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【 死んでいくロボット・潰え去る希望・福島第一原発事故から6年・衝撃の現実 】《前篇》

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所要時間 約 13分

「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」廃炉スケジュール

『これまでの理解を超える』規模の汚染と過酷な作業、破壊された原子炉内部の探査・3号機は不可能

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月9日

 

やっと5回目にたどり着いたリモコンロボット・スコーピオンの任務が結局は失敗に終わったことを、福島第一原発の技術者たちが認めました。

遠隔操作のためのケーブルの先につながれた1台の最新ロボットが破壊された原子炉の中心部に送り込まれましたが、結局は操作不能に陥り、放棄されることになりました。

このロボットによる原子炉内部の状況調査は、6年前に3基の原子炉がメルトダウンした際に生成されたと思われる核燃料デブリにその行く手を遮られることになったのです。

 

先月2台のカメラと放射線濃度の測定装置を備えた長さが60cmの東芝製ロボットが溶け落ちた燃料の正確な位置と状態を確認する調査に失敗し、原子炉内に放棄されましたが、東京電力は今後さらに別の調査を計画していることを明らかにすることで、今回の失敗がさほど深刻なものではないと印象付けようとしました。

たとえ今回行われた調査が失敗に終わったとしても

「私たちが最終的に各燃料デブリを取り除く方法を決定する際に役立つ価値ある情報を入手することができました。」

と東京電力はコメントしました。

 

しかし10時間の耐用時間があったはずのスコーピオン調査ロボットが、わずか2時間で操作不能に陥ったという事実は、福島第一原発の事故収束・廃炉作業が、どれ程スケールが大きなものであるか、そしてどれ程困難な作業を要するものであるかをはっきりさせました。

専門家の1人は、前例の無い困難さについて次のように発言しました。

「ほとんど想像を絶するほどのものです。」

 

最近日本の経済産業省が行なった試算では、2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、3基の原子炉でメルトダウンが発生するというチェルノブイリ以来世界最悪の規模の原子力発電所事故現場では、30年から40年の事故収束・廃炉作業が必要とされ、その費用は21兆.5,000億円に上ると推定されました。

原発事故の被災者に対する補償金も含めたこの金額は、3年前に行われた試算と比較するとほぼ倍になっています。

 

3.11の津波は主に福島第一原発の北側で約19,000人の命を奪い、原子力発電所周辺で暮らしていた160,000の人々は自宅を捨てての避難を強制されることになりました。

それから6年が経過した今、政府当局が安全だと判断を下した場所に元手って暮らす人々はごく少数に留まっています。

 

福島第一原発の破壊された原子炉内の最も危険な各場所に到達し、必要な情報をすべて手に入れるだけの時間充分に機能するロボットを開発する能力は、東京電力にはほとんど期待できないことが証明されています。

折り畳み式のカメラ装着アームを装備していることからスコーピオンと呼ばれる調査ロボットは、原子炉圧力容器の下部でレール沿いに進むことが出来なくなった後、核燃料デブリやそこにあった他の破片によって『死んで』しまいました。

 

このロボットも、これまで投入されてきたロボットも、目に見えない敵によって『死』に至らしめられた可能性があります。

放射線です。

 

放棄される直前、スコーピオンに装着されていた線量計は、原子炉2号機の格納容器内の放射線量が1時間あたり250シーベルトに達していることを示していました。

同じ地点で過去に実施された遠隔操作装置による線量調査では、1分以内に人間が死亡する1時間あたり650シーベルト相当する放射線量が測定されていました。

 

福島第一原発の内田俊志所長は溶け落ちた核燃料の状態について、東京電力が把握している情報が「限られた」ものでしかないことを認めました。

「前回のロボットによる調査もうまくいかず、これまで私たちは原子炉内部の状態については何とか覗き見ることができたという程度の情報しか得ていません。」

ガーディアンを始めとする内外の記者団が行なった最新の福島第一原発への訪問取材において、内田俊志所長はこう語りました。

「しかし現段階では、他の調査方法を考案することは不可能なのです。」

 

遠隔操作ロボットによる調査がうまくいっていないという問題とは別に、調査が始まった原子炉2号機と比べると1号機と3号機の放射線量はさらに高く、現在調査には手をつけられない状態にあります。

数週間の後に小型の防水ロボットを原子炉1号機の内部調査に投入する計画がありますが、さらに損傷の激しい3号機については計画すら立てられない状況にあります。

 

升田尚宏東京電力福島第一廃炉推進カンパニープレジデントは、実際に溶け落ちた核燃料の除去方法を決定するには、もっとたくさんの原子炉内部に関する情報を欲しいと語りました。

 

こうした深刻な障害について解決の見通しが立たない状況の中、東京電力は事故発生から10年後にあたる2021年に溶け落ちた核燃の除去作業を開始すると主張しています。

しかしグリーンピース・ドイツの上席の原子力専門家であり、現在日本に活動の拠点を置いているショーン・バーニー氏は、この作業を行なわなければならない東京電力は「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況に置かれていると語り、東京電力が公表している事故収束・廃炉作業のスケジュールについても、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」ものであると付け加えました。

 

〈後篇に続く〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/09/fukushima-nuclear-cleanup-falters-six-years-after-tsunami

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電子版の週間ダイヤモンドに『廃炉について、デマと誤報を乗り越えるための4つの論点』という社会学者の記事が連載され、悲観的な展望ばかりを拡散しているとして、ここでご紹介しているような『海外メディア』の記事が批判されています。

取組を続ければいつかは何とかなる、という論調ですが、決定的に不足している観点があると思います。

それは2012年10月にご紹介した【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】の記事の中、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセン氏が指摘した『事故現場から核燃料を取り出すことが出来たとして、それをどこに持っていくのか?』という問題です。

 

現在の原子力工学が放射性物質を『無毒化』することが出来ない以上、この単位時間当たりいったいどのくらいの放射線を放出しているのか、そして1~3号機併せてどれ程の質量になっているのか、現段階では確認しようのない核燃料デブリ、これを安全・確実に保管する場所と技術が必要なはずです。

他県がその持ち込みを容認するはずもなく、福島の人々は核燃料の取り出しが成功したら、今度はこの問題に苦しまなければなりません。

 

福島第一原発で事故を起こしたのは日本人であり、事故の規模とその影響の大きさから考えて、これは日本全体の問題のはずであり、自分が受けた影響は軽微だからといって福島の人びとだけに重荷を押しつけるわけにはいかないはずです。

だからこそ私たち日本人全員がこの問題に正面から向き合い続ける必要があります。

大勢の人間が向き合えば多種多様の意見や感想が出るのは当たり前であり、それに対し『騒ぎ過ぎは非国民・悲観論を煽るのは非国民』とばかりに、全体主義的論調でそれを抑え込もうとするのは不当だといわなければなりません。

必要なのは悲観論から楽観論まで、その両方の科学的尺度を日本人全員で検証し続けることだと思います。

そうしなければ、被災させられてしまった人々に本当の未来はありません。

 

被災した人々と地域への配慮を欠いた記事が国内メディアに繰り返し登場する以上、私は『海外メディア』の記事の紹介を止めるわけにはいかないと思っています。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《10》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

クロード・モネ(フランス: 1840–1926)作[ヴェタイユの夏]油彩、1880。

ヴェタイユはパリの西北、セーヌ川東側にありますが、この絵はその対岸からの風景画です。

個々のタッチの揺らぎには、光と色彩を正確にキャンバスの上に表現しようとしたモネの工夫が見てとれます。

しかし正確な表現を目指したモネのこの手法は皮肉にも後に抽象的表現へと発展することになりました。

実際この絵の上の無数のタッチは、見るものに溶けるような印象を与えています。(写真上)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437111?pos=19&pg=1&rpp=20&offset=0&rndkey=20170312&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

