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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 日本の政治機構は化石化している 】

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28日の日、民主党の新しい党首が選ばれ、実質的に日本の新首相が決 まりました。

しかし、新しい首相はこの記事でドイチェ・ペレが指摘する大きな課題については、

災害復興と原子力災害については語らず、『化石化した政治機構』については旧来通り「政治家と官僚の融和」を説いています。

新首相、ということなら日本国民の一人としては、何がしかの期待を抱きたいところです。

しかし、今度の首相が国民の方を向いているのか、それとも富と権力のある方を向く人なのか、これから見極めなければなりません。

政治というものが常に私たち国民の頭の上にある以上、私たちの方も監視の手を抜くわけにはいきません。

【 日本の首相、与党党首を辞任 】

ドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送) 8月26日

日本の菅直人首相は復興、原子力災害と円高の同じ課題に直面することになる、新たな首相に道を譲るため、与党 民主党の党首を辞任します。

「私は日本の民主党の党首として、本日辞任することを提案します。」菅直人は、金曜日与党議員に語りました。

「新しい党のリーダーが選出された後、内閣を総辞職させ、速やかに首相を辞任します。」

タカ派の元外務大臣前原誠司と現在の野田財務大臣を含め、少なくとも7人が月曜日に予定されている投票で、新 しい党首に選ばれることに意欲を示しています。

誰が勝っても、衆議院における過半数の議席のおかげで首相になることになります。彼はこの5年間で5番目の首相ということになりますが、前任者たちよりも長くその権力の座に座っていたい、と願うことでしょう。

菅首相は二つの主要な法案が通過した後、辞任すると述べていました。

一つは赤字国債の発行を承認するもの、もう一つは再生可能エネルギー推進法案です。

いずれの法案も金曜日、議会を通過しました。

■ 私は最善を尽くした

金曜日に、彼は戦後最悪の危機をリードした任期を振り返りました。

そして「厳しい環境のもとでやるべきことはやった。」と語り、彼は政治家としての原子力関連の問題に取り組み、『原子力発電所に依存しない社会』を追求し続けるだろうと付け加えました。

菅首相の支持者は、原子力エネルギーを彼が拒否したことと再生可能エネルギーの促進を訴えたことが、彼が彼自 身の政党と影響力を持つ人々から支持を失った理由である、と語ります。

彼は当初、政府が地震と原子力災害の終息について、一定の目途が立った時点で辞任するといっていましたが、一 部の人々はこれを脅威と受け取りました。

それは日本には解決するべき問題が山のようにあるため、菅が首相の座にとどまり続ける時間は長くならざるを得ない、という理由からでした。

福島の制御不能に陥っている原子力発電所はいまだ機能が回復せず、空気や水が汚染され続けており、状況を改善 するには数年がかかるでしょう。

地震後数ヶ月を経た今も、10万 人は困難な条件の下、一時的な緊急宿泊施設に暮らしています。

最後には管首相は彼自身の党内でも、議会でも、そして国民の間でも、すべてにおいて支持を失っていたので、辞任せざるを得ませんでした。

一時は日本で最も人気のあった政治家も、その支持率は20% 以下に低下していたのです。

しかし、彼の問題は3月に襲ったトリプル災害で始まった訳ではありませんでした。

地震の前から、献金スキャンダル、不人気な税制改革と相次ぐ閣僚の辞任問題から、彼の人気は急落していましたし、彼の辞任を求める声は大きくなっていました。

■ 成果は無かったが、透明性はある

3月11日 に、菅首相は危機管理責任者に推したてられましたが、間もなく災害への対応を誤ったとして、辞任を求める批判にさらされました。

被災地への救援は遅れに遅れるし、言った事に対し行動が伴わない、と効果的対応がとれない罪を問われる事になりました。

自分は一般大衆の一人である、と考える菅首相。彼の政治の透明性に関する主張、そして福島第一原発を管理する東京電力からもたらされた情報を、すべて日本の国民の前に公開するやり方については一定の評価を得ています。

■化石化している日本の政治機構

公民権活動家としてスタートした管首相の経歴は、日本の政治家とビジネスエリートとは異なったものですが、こ れまで日本で高い地位にいる人々たびたび苛立たせてきました。こうした特徴は人々の中にあって友人を作る際には有利に働きますが、同時に敵を作ることにもなりました。かつての学生活動家は、小さな環境 活動グループで彼の政治キャリアをスタートし、1996年には厚生大臣になり、彼自身がかつて政府が関与した汚染された血液製剤の問題を明らかにすることにより、市民の権利の擁護者としての名声を確立しました。

昨年9月に菅氏は首相に就任しましたが、彼は根本的に日本を変えたいという高い理想を持っていました。

福島の危機の後、彼は原子力ロビーの影響力を減らすために最善を尽くし、再生可能エネルギーに重点を置く計画を作成しました。

彼のこの計画は、資源的に非常に貧しいことから原子力発電への依存度が高い状況についてのものでした。福島第一原発の事故を起こした東京電 力を厳しく非難しつつ、この『原子力の巨人』ともいうべき東京電力の国有化すら視野に入れた野心的なものでした。

しかし、独自の原子力監視機関を設立するという彼の提案は、多くの経験の長い政治家の間で不人気だったのです。

日本を変革するためには、誰がそれをやるにも信じられないほどの力や強力な支援を必要とします。結局のとこ ろ、菅氏はそのどちらも持ってはいませんでした。

彼はあまりにも多くの敵を作り、日本の大衆の中で支持を失い、そして日本の化石化した政治機構を打破することができませんでした。

彼の後継者は、戦後最大の災害復興を監督し、チェルノブイリ以来、世界最悪 の原子力危機を解決するという同じ課題に取り組まなければなりませんし、この国の化石化した政治機構と戦う必要があります。

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本日の動画【 『カダフィ後』を、もっとも忌まわしい仕事で始めなければならない人々 】

本日はアメリカNBCニュースが伝える、カダフィの邸宅近くで発見された50人ほどの遺体の埋葬作業を行う、リビアの人々の映像です。
「これらの遺体は、何の儀式もなく、葬儀もなく、ただ埋葬されていきます。」
というナレーションがより一層、事実の悲惨さを際立たせます。
埋葬されていく人々にとっての『権力』、そして『政治』とはいったい何だったのでしょうか?

