている岸田文夫元外務大臣(60歳)に政権を譲り渡そうとすると見られますが、その際、連立与党の公明党のバックアップに大きく依存しなければなりません。

この場合自民党は特別な形で総裁選挙を行なわなければならないでしょうが、一般党員を含めない形で国会議員だけの投票によって総裁を選ぶことになるでしょう。

この総裁選で選ばれるのは一般党員の間では一定の評価があるものの同僚議員の間ではあまり人気が無く、安部政権とはっきり距離を置いている石破茂元防衛大臣ではなく、どちらかといえば目立たない存在であり、安部首相のようなタカ派ではない岸田元外務大臣だと見られています。

岸田氏も石破氏も、日本の公的負債が膨み続けていることに懸念を表明している点は同じです。

▽ 9月までの任期を何とかこなしきった場合

 

影響力を失った安倍氏が右往左往迷走しながらも9月までの総裁任期を全うする可能性もあります。

その場合、石破茂元防衛大臣との激しいつばぜり合いに直面する可能性があります。

 

他のライバルたちも安部首相への挑戦を決心すれば、反安倍票が割れて、安倍氏が予想外の勝利を手にしてしまう可能性があります。

しかしそのような形で3期目を手に入れても、様々な点で問題視されている平和主義に基づく戦後憲法、平和憲法の改定や労働市場の規制緩和などの方針を思うように進められなくなる状況が考えられます。

 

通常の形で選挙が行われれば衆参両院の議員と一般党員の投票によって自民党総裁が決まることになりますが、その場合は石破茂元防衛大臣(61歳)の勝利の可能性が高くなります。

野田誠子総務大臣(57歳)も立候補の希望を表明していますが、勝利の可能性は低いとみられています。

 

https://uk.reuters.com/article/uk-japan-politics-scenarios/uncertainty-prevails-as-scandal-clouds-japan-abes-future-idUKKBN1GW10U

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今回の記事は翻訳していてさっぱり面白くありませんでしたが、解ったことは今私たちが目の当たりにしている安倍政権というものが史上最低の自民党によって支えられているということでした。

私の中では自民党イコール利益誘導というイメージがありますが、これほど低次元の腐敗・汚濁にまみれた政権運営は自民党といえど史上初めてなのではないでしょうか?

例えば大平正芳元首相とか、鯨岡兵輔氏とか、潔癖な姿勢とヒューマンな精神を持った保守政治家などはもういないということに痛恨の思いがします。

安倍氏が失脚しても「核兵器の装備を検討すべきである」と語っている石破氏が首相になったら、日本はもっと危ないことになってしまうような気がします。

しかしこのまま安倍政権が続けば、国際社会において日本人そのものへの評価が暴落するに違いありません。

腐敗については正す、そしてその後どうすべきなのかということも考えなければなりません。

【 安倍首相と昭恵夫人の不当便宜供与疑惑、自殺した財務省職員が残したメモで状況がさらに悪化 】

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所要時間 約 11分

「良識を壊されてしまった」職員、財務省の組織的指示により文書を改ざんしたと書き残して自殺

麻生財務大臣、自らの政治生命を守るためG20財務相会議を異例の欠席

 

ダニエル・ハースト / ガーディアン 2018年3月16日

安倍政権に留まらず今や日本政府全体を巻き込むスキャンダルに発展した不当便宜供与疑惑は、担当した財務省職員が記録を改ざんするよう強制されたというメモを残し自ら命を絶ったことにより、一層雲行きが怪しくなってきました。

 

日本の財務省は3月12日、安倍首相と昭恵夫人と個人的につながりのある人物が経営する国家主義的教育を行う教育機関に国有地を85%値引いて売却した事件を巡り、14点の文書を改ざんしたことを認めました。

改ざんは昨年初めに行われ、国会議員が土地の払い下げに関して利益誘導が無かったのかどうか調査を行うための資料として経緯を記録した公文書が提出される前に、安倍首相と昭恵夫人に関連する記述などが削除されました。

 