 

ポール・ゴーギャン(フランス: 1840–1926)作[イア・オラナ・マリア(アヴェ・マリア)]油彩、1880。

1892年3月の本人の手紙には、ポリネシアで数多くの作品を書き上げたゴーギャンは、その第一号としてキリスト教的題材として取り上たことが印されています。

右側の女性は聖母マリア、肩の上にいるのは幼いイエス・キリストです。

「腰を民族衣装で覆っただけの女性2人の左側には黄色い翼を持った天使の姿があります。

背景には目だたないように暗い色彩の山、花を咲かせた木々を配しました。紫色の小道とエメラルド・グリーンの前景、左手前にはバナナの木を配しました。満足できる出来栄えだと思っています。」

 

ゴーギャンはこうした作品について、所有していたジャワのボロブドゥール遺跡の写真に多くの啓示を得ていました。(写真下)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438821

 

【 衝撃の教育内容 – 日本のウルトラ国家主義幼稚園 】

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所要時間 約 5分

否定しきれるのか?安倍内閣と森友学園のつながり

国家主義的主戦論を唱える私立の教育機関に対し、日本政府がまるで後援するような対応

 

エコノミスト 2017年3月4日

 

塚本幼稚園の園児たちは毎朝軍歌に合わせて小さな足で力強く地面を蹴り、天皇陛下の写真の前で丁寧にお辞儀をし、国を守るために勇気を奮うと誓います。

そして幼稚園の行事がある度、3歳4歳5歳の子どもたちは見守る両親たちに向って、外国の脅威から日本を防衛しようと呼びかけます。

 

塚本幼稚園の園児たちの曾祖父母の世代は、かつてこれとよく似た教育を受けさせられました。

しかし第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦により、戦後日本国内の学校では国家主義的教育はすっかり影をひそめました。

 

つい最近までほとんどの日本人は、今どきまさか国家主義的主戦論を唱える私立の教育機関があろうとは思ってもみませんでした。

さらにそうした教育機関を日本政府がまるで後援するような対応をとっていたことを知り、国民の驚きは一層大きなものになっています。

 

昨年、塚本幼稚園を経営している森友学園は大阪にある国有地を市場価格のわずか14%という法外な価格で手に入れました。

そして幼稚園と同様、ウルトラ国家主義の普及を実現普及させるための小学校の建設を始めました。

そして小学校建設の資金獲得のための寄付を求めた際、森友学園は安倍晋三首相の名前を引き合いに出したのです。

首相夫人の昭恵氏は塚本幼稚園でスピーチをした経験があり、建設予定の小学校の名誉校長に指名されました。

 

また稲田朋美防衛大臣は、海上自衛隊の戦闘用艦艇がドック入りをする際、塚本幼稚園の園児たちが歓迎のセレモニーに参加して隊員の士気の向上に貢献したとして、感謝状を贈りました。

 

安部首相は今回の土地不正譲渡疑惑についていかなる関与も否定しており、それ以外の事実が証明された場合には首相を辞任すると語りました。

安部首相は自身と夫人は本人の意思に反して、森友学園の籠池理事長の一方的な動きにより幼稚園の後援者にされ、今回の疑惑に巻き込まれたと主張しています。

安部首相は「再三に渡ってお断りしたにもかかわらず、籠池氏はそれに応じず」、小学校建設資金の寄付金集めのために名前を使用されたと主張しています。

 

しかし安倍首相は過去に森友学園の教育方針について、「賞賛に値する情熱」を持って教育に取り組み、しかも「よく似た考え方」を共有していると賞賛していました。

しかし詳細な調査が進むにつれ、首相側、学園側の双方に事実を書き換えようとする動きが出てきました。

安部首相と稲田防衛大臣に関連する記述一切が塚本幼稚園のウェブサイトからいつの間にかきれいさっぱり姿を消しました。

 

塚本幼稚園はヘイトスピーチを禁止する法律の下での調査をされたことがあります。

塚本幼稚園は保護者のもとに中国人の侮蔑的表現である『支那人』という単語を用いた文書を配布したことがありました。

教頭を務める籠池氏の夫人は在日韓国人であるとされた母親のひとりに、自分は差別したことは無いが、『韓国朝鮮人と中国人を嫌悪している』と書いた手紙を送りつけました。

 

森友学園は現在、安倍首相と同様、きわめてあいまいな態度に終始しています。

大阪府の当局は、建設が完了しても、小学校の開設許可が下りない可能性があると語っています。入学申込者も予想を下回る状態が続いています。

この小学校は当初安倍晋三記念小学校と命名される予定でしたが、様々ないきさつにより、瑞穂の国小学校に校名を変更しなければならなくなりました。

 

http://www.economist.com/news/asia/21717996-embarrassingly-it-has-links-prime-minister-ultranationalist-kindergarten-japan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 安倍首相の最長任期実現に向け道を開いた自民党 】

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所要時間 約 8分

平和憲法・民主憲法の破却に向け、具体的に動き出した自民党

成果に乏しいアベノミクスへの不満、森友学園スキャンダルへの疑念が拡大を続ける中

 

アルジャジーラ 2017年3月6日

 

日本の政権与党自民党の議員たちは現在の安倍首相の任期が切れる2018年に、さらにもう一期、第3期の首相就任を可能にする自民党総裁の任期延長を票決しました。

日本の与党は自民党総裁の任期制限を延長したことにより、安倍晋三首相の戦後最長の首相としての記録実現に向け、道を開くことになりました。

 

3月5日に開催された政権与党の自由民主党大会において、これまで3年間の就任期間を2期連続としていた党総裁任期の制限を、3年間の任期を3期連続にまで延長する提案が行なわれ、可決承認されました。

これで安倍首相は2018年に行われる予定の自民党総裁選挙での3選が可能になりました。

 

もし次回の総裁選挙で勝利し、自民党が国政選挙での勝利を続けることが出来れば、安倍首相は2021年9月まで首相の座に座り続けることが可能になります。

これまでの総裁任期の下では、たとえ自民党がまだ政権与党であり続けても、安倍首相は2018年9月に党幹部と首相を辞任しなければなりませんでした。

 

戦後最も長く首相の座に座り続けたのは1964年11月から1972年7月まで日本の首相を務めた佐藤栄作氏です。

現在62歳の安倍首相は2007年に約1年間首相の座にありましたが、参議選挙での歴史的な敗北の後辞任しました。

野党であった3年間の後、2012年12月に自民党が政権の座に返り咲くと同時に、安倍氏は首相に就任しました。

 

就任してまず打ちだしたのが、日本経済の成長戦略『アベノミクス』でした。

その中身は大規模な金融緩和策、多額の財政支出、そしてあらゆる分野の官僚主義を改めさせる構造改革を組み合わせたものでした。

しかし5年が経った今も日本経済の足取りは危うく、目標とされた2%のインフレ達成も実現されないままです。

 

一方で自民党は『憲法改正提案に向けた実務的な手続きを開始する』政策方針を採用しました。

自民党はこれまで長い間、本当の意味での国の防衛以外の軍事力の行使を厳しく制限する日本国憲法の改定を党是としてきました。

日本が第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗戦した後、占領軍として統治していたアメリカ軍の下で1947年に公布されたのが現在の日本国憲法です。

 

しかし現在安倍首相は、国有地を不当に安い価格で取得した嫌疑をかけられている私立の小学校と昭恵夫人との関係を指摘され、日本国内で様々な論争に発展しています。

現在開校の準備が進められているこの小学校は、実勢価格からかけ離れた安い価格で売却された国有地に建設中ですが、短期間とはいえ、昭恵夫人はこの小学校の名誉校長に就任していました。

 

http://www.aljazeera.com/news/2017/03/abe-japan-longest-serving-premier-170305094653989.htm

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私の中では、自民党は総裁ではなく総統を作ろうとしているのだという危機感が大きくなっています。

ワイマール共和国の首相であったはずのヒトラーは、いつの間にかドイツ第三帝国の総統になり、国民の生殺与奪の権利まで握ってしまいました。

無謀な戦争で多くの国民が殺された記憶は、現在の日本において平和憲法を否定する姿勢につながります。

在日朝鮮韓国人を差別する教育機関とのつながりは、ユダヤ人の大量虐殺を思い出させます。

70年以上も前のあの第二次世界大戦(太平洋戦争)で、こうしたことには全世界の人間がほとほと懲りたはずではなかったでしょうか?

