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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 なぜ日本は国連の常任理事国になることができないのか?】

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所要時間 約 9分

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急転直下の日韓両政府間の従軍慰安婦問題『決着」の背景にあったもの、そしてその先にあるもの
『大東亜共栄圏』一見、共存共栄を目指すかのようなスローガンを掲げながら、日本のアジア支配は野蛮・残忍だった

イアン・ウィリアムス / IPSニュース 9月23日

日本無条件降伏
日本政府は国連の安全保障理事会の常任理事国入りを目指していますが、自身の外務省の外交政策のまずさと潘基文国連事務総長の歓迎されざる発言に苛立ちを募らせています。

日本の外務省の担当者は北京で開催された中国の抗日戦争(第二次世界大戦 - 太平洋戦争)勝利70周年記念式典に国連の潘基文国連事務総長が出席したことについて
「特に歴史的事実に関する問題については、国連は中立の立場を守らなければならない」
とのコメントを発表し、あからさまな「強い不快感を表明」しました。
しかしこうした姿勢は、常任理事国入りへの取り組みにはどのような貢献もしませんでした。

2015年国連が発足して70年を迎えたのを機に、安全保障理事会のあり方について改めて改良すべきではないかとの議論が持ち上がったまさにそのタイミングで、反韓国感情も見え隠れする品性に欠ける日本の外務省のコメントは公表されました。
国連発足70周年が第二次世界大戦終了70周年と同じ年であるのは、もちろん偶然でもなんでもありません。

ヤルタ会談
第二次世界大戦こそは連合国陣営における国連誕生の最大の動機であり、中国が安全保障理事会の常任理事国で日本がそうではないのはまさにこの点に理由があります。
そして国連憲章は、第二次世界大戦の敗戦国が国連を中心とした世界秩序に異議を唱えたり、再び敵対行動を行わないようにするために、新たな体制の誕生を明確にするために制定されたものなのです。

第二次世界大戦中、日本は近隣諸国を侵略しました。
この点は疑いようのない事実です。
そして侵略した後の支配の仕方も、『大東亜共栄圏』などという一見共存共栄を目指すかのようなスローガンを掲げていながら、概して野蛮であり、残忍でした。

国連の立場は中立ではありません。
枢軸国、特にドイツと日本との戦いに勝利するために設立された組織であり、そのことは未だに国連憲章にはっきりと書かれています。

ナチ党大会
しかしドイツの再統一後、ポーランドは国連総会で演説を行い、国連憲章に未だに残されている敵国条項に言及し、ドイツはすでに国際社会の敵ではないと認められるべきだとしました。
これとは対照的に、日本の安倍政権は第二次世界大戦中の日本軍の行動について一部を正当化しようという態度を見せており、反発する中国は国連において日本の戦争中の行動を際だたせようとする工作も行っています。
拒否権を持つロシアも常任理事国入りを目指す日本とドイツに対し、警戒する動きを見せています。

ポーランドは再統一されたドイツがもはや1939年当時と同じ国ではないことを確信しているということを、その宣言において明確に示し、ドイツとポーランド両国は互いに寛容な姿勢を見せています。

しかし日本と韓国の関係がドイツ・ポーランドの和解同様の関係に発展するとは考えられません。
韓国出身の国連事務総長がその任期の後半に入った現在、日本は他の常任理事国から改めて現在の国連事務総長支持の態度を明らかにするよう国際的な圧力をかけられています。

南京攻略02
安倍首相による戦後70周年の談話に対しては、世界中から数限りない懐疑的なコメントが寄せられました。

歴史的に見て、日本に対する戦勝者は台湾に本拠を写した蒋介石率いる中華民国であるべきでしたが、結局は中人民共和国がその席に座り、国連の常任理事国の席にも座りました。
そして第二次世界大戦中、スターリンがドイツと不戦条約を結んでいた事実も見過ごされ、ロシアではなくソビエト連邦社会主義共和国がナチス・ドイツを敗戦に追い込んだ多大な功績を認められ、常任理事国として恒久的な地位を与えられました。
しかしカティンの森でのポーランド軍将校の大虐殺からドレスデン大空襲、そして広島と長崎の原爆投下に至るまで、勝利者となった国々は戦争に責任のないはずの一般市民に対する大量殺人に関わってもきました。

その戦争終了から70年後という現在は確かに安全保障理事会を改良すべきタイミングだということができます。
常任理事国5カ国だけが永久の権利を持ち、たった1国で全ての議案の成立を阻むことがてきる拒否権を持つことが、国連の矛盾を大きくしています。
そして非常任理事国同士も改革の方向性に違いがあることも混乱の原因になっています。

SEALDs 5
常任理事国入りを目指す日本に対し、安倍首相の言動により、反対する各国が改めてその意思を強いものにしたということはまず間違いがないでしょう。

国連における正義の実現と組織の効率化に貢献すべき条件は幾つか考えられますが、そのための選択肢には常任理事国の拡大はありません。
多くの国々はこれ以上常任理事国が増えてしまうことは望んではおらず、強大な国力を持つ隣国がその候補となることを表明した際には、長い任期を得たいのであれば非常任理事国として再選されるよう公正な競争を求めるだけです。

現在国連の改革は手詰まりの状態にあり、安倍政権の隣国との間で過去を清算せずに常任理事国の席だけを求めるという節度のない態度は、そうした混乱を一層助長することになるでしょう。
中国の敵対心と潜在的拒否権がある以上、日本は結局他の方法を選ばざるを得ません。

北京における対日戦争勝利70周年記念パレードの前に、潘基文国連事務総長がこう語りました。
安倍晋三首相はこの談話から、自らに課すべき教訓を引き出すべきでした。

村山・河野
安倍首相の数代前の村山富市首相は1995年、北京を訪問して日本が行った侵略戦争について自ら謝罪を行い、世界はこの時日本の誠意ある対応を高く評価しました。
安倍首相がもし村山首相のこの時の態度を受け継いでいれば、今頃日本の評価はもっとずっと良いものになっていたはずなのです。

※ イアン・ウィリアムスはトリビューン紙の外交問題・時事問題の上級アナリストであり、コラムニストです。
近刊には『初心者のための国際連合』新版があります。

http://www.ipsnews.net/2015/09/opinion-why-china-is-in-the-security-council-and-japan-is-not/
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【 ガーディアン[目撃]英国、タインマス 】

ガーディアン EYEWITNESS 12月25日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

EyewitnessTynemouth
夕暮れ時のタイン・アンド・ウィア地方のタインマスを散策する人々。(写真上)

雪に覆われた英国ダーハム郡ステインドロップ、ラビー・キャッスルら進む牡鹿。(写真下・以下同じ)
Eyewitness County Durham
英国グローセスターシャー、ウェストンバート, ザ・ナショナル・アーボリータムのもみじの紅葉。
Eyewitness Gloucestershire
http://www.theguardian.com/world/series/eyewitness
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2015年が終わり、2016年が始まります。
なんとなく私たちが忘れてしまっているものを思い出してみました。
先進各国の『不況」が言われていますが、私は個人的に地球規模で、かつてないスケールで、富の再分配が始まっているのが原因だと思っています。
先進各国だけが豊かでいられる時代は終わったのではないでしょうか。
おのれの国だけが何か特別な存在であるような、そんな考え方などどんどん通じなくなっていくと思います。

ところで、ここに出てくるほとんどの人たちのCDが家にあることに気がつきました。クインシー・ジョーンズやダリル・ホール&ジョン・オーツ、ポール・サイモン、スティーヴィー・ワンダー、ビリー・ジョエル、ケニー・ロギンス、ブルース・スプリングスティーンはほぼ全作揃っていました。
Let's Start Giving
彼らのメッセージについて、自分自身、もう一度考えてみようと思います。

【 イスラム国(ISIS)犯罪記録マップ2015 】

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所要時間 約 11分

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イラク・シリア以外での犠牲者数、18カ国50カ所1,100人、現在の主要攻撃目標は北アメリカ?!
シリア・イラク領内に点として存在していたイスラム国(ISIS)は、瞬く間にその触手を世界中に広げてしまった

 

レイ・サンチェス、ティム・リスター、マーク・ビクスラー、ショーン・オーキー、マイケル・ヘーゲンミラー、モハメッド・タウィフィーク CNN  12月17日

San Bernardino 1
一組の夫婦がカリフォルニア州サンバーナーディーノで14人を殺害したとき、アメリカ国内で2001年9月11日以降最悪となるテロ事件が起きてしまいました。
そしてこの事件は世界で起きている恐るべき現実を世界中の人々に思い知らせることにもなったのです。
イスラム国(ISIS)は、イラク・シリア国内で荒れ狂う災いから、世界中の人々に対する脅威へと変貌していたのです。

2014年6月に正統のカリフによる統治を宣言して以降、イスラム国樹立を主張するISISは18カ国で少なくとも50件のテロ事件に関与し、1,100人を殺し、1,700人以上を負傷させました。
サンバーナーディーノの捜査官は、夫婦の一方がISISのリーダーに忠誠を誓っていたと証言しました。
そしてISIS側もこのテロリストを、「殉教者」であり「支持者」であると認めました。

 

ではISISは実際にテロを計画し、それを命令したのでしょうか?
そしてISISの掲げる主義主張が、テロリストたちを実際の行動へと突き動かしたのでしょうか?