3月初旬、神戸市内の自宅で土地の払い下げを監督した現地財務省の関係者が死亡しているのが発見されました。

今の段階で、50代の初老のこの男性職員が今回の事件についてすべての責任を押し付けられるかもしれないと懸念を深めていることに関する詳細なメモを残していることが明らかになっています。

NHKの取材によるとこの職員は、上司から大阪の国有地売却に関する公式文書が『必要以上に詳細過ぎる』ため直接的に関わりの無い部分を変更するように指示されていたと語っていました。

この男性職員は単独で行動したのではなく、財務省の指示に沿って行動していたことも明らかにしたと一部では伝えられています。

 

自殺した職員の遺族は、「どのような事であっても不正をすることを嫌悪していた」誇り高い男性であったと語りました。

男性職員は昨年8月の時点で親戚に「精神的にも肉体的にも疲れ果てた」と語り、彼の「良識が壊されてしまった」と伝えていました。
毎日新聞の報道によれば、遺族は次のように語っています。

「すべての事実が明らかにされることを願っています。私は彼の死を無駄にしたくはありません。」

 

様々な分野から安倍政権に対する批判が噴出する中、麻生太郎副首相兼財務大臣は自らの政治生命を守るため、3月20日からアルゼンチンで開催されるG20財務相会議に出席しないことを決定しました。

麻生氏は自民党内の重要な派閥を率いる影の実力者であり、麻生氏が財務大臣として辞任を余儀なくされてしまえば、安部首相の支持基盤も危ういものになります。

安倍晋三首相は1年前、国有地が異常に安く払い下げられた事件に自分または夫人が関与していたということが証明されたら、首相の職も議員の職も退くと明言しましたが、3月14日彼は再び一切の関与を否定しました。

 

(タイトル写真 : 財務省による公文書改ざんの事実が公表された後、抗議のため首相官邸前に抗議のため集まった人々。)

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/23/shinzo-abe-wife-akie-accused-giving-cash-ultra-nationalist-school

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特定秘密保護法、共謀罪法、そして今度は放送規制全廃という『カネとチカラがあれば何でもできる』社会の実現に向けた安倍政権の取組は、どう見ても日本の民主主義制度の破壊につながっていくとしか思えません。

集団的自衛権の行使容認により、朝鮮半島で軍事衝突が起きた場合には日本の自衛隊が戦闘に加わらなければなくなることは必至( ニューヨークタイムズ http://kobajun.biz/?p=33221 )という状況の中で、もし自民党の思惑通りの憲法改定が実現してしまったら、もはや日本の平和主義は実質的に崩壊するでしょう。

それこそが安倍政権の狙いなのでしょうが、彼らは何のために日本の多額の国家予算と人的資源を軍事に投入させようとしているのでしょうか?

 

何度もご紹介しましたが、NHKで放映されたオリバー・ストーン監督の『もうひとつのアメリカ史』の中では、米国が『衛星国家』を意のままにしようとする際、CIAが巨額の現金を右翼などにばらまいて混乱状態を作りだし、社会に『秩序の回復』を求める機運を演出し、その中で別の政治勢力の台頭を促すという手法が紹介されていました。

『別の政治勢力』の背後には当然米国CIAがいることになります。

私が右翼の街宣車を見ていつも思うのは、バスを改造したあの街宣車はどう見積もっても1,000万円以上するだろうに、いったいどこから金が出ているのだろう?という事です。

日本で放送規制全廃などが実現したら、CIAなどの仕事はきわめてやりやすくなるに違いありません。

 

東日本大震災と福島第一原発の事故の後、民主党政権が崩壊し安倍政権がとってかわりました。

その後、日本の民主主義かどう変質したかは、この[星の金貨new]でご紹介した2,000件を超える海外メディアの記事に書かれてきました。

今ここで再び安部首相の『逃げ』を許したら、日本の国民は思ってもみなかった場所に連れて行かれる、そう考えるのは私一人ではないはずです。

 