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《9》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

カミーユ・ピサロ(フランス: 1830-1903)作[2人の若い農婦]油彩、1891-92。

印象派の画家の中で最年長者であったピサロは温厚な性格から画家仲間の信望が厚く、ゴッホやセザンヌらの若い世代の画家を大いに励ましていたと言われています。

ピサロは1885年頃から90年まで、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックの影響で点描画法を試みています。しかし晩年はパリ郊外のエラニーに住み、描くのに時間がかかり感情に追いつけないとして点描法を放棄し、風景だけでなくピョートル・クロポトキンらのアナキズムの影響を受け、農村を舞台にした人物画を多く描くようになりました。(Wikipediaを参照)(写真上)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437304?sortBy=Relevance&deptids=11&when=A.D.+1800-1900&ft=*&offset=0&rpp=20&pos=5

 

ポール・セザンヌ(フランス: 1839-1906)作[エスタックからのマルセイユ湾の眺め]油彩、1885。

セザンヌは1876年にピサロに漁村だったエスタックについて熱心にこう語りました。

「そこはまるで絵のような眺めの場所。青い海の上に散らばる赤い屋根。輝く太陽が映し出すそこにあるものの輪郭は白黒でだけでなく、青、赤、茶やバイオレットで描かれていると思えるほど、素晴らしい場所です。」

セザンヌはこの後10年間で約20点、エスタックを題材にした作品を描きました。

さらにエスタックからマルセイユ湾を遠望する風景画も12点制作しました。(写真下)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/435872?pos=7&pg=1&rpp=20&offset=0&rndkey=20170308&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

【「汚染された場所で暮らせ…」福島の被災者たちへの圧力 – グリーンピースが告発 】《後篇》

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所要時間 約 10分

原発難民にされた人々にさらなる犠牲を強いてでも、原発に対する一般市民の信頼を回復させたい日本政府

原発事故の影響について責任をとるべきなのは帰還をためらう被災者ではなく、事故を起こした電力会社

 

メラニー・ホール / ドイチェ・ヴェレ 2017年2月21日

 

▽汚染された状態を当たり前と思わせる企み?

 

グリーンピース・ジャパンは日本政府を次のように批判しました。

「2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故が発生したことにより、福島県内は広範囲にわたり放射能によって深刻に汚染されました。しかしそのわずか数年後、日本政府は地域社会が再建され人々がかつてと変わらない生活を営むことが可能になったという神話を広め、原発事故後の異常で危険な状況を日常化しようとしています。」

「そうすることで、原子力発電に対する一般市民の抵抗が時間の経過とともに薄れていくことを期待しているのです。」

 

さらにグリーンピースは、人々がかつて住んでいた場所に帰還すべきかどうか決めかねている人々の重要な質問を、日本政府が未回答のまま放置しているとして、厳しく批判しました。

放射線被ばくは1年間の被ばく線量だけを問題にすべきではなく、数十年という言う単位、あるいは一生涯の累積線量を問題にすべきだと指摘しました。

 

グリーンピースは日本政府が、原発難民になった人々にさらなる犠牲を強いてでも、原子力発電に対する一般市民の信頼を回復させたいと願っています。

「これまで日本政府は一年単位の年間被ばく線量ばかりを言い続け来ました。しかし汚染された場所で暮らし続けるという事であれば、一生涯の間にどれだけの量の被ばくをすることになるのか明らかにしなければなりません。日本政府はこの点に触れようとしていないのです。」

 

グリーンピース2011年以降福島県内各所の放射線量の測定調査を行ってきましたが、飯舘村では2016年11月に最新の調査を行いました。

その結果もしこれから70年間飯舘村で生活した場合の累積被ばく線量が39ミリシーベルト(mSv)から183mSvなることが解りました。

この累積量には2011年3月の福島第一原発事故発生からこれまで、それぞれの人が被ばくした線量、およびこれから被災地以外で生活した場合に受ける自然界その他の被ばく線量は加算されていません。

 

これから70年間飯舘村で生活した場合の累積被ばく線量の平均の値は、国際放射線防護委員会(ICRP)が決めた年次被ばく線量の安全基準を上回ることになります。

 

国際放射線防護委員会は、1年間の被ばく線量を1mSv以内に留めるべきだとしています。

グリーンピースは次のような見解を示しました。

「放射線科学の見地から言って飯舘村におけるきわめて複雑で、しかも緊急事態と言うべき放射線量の高さと、どの場所にどのような危険が潜んでいるかわからない実情を考えれば、福島県飯舘村へ帰還しても、通常の生活を営むことは不可能です。」

 

そしてグリーンピースは日本政府が現在行っている避難民の帰還政策をやめるように求めています。

そして原発難民となった人々に対し万全の財政援助を行い、

「一般住民の帰還を暗に強制するがごとき社会的圧力、財政的圧力をかけることを止め、帰るか帰らないかは住民自身の選択に任せるよう」

要求しました。

 

グリーンピースによれば「飯舘村の6,000人のかつての住民たちは、今や不安と混乱の中に追い詰められて」います。

 

グリーンピース・ドイツのメンバーで原子物理学者であり放射線科学の専門家でもあるハインツ・スミタル博士は、飯舘村で測定調査を行ってきた専門チームの一員です。

博士はドイチェ・ヴェレの取材に対し、飯舘村の住民たちは今非常に困難な状況に置かれていると語りました。

「飯舘村で暮す事を諦めどこかほかの場所で生活を再建する決心をしても、財政的にまったく立ちいかなくなります。しかも村以外の場所では『もう戻ることが出来るのに、あなたは戻ろうとしない。』と非難され、受け入れを拒否される可能性もあります。どこかほかの場所を探せと言われ、追い立てられてしまうことになります。」

「戻った人々も困難に直面することになります。農地が汚染されたままなのに、どうやって農業で生計を立てることが出来るのでしょうか?」

 

スミタル博士は人々の意思決定プロセスに日本政府が介入している実情を踏まえ、政府が『生活環境が正常な状態に回復した』というイメージ作りを止めるよう求めました。

「原発難民にされてしまった人々は、自ら進んで何か間違ったことをしたわけではないのです。そうした人々にそのような状況を強いることは人権の侵害です。原子力発電所が引き起こした数々の損害に責任を持たなければならないのは原発難民にされてしまった人々ではなく、原発事故を引き起こした電力会社です。」

スミタル博士がこう語りました。

「原発事故の被災地にされた場所で暮らしていた人々の財産、そして生活や文化が深刻な損害を被ったことは明らかです。しかし日本政府はその重い現実をきちんと受け止めようとしていません。」

 

〈 完 〉

http://www.dw.com/en/fukushima-nuclear-disaster-evacuees-pressured-to-return-to-contaminated-homes-says-greenpeace/a-37639353

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「原発事故の影響について責任をとるべきなのは帰還をためらう被災者ではなく、事故を起こした電力会社」

こういう当たり前のことがないがしろにされることが、私は非常に問題だと思っています。

いくら日本政府や政府系メディアの扇動があったとしても、家を失った人々に対しいじめに近い感覚を持つという事を深刻に恥じなければなりません。

自分が今持っているものをすべて奪われたら、

そしてその補償も不確実だという現実に直面させられたら、

さらには放射能汚染が常態化している場所で生活するよう圧力をかけられたら、

人間は何を思うでしょうか?