国際的なテロリストが計画しているテロの内容やそれぞれの役割を特定することは、非常に困難であることがしばしばです。
2015年7月にテネシー州チャタヌーガで4人の米国の海兵隊員と海軍兵士が殺害される事件が起きましが、FBI長官ジェームズ・コメイは
「外国のテロリスト・グループのプロパガンダが殺人動機となった」
ということを明らかにする一方で、どのテロリスト・グループが関わったのかは特定することが困難だと語りました。

しかしひとつの事だけは明らかです。
シリア・イラク領内に点として存在していたイスラム国(ISIS)は、瞬く間にその触手を世界中に広げてしまったのです。
下に掲げた地図は、シリア・イラク以外の場所でイスラム国(ISIS)が直接関わったか、あるいはその系列化にある各地のテロ組織が引き起こした事件の分布マップです。

[地図 : イスラム国(ISIS)が関わったテロ事件の分布マップ(世界)]、
ISIS Map 1
▽ 北アメリカを直接攻撃するイスラム国(ISIS)
▼ 2014年10月20日
マーティン・ルーロー・クチュールがカナダ、ケベックのサンジャン・シュル・リシュリューの政府庁舎の外で2人の兵士に襲いかかり、1人を殺害しました。
クチュールはイスラム教に改宗した後、ウェブ上でイスラム国(ISIS)の支持を表明していました。
戦争調査研究所によるとクチュールはISISスポークスマン・アブ・マホメット・アル・アドナニと電話で連絡をとっていた可能性があります。
ISIS側はその英字誌『ダビク』でクチュールについて言及し、襲撃がアドナニの電話での指示によるものだと書き、クチュールの写真を掲載しました。
いずれにしてもこの襲撃の背後にはイスラム国(ISIS)がいると信じられています。

 


▼ 2014年10月22日
マイケル・ザハフ・ビボーがカナダの首都オタワの国立戦没者記念碑とパーラメントヒルで銃撃事件を引き起こし、ネーサン・シリリョ軍予備兵伍長を殺害しました。
犯人のザハフ・ビボーは下院の守衛ケビン・ビッカーズに射殺されました。
他に警備員を含む2名が負傷しましたが、ここでもISISの英字機関誌『ダビク』はザハフ・ビボーの犯行がアドナニの電話での指示による直接的な結果であると伝えていることを戦争調査研究所が報告しました。

 

▼ 2014年10月23日
手に斧を持った男がニューヨークで4人の警官に襲いかかりました。
容疑者は米国人のゼール・トンプソン、ネットなどを通じ過激な思想に染まっていったものと見られています。
警察によると、トンプソンはISISが繰り返す頭部の切断「beheadings 」、アルカイダ、ISIS、ソマリアの過激武装勢力アルシャハーブ「alShabaab」などをキーワードにネット上で検索していました。
ISIS側はその英字誌『ダビク』でクチュールについて言及しており、この襲撃の背後にはイスラム国(ISIS)がいると信じられています。

 


▼ 2015年5月3日
2人の男がダラス郊外で開催されたイスラム教の預言者モハメッドの漫画コンテストの会場の外で銃撃事件を起こしました。
警察が彼らに発砲して、殺す前に、銃撃者のエルトン・シンプソンとナディア・スーフィの2人は警備員一人を負傷させた後、両名とも警察に射殺されました。
連邦法執行機関によれば、シンプソンは銃撃の前にツイッターに自分をISISと関連づける投稿を行っていました。
この日のイベントではオランダの右翼政治家ギアート・ヴィルダーが基調演説を行いましたが、彼はアルカイダの抹殺対象者リストの上位にいる人物です。
銃撃犯の少なくとも一方は、ソーシャルメディアを通じシリア国内のISISの諜報機関と接触していた形跡があります。
戦争調査研究所によればISISは銃撃犯を「カリフの忠実な兵士」と呼び、関与を主張しました。戦争調査研究所は銃撃を「ISISの働きかけによる」ものと見ていますが、米政府当局はISISによる関与の主張は「事件に便乗したものであろう」と語っています。
しかしやはりISISが関与しているという見方が有力です。

 

▼ 2015年12月2日
タシュフィーン・マリクと夫のシド・リツワン・ファルークの2人がカリフォルニア州サンバーナディーノの地方自治公衆衛生従事者の集会会場を襲撃、14人を殺害し、21名を負傷させました。
マリクとファルークの2人は警察官や治安部隊との銃撃戦の末射殺されました。
事情に詳しい米国の3人の捜査官はCNNの取材に対し、マリクがフェイスブックでISISのリーダー・アブー・バクル・アル・バグダディに忠誠を誓っていたことを明らかにしました。
夫婦は2013年にISISが勢力を大きく拡大する以前から、過激な思想を持つようになっていたとコメイFBI長官が言及し、そしてファルークは他のテロリスト・グループとの連携も試みていたことも明らかにしました。
戦争調査研究所は2人の経学がISISだけではなく、アルカイダのテロ攻撃部門とも繋がりがあったという見方を示しています。
「この襲撃事件は、アルカイダまたはISISにつながる、銃と爆薬の扱いに習熟したテロリストが米国内で初めて行ったテロ攻撃事件となったのです。」

ISIS米国テロ現場地図
http://edition.cnn.com/2015/12/17/world/mapping-isis-attacks-around-the-world/index.html
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なぜ今自分がこの【星の金貨】を続けているのか、下の写真を見ているうちにその答えのひとつがあるような気もしてきました。
私は小学校の中〜高学年に小学館か講談社の『少年少女世界名作文学全集』全50巻、それぞれが400ページほどあるのが家にあったため、片っぱしから読んでいきました。
ガルガンチュアもシラノ・ド・ベルジュラックもミュンクハウゼンもオリバー・ツイストも皆この本で知ったのですが、その中で繰り返し読んだのは『ホメロス物語」でした。
でも心に残ったのはアメリカの『モヒカン族の最後』とイタリアの『ポンペイ最後の日』だったと思います。
いずれも『滅び」の物語でしたが、今思えば、『運命」というものの理不尽さに子供ながらに衝撃を受けたのかもしれません。
3.11では多くの人命が失われ、福島第一原子力発電所の事故では何十万という人が生きる場所を奪われましたが、その理不尽さを作り出したものは何なのか…
2015年という年の瀬に、そんなことを考えていました。

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【 公開 : ポンペイ最後の日、6軒の古代の家 】

アメリカNBCニュース 12月24日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

Pompei 1
4年に及んだ修復作業が終わり、12月24日古代ローマのポンペイ6軒の古代の家が公開されました。
ポンペイの古代ローマ帝国の歴史的建造物である6軒のドムス公開の除幕式でスヒーチをするイタリアのマッテーオ・レンジ首相(写真上)
ドムスは古代ローマにおける上流階級の裕福な市民の住宅でした。

6軒のドムスのうちのひとつ、フロニカ・ディ・ステファヌス。
今回行われた修復作業は欧州委員会が資金を供給し、ここにしかないユネスコ世界遺産の保護すを目的とする総費用1億500万ユーロの大きなポンペイ・プロジェクトの一環として行われました。(写真下・以下同じ)
Pompei 2
フロニカ・ディ・ステファヌスの中で撮影用の器材を組み立てる報道関係者。
Pompei 3
パクイウス・プロクルス邸。
Pompei 4
クリプトポルティコ邸。
Pompei 5
クリプトポルティコ邸の中にあったアンフォラ型古代容器(出口が細く、二つの取っ手がある。油やワインなどの容器として使われた)。
Pompei 6
http://www.nbcnews.com/slideshow/ancient-houses-restored-unveiled-pompeii-n485516