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【 国有地不当廉売スキャンダル、追い詰められた安倍政権は部下の担当職員を攻撃 】
政治家からの圧力もないのに官僚が勝手に公文書を改ざんするなど、あまりにも不自然

 

AFP通信 / ガーディアン 2018年3月19日

日本の総理大臣は政権への支持率が急落し、手中にあった政治権力のタガが緩み続ける中、不当な便宜供与と事件の隠ぺい工作について反論しました。
安倍晋三首相は国会での答弁で、問題となっている国有地の売却に関する文書を改ざんするよう官僚に支持していないことを強調しました。
「私は決して文書の書き換えの指示はしていません。」

 

このスキャンダルは安部首相と首相夫人と親交があると主張する国家主義者である学校経営者に対し、2016年に国有地が売却された問題に関わるものです。
この売買においては国のトップとの交友関係により、市場価格を著しく下回る販売価格が設定されたと指摘されています。
この問題が初めて表面化したのは昨年の事ですが、売却を巡る手続きについて記録した公文書が改ざんされた事実が明るみに出て、スキャンダルとして再浮上することになりました。

 

野党の議員が公表したオリジナルの文書と改ざんされた後の文書を比較すると、安部首相に言及している部分が削除され、さらには安部昭恵夫人と麻生太郎財務大臣に関する複数の記述も削除されました。
麻生財務大臣は「ひと握りの官僚が独断でやったことだ。」と語り、改ざんは部下に責任があると主張しました。

しかし法政大学の政治学を専門にする山口二郎教授は、こうした説明について国民は「全く納得していない」と述べました。
「なぜその土地は割引価格で売られたのでしょうか? 政治家からの圧力がなければ、こんなことは決して起きないはずです。そのことに有権者は怒っているのです。」

山口教授はこう説明しました。

 

安倍晋三首相は「行政全体の信頼を揺るがしかねない」と事実関係を認め、「国民に深くおわびする」と繰り返し謝罪を口にしました。
朝日新聞が行った最新の世論調査によれば、 安倍政権への支持率は前月より13%低下し、31%にまで下がりました。
この数字は2012年末に安倍氏が再度首相の座に就いて以来、最低の支持率になりました。

別の調査では昨年10月に突然行われた衆議院解散総選挙以前から現在までの安倍内閣の業績について、評価しないという人々の数の方が初めて多くなりました。

 

2018年9月に予定されている自民党総裁選挙で3選を果たし、日本史上の最長の任期を実現しようとしている安倍首相ですが、政界のアナリストである山口教授はこのまま支持率が下落し続けると、来年の衆院選に先立ち与党内にも安倍首相は責任をとるべきだという雰囲気が広がる可能性があると語りました。

安倍首相は改ざん前の公文書を見ても、自らの手が清潔であることは明らかだと主張しました。
「改ざん前の文書を見ても、私や妻が国有地の売却や学校の承認に関与したという証拠がないことは明らかです。」

 

しかし野党側は、安倍首相に対しこの問題の責任をとって辞任するよう要求しています。
「これは閣僚全員が辞任すべきほど重大な問題です。」
参議院議員のなんば奨二氏はスキャンダルに対する安倍首相の関与に疑問を呈し、こう要求しました。
楽天証券の久保田雅之チーフ・ストラテジストは、安倍首相と麻生財務大臣の責任を問う「声が高まり続けている」と指摘しました。
「さまざまな世論調査で安倍内閣の支持率が急落しており、安倍政権の安定性は失われ、その基盤は揺らいでいます。」

 

https://www.theguardian.com/world/2018/mar/19/japan-shinzo-abe-land-sale-scandal

【 狡猾でしたたかな安倍首相の『逃げ』にご用心! 】

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所要時間 約 8分

森友問題の文書改ざんは「すべてひとにぎりの財務省官僚が勝手にやったことだ…」それが安倍政権の『見解』

安倍首相との個人的なつながり/ぶざまな悪質さ/自殺した財務省職員が書き残したメッセージ/……

 