 

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推敲中の森友学園疑惑をとりあげたエコノミストの記事を9日午前誤ってアップしてしまいましたが、完全原稿にした上で後日改めてご紹介致します。

手違いがあり、お詫び申し上げます。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《8》

 

米国NBCニュース 2017年2月14日

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(スペイン:1746 - 1828)作[ドン・マヌエル・オソーリオ・マンリケ・デ・スニガ]油彩、1787-88

ゴヤが1786年にカルロス3世の宮廷画家に任命された直後に、アルタミラ伯爵が1784年に生まれたばかりの息子をはじめとする家族の肖像画をゴヤに依頼したと考えられています。

美しく着飾った子供が中世以降ペットとして好まれたカササギをつなぐひもを手に持っています。背景には、3匹の猫が目をいっぱいに見開き、いまにも飛びかかりそうにこの鳥を見つめています。(写真上)

 

エドガー・ドガ(フランス:1834 - 1917)作[バレエのレッスン]油彩、1874

当時有名なバレエの指導者だったジュールズ・ペロのレッスンを受ける24人の女性たちの姿を描いた作品です。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

【「汚染された場所で暮らせ…」福島の被災者たちへの圧力 – グリーンピースが告発 】《前編》

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所要時間 約 7分

国際的には、人間に深刻な問題が発生する恐れがある放射能レベル、そこに戻って暮らせと要求する日本政府

福島第一原発の北西部は「避難区域として居住が許されないチェルノブイリの30km圏内と同レベルの汚染」

 

メラニー・ホール/ドイチェ・ヴェレ 2017年2月21日

 

福島第一原発の事故により放射能によって汚染された地域から避難した住民たちが今、かつて暮していた地域の汚染が未だ国際的なガイドラインを上回っているにも関わらず、帰還することを強制されている事実を、グリーンピースが告発しました。

2011年3月の福島第一原発の事故発生以降初めて、今年3月末日をもつて現状誰も住む者の無い無人の村になっている福島県飯舘村に、住民の帰還が認められることになりました。

この日を期し、日本政府が避難命令を解除することになっています。

 

しかし環境保護に取り組むグリーンピースによれば、果たして多くの人々は本当に帰還することを望んでいるのかどうかは明らかではありません。

 

グリーンピースによれば、飯舘村で実施された線量測定の結果、これまで除染作業が続けられてきたにも関わらず放射線量は未だ危険な程に高いままです。

しかし政府が補償してきた財政援助が避難命令の解除を機に打ち切られることになっており、原発事故の避難民たちには実質的に帰還を求める圧力がかかっています。

 

政府の財政援助に頼って生活を支える一方、汚染地域内の自宅への帰還を拒否している人々は、ジレンマに直面させられています。

同地域に再び生活することが可能になったとする安全宣言が行なわれてから1年が経ち、この地域の原発難民の人々に対する日本政府の補償が打ち切られるのは間もなくです。

 

▽『チェルノブイリに相当する』放射線量

 

福島第一原子力発電所が事故を起こしたことにより160,000以上の人々が自宅を追われ、避難生活を強いられることになりました。

事故後6年という歳月が経過したにもかかわらず、未だに居住環境が劣悪な仮設住宅での暮らしを強いられている被災者も未だ数万人に上ります。

 

約6,000人の住民すべてが避難しなければならなかった福島第一原発の北西方向にある飯舘村は、原発事故によって最もひどく汚染されてしまった地区のうちの1つです。

飯舘村の約75パーセントは山林地帯ですが、福島第一原発の事故以前は村の住民の生活を支える大切な資源でした。

 

しかし2月21日グリーンピースが公表した調査結果は、この村の森林地帯の放射線量が、事故発生から30年が経過した現在も「避難区域として人が住むことが許されていないチェルノブイリ原発の30km圏内と同じレベル」であることを明らかにしました。

言い換えれば2017年の段階でグリーンピースは、飯舘村の空間放射線量について次のような非常事態的状況にあることを明らかにしたのです。

「もしこれらの放射線濃量が(飯舘村ではなく)原子力発電所などの核関連施設で測定された場合には、そこにいる人間の健康と安全、その資産や環境などに極めて深刻な悪影響を及ぼすことの無いように、管理当局には迅速な対応が求められることになるのです。」

 

民間の環境保護団体の証言によれば、福島第一原子力発電所周辺で行われた除染作業は当初、住宅とその周辺、農業用地、そして公道に沿って幅20メートルの範囲に集中して実施されました。
しかし除染は同時に数百万トンに上る放射性核廃棄物を生み出す結果につながりました。
これらの放射性核廃棄物は現在福島県内全域にわたる数千箇所に集められています。

 


しかしこれほど大規模に行われた除染によっても、飯舘村の放射線量を「安全なレベルに」まで下げることきできなかったとグリーンピースは証言しています。

 

《後編に続く》

http://www.dw.com/en/fukushima-nuclear-disaster-evacuees-pressured-to-return-to-contaminated-homes-says-greenpeace/a-37639353

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《7》

 

米国NBCニュース 2017年2月14日

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

ポール・セザンヌ(フランス: 1839-1906)作[カード遊びをする人々]油彩、1890-92。

当初は・モネやルノワールらとともに印象派のグループの一員として活動していましたが、1880年代グループを離れ、伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求しました。キュービズムを創始した事でも知られています。

 

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(イタリア: 1696-1770)作[マリウスの勝利]油彩、1729

ルネサンス最後期のイタリアの画家。18世紀のイタリアを代表する偉大な画家であり、ルネサンス期の美術絵画の伝統を締めくくる最後の巨匠です。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

【 日本の軍隊は戦争はしません 】

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所要時間 約 11分

自衛隊の平和主義的な手かせ足かせを外したがっている安倍政権

イギリス軍フランス軍を合わせた以上の海軍力を持つ日本の自衛隊

 

エコノミスト 2017年2月16日

 

富山正樹さんはドン・キホーテ的な戦いを挑んでいるのかもしれません。

彼は自分の息子が世界最大規模の最も優れた装備を持つ自衛隊に加入した事には満足しましたが、場合によっては戦闘を行い、人間を殺すことになるかもしれないという可能性については我慢することができません。

「息子が人間を殺すための訓練を課されていると聞いた時、私は非常な怒りを覚えました。」

実際に明らかに憤慨している様子の富山さんは、現在の政権が日本の平和憲法に反する決定を行ったとして、日本政府を相手に訴訟を起こすことになった経緯についてこう語りました。

「私は息子が戦争に行くことを決して許すつもりはありません。息子の志望動機も戦争をすることが目的ではありませんでした。」

 

1946年の第二次世界大戦(太平洋戦争)終了直後、急いで日本という国の整備を進めなければならなかったアメリカ軍関係者によって作られた日本国憲法は、陸、海、空の軍を常設することを禁止しています。

しかし東西冷戦が頂点に達していた時代、経済的に豊かな西側先進国の一員として軍事力を全く持たないという事は非現実的に映り、さらには近隣諸国との間で領土問題を抱えていたこともあり、1954年に日本政府は「自衛隊」設立に向け動き出しました。

 