【 日本政府、過去最大となる防衛予算を承認 】

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所要時間 約 7分

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安倍政権による4年連続の防衛予算拡大、過去最高の5兆500億円
空前の規模の反対運動が展開された安全保障関連法案の成立も、防衛予算増額の根拠

ドイツ国際放送(ドイチェ・ベレ) 12月24日

安倍首相01
中国との関係が緊張を続ける中、安倍政権はこれまでで最大規模となる年間防衛予算を承認しました。
国家予算全体としてもこれまでで最高額を記録しましたが、負債をコントロールし、経済を成長局面へと導こうとしています。

安倍政権は記録的となる96兆7000億円の2016会計予算を24日木曜日に承認しました。
その中に含まれているのが、5兆500億円というこちらも過去最高額となる防衛予算です。
この金額は今年度予算と比べ、1.5パーセントの上昇となります。

これで安倍政権による防衛予算の拡大は4年連続となりました。
安倍首相は領有権を巡って中国との間で争いが起きている東シナ海の尖閣諸島の問題などを根拠に、日本の防衛力を強化していく必要があると主張しています。

安全保障法案02
9月に成立した集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案もまた、防衛費の増額の根拠の一つになっています。
この法律は第二次世界大戦(太平洋戦争)終了後初めて、日本の軍隊が海外で戦闘行動を行う事を可能にしましたが、国内外で大きな議論を巻き起こしました。
軍事能力の増強に対しては世界各地で頻発している軍事紛争に日本が加わらないよう求めて、日本の平和主義を守ろうとする人々が東京で空前の規模となる抗議行動を行いました。

今回の防衛予算には、最新型の駆逐艦や潜水艦の建造、新型ソナーの開発などこれまでにないハイテク軍備の開発購入費用が含まれています。

日本は米国との同盟関係を強化し、監視用の無人偵察機とF-35ジェット戦闘機をアメリカから購入したばかりです。

▽ その他の費用

自衛権02
日本がさらなる高齢化社会へと進んでいくのに合わせ、社会保障費も2015会計年度から1.4パーセント増えて31兆9,700億円への増額を予定しています。
この金額もまた、日本の財政史上最高額となります。

一方歳入面では国の税収は57兆6,000億円を予定していますが、これは25年ぶりの高額なものです。
しかしこの税収は日本政府が計画している1.7%の国内総生産(GDP)の増加が達成されることが前提条件となっています。

安倍政権はこの予算案をこのまま国会に提出するとしています。
可決されれば、予算は3月末までには成立することになっています。

http://www.dw.com/en/japan-approves-biggest-ever-defense-budget/a-18938005
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防衛予算の突出ということを聞いて腹正しく思うのは、日本国内で経済的格差が増大していく中、母子家庭あるいは父子家庭の経済的弱者の子供達が国から充分なケアを受けられずにいるのに、無人島の防衛のためには、ふんだんに金をかけた「最新鋭」の設備が当たり前のように導入されていることです。
「平和主義国家日本」というこれまでの常識を叩きつぶし、人を守らず、無住の無人島を守るために借金を増やしてまで軍備に国の予算をつぎ込む現政権の姿勢を、この国の常識にしてはならないのではないでしょうか?

今、障害者などの社会的弱者の方もまた、そのまま経済的弱者になっています。
私が住んでいる家の周囲には障害者の方のための施設がいくつかあり、朝夕その行き帰りに出会うことがしばしばあります。
私はこの場所で40年以上生活していますが、私が中学生だったとき、同じ年代に見える障害者の方が近くの施設に通学しているのと度々出会いました。
それから45年前後、先日その方が80歳は超えているように見える多分父親と思われる高齢の男性に手を引かれて施設の方に歩いていく姿を見かけました。
手を引く高齢の男性の歩みは覚つかなく、障害者の方の首は下がっていました。
当たり前のことですが私も歳をとったように、「通学」していた障害者の方も年齢を重ねていくことに改めて気がつきました。

障害者の方は好んで健常者と異なる体に生まれついた訳ではありません。
母子家庭の方も父子家庭の方も、初めからその形を望んでいた訳ではないはずです。
弱者という立場に足を取られてしまった人々の前向きな気持ちを、活かせる社会を作ること。
それが先進国家というものだと思います。

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【 2015年間の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 12月23日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

難民01
9月2日、トルコのリゾート地ボドラム近くの海岸に打ちあげられた3歳のクルド人難民の幼児、アイラン・クルディの遺体を収容する前に状況を確認するトルコの警察官。
びしょ濡れになった幼児のこの写真は、ソーシャルメディアを通し世界中に配信され、命がけでヨーロッパに渡ろうとするシリアやイラクなどの中東難民の運命を象徴するものと受け止められました。(写真上)

8月3日、カリフォルニア州クリアレイク近くのロッキー山脈の山林火災と戦っている消防士が、バックファイアを監視していた際、ヘッドランプによって自身の姿がくっくりと浮かび上がっている。
7月29日に始まったこの火災ではサンフランシスコの約160キロ北方の175平方キロの山林が焼失し、約12,200人に避難勧告が行なわれました。(写真下・以下同じ)

Day01
8月21日マケドニア南方の都市ジェヴジェリヤ近くのギリシャとの国境で、強引に入ろうとする中東難民とそれを阻止しようとするマケドニア警察との間でもみ合いとなり、間に挟まれて泣き出す難民の子供たち。

Day02
http://www.nbcnews.com/slideshow/year-pictures-2015-n482216

【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】《2》

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同時多発テロの発生を受け、膨大な資金をテロ対策目的ソフトウェア開発に注ぎ込むアメリカ
科学者のカード利用記録で移動先を追跡、人脈を解析して核兵器の開発状況を分析する
『二重用途』を持つ物質、平和利用目的なのか軍用目的なのかの判断は時間との戦い

エコノミスト 9月5日

ECO-NUKE02
2011年9月11日、同時多発テロの発生を受け、アメリカは膨大な資金をテロ対策を目的としたソフトウェア開発に注ぎ込むようになりました。
このブログラムはネット上でやり取りされている電子メール、教育プログラム、ウェブの閲覧記録、通話記録、銀行における決済の記録、物品の購入などアクセスできる情報なら片っ端から検証し、テロリストである可能性のある人物を特定しようとします。

例えばネット上でイスラム教過激派の聖職者のポッドキャストをダウンロードし、そしてその聖職者がいる都市を訪れ、そしてイスラム国(ISIS)の支配地域との間で電話連絡を取った人物がいれば、その人物は諜報機関のコンピュータ・スクリーン上に大きく表示されることになるのです。

現在アメリカは、核兵器などの詐取を企む人物や組織を特定できるようにするソフトウェアの開発に力を注いでいると、ホワイトハウスの国家安全保障会議で過激派勢力の拡大を阻止するチームを率いていたウィリアム・トービー氏が語りました。

こうした分析のために使われるソフトウェアは、IBMの『i2分析官のノートブック』、カリフォルニアのパランティア社の『パランティア』、そして国防総省も出資してペンシルバニアのカーネギー・メロン大学で開発されたORAなどです。

広島平和記念資料館内
カーネギー・メロン大学で研究を率いるキャサリーン・カーリー氏は、ORAは30,000人以上の核開発の専門家、各研究機関の組織的研究結果と調査結果、そして学術出版物をすべて検証したうえで作り上げられたと語りました。

研究の中身だけでなく、こうした研究出版などの動きを追跡することが現状分析に役立つことがあります。
例えば出版停止の措置が現状を物語ることもあります。
核兵器開発計画に関わっている科学者は、通常は出版の自由などは認められません。
ある特定の情報が機密扱いになったり、出版禁止になることで、その意図を察することが可能です。
またクレジットカードがどの場所で利用されたかの記録を追跡し、たとえば放射能汚染を専門に扱う医師たちが、不自然な程数多く同じ場所に異動していることを突き止め、何が起きているかを分析することもできます。

▽ 誰と誰がその場所にいるのか?