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[ 風力発電は『実業化可能』]

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動画「エネルギー101 - 風力発電タービン」

昨日もご紹介した、私の大好きな(難解な英文で私を苦しめつつ『でも、これでオラの英語スキルも磨かれる事になるんだから...』という充足感を与えてくれる、という意味で)AOLエネルギーのピーター・ガーデッド氏の記事です。
動画はアメリカ政府機関が制作している、「エネルギー101」シリーズのビデオから「風力発電タービン」です。
南東北では山形県の北部の方に行くと、この風力発電タービンを見る事ができます。
実物を見て疑問だったのは、あんなにゆっくり回っているプロペラで、よく発電できるな、という事でした。
実は中にギアが組み込まれていて、発電機はプロペラの100倍の早さで回っていたんですね。
今回のビデオで、よくわかりました。

しかし何というシンプルで、平和な発電機なのでしょう!
私たち宮城や福島の人間を悪魔以上に苦しめる福島第一原発事故、その原発にしがみつかなければならない理由、それは一体何なのでしょう?!

日本の原発ムラも、電力業界も「後戻りすれば、大損害を被る」というところまで来てしまっている、という事を聞きます。
しかし、退くべきところで退かなかった人々は結局、歴史に大鉄槌を振りおろされることを、この世界はいくつもいくつも記録してきているのです。

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【 補助金依存を脱し、天然ガスとも渡り合うファースト・ウィンドの事業 】

AOLエネルギー : ピーター・ガーデット - 2011年8月11日

風力発電の開発者は補助金を受けられなくなっても、電気料金が高どまりしているため、風力発電による電気の購入に前向きな地域に的を絞る事により、利益を得ることができます。

「このような資源エネルギーの価格が高く、再生可能エネルギーによる発電事業に対する行政レベルのサポートがある、『プレミアム・マーケット』に焦点を合わせることが、発電プロジェクトの開発者のための必勝法なのです。
それであれば、化石燃料に頼る発電方法に大勢が傾向く程に、天然ガスの価格が低くてもやっていけます。」 ファースト・ウィンドの最高経営責任者(CEO) ポール・ゲイナーは、 AOLエナジーに語りました。

「やってはいけないアプローチは、再生可能エネルギーによる発電のための好条件が、より少なくしか存在しない市場を追求することです。」とゲイナーは語りました。

アメリカ・マサチューセッツ州ボストンに拠点を置くファースト・ウィンドは、電源開発の他、北東地区(マサチューセッツやニューヨーク、ワシントンなど)、カリフォルニア、ハワイで独自の風力発電所を所有する、数少ない風力発電専門企業の一つです。
同社は現在、稼働中の10のプロジェクト、建設中の3つの発電所、と2012年末までに稼働予定の4、5カ所の新しい風力発電所を計画しています。

同社はロリンズの発電プロジェクトをすでに稼働させています。

「ファースト・ウィンドの戦略は、連邦政府の補助金や優遇税制、あるいは公的支援にほとんど頼ってはいません。」とゲイナーは話します。ファースト・ウィンドの戦略は、州政府レベルで再生可能エネルギーへの支援が強力な地域に、焦点を合わせているのです。

私たちが進出しようとしている地域は、長期に再生可能エネルギーに依存しようとしている地域であり、地域の指導者層は風力発電事業が、地域産業を活性化させるひとつの方法だと考えているのです。」と、ゲイナーは語りました。

また『少しばかり驚いた』のは、ハワイのようにエネルギー・コストが高くならざるを得ない州が、エネルギー問題解決のために、再生可能エネルギーを支持している事でした。

ファースト・ウィンドをサポートしている複数の投資会社による経営陣は、プロジェクトの追加を継続するための能力を保つため、、金融危機が続く間追加投資を続けてきたのです。」ゲイナーは語りました。
この投資会社のうち1社は、2009年4月の重要なプロジェクトについて投資を表明した最初の企業であり、2009年以来30億ドルを投資しています。

天然ガスのような競合する燃料の低価格にもかかわらず、需要家の電力購入契約が裏z@:となり、これらのプロジェクトは契約されました。

「私たちが市場いて契約を取り続ける事ができる理由のひとつは、タービンの価格が下がる一方で事業効率が上昇しているためなのです。」と、ゲイナーは話します。
「そのため、非常に低い価格の天然ガスとも、何とか渡り合っていけるようになりました。」

[ 安全面で不安の残る原子力とエネルギー産業の今後 ]

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動画[ 特派員、決死の『アイリーン』中継 ]

愚痴を言う訳ではありませんが、様々なジャンルのニュースを訳してきた中で、いちばん面倒なのが科学・技術に関する報道です。
昨日のNBCのハリケーンのニュースなどに比べると、実は今日のAOLの記事は3倍から5倍も訳すのが面倒なのです。
特にこのピーター・ガーデットという人の文章は難文もいいところで、正直なところ願い下げなのですが、大切な事が書いてあれば無視する訳にもいきません。

過去に掲載した【新しい原子力安全基準に何がふさわしいのか、へのさまざまな反応】福島第一原発の事故を受けて、アメリカは特別委員会を設置 - http://kobajun.biz/?p=762 なども訳すのに苦労したのですが、訳して行くうちにアメリカの原子力産業界ですら、日本の電力会社の原子力事業と原子力行政に疑問と不信を抱いている事がわかったりします。

今回も驚くような新事実などは出てきませんが、「福島での悲劇的な出来事の後に、こんなにも早く発生した米国での原子力発電所停止の事実は、原子力事業の安全性について新たな疑問と恐怖をもたらしました。」というくだり、どうお感じになるでしょうか?
私には「多様な再生可能エネルギー技術が進化してきた現在、これ程安全面で不安の残る原子力発電にしがみつく理由は何なのだろう?」
と問いかけているように感じるのですが。

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【 アメリカ東部大地震とハリケーン『アイリーン』】
[AOLエネルギー この一週間]

ピーター・ガーデット
AOLエナジー 8月26日

珍しい米国東海岸の地震と月曜日に東海岸沿いに北上する予定の巨大なハリケーンは、破壊が避けられない事を前提に準備を進めるかどうか、この国のエネルギー産業に選択を迫っています。
日本の原子力災害、前例のない米国の債務危機、そしてテキサス州での熱波による送電障害を含む危機が次々と訪れた数ヶ月間が、夏の終わりともに過ぎようとしています。

ライフライン事業者、パイプライン技術者、製油所、送電網会社は、 ハリケーン『アイリーン』がキャロライナ海岸に近づくこの週末、スクランブル態勢に入っています。
それは、北大西洋上から絶えずエネルギーを補給して勢力を保ちながら、週末いっぱい、国で最も人口の多い米国の東海岸に沿って移動すると見られています。