エコノミスト 2018年3月15日

安倍首相という人物は、どうやら猫よりもさらにしたたかな習性を持っているようです。
(原文は has often appeared to have more lives than a cat. 英語には A cat has nine lives. 『猫は叩いたぐらいではなかなか死なない』という意味の諺があります)。

 

昨年も首相夫人である安倍昭恵氏と交友関係のある人物が経営する超国家主義教育機関である森友学園に対し、財務省の地方機関が国有地を常識はずれなほど安い価格で払い下げたスキャンダルも何とか切り抜けました。
スキャンダルの中身は - 安倍氏自身は否定していますが - 学校の建設予定地になった国有地が払い下げられた際、安倍首相との個人的なつながりを理由に法外な値引きが行われたというものです。

 

一度は乗り切ったはずのスキャンダルでしたが、そのぶざまな悪質さゆえにさらに形を変え、再び現れて安倍首相を悩ませることになりました。
麻生太郎財務大臣は3月12日、朝日新聞が伝えた自らが監督する財務省の職員が日本の国会に意図的に誤った情報を流したという報道内容が事実であることを確認しました。
昨年国会が森友学園の事件を調査していた時、財務省が国会に証拠として提出していた公文書のうち14件が改ざんされたことが明らかにされました。

財務省は、安倍昭恵首相夫人が新設される小学校について賞賛した発言をはじめ、夫人に関連する記述を複数の公文書から削除しました。
昭恵夫人は一時期この小学校の名誉校長に就いていましたが、昨年夏スキャンダル発覚後に辞任しました。
さらには改ざんされた文書からは、安倍首相、麻生大臣、森友学園の経営者である籠池康則氏の3人がいずれも、森友学園が信奉しているのと同じ類の国家主義を鼓吹する組織である日本会議に関連しているという記述も削除されました。
森友学園のカリキュラムには毎日天皇陛下の写真に頭を下げること、中国と韓国への蔑視、第二次世界大戦で日本が敗北するまで全国の子供たちに愛国教育を施すための教典である教育勅語の復活などが含まれます。

 

今回の問題について安倍政権は一方的に財務省を非難しています。
そして事件の責任は数名の財務省官僚にあるということを示唆しています。
このうちの1人はすでに辞任しました。
今のところ安倍首相や麻生氏が国有地を不当に安く払い下げることを支持した、あるいは国会で偽証するよう指示したという証拠は出ていません。

 

しかし日本では、直接口にしなくともボスが何を望んでいるか、そのためには自分が何をすべきか、それを配下が思い計って行動するということは別に珍しいことではありません。

今月初めに自殺した財務省の別の職員は、自分が文書を偽造するよう命ぜられたというメモを残していると伝えられています。
警察はこの点について確認も拒否もしていない状況です。

 

首相経験もある麻生財務大臣は、これまで引責辞任を拒否していますが、世論調査では日本人の71%は辞任するべきだと考えているという結果が出ています。
自民党の中には、安倍首相が今回の大疑獄の責任を負うべきだと言っている人もいます。
これ以上政権に対する支持率が下がれば、そうした意見が増えることになるでしょう。
安倍政権への支持率は先月から6ポイント下落しましたが、依然として45%の高い水準を維持しています。

 

昨年安倍首相は本人あるいは夫人が森友学園問題に直接介入したことが証明された場合には、首相はもちろん国会議員の職も辞任することを約束しました。

 

今年の秋自民党総裁として再選を目指している安倍氏にとって、このタイミングで森友問題が再度スキャンダルになりことのほか厄介なことになりました。
安倍氏の勝利はこれまでほぼ間違いのないものとみなされていました。
事実取り巻きの幹部連中はわざわざ安倍氏一人のために、自民党の3選ルールの変更までやってあげていました。

しかしこれまで自民党総裁の座を巡って安部氏に挑戦することをあきらめていた党内の派閥の領袖たちが、今やその考えを改めようとしているかもしれません。
もし麻生氏が安部首相夫妻への弾除けになって財務大臣の職を辞任するような事態にでもなれば、秋の総裁選で麻生氏は別の候補者の支持に回る可能性もあります。

