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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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[ 遼クンが再び世界の表舞台に躍り出た! ] 4大メジャーに次ぐ大舞台で優勝を狙う!

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所要時間 約 10分

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今日は久しぶりに、本当に本当に明るい話題です。アメリカで開かれている『世界ゴルフ選手権 - ブリヂストン・インビテーショナル』で3日目、石川遼クンが17番ホールでバーディを決め、11アンダーで首位に立ちました。ただ、すぐその後に後続の組のアダム・スコットが12アンダーでフィニッシュ、遼クンは2位で3日目を終了しました。
明日月曜日(現地アメリカは日曜日)、アメリカでの初優勝を狙います。
ただ、少し気になるのは17番に来るまでも、何回かバーディチャンスが続いたのですが、解説の田中泰二郎プロが「珍しく打ち損ないましたねえ...」とため息をつくシーンもあったりして、油断はできません。
USPGAツアーで上位に来るような選手は、チャンスと見ればすごい気迫で畳み掛けてきますので、明日は厳しい戦いになりそうです。

ではその3日目を、アメリカPGAツアー制作のハイライト・ビデオでお楽しみください。
ついに遼クンが『特集』されました。
あわせて、アメリカPGAツアー公式ホームページに掲載の記事も、翻訳しましたのでご覧ください。
この原稿を皆さんがお読みになる頃には、遼クンの優勝シーンが見れるかも.....
いや、見たい!見たいです!

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【ゴルフ界の次世代の波、日曜日、アクロンに勢揃い!】
ついに遼クンが『特集』 - アメリカPGAツアー公式映像

アメリカPGAツアー主席特派員ヘレン・ロス / オハイオ州アクロン発 / 8月13日・土曜日(日本時間14日・日曜日)

タイガーウッズが1997年に最初のマスターズトーナメントに勝った時、石川遼は5歳、ジェイソン・デイは少し年上の9歳でした。
信じられますか?
世界ゴルフ選手権 - ブリヂストン・インビテーショナルで、ウッズのカリスマ性と驚異的な成功がこの2人をここに呼び寄せ、ウッズを超える目を見張らせる活躍をしています。

10代の日本と23歳のオーストラリアの青年は、ウッズに12ストローク差をつけているだけでなく、ファイアストン・カントリークラブで日曜日、自分のキャリアの上で、最大の勝利をつかむチャンスがあるのです。
2人はオーストラリアの31歳、1打差の12アンダーで首位に立つアダムスコットを追って最終ラウンドに臨みます。
「私はリーダーボード上に存在するだけで嬉しい。」
年長者のアダム・スコットは笑顔で言いました。
「私は自分が何歳かなんて、気にしませんよ。だけどすごいですよ、ジェイソンはまたまたいいプレーをしているし、石川亮、彼はティーンエイジャーなんですよ。信じられないでしょ。今ここで上位に来ている彼らのようなプレーヤーによって、ゴルフは将来ますます良い形なっていく、私はそう思います。」
良い形?確かにその通り。
リーダーボードのトップ5、もう一人は25歳のアメリカ人キーガン・ブラッドリー、そしてもう一人はスコットランドの新婚のマーティン・レアード、28歳です。ブラッドリーは今年初優勝を、レアードは彼の2度目の勝利を得た - 2011年にPGAツアーで優勝した20代の12人のうちの2人です。
これほど多様な - またはより若い - リーダーボードはとても予測できませんでした。
そして帽子からつま先までオレンジ一色のいで立ちのリッキー・ファウラーは9アンダーで、そして今年の全米オープンで優勝したローリー・マキロイは首位から5打差で、ともに最終ラウンドに臨む22歳のペアも忘れてはいけません。

「ゴルフの試合が今、本当に良い形になってます。」と、デイは語ります。
「本当に楽しいよ。ここからたくさんの若い選手が飛び出し、そして競い合うことになるこれからの数年間、本当に楽しめるものになると思う。」