ハリケーンは、東海岸の地震の直後に停止措置がとられた、バージニア州北部ノースアンナ原子力発電所をも襲う事になります。
ニューヨークでAOLのエネルギーのオフィスも激しく揺らした地震に対し、工場の自動化された緊急時対応装置はほぼ完璧に動作しました。
しかしながら、福島での悲劇的な出来事の後に、こんなにも早く発生した米国での原子力発電所停止の事実は、原子力事業の安全性について新たな疑問と恐怖をもたらしました。

▽ 次の嵐が激化

差し迫った危機についてはとりあえず置いておき、今度は延々と続いている問題に目を転じましょう。
それは天然ガスの開発における水圧掘削の役割についてです。

ニュージャージー州知事クリス・クリスティは、ニュージャージー州で天然ガス掘削作業が凍結されたままの場所を訪れました。
プロジェクトはマルケッルス・シェールに近い地域で提案されてきましたが、現在は一切が中止されています。
ニュージャージーの掘削が全面的に禁止されている状況に対する、エネルギー業界の反応は様々です。
天然ガスの支持者はそれを間違いであると非難、一方エネルギー業界が将来的にはより安全性の高い分野に移行すべきだとして、理解を示す人々もいます。
天然ガスはいくつかの州にまたがって膨大な埋蔵量がある、とされていますが、正確な埋蔵量については機論の最中です。
米国地質調査所はマルケッルス・シェールの天然ガス埋蔵量について、過去に試算した量よりも上回る、とする報告書を発表しましたが、天然ガス業界はこの報告を喜んで受け入れました。
政府の最新の研究では、米国地質調査所のこの数値を受け入れ、今後に影響を与えることになる予測モデルに使用すると語っています。

改定された計画は、掘削や開発のための当面の計画には、ほとんど影響を与える可能性はありません。
それでも、ガス供給施設における今後の数十年間、原料調達分野における安価な天然ガスが利用可能であるという事実は、今後の方針の行方に影響を与える事になるでしょう。

▽完成された技術の実現にはまだ時間が必要

背景のさらに深いところ、ハリケーンや地震のような差し迫った危機の背後、さらには天然ガス掘削開発のケンケンガクガクの議論の背後では、米国のエネルギー産業における技術変革の議論が、企業や規制当局を引き続き混乱させる事になるでしょう。

エネルギー価格や提供されるエネルギーの内容に、情報技術と通信技術は大きく影響される。この事実についてまわる問題を、消費者は抱込んでいる、という状況を、世界中を調査した結果発見した、とIBMが今週ビデオの中で発表しました。
「すべてが非常に速く変化しています。」ビデオでインタビューされたある消費者は、エネルギー・ビジネスの変化の大きさと早さについて、こう述べています。

規制当局や政治家は既存の市場と法制度に、新技術を整合させる方法を見つけだすために苦労しています。
ここ数年間の仕事の集大成である連邦エネルギー規制委員会の『行動計画1000』に対し、今週、既存の公益事業者からは、その地域事業モデルが不公平だとして異論がでました。
地域の指導者自身は争うようにして、この計画を理解しようとしています。
西部諸州の知事と当局者は一致して、合衆国西部の送電網の整備のための投資の必要性について訴える、『行動計画1000』を支持しています。

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今日の動画
【命がけで『アイリーン』の中継をする特派員たち】

アメリカNBCニュース 8月27日(日本時間28日)

ブライアン・ウィリアムズさんが「皆さんは、なんでそこまでやらなければならないのか?!と、思われるかもしれませんが......」と話す通り、ハリケーン『アイリーン』のまっただ中での中継を命じられた特派員たちの、壮絶な姿をご覧ください。
でも、みなさん、ブライアン・ウィリアムズさん、ビミョーに笑ってませんか?
「皆さんはちゃんと家の中に留まっていてくださいね。」だそうです。

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【ニューヨークはハリケーン被害に無縁ではない】

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過去にニューヨークを襲ったハリケーンの被害を振り返る

- アメリカNBCニュース 8月26日(日本時間27日)

ブライアン・ウィリアムス
過去に襲ってきた巨大な、そして忘れる事のできない名前のハリケーンの大きさを検証してみましょう。もちろんニューヨークが毎日ハリケーン襲来の警報が発せされる訳ではありませんが、今夜は違います。 NBCのレヒーマ・エリスがローワー・マンハッタン地区のバッテリーパークにいます。
レヒーマ、ハリケーンが最高潮に達した時にあなたがそこにいると、高潮によって頭のてっぺんまで沈んでしまうそうですが、本当なのでしょうか。

レポーター:ブライアン、それは本当ですし、私たちがいちばん懸念している事なんです。
しかしここニューヨークでは、人々はハリケーンが大波を起こす熱帯水域からは離れているし、まあ、大丈夫だろう、ぐらいに考えがちです。しかし、そうではないのです。
度々あった訳ではありませんが、ここでもハリケーンの被害は発生しているのです。

1985年9月、ニューヨークを襲ったハリケーン『グロリア』は、その年最も大きな被害をもたらした嵐のひとつだったのです。
当時の放送「ハリケーン『グロリア』は、SF映画が飛び出したモンスターのように今夜、東海岸に移動している。」
レポーター:風速100マイルの暴風を伴い、家々を破壊し、木々や送電線をなぎ倒しながら、ニューヨーク都市圏に狙いを定めて移動しました。当時、ロングアイランドの公益事業会社に勤務していたロン・ヌーンは、嵐の間に電力を失った75万人分の世帯の復旧のために3週間働き詰めでした。
「それは最も忌むべきたぐいのものでした。多くはありませんでしたが、中にはあまり見たくはない振る舞いに及んだ人々もいたのです。」

レポーター:『グロリア』はこの25年でニューヨークを襲った最初のハリケーンでしたが、1960年にはハリケーン『ドナ』がこの年を襲いました。

当時の放送「地下鉄に大きな被害が発生し、無数の車が立ち往生しています。」

レポーター:ニユーヨークの埠頭では11フィートの高潮を観測し、船舶が破壊され、街中の交通網が機能停止に陥りました。ハリケーンの被害は地域一帯に広がりました。

その他には『ロングアイランド・エクスプレス』という1938年の悪名高いハリケーンがありました。
その強力な嵐によって、ニューヨーク市で10人が死亡しました。当時の新聞の見出しを見る事ができます。

「ある地点での暴風は風速120マイルを上回っていました。それは、ロングアイランドの風景を変えてしまうほどだったのです。」

レポーター:しかし実際には、ハリケーンの中心は1821年以来、ニューヨーク市を直撃した事は無いのです。1821年のハリケーンは13フィートもの高潮を引き起こしました。つまり私が今立っているこの辺り一帯を水没させたという事であり、今人々が 恐れているのは、それが再現される可能性があるからなのです。