自衛隊は「日本の平和と独立を守る」ために存在すると規定されました。

しかしそれでもなお、自衛隊を持つことは論争の的になりました。

何十年もの間日本最大の野党は、自衛隊を廃止すべきだと考えてきました。

自衛隊の将官であった山口昇氏(自衛隊の場合は陸相、海将、空将 - 記事には記載なし)は、自衛隊員たちが一般市民の反発を避けるため、兵舎を退出する際には民間の人びとと変わらない服装に着替えなければならなかった時代があったことを覚えています。

 

日本の自衛隊は世界各国の軍隊の中で異色の存在となっています。

戦場で発砲したことはまだ一度もありません。

多くの日本人が認識している自衛隊の主要な任務は、災害救助です。

それでも自衛隊は4隻の巨大な「ヘリ空母」を始め、フランス軍と英国軍を合わせた以上の規模の海軍力を持っています。

 

日本の政権与党の自由民主党のタカ派的メンバーは、長い間自衛隊が他国の軍隊と変わらない内容のものにしようとしてきました。

2015年、安倍政権が国連などが行なっている平和維持活動などに率先して参加する「積極的平和主義」を実現させるとして日本国憲法の『解釈変更』を閣議決定し、その内容に沿った複数の安全保障関連法案を議会で成立させました。

こうした一連の動きは、日本国内で広範な抗議と激しい議会論争を誘発させることになりました。

 

安部首相の一連の動きの根幹にあるものが、大日本帝国が世界の強国のひとつとして君臨した時代へのノスタルジアだとの批判もあります。

安全保障関連法案の設立によって自衛隊が海外の派遣先での戦闘に巻き込まれ、結果的に大量動員などに発展してしまう危険性があるとの指摘もあります。

 

安全保障関連法案の可決成立から17ヵ月が過ぎ、目立つほどではありませんが自衛隊の兵力は227,000人に確実に増えました。

しかし法案の成立は一方で、防衛大学校の卒業生が実際に自衛隊員として任官する割合の急激な低下を招いたのです。

 

日本の人口統計も自衛隊が望むような形で推移していません。

18歳以下の日本の人口は過去20年の間、ちょうど100万人減少しました。

その結果自衛隊の新規隊員募集を難しいものにしました。

 

岩手県大槌町、2011年3月13日

キングズ・カレッジ・ロンドンのアレッシオ・パタラノ氏は兵員数だけではなく、もっと重要なのが兵士の質であると語りました。

防衛省は一般向けの広報予算を倍増させ、ふんだんに金をかけた、時には民間の広告宣伝を上回る内容のプロモーションを展開し、漫画キャラクターやポップ・スターを動員し、学校などにも積極的にアプローチを行いました。

ある中学校の子供たちは、学校で使っているトイレットペーパーに、地元の自衛隊の新人募集事務所の電話番号が印刷されているのを発見しました。

 

こうしたプロモーション活動はこれまで見過ごされてきた人々にも、積極的に向けられるようになりました。

女性たちです。

自衛隊員の女性の割合は現在わずか6%に過ぎませんが、防衛省は2030年までにそれを9%にまでそれを引き上げたいとしています。

 

自衛隊をもっと強力にすべきだという要求が日本国内から上がっています。

自民党タカ派の新藤義孝議員は、この30年間で中国の国防費が44倍に増加したと指摘します。

自民党に近い国際政策学科研究所の新しい新聞は、ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」の政策に「最も強い影響を受ける」可能性があるのが日本だと伝えました。

彼らは巡航ミサイルも含め、日本が独力で防衛能力の強化に努めなければならないと考えています。

右派の産経新聞の乾正人編集局長は、次のように主張しました。

「我々はアメリカ・ファースト主義に対し、ジャパン・ファースト主義で応えなければなりません。」

 

しかし日本国内では、軍国主義的傾向のあるものは、何であっても嫌悪されます。

昨年350人の自衛隊員が国連平和維持軍の一部として南スーダンに送られました。

彼らはインフラの修理・整備だけが目的であり、もし現地の武装勢力の間で戦闘が発生すれば直ちに撤退することになっています。

これまで日本政府は現地では『衝突』が起きているだけだと国会等で答弁してきましたが、これは明らかに事実と異なっています。

 

フランス、西アフリカ連合軍の攻撃によりね完全に破壊されたイスラム勢力の軍事車両。1月22日。

しかし今回、自衛隊員は一般人と国連スタッフを掩護するために史上初めて武器を使う許可を与えられました。

日本で最も普及率の高い自由主義の立場をとる朝日新聞を含め、安倍政権の方針に反対する人々は、自衛隊員の撤退を求めてキャンペーンを行っています。

「私たちが懸念するのは、自衛隊員が死傷することです。」

安部首相はもし自衛隊員が死傷するようなことになれば、自分が辞任すると示唆しました。

 

自衛隊員の若者たちは、地震や津波の被害で苦しむ被災者を助けるために隊員になったのだと、元自衛隊員の泥憲和(どろのりかず)氏が語りました。

「彼らは、いつか兵士として戦場に送られる可能性があるとは考えていなかったはずです。」

 

富山さんは、自衛隊の役割について政府と裁判で争う決心をした数人の親の1人です。

彼は自分の息子が他国における戦争に参加するためではなく、自分の国の災害救助や防衛のために自衛隊員になったのだと語りました。

「万が一攻撃された場合にのみ応戦する、それが大原則です。」

「その原則は踏みにじられてしまったのです。」

 

http://www.economist.com/news/asia/21717079-many-army-apparently-had-no-idea-they-might-have-do-some-fighting-japans?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《6》

 

NBCニュース2017年2月14日

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン(オランダ:1606- 1669)作[手袋を持つ男性]油彩、1645-50年(写真上)

同じオランダのフェルメール、イタリアのカラヴァッジョ、フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなどと共に、バロック絵画を代表する画家の1人で、ヨーロッパ美術史における重要な芸術家の一人です。

 

ウィンズロー・ホーマー(アメリカ: 1836 - 1910)作[スタジオ]油彩、1867年

アマチュアと思しきチェロ奏者とバイオリン奏者が、譜面台としてイーゼルを使って音楽スタジオで練習している様子を写実的に描いた作品。

ホーマーは日常生活や自然を描くのを得意とした19世紀のアメリカを代表する画家です。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

【 安倍首相と夫人と超国家主義の幼稚園と 】

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所要時間 約 9分

現役首相とその夫人が軍国主義教育の復活を図る教育機関を称賛

公正さと妥当性に疑問 - 国有地払下げ価格の巨額の値引き

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年2月24日金曜日

 

日本の安倍晋三首相と昭恵夫人は現在、人種差別と不当な便宜供与に基づく土地取引を行った疑いを持たれている超国家主義の教育機関から距離を置こうとして、苦慮しています。

大阪府の私立幼稚園である森友学園が今年4月に開校予定の小学校の敷地として、公正な評価の7分の1の価格で国有地を購入したと国内で報道され、現在詳細な調査が進められています。

 

その教育方針を称賛する昭恵夫人のメッセージが森友学園のウェブサイトから削除された直後の金曜日、首相夫人は名誉小学校校長を辞任しました。

メッセージの中で昭恵夫人は道徳教育を推進することにより日本のプライドを高揚させようとする森友学園の取り組みを支持する旨、表明していました。

しかしその教育方針は戦前の軍国主義に通じるものでしたが、昭恵夫人のメッセージには籠池康則校長の熱心さに感銘を受けたと記されていました。

 

野党の国会議員たちは国会で国有地がなぜそれほど安く森友学園に払い下げられることになったのか、その理由を明らかにするよう政府側に迫り、2月末の議会はこの問題で紛糾することになりました。

 

森友氏が小学校開設の寄付金を集めて回っていた際、その校名を『安倍晋三記念小学校』と命名しようとしていたことに対し、安部首相は抗議して取りやめさせたと語っています。