でもそれはもう来ているのかもしれません。いや正確には日曜日(日本時間では月曜日)に来る事でしょう。

自分はまだティーンエイジャーのように感じる時がある、と語り、日曜日にデイと一緒にラウンドする可能性のあるスコット。
デイの方が8歳若い事は知られていますが、「僕だって『抜きん出た若い選手』だったよ。」と語ります。
「もちろん、それは多分もう5年から10年前の話さ、デイはプレイヤーとして急速に成長してるよ。」
「ゴルフの技術は明らかに進歩しており、その技術の進歩が世界中の試合を充実したものにしています。その結果ゴルフをする若い人たちも増えてきているんだ。」ジェイソン・デイは説明します。
しかしベテランも健在です。42歳になるスティーヴ・ストリッカーは首位から5打差で上位を伺っています。
フェデックス・カップ・ポイントで2位、世界ランク1位のルーク・ドナルドは3打差にいます。
マスターズ・チャンピオンの35歳のザック・ジョンソンも追い上げています。

日曜日は、しかし、第3ラウンドがそうであったように、若い選手たちが脚光を浴びる事でしょう。
明日、スコットに第1に挑戦する事になるのは、今シーズンのアメリカPGAの試合で10位以内に7回入り、マスターズと全米オープンでは上位に食い込んだ同じ国のプレーヤー(ジェイソン・デイのこと)かもしれません。

「私は本当にジェイソンのプレーぶりが気に入っています。」、と今年のマスターズでデイともに2位に並んだアダム・スコットは話します。
「彼は他に抜きん出ています。彼は友達を作るために、抜きん出た存在であろうとしているのでない事は、はっきりしています。彼がコースに来る、ということはビジネスを意味しているのです。彼はひどくそれを望んでいるし、その事ははっきりしています。彼はうまくプレーできるようになるための経験を積みにきているのではなく、『勝つ』ためにここにいるのです。」

確かに、デイは1人、あるいは2、3人に対抗心を燃やし続けています
彼はそれが試合運びに有利に働くと考え、どの試合においても、彼はライバルとなる若い選手を見つけ出し、マークしながら戦うのです。

「それはかつてのタイガー・ウッズとフィル・ミケルソンの関係のようなものなんだ。」とデイは話します。
「誰もが彼らの戦いについて語りますが、2人が再び優勝争いをするのが、待ちどおしいよ。そこには憎しみなどは無く、もっと良い関係、ライバル同士の友情があると思うんだ。」
ゴルフ・トーナメントで優勝する事は、ほんとうに、ほんとうに難しくなってきています。今このゴルフ界では、驚くほど若いプレーヤーが目も覚めるような活躍をし、そして優勝する、ということが起きています。これから数年すれば、トーナメントで優勝する事は、さらに難しくなるでしょう。

石川はこうした存在の一人です。
しかし彼はアメリカ国内で戦う事に、ある種の寂しさを感じる、と話します、経験による彼の成長には著しいものがあるにも関わらず。
彼のアメリカPGAツアーへの果敢な挑戦は、たとえそれがブリジストン・インビテーショナルのような、上位選手が激しく争うような試合であっても、概して大きな大会に限られてきました。
石川は心から愛する故国の国旗を持参しましたが、ある方法で故国に恩返しをしようとしています。
彼は今年獲得する賞金の全額を、東日本大震災の被災地に寄付します。

アダム・スコットは、彼自身が20歳でヨーロッパ・ツアーに発参戦した時よりも、石川はゴルファーとして成熟している、と語ります。
彼は、プレジデンツカップで彼と一緒にプレーした経験があります - インターナショナル・チームのキャプテンのグレッグ・ノーマンは、リーダーボードを見た時に明らかに気分を良くしていました - 勝利を得た『はにかみ王子』というニックネームの10代の青年が、ノーマンのような偉大なゴルファーを喜ばせた事に、スコットは深い印象を受けました。
ほとんどのプレイヤーが負けてしまった中、「石川遼の成熟度は際立っていた。」とスコットは話してくれました。

しかしながら、プレイヤーは突如不調に陥ることもあります。
誰もがタイガー・ウッズのように世界を席巻できる訳ではありません。
それでも、ジェィソン・デイがすぐさま石川、あるいは他の若いプロについて指摘したように、「自分自身を信じ、自分のプレーに徹するべき」なのです。