ブライアン・ウィリアムス
なんという事でしょう、レヒーマ、想像するだけでも恐ろしい光景です。
何かのきっかけによってハリケーン『アイリーン』が、この地を外れて行ってくれる事を願うばかりです。

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3.11の後2週間程して宮城県女川町の友人を見舞った際に、そのお父さんから聞いた話です。
「昭和三陸大津波の経験者の中に、今度の津波で流されてしまった人が多いんだよ、『津波はここまでは来ない』って言ってね.....」
自然というものが、人間の頭脳では捉えきれないほどのスケールを持っている、という事を証明したのが東日本大震災でした。

しばらく前の原稿に[アリゾナのダスト・ストーム 「この地上のボスは誰?!」]http://kobajun.biz/?p=701 という原稿がありましたが、まさに大自然、母なる自然の前には常に襟を正しておくのが穏当というものかもしれません。

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[『アイリーン』は一生のうちに出会う最大のハリケーンになるかもしれない ]

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- Irene could be "the hurricane of a lifetime"
[完全無敵の大嵐]- We are talking about a perfect storm

上の二つのコピーは私が考えた訳ではなく、NBCニュースの別のコーナーからひろった物です。
今年はアメリカは『大災害の年』と言われています。
冬、北西部を襲った大寒波と大雪に始まり、春にはその雪が溶けて大洪水。そして南東部には大竜巻が発生し、南西部では巨大自然火災が発生しました。
そして8月には熱波が襲い、今度は「一生のうちに出会う最大のハリケーン」がやって来るかもしれません。
まさに踏んだり蹴ったりのアメリカですが、3.11の傷跡が一向に癒えない宮城県に住んでいると、そのつらさ、その怖さが思いやられます。

世界の2大先進国を襲った、いや襲い続ける大災害は何かのシグナルなのでしょうか?

【巨大ハリケーン『アイリーン』の襲来】
ニュージャージー州、ニユーヨーク州に緊急事態宣言

アメリカNBC放送ナイトリー・ニュース 8月25日(日本時間26日)

すべての天気予報、そしてコンピュータによる気象解析はハリケーン『アイリーン』の次の到達場所の検出に忙殺されています。
ノース・キャロライナの海岸、ナグス岬からNBCのマーク・ポッターがお伝えします。

レポーター : こんばんは、ブライアン。ご覧の通りです、今日は海岸で遊ぶ人の姿をほとんど見かけません。それというのもたくさんの人々がハリケーン『アイリーン』について深刻な心配をしているからなのです。
多くの人々が家の窓を板で塞ぎ、高い場所へと避難しています。嵐が近づくにつれ、旅行者はここから退去して行きます。観光シーズンのまっただ中にも関わらず、ノース・キャロライナの沿岸部には15万人分のキャンセルがあり、ホテルを退去して荷物を車に積み込み、家路を急いでいます。

「やるべきことをしているだけ。ハリケーンの怖さを知っているんだよ。」

レポーター : 当局の危機管理者は宇宙から観測した様子から判断して、ハリケーン『アイリーン』は破壊的な強風と猛烈な雨をもたらし、道路ですら寸断されるだろう、と語っています。
避難する人の中、ウェディングドレスをぶら下げてやってきたのはフィラデルフィアからやって来たメリッサ・クック、婚約者とともにここナグス岬で結婚式を挙げる予定でしたが、今や恨めしそうに海を眺めています。
ハリケーン『アイリーン』は二人の夢を台無しにしました。
「長い時間をかけて、一生懸命準備して、それがみーんな台無しよ。」」

レポーター : 住民約30,000人は、明日までに避難するよう命令が出されました。88歳になるステイシー・マンが彼の家を板で覆っています。
「一体どんな風が吹くか、わかったものじゃないからね。」

リチャード・ピーターソンは、強力な高潮が襲ってくる事を心配しています。
「望ましいのは5フイート以下の波しか来ない事、最悪なのは家が流されてしまう事。」

誰もがここを離れようとしています。この場所で暮らす人の収入はゼロになってしまいました。

避難したくてもできないこのノース・キャロライナの住人に、100頭程の野生の馬たちがいます。過去に彼らはこの地を襲った幾度もの嵐を生き延びて来ました。
フィラデルフィアから来た新郎新婦は、結婚式は丈夫な屋根があって、彼らをちゃんと守ってくれる場所で結婚式をあげる、と語っています。
地元の住民はここアウターバンクから避難する事はないだろうし、今回も何とか乗りきれるだろう、と話しています。

しかし当局の危機管理者は、今回は屋外で被害にあった場合には、外に出て彼らを救出する事は不可能だろう、と話しています。

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[ アメリカ東海岸の大規模地震(続き)]

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さて、昨日の原稿の後編です。

それにしても、気がかりなのは「地球が地震活動期」に入ったとする、一部の学説です。
日本では「原発懸念につながる題材には、できるだけ触れたくない」という底意があるためか、あまり取り上げられる事もありません。
もっとも世界の地球物理学者全員がそうだ、と言っている訳ではありません。
しかし、今年4月、東日本大震災の後でアメリカで開催されたアメリカ地震学会では、米国の科学者から「東日本大震災の震源域に隣接する地域(の巨大地震発生)を強く懸念している」という指摘がありました。

このような懸念がある中、「日本の電力業界は福島第一原発の事故について、それをさほど大きな失敗としては認めていません。そのために、彼らが福島第一原発の事故から学んだものなど、基本的にはゼロなのです。」という驚くべき指摘がドイチェ・ベレからありました(http://kobajun.biz/?p=845)。
原発に利害など持ちようも無い私たち宮城県庶民の、福島第一原発事故に対する恨みは骨髄に達しています。
身の回りの自然、環境、そして何より人間、特に子供たちが汚染されて行くこの状況は、何を情状酌量したところで許せるものではありません。
福島県の人々はなおさらの事でしよう。
人間として、今やいわれなき「汚染差別」すら受けているのですから。

2009年時点で東京電力に対し、国内の津波や地震の専門家から、アメリカの原子炉の専門家から、「福島第一原発は今のままでは危ない」という指摘がありました。
結果としてそれらの指摘は無視され、今回の事故が引き起こされたのです。

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【 史上最大のマグニチュード5.8の地震、ヴァージニアからニュー・ハンプシャーまでを襲う(後編)】