結局、この小学校は『瑞穂の国小学校』と命名されることになりました。

 

安部首相は夫人が居並ぶ両親たちの前で事前の了承なく名誉校長として紹介されたため、就任を余儀なくされたもので、問題が事件性を帯びてきたことを受け、首相と夫人が話し合って名誉校長の辞任を決心したと語りました。

「夫人が名誉校長を続けることは子どもたちにとってもその両親にとっても良いことではないと判断し、学園側に辞任を伝えました。」

安部首相は24日金曜日、国会の委員会の席上こう答弁しました。

 

「彼女が名誉校長としてウェブサイトで紹介されていたというのは本当ですが、本人の要請によって削除されました。」

さらに安部首相は夫人ともども市場評価をはるかに下回る金額で国有地を森友学園に払い下げた件に関し、働きかけを行うなどの一切の関与を否定しました。

 

森友学園の教育プログラムは、子どもたちの中に愛国心を育てることを目的とし、皇族の写真の前でお辞儀をすることを求められ、軍事基地への社会見学も行なわれています。

3歳から5歳の子供たちは毎朝君が代を斉唱し、1890年に制度化された教育勅語を暗記するように求められます。

教育勅語は国家が危急存亡の事態に陥ることがあれば天皇制国家の誠実な一員として、自分の身を犠牲にして国家のために尽くすように求めています。

 

第二次世界大戦(太平洋戦争)後アメリカ軍占領当局は、教育勅語が戦前の軍国主義教育に利用されたとしてこれを禁止する措置をとりました。

籠池氏は首相自身と安倍内閣の1ダース以上の閣僚が加盟している極めて保守的な圧力団体の日本会議のメンバーであり、大阪支部のリーダーを務めています。

このグループは第二次世界大戦(太平洋戦争)以前の旧日本軍が、東アジア各国を西欧諸国の植民地支配から『解放した』と主張し、戦後アメリカ軍の統治のもとで公布された日本国憲法が「真実の、固有の在り方」を骨抜きにしてしまったと批判しています。

 

日本国内の報道は、森友学園が大阪郊外の空港近くの8,770平方メートルの土地を、評価価格の14%にあたる1億3,400万円で取得したことを明らかにしました。

日本政府の担当者は大幅に低い金額で国有地を譲渡した理由について、現場にある産業廃棄物の処理に必要な費用と相殺したためだと語っています。

 

今月始め森友学園が経営する幼稚園が、中国人と在日韓国人を中傷する文書を保護者に配布した件で、大阪府当局が調査を行いましたが、学園側はこの件について謝罪しました。

しかし土地の購入については、籠池氏はいかなる不正も無かったと疑惑を否定しました。

「私は何も間違ったことはしていません。」

籠池氏はラジオの取材にこう答えました。

そして「歴史と伝統を重んじる学校の建設計画をつぶそうとしている」として「非保守系メディア」を非難しました。

 

森友学園と安倍首相夫人は名誉校長を引き受ける以前から、深いつながりを持っていました。2015年森友学園が経営する幼稚園を訪問した昭恵夫人がその保護者に対して行った発言については、記録が残されています。

「私の夫も、ここの教育方針が極めて優れたものだと考えています。」

 

2014年に開催された東京レインボー・プライド・イベントに出席し、韓国の文化を賞賛する発言をおこなった昭恵夫人に対しては、自由主義的姿勢を評価する声が挙がりました。

彼女はまた、東日本大震災の被災地で海岸線を津波から保護するために長さ数百キロに渡ってコンクリート製の堤防を建設するという政府の計画に対し、疑問を呈したこともありました。

 

https://www.theguardian.com/world/2017/feb/24/shinzo-abe-wife-akie-under-pressure-ties-ultra-nationalist-school-japan

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これまでも、国際報道で大きく取り上げられた日本国内の問題については、ニューヨークタイムズとガーディアン両方の記事をご紹介してきました。

報道の内容に大きな差がある訳ではありませんが、アメリカの報道に加え、英国の報道内容もご紹介します。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《5》

 

NBCニュース2017年2月14日

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

ピーテル・ブリューゲル(オランダ: 1525-1569)作[穀物の取り入れ]油彩、1565年

1565年に制作された有名な月暦連作6点のうちの1点。

ブリューゲルのこのシリーズは西洋絵画の歴史の分岐点となりました。

それまで風景画を支配していた宗教的題材に代わり、ヒューマニズム根ざした人間的題材が絵の中心を占めるようになったのです。(写真上)

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(イタリア: 1571-1610)作[聖ペテロの否認]油彩、1610年

カラヴァッジオ最晩年のこの作品は、彼が亡くなったその月に制作されました。

一方向からまばゆく射す光を光源として段階的な陰影をつけて描かれた対象物を浮かび上がらせる表現はカラヴァッジョが絵画技法として確立したものです。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

 

【 極めて偏った教育を行う幼稚園のスキャンダルと日本の首相夫人 】《後編》

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所要時間 約 9分

盲目的愛国心に基づく指導、人種的偏見に基づく人格攻撃が常態化している問題の幼稚園

土地のダンピング価格を隠そうとした財務省、近隣の同規模の土地を豊中市は10億円以上高い価格で購入

 

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 2017年2月24日

 

塚本学園は学校教育の場での愛国心の高揚のため、他では見られないような手法をとってきました。

 

はじめに悪評を得たのは、数年前に子どもたちに戦前に制定された教育勅語を唱和させたことでした。

 

教育勅語は明治天皇が国民に伝えるという形で交付され、日本の軍国主義的な戦前の学校教育の基礎として用いられました。

1890年に交付され、第二次世界大戦の敗戦によって戦後廃止されました。

日本の保守派は、教育勅語を伝統的な価値への賛歌と考えています。

一方自由主義者は権威主義的な時代の遺物と見ています。

その中身は「親孝行を心がけ、家族は互いに仲睦まじく」「広く全ての人に慈愛の手を差し伸べ」「勉学に励み職業を身につけ、知識を養い才能を伸ばし」、国家が危急存亡の事態に陥ったなら「天皇制国家の誠実な一員として」「自分の身を犠牲にして国家を支えるよう」求めています。

 

自分たちの子供を塚本学園から退学させた5人の母親にインタビューしたところ、学園では盲目的愛国心に基づく指導を強制されたり、籠池氏と教頭を務めるその妻から、しばしば人種的偏見に基づく攻撃を受けたと語りました。

母親たちは発言について保守主義者や右翼を批判したりするとしばしば報復を受けることがあるため、匿名を条件にインタビューに応じました。

 

母親の一人は、彼女の家族が韓国が好きで時折韓国に休暇旅行に行っていましたが、息子が幼稚園の教師に韓国旅行の予定があることを話したところ、この教師は韓国が「汚い場所」であると攻撃し、家族で旅行するなら「日本のどこかもっと良い場所に」行かなければならないと言いました。

 

別の母親は塚本幼稚園の教師が彼女の息子について「犬のようなにおいがする」と蔑んだ上で、籠池氏が母親のことを『反日外国人』と呼んで攻撃したと証言しました。

ちなみにこの母親は間違いなく日本人です。

 

ニューヨークタイムズは籠池氏への接触を試みましたが、うまくいきませんでした。

 

電話口で質問に答えた塚本幼稚園を経営する森友学園の女性は、小学校建設に関わる土地取引に関する日本のニュース報道は「不当なものだ」と語りました。

しかしなぜ不当なのか、その詳細については語りませんでした。

その後何回か電話取材が試みられましたが、すべて未回答です。

 