日曜日はその自信を打ち立てるための日になります。
その日は1911年以来、PGAツアーの最も若い優勝者として石川が手に入れるのか、あるいはデイまたはスコットが手に入れるのか、それとも他の別の誰かのために残される事になるのか。
「それを見てもらう絶好の機会になるはずだ。」
スコットは老練な政治家のように語ります、しかし若い挑戦者たちの命運を握っているのも、また、彼なのです。

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈10〉 これほど見事に後悔を克服したのは見た事がありません! – 第111回全米オープン・ゴルフ –

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所要時間 約 5分

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ローリー・マキロイ22歳のメジャー初制覇

大統領や政治家がよく訪れる事で知られる、コングレッショナル・ゴルフコースで開催された第111回全米オープンでのローリー・マキロイの優勝は、明からに人々が期待し望んでいたものでした。
彼のコングレッショナルにおける初のメジャー制覇は、まったく揺るぎのないものでした - マキロイは最終日69で回り、16アンダーでフィニッシュ、2位のオーストラリアのジェイソン・デイに8打差という大差をつけました。
全米オープンで16アンダーのスコアを出すという事は、これまでまだ誰も達成した事がありません。伝説となっているペブルビーチで2000年に開催された大会で、タイガーウッズが優勝したときの15アンダーを上回るスコアです。
勝利に対する彼自身の喜びの表現は抑えたものでした。控えめな22歳は最終ホールのパーを決めると、握りしめた拳を7回程降りましたが、大声で叫んだり、拳を突きあげたりはしませんでした。大きく微笑んだだけでした。
でも彼の父親とは大きく腕を広げて抱擁し合いました、この特別な日をかみしめあうように。
この勝利は彼にとって2009年のウェルズファーゴ選手権以来、生涯3度目のものです。昨年の全米オープンは予選落ちしましたが(同じ北アイルランド出身で、友人でもあるグレアム・マグドウェルの優勝を見守りました)、そこからの彼のメジャー大会における戦績は賞賛されるべきものであったと言えます。
マキロイは初めて参加したメジャーである全英オープン(7月)では63位タイでしたが、昨年の大会では3位タイ、続くメジャー大会であるPGAチャンピオンシップ(8月)では最終の72ホール目でパーを逃し、惜しくもプレーオフには進めませんでしたが、3位タイという成績を収めています。
そして今年のマスターズの3日目まで4打差の首位、という成績はほめられるべきものです。
3度メジャーを制しているパドレイグ・ハリントン(アイルランド)はこう語っています。
「今のローリーは、実力においてもうかつてとは別人だ。他の同世代の競争相手は皆メジャーの制覇には失敗している。ローリーは最早一周以上、彼のライバルたちを引き離している。」

ここまでが全米オープンを主催するアメリカPGAツアーの、公式ホームページに掲載された記事を翻訳したものです。
しかしこのローリー・マキロイ程見事に、「後悔」を「達成」に変えてしまったゴルファーはちょっと見当たりません。
記事中でも触れられていますが、今年4月に開催されたメジャー第一戦・マスターズでも彼は最終日を首位で迎えました。ところがその最終ラウンドで80という、プロとしては「恥ずかしい」スコアを叩いてしまいました。体調が悪かったのか、心ができていなかったのか、マキロイのフォロワーではないので残念ながらわかりませんが、少なくともその日、その週、彼は繰り返し後悔していた事でしょう。
しかし、この22歳の若者は見事今年のメジャー第2戦でその後悔を克服してしまったのです。
マスターズはスコアをどんどんのばして行く大会、全米オープンは如何にスコアを崩さず踏みとどまるかの大会だと言われています。その大会で4日間スコアを伸ばし続けて行ったのですから、最早参加全選手が脱帽する他無かったと思います。
PGAツアーの公式ホームページのトップには、マキロイの優勝を讃える写真が次々とアップされています。

しかし、22歳、弱冠22歳です。
みなさんの22歳はいかがでしたか?
ちなみに22歳の私は許せないくらいのアホウでした - ゴルフには関係なく - そして今でも許してはいないのですが。
P.ハリントン選手が話す「他のライバル」の中には、我らが石川遼選手もはいっている訳ですが、今回の全米オープンでは何よりも、このマキロイ選手の見せた意地と努力が最大の刺激になったのではないでしょうか?