アメリカABC放送ワールド・ニュース 8月23日(日本時間24日)

今回の揺れは中央バージニア地震帯に集中しました。
「アパラチア山脈はかつてロッキー山脈よりも高かった事があるのです。その後時間の経過とともに風化が進み、現在の姿になりました。しかし、カナダまで含めた広い範囲で、地震活動が完全に止んだとは考えていません。」と米国地質研究所の地球物理学者D.グラントは語りました。
この一帯での最後の大きな地震は1875年にありました。
2003年12月にこの地域で発生したマグニチュード4.5の地震でも、軽微な損害が発生しています。
統計上の様々な測定値と計算結果を分析する CONVERTALOT.com によると、マグニチュード5.8の地震は、TNT火薬10,676トンの爆発に相当するエネルギーを発散すると言います。
バージニア州ミネラルのルイーザ郡、緊急サービス事務所長兼広報担当のアマンダ・ライデルバックは、最初の地震が襲ってから、町では「少なくとも6回以上の」有感地震が発生している、と述べました。
「かなり深刻な余震がありました。我々は、通りを歩いて、ちょうど地面が波打っているように感じました。」

町のいくつかの住宅に損害が発生した、との報告があるとライデルバックは語っていますが、重傷者がいるとの報告はありません。
幹部を除く政府および自治体の職員は、地震直後の避難命令によって自宅に帰されました。
学校も閉鎖されています。
地震の震源は、ドミニオン原子力発電所の原子炉ノースアンナ1号基と2号基の非常に近い場所でした。

原子力規制委員会の広報担当者エリザベス・スタックルは、2つの原子炉は
「自動的にかつ安全に停止しました。原子炉は4段階の緊急レベルの最も低いカテゴリである『突発事態発生』を宣言しました。その結果、原子炉を低温に保つためにバックアップ発電機に自動的に電源が投入されました。」
と語りました。
東海岸の他の9つの原子力発電所ではいずれも『突発事態発生』宣言が発せされましたが、停止した原子炉はありませんでした。

地震はこの地域の旅行客にも影響を与えています。
アメリカ国有鉄道旅客会社は、列車はすべて速度を落として運行し、線路や駅の損害について調査を行っていると発表しました。
ワシントン首都圏交通局は、検査担当者がすべての路線をチェックするため、地下鉄は時速15マイル(時速24キロ)で運行中であると述べました。

バージニア州のダレス国際空港、ニューヨークとフィラデルフィアのJFK国際空港での発着が、一時的に停止されました。 JFKとニューアーク国際空港の管制塔からは、職員が一時的に避難しました。
連邦航空局(FAA)は地震が原因の遅延による影響が、地域全体にゆっくりと波及して行くだろう、と警告しています。
さらに、十数便はJFKからボストンに着陸地を変更させられました。

バージニア州ミネラルの理髪店で働く女性は、彼女の店の中刃物が散乱していると話しましたが、町の広場は外観上大きな損傷があるようには見えない、と話しています。
バージニア州リッチモンドで20階建てのビルの18階に働く女性は、最初に建物が揺れ始めたときに同僚と一緒に建物に残っていました。
「はじめは上の階の人が飛び跳ねているのかと思ったわ。ところが大きな音ともに本格的な揺れが来て、本当に怖かったわ。」
マンハッタン42丁目のニューヨークタイムズのビルの人々は、建物全体がずれたように感じたといいます。
彼らは実際にオフィス家具がずれるのを見たのです。
ニューヨークの高層ビルが左右に揺さぶられ、人々が通りに走り出てきました。
ローワーマンハッタンのニューヨーク市刑事裁判所からも人々が走り出てきました。

ボルティモアのアーティストのリサ・レウェンツは、地下のスタジオで働いているときに、足の下に揺れを感じ始めました。
「スタジオの中のすべての物が振動し始めて、地下の方から地鳴りがし始めたの。私はロサンジェルスに長い事住んでいて、経験があったので、急いで階段を駆け上がったわ。」
「一分程ガラス製品がカタカタいっていたわ。友人へ電話手も通じないし、新しいニュースも流れてこないし、家が壊れちゃったんじゃないかって、心配しちゃったわ。」とレウェンツは話します。
東海岸としては珍しい今回の地震は、マグニチュード5.8の規模でした。
重傷者などはいなかったため、予期しない地震ではありましたが、幾分かはほっとする事ができました。

ミシェル・ミッテルスタッドは「私にとって初めての地震体験よ。次はイナゴの異常発生?!」
連邦航空局(FAA) で働く別の女性は
「地震のために避難する必要があるときは、ナショナル・モールがとりあえず避難する場所として良い、ってことがわかったわ。」と話します。
東海岸を襲った地震は、月曜日にコロラドで発生した地震に続いて発生しました。
マグニチュード5.3の地震がコロラド州トリニダード付近を襲いましたが、米国地質調査所のワルドはこう語りました。
「2つの地震に関連性がある、というは物理的証拠はありません。偶然同じ時期に発生したと考えられます。」
米国地質調査所は、地震が1774年以来、中央バージニア州の地域で発生し続けていると語っています。

[ アメリカ東海岸の大規模地震 ]

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いつものようにアメリカNBC、ABCのニュースをチェックを始めたところ、押しつぶされた自家用車の映像に earthquake(地震)の文字、しかも東海岸。アメリカ東海岸は脊梁を成すアパラチア山脈の山齢がきわめて古く、地震が起きにくい場所とされてきました。
「ええっ?! いよいよ地球が地震多発期に入ってしまったのか?! 」
とばかりに読み進めると、次に目に入ったのがマグニチュード5.8の文字。
「なぁーんだ…」と言うつもりはありませんが、マグニチュード5.8と言えば、3.11以降、ここ宮城県辺りでは当たり前のように発生している『余震規模』。

でも、地震に慣れていない人にとっては、本当に恐ろしかったに違いありません。
原子力発電所の原子炉も2基、緊急停止しています。
以前、ニューヨーク在住のアメリカ人の友人に
「震度3の地震に襲われた事がこれまで一度だけあるが、その時は本当に恐ろしかった。」と聴いた事があったので、このニュース映像を見て「むべなるかな」という気がしないでもありません。
しかし、別のアメリカのニュース番組では3.11の東北太平洋沖地震(東日本大震災)のマグニチュード9.0の地震は、今回のアメリカ東海岸の地震の「33,000〜50,000倍」と伝えていました。
日本の原子力発電所はアメリカの原子力発電所の「33,000〜50,000倍」、耐久性に優れているのでしょうか?