 

安部首相はつい最近別の敗北を喫しました。
3月初旬、安倍政権は目玉にしていた働き方改革法案の根拠となるデータに欠陥がある事が解り、国会に提出していた法案の一部を撤回しなければなりませんでした。

 

今回国内の反対勢力がこのスキャンダルについて激しい追及を行っているのは、安倍政権のこれ以上の独走にストップをかけるためです。

たとえ今回の一連の騒動によって安部氏が心待ちにしている日本史上最長の任期を持つ首相になることを阻止できなかったとしても、日本国憲法から平和主義条項を削除するという何かと問題の多い目的はうまくいかない可能性があります。

ただし、ここでもう一度申し上げます。
安部氏はあなたが考えるよりはるかに狡猾でしたたかな人物であることをお忘れなく…。

 

https://www.economist.com/news/asia/21738926-finance-ministry-admits-it-misled-parliament-it-investigated-previous-claim-misconduct

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この記事の冒頭、猫好きの方や動物愛護という点であまり愉快でない思いをさせてしまったかもしれません。

しかし冒頭ご紹介したように、英語のことわざに係るものなのでご容赦ください。

翻訳の中身については、執筆者の意図をだいぶ忖度(そんたく)したつもりですが、趣旨と異なる部分があるかもしれません。

疑問に思われた方はエコノミストの原文(上記のURL)をご参照ください。

ちなみに今、忖度(そんたく)という言葉に相当する英単語は何か?ということが話題になっているようですが、この記事による答えは『 try to predict what one's boss might want 』でした。

【 安倍政権、森友文書改ざんで再再度窮地に 】

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所要時間 約 13分

スキャンダル騒ぎはもうたくさん、汚い話とは無関係なもっと謙虚な人物を日本の首相に!

何でも隠したがる上、傲慢かつ威圧的な日本の官僚主義

 

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 2018年3月12日

日本の安倍晋三首相は1年前、国有地が異常に安く払い下げられた事件に自分または夫人が関与していたということが証明されたら、首相の職も議員の職も退くと明言しました。

しかしこれまでそうした証拠が示されたことは無く、スキャンダルをやり過ごしながら権力を握り続けてきました。
しかし3月12日に発表された政府報告は、公文書からいくつかの重大な証拠が削除された可能性があることを示唆していました。

 

この事実は安部首相を再び批判の矢面に立たせることになりました。

財務省の内部調査は、氏名不詳の財務省の当局者が問題となっている土地取引に関連する公式文書を改ざんしたと結論づけました。

調査結果が明らかにされた直後から日本国内では大きな騒動が持ち上がり、政権に批判的な立場の人びとからは麻生太郎財務大臣の辞任を求める声が大きくなっています。

首相経験もある麻生財務大臣は3月12日の記者会見で、現職に留まり続けると述べました。

しかし政治解説者などは、今回の事実の暴露は実際に安倍政権にとって政治的に不利な現実を導き出すだろうと見ています。

ニューヨークに本拠を置く政治的リスク・コンサルタントであるテネオ・インテリジェンスのアナリストであるトビアス・ハリス氏は、

「これは安倍首相が思い描いている今後の大きく変えるものだ」

と語りました。

「安倍首相は3期連続で首相を務めなければならないと求めていますが、そのための基盤は雲散霧消しました。」

民間の極右的教育機関に対し国有地が不当に安く払い下げられた事件について、ごく一部の人間しか関わることが出来ない状況であり安倍首相と昭恵夫人の関係性が強く疑われてきましたが、両者ともこれまで1年以上に渡りそうした批判をそらし続けてきました。

野党の議員からは幅広い分野に対する捜査を繰り返し求められましたが、昨年の突然行われた衆議院の解散総選挙では一方的勝利を獲得し、首相として史上最長の任期を手に入れることが確実視されていました。

 