それでは最終日のハイライト(と言っても、マキロイ選手しか映っていませんが)をご覧ください。
それにしても、父と息子の抱擁シーン、ほんとにうらやましい......

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈9〉 – あせる必要も無いのにアセって自滅 –

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所要時間 約 3分

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こんな経験はありませんか?
コースに出ると、なぜかあるショットだけが失敗の連続。
あるいは、なぜかある一本のクラブだけがうまく打てない。
そこで、せっせと練習場に通って「弱点克服」の特訓を、来る日も来る日も練習を重ね、ある日ついに「開眼」。
いよいよコースに出てみると、練習場程うまくは行かなかったけれど、ミスばかりしていたあの頃に比べればもう全然大丈夫。
「よし、ここはさらに特訓を重ね、アマチュアレベルなら「名人」と言われてもいいレベルまで技術を磨き上げよう!」
と、さらなる練習を重ねて、ついにつかんだ「手応えあり!」の感触。
そして臨んだラウンドの日。
と・こ・ろ・が......
名人どころか、弱点克服前のミス・ショットが立て続けに出てしまって
「何だったんだ、今までの苦労は......」
と愕然。
こんな経験、ありませんか?

実はこの土曜日の私が、そうだったのです。
私の弱点はズバリ20ヤード以下のアプローチ・ショット。
自分に悪態をつきながら、何かを呪いながら、そしてまた自分を罵倒しながらついに自らつかんだ、アプローチ下手の原因。それは方向性を出そうとするあまり、フォローをまっすぐ出そうとしていた事でした。
これを振った後に左に収めるようにすると、ぴたっとミスが無くなったのです。
コースに出て試してみると、やはり効果あり。
「よし、これからは技術を磨いて苦労した分、名人の域まで行ってやるぞ。」
と思いました。
ところが今週の実践で、何と再び克服前のミスが......
ああ、無惨…ああ、無情…
原因は何となくセカされているような錯覚に陥ったあげくの、無用のあせりが原因でした。
ゴルフではこの「あせって動作が速くなる」という行為は、すべてをブチ壊してしまう場合が多々あるのです。
何回も続いた訳ではありませんでしたが、それでも惨めさにかわりはありません。
いつになったら『後悔のゴルフ』を卒業し、達成のゴルフができるようになれるのか、
本当は原稿などにしたくない程、思い出したくもないミスなのですが‥‥‥

本日の動画はいよいよ本日決勝の全米オープン・ゴルフ3日目ハイライト。トップはアイルランドのローリー・マキロイ。実はマキロイは今年4月のマスターズも2日目までトップだったのに、終わってみれば15位タイ。大後悔だったはず。
「こんどこそは!」
と臨んでいる全米オープンでは、現在2位に8打差と言う大差で現在トップ。さて、今回はこのまま優勝を勝ち取るのか、それとも再び『後悔のゴルフ』となるか?
全米オープンが行われているメリーランド州とは時差13時間、戦いは始まっている!

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈8〉 仕切り直して、ホール・イン・ワン

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所要時間 約 3分

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今朝13日月曜日の朝は、日本の今田竜二選手がUS PGAツアーの第25戦、フェデックス・セント・ジュード・クラシックで3位タイに食い込み、来期のシードも確実にしました。
みんなでアメリカに念を送りましょう!と、このブログで呼びかけてから、それまで不調だった今田選手があっという間に復活しました。
どなたか、超能力をお持ちの方がいらっしゃるのではありませんか?