幼稚園校長として勤める一方で籠池氏は森友学園のトップであり、さらには安倍首相を始め日本の保守派の影響力のある政治家が加盟し、右派の圧力団体として突出した存在の日本会議の大阪支部の運営委員も務めています。

森友学園のウェブサイトは安倍首相が寄せた

「優れた道徳的教育基盤に立ち、日本人としての誇りについて熱心な姿勢で子供たちを教育している」と称賛する内容の文章を23日に削除しました。

稲田朋美防衛大臣もかつて森友学園を称賛し、籠池氏に対しその取り組みを称える公式書簡を送ったこともあります。

 

塚本幼稚園に関わる一連の疑惑がリベラル派の人々の眉をひそめさせる問題から、一転して国家規模のスキャンダルにまで発展したのは昨年末のことでしたが、その全容が表面に現れるまで数か月を要しました。

 

政府側の記録と官僚による国会での証言によれば、日本の財務省は、大阪郊外の空港近くの0.8ヘクタールの空き地を森友学園が1億3400万円で取得すること認可しました。

財務省は当初売却額を明らかにしようとしませんでしたが、土地の評価額と比較すると驚くほど低い金額です。

 

財務省は以前この土地の価値を9億5600万円と評価していました。

今回の売却額の7倍以上です。

具体的な比較例を挙げれば、問題の土地よりもわずかに敷地面積の大きい近隣の場所を2010年、地方自治体である豊中市は14億円で購入しました。

 

財務省は森友学園が敷地内の廃棄物の処分費用を負担しなければならないため、この分を差し引いたことによって価格が下がったと説明しています。

廃棄物はコンクリート片や他のがれきなどですが、量の多さに加えヒ素や鉛の含有濃度も高いとしています。

野党の議員は財務省に対し、それ程高額な廃棄物の処理費用について積算根拠を明らかにするよう求めています。

 

このスキャンダルの存在を明らかにした朝日新聞は、籠池氏自身がこの廃棄物の処理費用として「約1億円を要した」と語ったことを挙げ、財務省が廃棄物処理費用としている金額と大きく乖離していることを指摘しました。

新しい小学校は、現在この土地の一部を使って建設が進められています。

森友学園の小学校新設に許可を与えた大阪府の府の私立学校審議会の議長を務めた奈良学園大学の梶田叡一学長は、審議の際にこの土地取引に関する件について報告は無かったと語っています。

大阪府議会はこの決定について見直すことにしていますが、梶田氏は日本の古代宗教に基づく神道を森友学園がその教育指針としていることは、学校開設の際の障害にはならないと語っています。

 

「不適切な問題が明らかになれば、許可が取り消される可能性はあります。」

梶田氏はこう語り、次のように続けました。

「しかし森友学園が神道あるいは右翼的思想に基づく教育をしても、子どもたちの両親がそれを望んでいるのであれば、私たちが反対すべき理由にはなりません。」

 

〈 完 〉

https://www.nytimes.com/Asia Pacific
Bigotry and Fraud Scandal at Kindergarten Linked to Japan’s First Lady

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先進各国でレイシスト - 人種差別主義者と言えば『最悪の部類の人間』のことであり、そういう人間が教育者であるなどと言うのはあり得ない話です。

その有りえない話が日本では現実であり、その種の人間に対し国家が信じられない程の優遇をした、ということは単なるスキャンダルを超えた話だと言わなければなりません。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《4》

 

NBCニュース2017年2月14日

フィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ : 1853年-1890年)[糸杉のある麦畑]油彩1889年

この作品は1889年の6月にゴッホが麦畑シリーズとして描いた油彩画の一点で、フランスのアルルに近いサン・レミにあるサン・ポール・ド・モーゾール精神病院で制作されたものです。(写真上)

 

クロード・モネ(フランス : 1840年-1926年)[睡蓮の沼の上の橋]油彩1889年

モネは1890年にジヴェルニーの地所を購入しましたが、1893年にはさらに隣の敷地を購入して、川の水を引いて睡蓮の咲く池を作り、「水の庭」と呼ばれる日本風の太鼓橋のある庭を造り始めました。目的は「自分の目を楽ませた上に、画題として」活用することでした。

1899年モネは12点の作品を完成させましたが、この作品もそのひとつで夏に制作されました。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

 

【 極めて偏った教育を行う幼稚園のスキャンダルと日本の首相夫人 】《前篇》

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所要時間 約 8分

民主主義と平和主義を基本とする現在の教育制度を否定する『愛国心』教育

日本国内で影響力を増している右翼的教育を推進する運動、その暗い側面に注目が集まる

 

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 2017年2月24日

今や日本の政治スキャンダルの渦中にある塚本幼稚園では、戦前の日本に生きていた曾祖父の時代なら抵抗なく受け入れられていたかもしれない類いの、極めて保守的な教育を行っています。

彼らは旧日本軍の軍歌に合わせ、軍人さながらの姿勢で行進します。

こどもたちは19世紀日本で、天皇の名の下に制定された教育勅語の愛国的フレーズを復唱させられています。

こうした意図について、学園側は「世界で最も純粋な国」の子供たちに「愛国心と誇りを育てること」が目的だと語っています。

 

そして今、学園を経営する塚本氏と安倍晋三首相の妻を含むその国粋主義者である支援者たちに批判が集中する事態となっています。

この学園はきわめて偏狭な立場から中国人と韓国人に対する攻撃を助長する一方、日本政府からは違法な財政的援助を受けていた可能性があり、批判が集まっています。

 

強まる抗議の声は、日本国内で影響力を増している右翼的教育を推進する運動の暗い側面に注目を集め、国粋主義的な教育政策を進めてきた安倍政権を守勢に立たせることになりました。

安部首相は24日金曜日妻の昭恵氏が塚本幼稚園が母体となって開校の準備が進んでいる小学校の『名誉校長』を辞任したと国会で答弁しました。

 

この小学校は個人の学校経営者が日本政府から不当に安い価格で購入した土地に建設されています。

この経緯の詳細は今月になって明らかにされましたが、購入した側に一方的に有利な取引実態は、背景に政治的な特別の計らいがあったのではないかという疑惑を招くことになりました。

 

「妻も私自身も、この学校の許認可あるいは土地の取得にまったく関与していません。」

安部首相は国会でこう語りました答弁しました。

「私や妻がこの件に関与したというのであれば、私は政治家を辞任します。」

 

安部首相やその取り巻きの保守派の政治家たちは、これまで日本の教育制度を自由主義に偏り過ぎていると批判を繰り返してきました。

現在の日本の教育制度の下では左翼的立場の教師によって日本の第二次世界大戦中の事歴に関する『自虐的』史観が展開され、日本の伝統的価値観を軽視して個人主義や平和主義が必要以上に重視されているとして攻撃しています。

 

問題の渦中の人物、塚本氏は教育制度を戦前同様押し戻そうとする右翼的人物の中でも、その最右翼に属する人物である、こう語るのは東京の学習院大学で教育学を専攻する佐藤学教授です。

「そこにあるのは、平和主義と民主主義を基本理念とする戦後の教育制度の否定です。」

塚本幼稚園にあっては旧来の愛国心の顕彰は時に偏見による攻撃と見境がつかなくなります。

学校側は先週、「外国人の方に対して誤解を招く表現があったことをお詫び致します」とウェブサイトで謝罪しました。

子どもたちを通園させている保護者によれば、PTA会費に関する問題などありきたりな苦情を呈しただけで、「よこしまな考えを持つ韓国人やシナ人」たちが面倒に巻き込もうとしているなどと、狂信的愛国主義的な極端な表現を使って痛烈に非難されることもあります。
この保護者たちは学園側に疑問を呈すると「巧妙に潜り込んだK国・C国人等の元不良保護者である」などと籠池泰典園長から攻撃されると証言しました。
籠池園長は保護者に送付した文書の中で、「問題は、外見は日本人と変わらないが外国の考え方を日本の中に持ち込もうとしている人間たちの存在」だと主張していました。