しかし財務省が3月12日月曜日、政権与党である自民党に対し80ページにわたる報告書を提出したことで、状況は一変しました。

財務省官僚が国有地売却に関する14件の文書を改ざんし、そうした趣旨の発言をしたはずだとこれまで疑いを持たれてきた安倍昭恵首相夫人の発言などが削除していたことが明らかになったのですこれに対し麻生財務大臣は、文書改ざんは限られた少数の官僚が行なったものだと示唆しました。
「文書の改ざんに関与したのは、財務省官僚の一部の人間だけです。」

麻生財務大臣は、今回の改ざんが財務省の一握りの官僚の手によるものだという事を示唆しました。

「財務省全体が関与しているわけではなく、一部の人間のせいで全省の信頼が失われるのは残念です。」

 

安部首相は、事実が公表された直後に謝罪しました。

「行政の長として、深くお詫び申し上げます。」

安部首相は調査によって「真実全体が明らかにされる」ことを望むとつけ加えました。

今回財務省が認めた事実の中で最も劇的なのは、安倍昭恵首相夫人に関連する記述を財務省官僚が削除したという点です。

そして幼稚園児に19世紀に作られた国家への奉仕を説く教育勅語を復唱させ、他で使われている教科書に掲載されている第二次世界大戦(太平洋戦争)中のアジア各国における残虐行為に関する記述により大日本帝国の本当の姿が歪められている、そう教育していた森友学園の経営陣と財務省の官僚が会合を重ねていたという記述も削除されていました。

 

削除された記述によれば森友学園側は、安倍昭恵首相夫人が一時名誉校長の地位に就いていた小学校を新しく建設する予定だった土地について、「良い土地ですから、話を前に進めてください。」と語ったと大阪の財務省当局者に伝えていました。

大阪市は現在全国で3番目に人口の多い都市です。

報告書によると財務省当局者は、土地の売却文書からいくつかの自民党議員の名前を削除しただけでなく、安倍首相を始めとする有力な保守系政治家が所属し、大きな影響力を持つ保守系圧力団体である日本会議に関わる記述も削除していました。

 

 

記者会見で麻生財務大臣は、財務省官僚が書類の改ざんを行ったのは昨年の2月から4月の間であったことも明らかにしました。

昨年2月、安倍晋三首相は1年前、国有地が異常に安く払い下げられた事件に自分または夫人が関与していたということが証明されたら、辞任すると明言していました。

記者たちは麻生財務大臣に対し、財務省の官僚たちは安部首相の立場を守るために改ざんに踏み切ったのかを尋ねると、自分の知る限りにおいて安部首相自身はこの件に一切関わっていないと答えました。

 

先週、土地売却を監督した財務省理財局の元局長だった佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官が辞職しました。

さらに今月初め、土地売却を担当していた大阪の出先機関の財務省職員が自殺しました。

 

野党の議員たちは問題の国有地払下げ問題について、関与していないという安倍首相の発言に長い間疑問を持ち続けてきました。

しかし財務省における甲状腺がん文書の改ざんが明らかにされたことで安部首相自身が率いる与党内にも、官僚が独自の判断で改ざんに及んだという説明に疑問を持つようになりました。
日経新聞の報道によれば小泉純一郎元首相の後継者で将来の自民党のリーダー候補の一人と目される小泉進次郎氏は、「トカゲのしっぽ切り」と批判しました。

「改ざんが事実なら、ありのままを国民に伝える必要があります。」

小泉氏がこう語りました。

「単に行政上の手続きという問題でなく、すべての政治に影響を及ぼす問題として取り上げなければなりません。」

 

また、自民党内の安部氏のライバルのひとりである石破茂氏は3月11日に行ったスピーチの中で、次のように語りました。

「財務省の官僚が政治家からの支持が無いまま、公文書を改ざんするという権限を持っているとは考えられません。」

「誰がこれを行ったかを明らかにしない限り、自民党自体に対する信頼が揺らぐことになるでしょう。」

日本国内の報道によると、文書改ざんが行われた可能性が取りざたされて以降、世論調査では安倍首相に対する支持率は低下していると見られます。

読売新聞が週末に行った世論調査では、安倍首相への支持率は5カ月ぶりに50%を下回りました。

そして回答者のうち80%の人々が安倍政権は一連の疑惑に適切に対応していないと答えました。

 