これらのソフトウェアは順列・組合せの数学理論を使い、それぞれの研究者たちの特性を分類整理することで、結論を導きます。
人物の分類基準はつぎのようなものです。
「中心的役割を果たす人物なのかどうか」(その人物の重要性)
「接触関係」(他の研究者との接触記録)
「集合体」(ネットワークに含まれる研究者の数)

サバンナ川最終処分場03
高い接触関係と少数の集合体した持たないネットワーク・メンバーは、中心的な人物である傾向があります。
本来多くの接触権限を持っていても、地位の高い人物は不特定多数の人間とは関わろうとしない傾向が認められます。

最近になって5人以上のイランの核科学者がイスラエルのモサドによって暗殺されましたが、その容疑者たちがこうしたソフトウェアを利用していることは間違いない。
こう語るのは、アメリカの元空軍長官であるトーマス・リード氏です。
氏には核拡散の歴史をまとめた著作(共著)「核エキスプレス」があります。

重要な事ですが、これらのソフトウェアは核兵器開発計画で重要な役割を果たす可能性のある物質を探し出すことが可能です。
これは思ったより簡単な事だと、フロリダ州タンパにある米国国防総省の元分析官が匿名を条件に語りました。
手製通常爆弾や生物兵器の材料は様々な経路を使って入手が可能ですが、核兵器を製造するには特殊な材料が必要になります。
これらのソフトウェアは、核兵器開発の『鍵』となる物質の数を特定、その行方を事細かに追跡していくことができると彼は語ります。
この情報の中には遠心分離器を製造する際に必要になるセラミック化合物を生産している限られた数の企業、そしてセラミック化合物を加工できる一握りの企業の情報が含まれています。

Gorleben貯蔵所
日本とロシアを含む数カ国はネットワーク分析を行っています。
日本の情報捜査機関は経済産業省の予算で動いています。
この機関は『二重用途』を持つ物質が平和利用目的なのか軍用目的なのかを判断し、輸出を許可するかどうかの判断を行う際などに助言等を行います。

こうした作業は慎重を要する、そう語るのは匿名を条件に取材に応じた、ウラジミール・プーチンが設置した安全保障評議会に助言を与える委員会の幹部です。
個々の機器や物質は核兵器開発とは無関係だと考えられるものの、場合によっては誤った判断をされる場合もあると彼は語ります。

情報源や情報の中身は多種多様であり、必然的に分析には時間がかかります。
アメリカ国務省の軍縮担当次官であるローズ・ゴッテンメーラー氏は、船が出港した後に複数の情報が照合され警報が発せられることがしばしばあり、その場合関係国の当局に乗船の上臨検するよう依頼する場合があると語りました。

しかし分析スピードの改善は続いています。
電話でのやり取りをコンピュータが判読可能なテキストデータに変換するソフトウェアが、
「とても役に立ちました」と語るのは、元オーストラリア外務省の安全保障局長で、拡散防止のためのNPO団体の前代表を務めたジョン・カールソン氏です。

-《3》へ続く –
http://www.economist.com/news/technology-quarterly/21662652-clandestine-weapons-new-ways-detect-covert-nuclear-weapons-are-being-developed?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】の《3》以降は2016年1月に掲載いたします。

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【 ガーディアン[目撃]アブダビ、リワオアシス 】

ガーディアン EYEWITNESS 12月21日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Eyewitness02
アブダビのエミラティ・キャピタルの南西にあるリワオアシスを、ラクダを引いて横切る男性。
http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/20/eyewitness-liwa-oasis-abu-dhabi

【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】《1》

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どんな小規模な秘密の地下核爆発実験についても検知できる、地球全体を監視するシステムが完成
秘密裏に核兵器製造技術の獲得を目指している国の数、冷戦以降最大に昇っている
電子メール、ウェブ閲覧、教育プログラム、通話、銀行決済、ポッドキャスト…あらゆる記録を監視するスパイウェア

エコノミスト 9月5日 

ECO NUKES01
実際に行なわれた核爆発の中で、2006年の北朝鮮による地下核実験のそれは小規模なものでした。
この時の爆発規模は1945年に広島に投下された原爆の10分の1以下で、間違いなく1キロトン以下と見られています。

しかしこの実験によって発生した物理的衝撃は、地球を半周した先にあるアフリカの中央部でも検知されていました。
地震センサーの検出能力の向上とモニタリング・ソフトウェアの進歩は、遠き離れた場所で発生した核爆発による衝撃と、たとえば従来の爆薬を使った建物の爆破などによる衝撃とを見分けることが可能です。
こう説明してくれたのは包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会のラッシナ・ゼルボ委員長です。
包括的核実験禁止条約そのものは、これまで163カ国が批准手続きを完了しました。

CTBTOは世界中の170カ所で地震センサーを稼働させているのに加え、11か所の水中音響計測装置が海洋中の振動波を観測し、60か所の大気中超低周波不可聴音(長距離を進むことができる低周波音響波)検出装置を運営し、さらには96か所の放射性核物質サンプリング施設と研究所を運営しています。
そして現在もさらに多くのセンサーの設置続けています。
そして最近になって、地球上の全域の監視を可能にするだけの数の設置を完了させました。

Weather
ゼルボ博士は今、地球上のどの場所であっても、どんな小規模であっても、核実験の実施を秘密のままにしておくことは不可能になったと考えています。
それに加え、米国空軍は偵察衛星などを使って核兵器実験を探知・特定できるネットワークを運営しています。

しかし実際に実験が行なわれる以前に、秘密裏に進められている核兵器開発を探り出すことができれば尚理想的です。
実際に1発ないし2発の核爆弾を開発してしまった国に、他国の政府がそれ以上を作らせないようにするための手段などほとんど存在しない、そう語るのは以前アメリカ国防総省(ペンタゴン)でイランの核兵器開発疑惑問題を担当していたチームの幹部、アイラン・ゴールドバーグ氏です。

多くの国々が核兵器の開発能力を欲しがっています。

ペンタゴンの諮問機関である防衛科学委員会は、核兵器製造技術の獲得を目指している国の数は冷戦以降のどの時代と比べても、現在最高の数に昇っているとの報告を昨年行いました。

こうした国にはスンニ派イスラム教徒の国サウジアラビア、そして対立するシーア派イスラム教徒の国イランが含まれます。

fallout
イランは今年7月長い間こじれてばかりいた交渉にいったん区切りをつけ、核兵器・原子力技術の利用を制限し、関連施設に対する監視や査察を強化する核・原子力技術協定を、アメリカその他の先進各国との間で締結しました。

そうした監視システムがどの程度の効果を発揮するか、特にイランの核関連施設に対する監視を続ける上で効果があるかどうか疑問視する専門家もいます。
これまで隠された核開発現場を発見することについて、西側先進国に残されている記録には成功例・不成功例が混在しています。
北朝鮮のウラン濃縮のための遠心分離装置の巨大な設備は、2010年に北朝鮮政府が一人のスタンフォード大学の教授に国内の視察を許可するまで秘密が保たれていました。
この事実は多くの関係国にとってトラブルの種になりました。

核爆弾の製造過程においてウランの濃縮は、最も重要な、そして非常に手間がかかるプロセスであり、その存在を証明するためには最も多くの証拠を揃えなければなりません。

対照的に、濃縮ウランを爆発させるための最も効率的な方法を計算するため、部屋いっぱいの科学者がインターネットに接続されていないコンピュータを使う作業は、目立たないように進めることができるとゴールドバーグ氏が指摘しました。
この点はどうしようもないとゴールドバーグ氏が付け加えました。

パキスタン・カーン
パキスタンで核兵器製造に携わった冶金学者のカーン博士は、その設計を北朝鮮に提供するという行為に出たのです。

▽ 最新の技術

核兵器の開発研究を隠匿しようという動きに対し、それを白日の下にさらすための技術はより多様化し、しかも強力なったことにより、探知する確率は高くなっています。
こうした技術革新は間違いなく発見能力の向上に貢献している、ラメシュ・タークル元国連副事務総長がそう語りました。

開発中の製品は、電子通信と金融取引の中身を綿密に検証するスパイ・ソフトウェアから、厳重に密閉された核物質の検出を可能にすることができる新型のスキャナにまで及んでいます。

情報収集がまず最初に行われます。
西側先進国の諜報網は、2003年に顧客の一人であったリビアが核開発計画を放棄するまで、前出のパキスタンのカーン博士が核爆弾の輸送手段のための特殊な技術と器材を使ったネットワークを構築していたことをつかんでいませんでした。

核ミサイル
これまでのところタークル元国連副事務総長が把握している限り、カーン博士のような例は他には探知されていません。
彼は今、オーストラリアのキャンベラにあるオーストラリア国立大学で核拡散防止と軍備縮小のためのセンター長を務めています。
これらは「ネットワーク分析」ソフトウェアの進歩のおかげであると、彼は言います。

-《2》へ続く –

http://www.economist.com/news/technology-quarterly/21662652-clandestine-weapons-new-ways-detect-covert-nuclear-weapons-are-being-developed?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 ガーディアン[目撃]2015年間最優秀写真 】

ガーディアン EYEWITNESS 12月21日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Eyewitness01
ガーディアンの[目撃(EYEWITNESS)]シリーズの年間最優秀写真に契約カメラマン、ヤニス・ベラキスの作品が選ばれました。この写真はシリア難民を満載したボートのエンジンが故障し、ギリシャ、コス島沖のエーゲ海を漂っている様子を撮影したものです。

http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/21/eyewitness-guardian-agency-photographer-of-the-year

【 日系アメリカ人の強制収容、現在の大統領候補がルーズベルトの恥ずべき汚点を真似ようとしている 】

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一般市民を隔離収容するというルーズベルトの決定は、明らかに深刻な人権侵害であり、道徳的に非難されるべきもの
史上最も偉大なアメリカ大統領の、最大の誤り
第二次世界大戦当時、日系人を強制収用することでアメリカが果たしたかった目的とは?