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【 史上最大のマグニチュード5.8の地震、ヴァージニアからニュー・ハンプシャーまでを襲う(前編) 】

アメリカABCニュース 8月23日(日本時間24日)

記録されている中で最大となった東海岸の地震は、マーサズ・ヴィニヤードからノースカロライナ州まで広がり、人々を怯えさせ建物をガタガタ揺らし、鉄道と航空運行を混乱させ、2カ所の原子炉をシャットダウンさせ、さらに議会の建物からの人々の避難させることになりました。

マグニチュード5.8と推定される地震が、午後1時51分ワシントンD.C.の首都を襲った時、オフィスビル、病院、国防総省、そして国務省から人々が一斉に溢れ出しました。
ワシントンにある建物の柱という柱が揺れていました。警報がFBIと司法省の建物の周囲で鳴り響き、ペンタゴンの屋上に避難した人々もいました。
ワシントンの公園や歩道は、それらの建物から逃げ出した人々でいっぱいになりました。
ナショナルモール沿いの記念建造物のすべてが閉鎖されました。
騎馬警官はワシントン記念塔と新しいマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・メモリアルから離れるよう人々を誘導しました。

国立公園サービス・スポークスマンのジェフリー・オルソンは、ワシントン記念塔、リンカーン記念館やナショナルモール沿いの、他の観光施設への被害は『全く無かった』とAP通信に語りました。
国立大聖堂は尖塔のうち少なくとも3つに被害を受けたと、大聖堂の大司教サミュエル・ロイドは語りました。
大聖堂は防護措置として、警察が黄色のテープで封鎖しています。
国会議事堂では議員とそのスタッフが建物に戻る前に、職員が被害状況を調査しました。

「小さな余震が発生する可能性は高い。」と、米国地質研究所の地球物理学者のデール・グラントは述べています。
「これ以上大きな地震は発生しないと思いますが、可能性が全く無い訳ではありません。」
「地球に起きるべきことが起きただけです。」と彼は付け加えました。

地震は、はるかに北のニューハンプシャー州を始め、オバマ大統領と彼の家族が休暇をとっているマーサズ・ヴィニヤード島でも感じました。
今回の地震は、南側はサウスカロライナ州、いちばん西側ではオハイオ州クリーブランドで観測されました。
「過去10年間、アメリカではすべての州で地震を観測しています。」今日の午後遅くの記者会見で、米国地質研究所の地球物理学者は語りました。
「今日の地震は25の州で観測されており、同研究所のデイヴィッド・ウォルドは「どちらかと言えば、あまり例のない地震」であると話しています。

東海岸では時折地震がありますが、建物を揺らす程の地震は滅多にありません。
建築学と地震活断層を研究しているスタンフォード大学の地球物理学者ポール・セーガルは、今日の地震について
「世界の中でこの場所に大規模地震が発生すれば、深刻なダメージを与える事になるでしょう。」と語りました。
「これほど大きな地震が東海岸で発生した事は、記憶にありません。」

重大な損傷や死亡例は報告されていません。
「何人か負傷者がいることが、ワシントンDCで報告されています。」と、消防署のスポークスマンはAP通信に語りました。
また、ニューヨーク市では、消防局はたくさんの通報を受けたと述べました。

ニューヨークとワシントンの当局は、携帯電話の回線への負担が急増し、そのことが警察消防への緊急連絡の妨げになっている、と語りました。アメリカ連邦緊急事態管理局のスポークスマンは、混雑を緩和するためにしばらくの間、連絡は電子メール、またはテキストメッセージの送信によって行うよう利用者に促しました。

震源地はバージニア州ミネラルの近く、バージニア州リッチモンドから39マイル、アメリカの首都から83マイルの地点でした。震源の深さは0.6マイル(約1キロ)でした。
(続く)

[ リビア内戦終了後の武器はどこへ? ]

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ついにリビアがカダフィ政権の圧政のもとから解放されました。人々の権利が回復され、秘密警察の目が光る生活から解放される事は、同じ人間として本当に喜ばしい事です。

しかし、一方で懸念もあります。
ビデオでも武器を持った国民協議会の兵士が多数映っていますが、内戦の終了後はこれらの武器が回収され正規軍だけが武器を持つ、という治安が回復するのでしょうか?
有名な話なのでみなさんもご存知とは思いますが、アフガニスタンのゲリラ、タリバンに始めに武器を与え、訓練をしたのはアメリカでした。
1978年のソ連のアフガン侵攻に対し、アメリカが抵抗勢力であるムジャヒディーンに武器供与などを行ったのです。
さらには1988年のソ連軍撤退の際、大量の武器がアフガニスタン領内に遺棄され、これが現在まで続く泥沼の内戦で使われることになってしまいました。

はかない願いですが、一般の人々が武器に怯えないですむ『新リビア』の誕生を願ってやみません。

なお、事態が流動的なため、この原稿がアップされる時点でニュース・動画ともに現実とくい違ったりするかもしれません。
その節は平にご容赦を......

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【 リビア市民首都の大半を制圧、カダフィ大佐は行方不明 】

アメリカABC放送ワールド・ニュース 8月21日

反乱軍は8月21日夜になってトリポリ市内のほとんどの地域を制圧し、数千人の人々が首都トリポリを始め国中の都市の道路に溢れ出し、モマール・カダフィの42年に渡る支配が終わる事を喜びあいました。
「私たちはこの日の来る事を待ち望み、そしてそれが現実になったのです。」50歳のエンジニア、ヌール・エディン・シャトウニは強権体制の支配が終わった事を祝福し、AP通信に語りました。
「すべてのモスクで神に対する感謝の祈りが一斉に捧げられました。とても良い香りがしました。それは勝利の香りです。来るべきときが来たのです。」

反乱軍が設定した暫定国民協議会(NTC)政権は、カダフィの3人の息子たちが拘束された、または降伏したと語りました。ムハンマド・カダフィ、リビアの最高指導者の息子は、涙ぐみながら反対勢力に降伏したことを電話でアルジャジーラに語りました。 彼は電話口で泣きながら、彼の家が武器をもって包囲され、自宅軟禁下にあることを語りました。

暫定国民協議会によると、この電話の直前、セイーフとサーディの二人の息子がにトリポリの反乱軍によって拘束されました。
セイーフ・アル・イスラムは、父親同様、人道に対する罪の容疑で国際刑事裁判所に起訴されています。
月曜日、国際刑事裁判所の代表者が国民協議会と会談し、セイフ・アル・イスラムをハーグに移送する方法を協議する予定である。」と国際刑事裁判所主任検察官ルイス・モレノ・オカンポは、AP通信に語りました。
反乱軍はカダフィのバブ・アル・アジジヤの邸宅を包囲していると、反乱軍の代表は周辺で銃声が続く間、AP通信に語りました。
モハマド・アル・アカリ国民協議会顧問は、モアマル・カダフィはトリポリに残っている、バブ・アル・アジジヤのどこかに潜んでいると信じる、と語りました。
「今夜すべては終わった。」とアカリは語りました。