アナリストらによればトランプ政権が打ち出した鉄鋼製品やアルミニウムに対する高関税の付加対象から日本を除外するよう求める交渉や、北朝鮮のキム・ジョンウン委員長との直接会談を目指すことを表明したトランプ政権と日本の外交政策の今後の展開によっても、安倍首相への支持率は下がる可能性があります。

 

法政大学の政治学教授である山口二郎氏は、次のように語りました。

「今回の事件によって日本の国政に対する信頼や安倍政権の威信は大幅に低下することになるでしょう。」
安倍首相に対し批判的な立場の人々は、正確な事実に関する情報開示がまるでためらうようにゆっくりとしか進まない状況について、日本の報道機関の腰の弱さと日本政府の官僚制が持つ保守的傾向のを象徴するものだと語りました。

上智大学の政治学者である中野晃一教授は日本の官僚主義についてこう語りました。

「何でも隠したがる上、傲慢かつ威圧的です。」

 

中野教授は野党が分裂状態だったため、安倍首相の政治姿勢に掣肘を加える程の力を持つことが出来なかったことを付け加えました。

アナリストはスキャンダルが繰り返されたことによるダメージは、必然的に安倍首相とその政治的プロパガンダを徐々に弱らせていくことになるだろうと語りました。

安部首相が最も重要視してきた長期目標は、日本国憲法における平和主義条項を改変する事です。

その目標も見通したが立たなくなってきています。

 

たとえ安倍首相が辞任を回避できたとしても、9月の自民党総裁選挙における再選の可能性は低下しています。
テネオ・インテリジェンスのトビアス・ハリス氏は

「安部首相自身が関与したという明確な証拠がなければ、辞任を余儀なくされるまで追いつめられるという状況は今のところ考えにくいと思います。」

と語り、次のようにつけ加えました。

「しかし9月に行われる自民党の総裁選挙については、これだけのことが繰り返されればもうたくさんだという気分があると思います。自民党内ではおそらくこんな会話が交わされているのではないでしょうか?

『こんなハラハラさせられる展開も、これ以上のスキャンダル騒ぎももうたくさんだ。そろそろもっと控えめで、汚い話とは関係ない人物を党首に据えようじゃないか?』

自民党内はそんな気分になっているのではないでしょうか?」

 

https://www.nytimes.com/2018/03/12/world/asia/shinzo-abe-japan-scandal

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この問題に関する3月19日付の朝刊に掲載された共同通信社のアンケート結果を見て驚いたのは、安倍内閣の支持率がまだ38パーセントある、ということです。この種のアンケートについてはサンプルの抽出方法に多少の疑問がありますが(電話番号を機械的に純粋にランダムに発生させたら、必然的に人口の多い都市部が軽視される結果になりますね)、それでもこの数字は安倍政権以前の歴代の『不人気』な内閣のそれと大差ありません。

さらに安倍首相が辞職する必要はない、と回答したのは約48パーセントに上っています。

ということは、今回のこの事件が民主主義制度の根幹を揺るがす近代民主主義国家にはあってはならない事件であり、ましてそれに一国の首相や権力中枢が関わっている疑いを持たれた以上、もはやそのような政権の存続は許されない、という意識を5割近い日本国民は持っていないということになります。

 

ここからは私見ですが、戦前同様「お国のためだ」と強権的に要求されたら抵抗できない(あるいはするつもりのない)国民が5割近くいるということになります。

「今の政権はおかしい。政策に恣意的な歪曲が多すぎる上、国民の基本的人権を侵そうという意図が透けて見える。今すぐそうならなくとも、戦前同様国民の生命すら軽視する危険な強権国家に続く道を開こうとしている。それは決して許してはならない。」

今私たちに必要なのは寛容ではなく、こうした危機感だと思うのですが…

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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