ダグラス・ブリンクリー / CNN歴史部門責任者 12月10日

日系人01
その時ハロルドL.イッキス国務長官は青ざめた表情をしていました。
真珠湾攻撃から74日後、彼のボスであるアメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルトは大統領命令9066に署名しました。
この命令は120,000人以上の日系アメリカ人の抑留を認可するものでした。
このうちの62%はアメリカで生まれた、アメリカ人だったのです。

イッキスはルーズベルトが日系の人々を『アメリカ人としてふさわしくない』と呼び、一般市民を逮捕させようとしていることに内心憤慨していました。
イッキスは抗議の意思を表すためすぐに、4人の日系アメリカ人男性と3人の女性を、アリゾナの仮収容所から自分の地元であるメリーランド州オルニーへ移動させました。
「私はいかなる理由があっても人種や皮膚の色によって祖国への忠誠の度合いを判断し、収容所送りにするようなことは好みません。」

共和党の次期アメリカ大統領候補のひとり、ドナルド・トランプはすべてのイスラム教徒がアメリカに入るのを止めさせるという彼の要求を自ら弁護し、その中でルーズベルトは大統領が1942年に行った日系アメリカ人に対する人種隔離政策を支持する発言を行いました。

ルーズベルト01
私の考えではフランクリン・D・ルーズベルトは米国史上で最も偉大な大統領でした。
しかし、大統領命令9066は彼の最大の間違いでした。

アメリカ市民であるはずの人びとを隔離収容するというルーズベルトの決定は、明らかに深刻な人権侵害であり、道徳的に避難されるべきものでした。
真珠湾攻撃というアメリカ本国に対する破壊行為が再び繰り返されるのではないかという恐怖が、ルーズベルトをしてこの決断を行なわせました。
そして実際に大統領命令9066への大統領の署名から4日後、カリフォルニア州沖の太平洋に現れた日本の潜水艦が、ゴレタのエルウッド油田を攻撃したのです。

この時の攻撃規模は大きくはありませんでしたが、油田は一時的に閉鎖され、付近のオレンジ畑が火災を起こしました。
この結果を受け、西海岸全体に警報が発せられました。
「日本軍がゴレタに砲弾を打ちこむことができるという事は、今や西海岸全体が危険にさらされているのではないか?」

「我々は乾季の間、日本軍の焼夷弾攻撃と工作員などの放火による火災を警戒しなければなりません。」
ルーズベルトは予算局の局長にこう語りました書いた書簡を送りました。
「これは我国の将来の安全を確保する上で、必要不可欠なことです。」

日系人02
しかしルーズベルトが本当に懸念していたのは、彼のニューディール政策の中で思い入れの深い事業に対し、アメリカ議会が出費を認めなかったことでした。
それは資源保存市民部隊(CCC)と呼ばれるものです。

1933年から1942年までCCCは340万人の失業者を使って30億本の植林を行い、西海岸の森林を火災から守る活動を行っていました。
CCCは3,000基の火の見やぐらも建設し、この事業を推進していました。
1942年5月4日、ルーズベルトは、西海岸一帯の森林を日本の工作員の放火から守るため、少なくとも資源保存市民部隊の中核部分によるネットワークだけでも維持するよう求める土壇場の訴えを議会で行いました
しかし米国の下院は彼の要請を拒否し、同年6月CCCに対する政府予算の支出を中止したのです。

その結果CCCのメンバーだった若者たちは、その後アメリカ軍に入隊するか、あるいはデトロイトやヴァージニア州ノーフォークのような戦時物資の生産拠点へと職を求めて去っていきました。

当時の最高裁判所判事のウィリアムO.ダグラスは、西海岸の森林を放火などから守るため「市民による臨時の監視部隊」や「未開地パトロール隊」の創設を提案しましたが、この程度の規模の提案さえ議会から資金引き出すことはできませんでした。

日経アメリカ人
こうした背景もあり、アメリカの森林資源を守るため、最終的にルーズベルトは日系アメリカ人の収容が必要であるとの判断を行ったのです。
そして彼はラジオを通じて全アメリカ国民に対し、森林警備と敵対的破壊活動の監視に関する協力を要請したのです。
「制御不能に陥った火災は、平時であっても、国家脅威です。」
ルーズベルトは断定口調でこう語りました。
「敵の工作員があらゆる手段を用いて我々に対する妨害工作を行なおうとしている今日、一日も早くこの戦争に勝利するためには、破壊的な火災を起こさないよう監視を厳しくすることは必要不可欠な事なのです。」

まもなく米国戦争広告評議会は、米国内の欧米人に対し、放火と失火について警告するためのキャンペーンを開始しました。
アメリカの各家庭は、アメリカ国内の国有林に火を放ち、すべて灰にしてしまうためのマッチを手にしている日本の東条英機首相を絵にした郵便物やパンフレットであふれかえることになりました。

東條森林火災
全体として見た場合、1942年から1945年まで続いたルーズベルト大統領の戦時動員体制は、きわめて能率的に機能したと言えます。
「ドクター・ニューディール」は、本当の意味で「戦争の勝利を確実にする」指導者へと変貌したのです。

イッキスが感じていたように、そうした輝かして事歴の中で日系アメリカ人の強制収容はルーズベルト体制に唯一暗いしみをつけることになりました。
西海岸に広がる森林地帯への日本軍による焼夷弾攻撃を警戒したことは、妥当でした。
しかしルーズベルトはこの脅威に対し、過剰反応をしてしまいました。
すべての日系アメリカ人が、彼らがあずかり知らない犯罪行為によって予防拘禁されてしまったのです。

幸いなことに1988年、ルーズベルトの日系人強制収容についてロナルド・レーガン大統領が謝罪を行いました。
しかし現在、同じ共和党の大統領候補者のトランプは21世紀の今になって、ルーズベルトの第二次世界大戦当時の過ちを肯定的しているのです。
そしてアメリカ大統領、すなわちアメリカ軍最高司令官の地位に自分がふさわしいと思わせるため、国民に新たな懸念を植え付けようとしています。

NYRefugee03
米国国会議事堂で開催された奴隷制度廃止150周年記念式典の席上で、オバマ大統領が当然のことのように語ったように
「私たちの自由は他の人々の自由とも密接にかかわり合っています。自由はその人々の外見がどうか、どこの出身であるか、あるいは苗字がどの地域や国固有のものであるか、どのような信仰を持っているか、そうしたことに関わりなく保障されるべきであるという事を、忘れてはならないのです。」

http://edition.cnn.com/2015/12/09/opinions/brinkley-fdr-internment-trump/index.html
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本日、日付の設定を誤り、この原稿と次回公開予定のものを同時に公開しました。
次回分について日付の再設定を行いましたので、ご了解ください。

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【 目撃 : 釧路湿原ほか 】

ガーディアン[アイウィットネス] 12月9〜18日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

Eye 2
北海道・阿寒国立公園で、餌の魚を横取りしようとしたオジロワシに一撃を加える丹頂鶴。この丹頂鶴の体長は1.6メートル、翼を広げると2メートルになります。(写真上)
http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/09/eyewitness-crane-eagle-fight-kushiro-japan