 

安倍首相は自身の政治家としてのキャリアの中で、日本の教育制度を改めることを優先課題の一つに挙げ、塚本幼稚園のような取り組みであっても表現や手法が見た目に穏やかなものであれば、これまで擁護する立場を取ってきました。

日本のニュースメディアが入手した塚本幼稚園が新設しようとしている小学校の初期の広告パンフレットでは、籠池氏が校名に安倍首相の名を冠しようと提案していました。
籠池氏は結局別の校名を採用しましたが、安倍首相自身が自分の名を使わないよう要請したと語りました。

安倍首相は日本の歴史教科書の中で、大日本帝国時代にアジアで行われた残虐行為に関する記述を曖昧な表現にするなどの措置を支持、さらにさらに公立学校の一般教育の中で愛国心を育てるための『道徳教育』を行うとする法律を可決成立させました。

 

《後編に続く》

https://www.nytimes.com/Asia Pacific
Bigotry and Fraud Scandal at Kindergarten Linked to Japan’s First Lady

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個人的に私がいつも感じる疑問は、ちゃんとした日本語の文章も作れない人間たちがどうやって美しい日本の伝統を守るのか、という事です。

私が考える愛国というのは自分を育んでくれた身近なコミュニティや周囲の自然環境などをごく当たり前に大切にするという事であり、そういう意味では福島第一原発などはきわめて非愛国的です。

そして日々変わりつつある世界環境の中で、どうやったら日本の美や利点を無理せず維持できるかという工夫を考えるのが真の意味の国防であり、足元で拡大する子供たちの貧困問題などを放置したまま軍備にばかり多額の国家予算を注ぎ込むことが賢明な国防政策だなどとは、とても思えません。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《3》

 

NBCニュース2017年2月14日

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料でしかも制約なしで利用することが出来ます。

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(イタリア : 1598-1680)[バッカス祭・子どもたちと戯れるローマ神ファウヌス]

ベルニーニはイタリア、バロック芸術の彫刻分野における代表的芸術家です。(写真上)

 

1495-1505年ごろのユニコーンを描いたウール製のタペストリー。動植物はユニコーンの物語を描いたタペストリーの中で重要な役割を演じています。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

 

【 想像を超えるひどい状況 – 福島第一原発 】

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所要時間 約 8分

想像以上に高い放射線量、想像以上にひどい損傷、次々動作不良に陥る調査ロボット

開始2時間で調査ロボットの累積放射線量が1,000シーベルトを超え、調査継続が不可能に

 

山口まり / AP / ワシントンポスト 2017年2月17日

 

破滅した日本の原子力発電所・福島第一原発、その原子炉のうちの一基の内部に送りこまれたロボットによる調査は、事故収束・廃炉作業に関してこれまで予測されていたより、はるかに困難なものになるであろうことを明らかにしました。

福島第一原発の所有者である東京電力は遠隔操作ロボット『スコーピオン』を原子炉2号機の格納容器内に送り組み、6年前にメルトダウンした炉心付近の状況について検証作業を行おうとしたところ、そこにあった放射性廃棄物のがれきを乗り越えようとしている最中に動作不良に陥ったと発表しました。

 

ロボットは線量計、温度計と2台の小型カメラを装着しており、若干のデータと映像を送ってきましたが、溶け落ちた燃料を発見することはできませんでした。

メルトダウンした燃料の状態と位置を確認することは、原子炉から放射性廃棄物を取り除く作業の鍵となります。

格納容器内で動作不良に陥ったロボットは、次回以降の調査を妨害しない場所にまで移動の上、放棄されました。

 

これまで数週にわたって予備調査が行われてきましたが、原子炉2号機についてはロボットが調査を予定している範囲内の内部構造上の損傷が目立つこと、そして格納容器内の放射線量が想定していた以上に高く、ロボットの設計と調査内容の変更が必要なことを示唆していました。

 

類似した調査はメルトダウンした他の2基の原子炉についても予定されています。

水中で動作する小型の防水ロボットが数週間以内に原子炉1号機に送り込まれる予定です。

しかし損傷が激しい原子炉3号機については、居並ぶ専門家も調査のための着手点すら見つけ出すことはできずにいます。

 

東電は溶け落ちた核燃料を取り除くための最適な、そして最も安全な方法を確立するため、メルトダウンした3基の原子力発電所と炉のそれぞれで、溶けた燃料の正確な場所と状態、そしてその他の構造上の損害状況を把握する必要があります。

東京電力の広報担当の岡村氏は、調査がまだ完全では無かったにもかかわらず、今年の夏には溶け落ちた核燃料を除去する方法を決定し、2021年には実際に作業に着手するというスケジュールにこだわって来たと語りました。

 

東京電力は現在、2011年3月襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こしたことを受け、その事故収束・廃炉作業に取り組んでいますが、作業が完了するには少なくとも数十年の歳月を必要とするとみられています。

福島第一原発の周囲では十万人を超える人々が自宅を捨てて避難しなければならなくなり、高い放射線量のため未だに多くの人々が自宅や故郷に戻れないままになっています。

 

2月始めには『スコーピオン』調査を行うための準備として、調査範囲のがれきを取り除くためのロボットが送り込まれましたが、稼働2時間でその累積放射線量が1,000シーベルトを超え、設計された耐久値を超えてしまい、2台のカメラが作動しなくなったため、作業を途中で打ち切らなければならなくなりました。

1,000シーベルトの放射線量は人間が浴びれば数秒で死に至ります。

設計当初のこのロボットの動作可能時間は10時間、または一時間当たり100シーベルトでした。

東京電力の調査担当者は、がれきの除去が不完全なこと、放射線量が極めて高いこと、そして構造上の損傷が著しいため今後の調査も思い通りにはいかない可能性があると語り、放射線に対しさらに耐久力の高いカメラや他の機材の開発が必要かもしれないと付け加えました。

 

東京電力は放射線量が極めて高いものの、外部への漏出は無いと語りました。

 

格納容器内で撮影された写真は、破損した部品などが溶けた金属用のもので覆われた状態のものを写しだしました。

2号機の格納容器の真下には溶け落ちた核燃料と思われる物質が壊れた部品などと一緒に溶解し、垂れ下がった状態で固体化しているのが確認されています。

 

https://www.washingtonpost.com/business/technology/robot-probes-show-japan-reactor-cleanup-worse-than-expected/2017/02/17/d17eea86-f4cf-11e6-9fb1-2d8f3fc9c0ed_story.html?utm_term=.731cfbff570b

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《2》

 

NBCニュース2017年2月14日

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料でしかも制約なしで利用することが出来ます。

サンドロ・ボッティチェリ(イタリア : 1445-1510) Sandro Botticelli [聖ヒエロニムスの聖体拝領]テンペラ1496-97年頃

この絵はフィレンツェの織物商人フランチェスコ・デル・プグリエセの依頼で制作されました。

急進的な伝道者サボナローラの支持者であったプグリエセは、この絵の宗教的主題の完成度の高さに大いに満足したかもしれません。(写真上)

 

エルグレコ(ギリシャ-スペイン : 1541-1614)[盲人を癒すキリスト]油彩・1570年頃

彼は1567年に生まれ故郷のギリシャを出て、1576年にスペインに移住しますが、この作品はその間のローマ・ベニス時代に描かれました。

目に油を塗ることによって盲人を癒やしているキリストの奇跡を描いたこの絵の前景の2人は、盲人の両親だと考えられています。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/met-digitizes-its-collection-releasing-350-00-images-free-n719661

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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