国民協議会はまた、カダフィ大統領護衛隊のメンバーが反乱軍に降伏したと主張しています。
リビアの反乱軍はトリポリの中心部にある緑の広場に集まりましたが、複数の報道によると、政府軍および狙撃兵との衝突が、市内全域で繰り広げられました。
リビア東部のベンガジでは、群衆が旗を振ってカダフィの退陣を喜びあい、花火を打ち上げました。

アメリカのオバマ大統領は「今日の出来事はカダフィに対したったひとつの選択を求めています - 強権を放棄し、リビアの人々自身に将来のことを決めさせる事です。」と語っています。
「流血の事態を終わらせる最も確実な方法、それは簡単な事です。モアマル・カダフィと彼の政権は、彼らの支配が最後に迎えていることを認識すればいいのです。」オバマ大統領は語りました。
「カダフィは、彼がもはやリビアをコントロールしていないという現実を認識する必要があります。今や、彼はすべての権力を放棄しなければなりません。」

北大西洋条約機構(NATO)の現地司令官は、NATO軍の空爆が反乱軍の成功を後押ししたと述べ、カダフィ政権は「明らかに崩壊した」と述べました。
NATO現地司令官アンダースン・フォー・ラスムッセンは、政府側の「市民を脅かすどのような攻撃」に対しても、空爆を行う、と語りました。

カダフィの所在は不明ですが、彼の生命がこの夜国営テレビで放映され、彼の軍は決して降伏しない、「最後の血の一滴になるまで戦う。」と演説しました。
「何のためにお前たちはここに来るのだ?再び占領するためか?」とカダフィ大佐自身は映っていない放送で述べました。
「裏切り者が、トリポリに展開する占領軍の道案内をしているのだ。」

『事故の反省などしていない』- 日本の原子力村 –

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「彼らが福島第一原発の事故から学んだものなど、基本的にはゼロ」

ついに日本国政府が福島県大熊町や楢葉町の汚染がひどい地域を、「買い上げる」事を表明し、福島第一原発事故による汚染が容易ではない事を間接的に認めることになりました。
しかしそれでも「彼らは反省などしていない」という記事がドイツから発信されました。

題材は8月9日の長崎原爆追悼式典ですが、注目すべき部分は記事の後半、日本の「原子力村(ムラ)」について述べている部分です。
世論調査では今や日本人の6割以上が『脱原発』を望むようになっているのに、『民意を代弁すべき』政治家たちは、あえて発言しようとはしません。
どころか、「原発が無くなれば日本は電力不足に陥り、産業界が打撃を受ける」と国会で堂々と『演説』した議員もいます。
そんな事がまやかしである事は、ヨーロッパが大々的に風力発電事業を展開・成功している事をご紹介した複数の記事が証明しています(http://kobajun.biz/?p=817、http://kobajun.biz/?p=823)。

しかし、伝えるべき情報をきちんと伝えずに、その『強大な政治力』を駆使して国や国民をコントロールしようとする日本の「原子力村(ムラ)」。
事故直後から世界各国が指摘した、日本の「隠蔽」「過小報告」「発表を遅らせる」などの操作は、「パニックを引き起こさないようにするため」という言い訳の下、実は福島第一原発の事故をきっかけに、自分たちの利権が「侵されないように」するためでもありました。
卑怯と言えば、これほどの卑怯は無いと思います。
戦場での卑怯は味方を危機に陥れ(おとしいれ)ますが、「原子力村(ムラ)」の卑怯は広範囲にわたる地域で、日本の子供たちを危険な状況に陥れました。

私はこれまでたくさんの歴史書を読んできたつもりですが、自分たちの『権益を守るため』自国のたくさんの子供たちを危険にさらした、などという話は見た事も聴いた事もありません。
泥沼の内戦を行っているアフリカならいざしらず、現在『先進国』と言われている国で、こんなことが起きた国が他にあるでしょうか?!

しかし、彼らの『強大な政治力』は多くの国会議員を動かし、多くの議員が国民ではなく『力の強い者』の方を向いています。
私たちがこれからしなければならない事のひとつ、それは面倒でも億劫でも選挙の投票に行き、明らかに「原子力村(ムラ)」とは関係のない候補者に投票する事ではないでしょうか?
でないと、「原子力村(ムラ)の強大な政治力」によって、この国はどんどん私たちの望まない方向に行ってしまいます。

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【原子力発電からの転換を求める長崎】

ドイチェ・ベレ(ドイツ国際放送) 2011年8月9日

日本は1945年8月9日の長崎に原爆攻撃の追悼式典を開催し、福島県の原子力発電所事故を受け、核エネルギーに関する議論が盛り上がっています。
長崎市長は日本は安全なエネルギーを開発しなければならない、と述べました。
日本は1945年8月に広島と長崎の原爆投下の犠牲者を追悼すると同時に、この年の始めに国を襲った核災害に対処するのに苦労しているのを受け、多くの関係者は原子力発電への依存を軽減し、代替エネルギーや再生可能エネルギー源に頼る時期が来た、と強調しています。

田上長崎市長は、日本が国を変革するような太陽、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー源の開発を促進し、『より安全なエネルギーに依存する社会』に変革する必要があること述べました。

福島県の災害は、多くの日本人の原子力エネルギーに対する見方を変えました。今や日本人の多くが原子力産業を完全に廃棄するか、少なくとも大幅に減少させる事を望んでいます。
これは精神の著しい変化を表している、とボン大学のラインハルト・ツェルナーは語りました。

◇ 今年は違う精神で開催された記念式典

今年初めて、「広島、長崎の式典は、原子爆弾と原子力エネルギーの、両方に対する抗議の精神で行わたのです。」ツェルナー教授はドイチェ・ベレに語りました。
戦後間もなく、日本は決して核兵器は作らないし使わないと誓いましたが、一方では輸入資源に全面的に依存する事への懸念から、発電手段として原子力を採用しました。
「米国のアイゼンハワー大統領が1953年のスピーチ『原子力の平和利用』で宣言したように、原子力エネルギーと核兵器とは待全く違うものだと、『日本では』考えられてきました。」とツェルナー教授は語ります。