嵐が去った後、スコットランドのベン・ラワーズ国家自然保護区のパースシャーで、太陽が輝く静かな好天を楽しむ人々。この場所は北極圏の山岳植物と野生生物で有名な場所です。(写真下)
Eye 1
http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/16/eyewitness-meall-nan-tarmachan-scotland

フランス、アミアン大聖堂の正面のファザードです。年に一度クリスマスの季節に、13世紀に彫刻された当時の通りの色を光で再現するイベントが一般公開されます。
Eye 3
http://www.theguardian.com/world/picture/2015/dec/18/eyewitness-amiens-france

【 フクシマのトリプル・メルトダウン後の世界 : 再び事実の歪曲が始まる 】《3》

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放射線はガンという細胞を破壊しているだけ、健康な細胞を復活させているわけではない
福島第一原発の事故から教訓を得るどころか、原子力産業の欺瞞に満ちた広報活動が活発化している
健康な人の体内メカニズムの中で、放射線が何か有益な効果を発揮したという事が科学的に証明されたことなど一度も無い

スー・プレント / フェアウィンズ 11月 17日

核廃棄物01
微量の放射線なら人間の健康に害はないというホルミシス理論を世間一般に流布させることは、原子炉を作っているような原子力産業はもちろん、放射線医学(科学)業界にとっても大いに助かる事なのです。
キャロル・マーカス医学博士たちのアメリカ原子力規制委員会への嘆願書から読み取れるのは、医療診断およびガンの放射線治療において放射線が有益な働きをしていることを根拠に、放射線そのものがあたかも人体にとって有用であるかのような理論を用いているという事実です。
しかしそれは長年に渡るドイツでの研究を始め、多くの研究結果が否定しているはずです。

放射線によるがん治療というものが、人間の免疫機能を活性化させたり病変した細胞を賦活させたりするのではなく、ガン細胞を放射線によって破壊するというきわめて限定的な使われ方をしているのだという点を私たちは再確認し、放射線が人体に良い影響を与えるなどといういい加減な理論にしっかりと反論していく必要があります。
どんなに微量の放射線であっても、それを放射することによって健康な人の体内メカニズムの中で、何か有益な効果を発揮したという事が科学的に証明されたことなど一度も無いのです。

NBC福島02
マーカス医学博士たちのアメリカ原子力規制委員会への嘆願書を公平な目で見直せば、そこには彼女たちの専門分野の作業の邪魔になっている、各種の放射線から人間を守るための各種の基準を骨抜きにしようという記述がなされていることに気づかされます。

放射線被ばくの制限を設定する際、LNT理論を基準として採用することを止めるようアメリカ原子力規制委員会に提出された保健物理学者のマークL.ミラー博士の第2の嘆願書の記述は、その多くがマーカス医学博士の嘆願書の引用です。
この事実は両博士が、協力関係にあることを示唆しています。

第3の嘆願書は、微量の放射線なら人間の健康に害はないというホルミシス理論を最も強く支持しているモーハン・ドス博士が率いるグループによって提出されました。
その嘆願書に名を連ねているのは、原子力産業界に多額の投資を行い、利益を得、そしてさらに獲得する利益の拡大を図っている人々です。
フォックス・チェース癌センターのウェブサイトには、MCCPM(カナダ医科物理大学)のモーハン・ドス博士は
「低線量の放射線を用いたガンの予防と治療、およびガン以外への放射線治療の応用」を含む放射線科学の専門家であると紹介されています。

110621
モーハン・ドス博士は微量の放射線が人体に有益であるという都合の良い理論の論拠として、温泉療法を論拠としています。
ドス博士、ミラー博士、マーカス医学博士の3人は共同でニューヨークタイムズの取材に応え( http://www.nytimes.com/2015/09/22/science/when-radiation-isnt-the-real-risk.html )、福島第一原発の事故による避難生活のストレスによる自殺、あるいは避難期間中の事故による死者の数を挙げ、そもそも避難は必要性が薄く、不必要な避難によってこれらの死がもたらされたのであり、原子力発電そのものが問題なのではないと主張しています。

ニューヨークタイムズの記事は続けて、被ばくした線量あるいは被ばくしている放射線の量が微量なものでしかない、本来非難が不必要な場所まで避難区域に繰り入れてしまったために、不必要な死を量産してしまったと主張しています。
しかしこうした見解は、客観的な科学的検証によってすでに否定されているはずです。

しかし実際には原子炉が存在しそれが一度に3基も事故を引き起こしたことにより、避難を余儀なくされた人々は恐ろしい程のストレスを課されることになったのです。
この、原子炉が事故を起こすという事態は、二度と許されるものではありません。

Fukushima residents
こうした事実を歪曲することによって実際に起きた出来事の性格を変えてしまおうという試みは、裏で協力し合っている疑いのある原子力産業界と規制当局とが、原発事故が『不必要な』避難を周辺住民に強制したという事実を忘れ去られるよう仕向けるための卑劣な手段です。

もしアメリカの原子力規制委員会がこれまでご紹介した3人の科学者たちの意見を容れ、放射線被ばくに関する制限を緩めることになれば、原子力発電所の周辺で生活する人々により一層の放射線被ばくの危険を強いることになります。
そして原子力産業界は必要とされている安全対策や放射能汚染の除去、事故収束などの作業のために必要になる数十億ドル単位の費用を節約することが可能になるでしょう。

原子力産業界が今行っているプロモーションを見れば、彼らは福島第一原発の事故から教訓を得るどころか、欺瞞に満ちた広報活動が活発化していることに気づかされます。

一般市民の健康を脅かす危険は、今非常に大きくなりつつあります。

〈 完 〉
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education/demystifying-nuclear-power-problem-in-a-post-fukushima-triple-meltdown-world-do-the-numbers-work-for-atomic-power
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【 12月16日までの報道写真から 】

アメリカNBCニュース 12月13日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

day 1
12月13日、スイス、ローザンヌ近くのジュネーヴ湖のクルージング。(写真上)

12月13日、バチカンを訪れた子供にキスするローマ法王フランシス1世。法王は17日80歳の誕生日を迎えました。
day 2
ギリシャの首都アテネの南郊の競技場近くで遊ぶ、中東難民の少年。
Day 3
イタリア、ミラノ市内のクリスマスのイルミネーションで飾られた橋を渡る市民。
Day 4
12月13日、アメリカ、ペンシルベニア州、例年ならこの時期氷結しているはずのデラウェア川で釣りを楽しむ人。
Day08
12月17日、ギリシャのレスボス島に近づく難民を乗せたボート。国際移民機関によると、今年1年で920,000人の移民がEU圏内に入りました。そのうち770,000人がギリシャにやって来たため、同国の出入国管理体制は大混乱に陥りました。
Day09
http://www.nbcnews.com/slideshow/wednesday-pictures-december-16-n481446

【 フクシマのトリプル・メルトダウン後の世界 : 再び事実の歪曲が始まる 】《2》

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所要時間 約 7分

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チェルノブイリ周辺の生態系が無残に破壊された事実を歪曲する映画が完成、公開された
原子力発電所周辺で生活する子供たちの白血病の発症割合が高いという事実を明確にしたドイツの研究
放射線医学分野の専門機器開発やその使用は、原子力産業界にとって巨大な成長機会が得られる場所



スー・プレント / フェアウィンズ 11月 17日

都路町帰還05
特に日本の一般市民に対して行われている漏れ出した放射性物質の影響をできるだけ小さなものにしてしまおうとする宣伝は、福島の事故によって著しく汚染された土地からの避難は必ずしも必要ではないというものです。
しかし実際には人間にとってこの場所は非常に危険なのです。

原子力発電に関わってきた企業やブローカーたちによるこのホルメシス(またはホルミシス - 事実とは異なる情報)の流布を許せば、莫大な費用がかかる付近の住民のための避難計画や安全対策が必要でなくなり、原子力産業は多額の経費を浮かせることが可能になります。

補償や賠償の額を減らそうとしている日本政府は、福島の事故により自宅や故郷を捨てざるを得なかったいわゆる原発難民の人々に対し、もともと避難の必要性は高いものではなかったと主張し、除染などの作業が一段落した今となっては、1日でも早く荒廃してしまった元の場所に戻るよう求めています。

アルジャジーラ抗議集会
原子力産業界にのみ都合の良い、そして事実を歪曲したこのホルメシスは、原発事故の被災者たちを無造作に危険な場所に追いやることによって東京電力の賠償責任を終わらせ、その負担を一気に軽減させようとする企みに他ならないのです。

アメリカでは現在原子力規制委員会(NRC)が中心となって、原子力発電の復権を目指し様々に、そして活発に画策しています。
そして少量の放射能漏れに関する3つの案件について原子力産業界が最近行った主張を受け入れ、その事実そのものを否定する動きを見せはじめています。

これまでの数十年間、積み重ねられてきた実証済みの科学的な証拠は、どんなに少ない量であっても一定量以上の放射線被ばくをすれば、健康に害がないということは決して言えないという理論を確立させました。
《1》でご紹介したホルミシスによる偽りは、すでに明らかなはずなのです。
これはLNT曲線と呼ばれる理論で説明が可能です。

『微量の放射線を浴びることはかえって健康に良い』などというホルミシスが偽りであることは書いた通りですが、それでもこの考えを広めようとする人間たちは周到な準備を重ね、放射線を浴びるという事の危険性についての一般市民の認識を、時間をかけて別のものに変えようと画策を続けているのです。

Chernobyl21
この原子力発電の復活ための大規模な宣伝が行なわれていることに最初に気づかせてくれたもののひとつが、映画『チェルノブイリの映画オオカミ』でした。
それは歴史上2番目に発生した最悪のチェルノブイリ原子力発電所事故の現場周辺で、この大型の哺乳類の復活に焦点を当てたものです。
しかしこの映画は他の生態系が無残に破壊されてしまったことを無視していました。
特に鳥類、昆虫類の多くの種がチェルノブイリの破壊された原子炉から放出された放射性物質により絶滅しました。
そして樹木も寿命によって枯れ、その倒木が微生物によって腐敗し、その中から再び新しい芽が出て樹木となって再生を繰り返すというサイクルが完全に断たれてしまったのです。

そして今、アメリカの原子力規制委員会は公的資金を投入した研究、稼働中の原子炉と付近の住民たちのガン発症率の関係についての研究を突然中止しました。
なぜ、2010年から始まったこの研究をきゅうにやめたのでしょうか?
原子力規制委員会は米国科学アカデミーに担当させていたこの研究の継続について
「膨大な時間がかかる上に、多くの手間を必要とし、さらには原子力規制委員会の予算の制約を考えると、非現実的である」とのコメントを行いました。

Chernobyl04
ドイツで行われた同様の研究では、原子力発電の将来についてすでに否定的な結論が出ています。
私は米国原子力規制委員会が中止したこの研究において、これまで収集されたデータが何を明らかにしたのか、そして原子力発電の将来性についてどのような方向性を示したのか、現時点では推測する事すら不可能です。
しかしブレーメンにあるヴォルフガング・ホフマンとエバーハルト・グレイサーによって行なわれ、『クルンメル原子力発電所周辺における子供たち及び成人の発見病発症割合』と題されたこの研究では、原子力発電所周辺で生活している子供たちの白血病の発症割合が高くなっているという事実を明確にしました。

利害については、実際に放射線に関する恐怖体験を持つ原子力産業界の科学者たちと放射線医学の医療関係者との間で一致しています。
そうした意味では、原子力規制委員会に対し放射線疾病基準の緩和を要請した中に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の放射線医学のキャロル・マーカス医学博士が名を連ねていたことは、別に驚くべき事ではありません。

放射線医学にはこれからまだまだ発展の余地があり、放射線学分野の専門機器開発やその使用は原子力産業界にとっては巨大な成長機会が得られる場所なのです。
放射線を使った診断機機器や治療機器を扱う医療従事者に対し通常行われている、制限時間を超えてこれらを使用することには健康上問題があると注意を喚起することに異論を唱えることは、マーカス博士やその同僚に特別な利益をもたらすのです。

-《3》へ続く –

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education/demystifying-nuclear-power-problem-in-a-post-fukushima-triple-meltdown-world-do-the-numbers-work-for-atomic-power

【 フクシマのトリプル・メルトダウン後の世界 : 再び事実の歪曲が始まる 】《1》

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所要時間 約 9分

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廃炉、除染、放射性廃棄物を隔離保管する問題に、これ程苦しめられる事になろうとは、誰も考えていなかった
老朽化し各種の放射性物質が漏れだしている原発、迅速な廃炉・危険な放射性核廃棄物の隔離保管が喫緊の課題
原発を動かせば、一般市民を放射線の被害から守るために巨額の費用が必要になる、それを証明した福島の事故

スー・プレント / フェアウィンズ 11月 17日

don't need it
多国籍企業や巨大電力会社が関わる数十億ドル規模の原子力事業の公的な安全記録からは、膨大な数の恥ずべき事実が書き込まれています。
そして今、突出して高い公的資金の援助を受けながらここまでやって来た原子力事業というものが、業界の側に有利な安全基準と政府の財政援助なしで自立して安定的に電力の供給を続けられる手段なのかどうか、経済的に非常に厳しい現実を突きつけられています。

さらには政府による政策的保護と他と比べて異常ともいえる程高額な財政援助は、世界中にある原子力発電所を安全に維持していくことについての、重大な懸念を生んでいます。
特にアメリカにおいて、政界と産業界の結びつきは強いものです。
そしてアメリカ国防総省を始め世界各国の軍事部門にとって、原子力発電所は核兵器のために安定した原料を供給し続けています。

世界中で原子炉が建設され始めたころ、いずれ原子力発電所を持つ国々が廃炉、除染、そして信じられないほど長い間極めて危険な放射性廃棄物の保管問題に苦しめられようとは、想像もしていませんでした。
そのために、これらの問題に関する長期計画などは存在しませんでした。

フランス・アレバ
そして現在、老朽化し各種の放射性物質が漏れ出している原子力発電所について、どうすればできるだけ早期に廃炉を完了させ、各種の放射性廃棄物を安全に隔離保管できるのかということが、大きな課題としてクローズアップされています。

アメリカ国内では原子力発電所の近隣で暮らす人々が、州政府には原子力発電所の閉鎖と廃炉については何の権限も持たず、すべては合衆国政府の管理の下で行われなければならないことに改めて気づかされることになりました。
そして莫大な費用がかかるこうした作業のために、本来積み立てられていなければならない資金が完全に不足しているという現実に驚かされています。
このため安全適切な原子力発電所の閉鎖・廃炉の手順が描けず、住民たちが各種の放射性廃棄物の問題と直接向かい合う羽目に陥っています。

まさにこの点が肝心なところです。
もし放射線が有害なものでなければ、そして放射線量は高ければ高い程危険であるという一致した科学的見解が存在しなければ、原子力発電所の運営、経営というものは、非常に安価なものであるという事が出来るかもしれません。

仏・フラマンヴィル
では皆さんにとっての『不都合な真実』についてお話しましょう。
今、アメリカの原子力産業界は原子力規制委員会(NRC)の側面からの援護を得て、狡猾な方法を駆使し、再び巨額の公的財政援助を手に入れようとしているのです。

危険な放射性物質の再生が始まろうとしているのです。

ウラン鉱物の採取から始まり、最終的に原子炉を廃炉にし、さらには250,000年の間極めて危険な放射性核廃棄物を安全に隔離保管することまでが、原子力発電の一連の流れになります。
この全てのプロセスにおいて一般市民を放射線の被害から守るためには、3基の原子炉が一度にメルトダウンするという福島第一原子力発電所の事故により、極めて莫大な額の費用が必要だということが明らかになったはずでした。
ところが原子力産業界は、放射線の危険が存在することすら否定するという厚顔な恥知らずな態度を取り続けています。

福島の事故が証拠を突きつけたにもかかわらず、事実すら否定してかかる原子力産業界の姿勢は、気候変動の問題への世界全体の取り組みに対しても、効果的な妨害勢力を形成しているのです。
ではなぜ放射線がもたらす悲惨な被害を隠そうとする隠蔽工作に対し、一般市民は共通の認識を作ることができないのでしょうか?

川内原発NYT
ウラン鉱物の採取から始まり、最終的に原子炉を廃炉にし、さらには250,000年の間極めて危険な放射性核廃棄物を安全に隔離保管することまでが、原子力発電の一連の流れになります。
この全てのプロセスにおいて一般市民を放射線の被害から守るためには、3基の原子炉が一度にメルトダウンするという福島第一原子力発電所の事故により、極めて莫大な額の費用が必要だということが明らかになったはずでした。
ところが原子力産業界は、放射線の危険が存在することすら否定するという厚顔な恥知らずな態度を取り続けています。

福島の事故が証拠を突きつけたにもかかわらず、事実すら否定してかかる原子力産業界の姿勢は、気候変動の問題への世界全体の取り組みに対しても、効果的な妨害勢力を形成しているのです。
ではなぜ放射線がもたらす悲惨な被害を隠そうとする隠蔽工作に対し、一般市民は共通の認識を作ることができないのでしょうか?