菅首相は、原子力エネルギーの『安全神話』について見直したいと語っています。

2011年の3月まで、日本はエネルギー需要の約30%を原子力に頼って来ました。
2030年には50%にする計画を推進して来ましたが、3月以降政府は計画を見直す事を発表しました。

現在日本では54基ある原子炉のうち、16基だけが稼働中で、残りのほとんどは定期検査のため稼働していません。

◇ 原子力安全のための新しい監視機関

日本政府はまた、環境省内に原子力の安全のための、新しい監視機関を設置する方針を固めました。
ツェルナー教授は、その背景に、監視機関は「より多くの独立性と信頼性があるべき」、という「強い動機」があったと説明しています。
教授は「それは日本の原子力保安院などが、原子力産業に有利に世論を操作しようとした事が判明した後、既存の省庁から数人の高官らが更迭された。」とつけ加えました。

しかし、東京の立教大学・政治学のアンドリュー・デウィットはドイチェ・ベレに以下のように語りました。
「日本の原子力ムラは、まだ強大な政治力を持っています。」

「日本の原子力ムラの政治力が強大なため、日本には再生可能エネルギー資源が豊富にあるにもかかわらず、利用されてはいません。
日本の電力業界は福島第一原発の事故について、それをさほど大きな失敗としては認めていません。そのために、彼らが福島第一原発の事故から学んだものなど、基本的にはゼロなのです。」
「彼らは唯一の現実的な代替エネルギーとして、原子力事業を前進させたいのです。彼らは敗北を受け入れてなどいません。」と、彼は語りました。

デウィットはさらに、菅首相の『日本は原子力エネルギーに対する依存を、低減する必要がある』とした勧告に対する強い反感が、与党内にある、と説明しました。
「菅首相自身の政党の大部分と原子力村とは、彼を取り除いてしまいたいのです。」と彼は指摘しています。

現在、再生可能エネルギーは、日本のエネルギー使用量のわずか10%を占めるに留まっています。
世論の支持を得たい菅首相は、彼は主に風力、太陽光、地熱エネルギーに集中し、2020年までに再生可能エネルギーの占有率を20%まで高めたいと述べています。

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動画[凶暴なサメ・プレデター]
さて今日の動画は、ドイチェ・ベレの記事には動画がありませんので、代わりにいかにも凶暴なサメを登場させましょう。
番組ではPredatorと呼んでいます。
場所は南アフリカ、どうやら大型サメが集まる場所のようです。
最後の方、キャスターがゲージから見ていたサメは14フィートと言いますから、4メートル強。
それでも、冒頭に出てくる強大なサメに比べるとずいぶん小ぶりに感じます。
なぜ、今日の原稿に凶暴なサメが出てくるのか?ですか?
ご想像にお任せします。

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[ 一目でわかるスマートクリッドの暮らし ]

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今日はニュースではなく、アメリカのAOLエナジーが企業のプロモーション・ビデオを取り上げました。
ドイツのシーメンスは日本の三菱重工や日立に相当する企業です。
その企業が、「わたしたちの暮らしの転換」を提案しています。
ドイツと同時レベルのはずの「技術立国」日本で暮らす私たち。
シーメンスが描いてみせる未来の姿を見て「そうなって当然」、と思えます。

ところが日本だけはそうでもないのが、この国の複雑なところです。
最大多数のための幸福を追求するのではなく、まず金を持っている人間と権力を持っている人間の利権の拡大が図られる。
一般に暮らす人々は、その余得の分、恩恵に預かる、というやり方です。

一般企業の活動においてはそれは仕方の無い事かもしれませんが、国の政策にそれがついて回るとなると問題です。
いつの間にか私たち日本人は、権力が『主』で国民は『従』という意識を、教育の場で、社会の場で『刷り込まれて』来たように思います。
「仕方が無い.....」
それでは何も変わらないと思います。

東日本大震災、地震や津波は仕方がありませんでした。地球的規模の災害でしたから。
しかし、原発事故や被災地の復興の遅れは「仕方が無い.....」とあきらめてはいけない。
決してあきらめてはいけない、そう思うのです。

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【未来を見すえるシーメンスの目】
〈未来の暮らしはどうなる? 〉

アメリカAOLエナジー 8月15日

このシーメンスのアンドロイド・ロボットがナレーションをしているようなビデオでは、未来の生活のひとつの形を示しています - スマート・グリッドにより電気自動車が充電され、再生可能エネルギー電力の蓄電が実現されるというものです。
ビデオでは、特に電気自動車が、現在抱えている様々な制約から解放されるだろうこと、そしてスマート・グリッドによる肯定的な側面に焦点を当てています。

一部の人々は、スマート・グリッドでは電気自動車が必要とする電力を賄えない、と主張しています。
しかし、シュナイダーエレクトリックの新たな渉外担当上級副社長であり、政府ともつながりのあるジム・ポーリーがAOLエネルギーに語ったように、このビデオは、スマート・グリッドが、より新しく、よりクリーンで、より効率的な未来に向け徐々に進化することを、電気自動車が助けることができると訴えているのです。

考えられる未来のひとつの例として、このシーメンスのビデオをご覧ください。

【スマート・グリッドはどのように電気自動車に電気を供給するか : eモビリティ】
(シーメンス企業ビデオ)

「私たちが世界のエネルギー供給網の中で、積極的な役割を果たそうとしている、という考えを私たちは信じています。
スマートな選択、スマート・ビルディング、そして電気エネルギーの活用は、社会の総合的な最大限の効率達成に貢献するでしょう。
私たちのeモビリティのビジョンをご覧ください。」

〈ナレーション大意〉
「技術の進歩が、私たちの生活を変えようとしています。
ある分野の進歩はきわめて早く、もはや想像の世界にとどまるものではなくなっています。
化石燃料の枯渇、そしてCO2削減問題は、逆にチャンスへと変わり得ます。
そのひとつが自動車です。
ハイブリッド技術はすでに実用化されていますが、その先の技術もきわめて速いスピードで進化しています。
特に燃料価格の高騰は、自給自足エネルギー自動車への挑戦のための条件へとつながっています。
地球的なエネルギー政策の転換の理由はそして経済市場の大勢は新しいコンセプトを求められています。
ひとつだけ確かな事は、世の中の流れがエコ・エネルギーを活用した総合的な電力政策に向かっているということです。
この事に疑いはありません。
これからは必要な電力を自分で賄うスマート・ビルディングとスマート・ハウスが、世界の電力市場を変えて行くでしょう。
世界は変わろうとしています。」

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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