今また新しくて古い、原子力発電に関する偽りのキャンペーンが恥まっているように見受けられます。 第1はすでに誤っていることが証明されているはずの『微量の放射線を浴びることは、むしろ健康のために良い』というプパガンダの復活です。
これは『放射線ホルミシス』と呼ばれ、微量の放射線照射によって生体が刺激されるとするものです。

白煙を上げる現場
第2は日本国内を広範囲に大量の放射能によって汚染した、3基の原子炉のメルトダウン、福島第一原子力発電所の事故に対する世界の認識を変えよう、すなわち歪めようとする取り組みです。

それはどのようにおこなわれているのでしょうか?

特に日本の一般市民に対して行われているこの宣伝は、福島の事故によって著しく汚染された土地からの避難は必ずしも必要ではないというものです。
しかし実際には人間にとってこの場所は非常に危険なのです。

原子力発電に関わってきた企業やブローカーたちによるこのホルメシス(またはホルミシス - 事実とは異なる情報)の流布を許せば、莫大な費用がかかる付近の住民のための避難計画や安全対策が必要でなくなり、原子力産業は多額の経費を浮かせることが可能になります。

補償や賠償の額を減らそうとしている日本政府は、福島の事故により自宅や故郷を捨てざるを得なかったいわゆる原発難民の人々に対し、もともと避難の必要性は高いものではなかったと主張し、除染などの作業が一段落した今となっては、1日でも早く荒廃してしまった元の場所に戻るよう求めています。

no more 05
原子力産業界にのみ都合の良い、そして事実を歪曲したこのホルメシスは、原発事故の被災者たちを無造作に危険な場所に追いやることにより、東京電力の賠償責任を終わらせ、その負担を一気に軽減させようとする企みに他ならないのです。

-《2》へ続く –

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education/demystifying-nuclear-power-problem-in-a-post-fukushima-triple-meltdown-world-do-the-numbers-work-for-atomic-power
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【 中東難民受け入れ第1号機が到着したカナダ 】

アメリカNBCニュース 12月11日
(掲載されている写真をクリックして大きな画像をご覧ください)

難民 1
12月9日、カナダのトロントにシリア難民を乗せた第1便の旅客機が到着し、ジャスティン・トゥルデュー首相の出迎えを受けました。
親指を立ててカナダ到着を喜ぶシリア難民の少年。(写真上)

トロントに到着し喜ぶシリア難民の女性と、一緒に写真におさまるトゥルデュー首相。(写真下・以下同じ)
難民受け入れを約束した後数ヶ月の準備を経て、トゥルデュー首相が派遣した軍用機が第一回目に受け入れられる人々を乗せて到着しました。
難民 2
難民 4
到着したばかりのシリア難民の女の子に防寒着を差し出すトゥルデュー首相。
難民 5
難民 6
難民 7
http://www.nbcnews.com/slideshow/canada-welcomes-first-plane-syrian-refugees-n478516

【 真珠湾攻撃、日本の目論見とアメリカの怒り 】

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所要時間 約 6分

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第二次世界大戦において局外中立を模索していたアメリカの希望を、1941年12月9日日本軍が打ち砕いた
奇襲の繰り返しにより戦術的勝利を得た日本、しかし戦略的優位性を持ったアメリカに徐々に追いつめられていった

ガーディアン 12月9日

真珠湾攻撃
1941年12月9日の朝、第二次世界大戦に対し、何とか巻き込まれずに済ませられないかというアメリカの希望は、潰え去りました。

結局日本の攻撃は、アメリカ国民を団結させ、局外中立を模索していた国家に一夜にして戦闘態勢をとらせることになりました。
ほとんどのアメリカ人は突如無警告で攻撃されたことに心底驚きました。
アメリカ国内では日本の東條内閣に対する威嚇が充分効果を発揮しているとの見方が一般的だったのです。
しかしこの日の朝、開戦から一年以上が過ぎていた第二次世界大戦に、何とか巻き込まれずにいたいものだというアメリカの希望は、潰えました

そして午後にはアメリカ議会は日本への宣戦布告を決議し、ここに極東においてアメリカ合衆国、大英帝国、オランダ、中国を合わせた対日本軍事同盟が動き出したのです。

真珠湾攻撃号外
それまで孤立主義を主張していた政治指導者たちや各報道機関は例外なく口うるさい少数派の意見、すなわちアメリカは局外中立を貫くべきだという主張はもう通用しないと態度を一変させました。
日本の真珠湾攻撃は、アメリカ合衆国が第二次世界大戦には直接関わらずに済むだろうと思っていた人々の考えを一変させることになったのです。

枢軸国側による世界侵略への脅威とアメリカの勢力圏に対する直接的な脅威の両面を踏まえ、日本の攻撃はドイツ政府の指示によるものだという事が広く信じられています。

もし日本がハワイではなくタイを攻撃していれば、ほとんどのアメリカ国民が憤激の嵐を巻き起こすような事態にはならなかったと考えられます。
議論の余地が全くないという程ではありませんが、ドイツがポーランドを侵略した際にもアメリカは宣戦布告を行なわなかったように、真珠湾を攻撃する代わりに日本がタイを侵略していれば、アメリカは動かなかった可能性があります。

沖縄戦負傷兵
日本が真珠湾その他の米軍基地に対し、宣戦布告が先か攻撃が先か解らない程不意の奇襲を行ったため、枢軸国側はアメリカの全面的な参戦に対する備えを充分に行うという戦略について、あらゆる希望を失ってしまいました。

アメリカ政府から見れば、ストライキによって国内の軍需産業の生産活動がストップすることを、日本が未然に防いでくれたことにもなりました。
さらにはルーズベルト大統領の外交政策はもともと人気が高いものでしたが、真珠湾攻撃によってその支持は完全無欠に近いまでの状態になったのです。

太平洋戦争がいつどの段階で始まるのか、日本の軍当局や海軍当局による厳しい検閲によりその判断は難しいものでした。
それでもアメリカ側には広い範囲をカバーする戦略の概略は出来ていました。
「A.B.C.D包囲網」
太平洋戦線における4か国による連合国は、日本がアジア侵略を進める際にアメリカ軍に横撃されないようナチスドイツに倣い奇襲を繰り返した開戦当初、敗北の連続で苦しむことになりました。

太平洋戦インドシナ01
真珠湾への日本の攻撃目的は、アメリカ太平洋艦隊を破壊し、設計された反撃能力を削いでしまうことにありました。

日本は不足するゴム、スズ、タングステン、そしてキニーネを求めてマレー半島とシンガポールを攻略する可能性がありました。
さらに日本近海の制空権を確立するため、当時領有していた千島列島の空港が悪天候の際使えなくなった場合の代替地を確保する目的で、ウラジオストックも攻撃する可能性がありました。

グアム、ウェーキ島、フィリピンには日本軍の攻撃の脅威が迫っていました。
アメリカ太平洋艦隊が南シナ海での活動を行う場合、これらの島々は必要不可欠な拠点でした。
インドネシアのボルネオ島にある、英国とオランダが経営していた油田地帯も、日本軍に攻略される可能性は現実のものでした。

太平洋戦争地図
アメリカは太平洋戦線において英国、オランダ、オーストラリア、中国と同盟関係にありましたが、一方で日本軍の攻撃が自分たちに向けられる可能性があることを早くから予想していました。
そして日本が奇襲によって、緒戦を有利に展開しようとするだろうという事も解っていました。
しかし当時の連合国側の専門家は、日本軍は広大な太平洋戦線を維持していくだけの膨大な数の艦船を持ってもいないし、そこまで訓練された軍隊も存在しないというものでした。

当初の展開は多くのアメリカ人が信じていたほどには簡単なものではありませんでした。
しかし政府内には優れた分析官が存在し、アメリカ社会には健全な報道体制が敷かれていました。
そしてアメリカ国民はその優れた軍隊、戦略的地位、そして戦時計画の妥当性により、最終的には勝利できると確信していました。

http://www.theguardian.com/world/2015/dec/09/pearl-harbor-attack-us-japan-1941-archive

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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