それにしてもPGAの試合を見ていると、いつも開催コースの美しさに憧れてしまいます。
そこで次々に繰り広げられるスーパープレーの数々。
見ていると、そんなにじぶんにもできそうな気分になってくるのですが、
「そんなはず無いでしょ。テレビの中の人たちと自分が同じレベルだと思ってるんでしょ。お・お・ま・ち・が・い、だからね。」
これは私の奥さんの指摘です。
まあ、当たっているのですが。

さて、今日はゴルフの「仕切り直し」についてです。
みなさんは、ゴルフコースに行ってさあボールを打とう、という瞬間
「何だかおかしいな」
と思いつつ、
「まあ、いいか…」
と、そのままショットした事はありませんか?
で、結果はいかがでしたか?
多分、ミス・ショットでしたよね。

ゴルフをしておられる方ならコースをまわって「そこそこ」と言われるまでに、かなりの量の練習や経験を積まれた事と思います。
その間、数々のミスショットをされた事と思いますが、人間の脳はきわめて優秀なため、それらをほとんど記憶しています。
ショットの前の「ちょっとおかしいな」という違和感は、その記憶からの警告なのです。
立っている位置がちょっと違う、とか、場合によってはもっと深刻な間違いを打つ前に、すでにおかしている可能性もあります。
問題は私たちがそれに対処しきれるのか、という事ですが、アマチュア・ゴルフアーでいる限りは多分難しいでしょう。
逆に考えれば、その問題を自分はまだ解決できていないのだよ、というのが脳からの警告の内容です。

ゴルフはある面では、リスクを回避する「知恵」を問われるスポーツです。
だからこそ、トッププロでも一本調子の「攻め」を続けていると、ある瞬間に落とし穴にはまってしまうのです。
まして私たちは技術も経験も未熟なアマチュア・ゴルファー、「何だかおかしいな」と思ったら仕切り直す勇気を持ちましょう。

「仕切り直し」がどれほどこうかがあるものなのか。
フィル・ミケルソンが今年のプレヤーズ選手権で、見事ホール・イン・ワンを決めるシーンをどうぞ!

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈7〉 10年間苦しみ抜いて、不惑の年にカムバックしたゴルファー

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所要時間 約 4分

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ゴルフで一番克服するのが難しいのが、自分の「心」。
臆したり、思い上がったり、一番難しい問題ですよね。
あのタイガーですら、例の大スキャンダルの後は全く勝てなくなりました。
そう言えば今週のメモリアル、予選開始の時に皆さんに今田竜二選手に念を送ってもらったおかげで、14位で予選通過しました。
ところが念の効果が薄れた土曜日に、58位まで急降下。
さすがに優勝が狙える順位ではなくなりました。
次回は1日おきに皆さんに念を送ってもらおうと思っています。

首位はスティーヴ・ストリッカー(アメリカ合衆国イリノイ大学出身)、44歳。
23歳でプロ転向し、もの静かで控えめな性格ながらも、シャープなゴルフで「サイレント・アサッシン(静かなる刺客)」なんてあだ名を付けられたのですが、程無くしてその後大スランプに。
ドライバーが左45度に曲がるようになり、ドライバー恐怖症、つまり最初の一打が打てない状態になって10年程もシード落ちの日々が続きました。
家族とともに苦しみ抜いたようです。
こうなると後悔とか、そんなレベルの話では無くなります。
それが2007年40歳でカムバック、一勝をあげた上、12回もトップ10入りし、いきなり賞金5億円を獲得、その年の「カムバック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれました。
一勝を挙げた時は、この物静かな人が男泣きに泣いていました。
グリーンの脇では奥さんが泣き崩れて顔を上げる事すらできず、最後はストリッカーに抱きかかえられるようにして会場を後にしていました。

翌年は優勝はありませんでしたが、獲得賞金2億5千万円。
そして2009年には3勝、獲得賞金は6億5千万円に迫り、まだ大活躍していたタイガー・ウッズ他を抑えて、ついにその年の「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのです。
「ついでにカムバック・オブ・ザ・イヤーをもう一度もらったら?」
というジョークまじりのインタビューに対し、
「それだけはもう二度ともらいたくない」、つまり再びシード落ちするような目には遭いたくない、と答えていました。
本当につらい10年間だったのですね。
昨年も2勝・獲得賞金4億円、今年も5月が終わった時点で1億円強獲得しており、今週勝てば2億円を超える事に。
40歳から44歳の半ばまでに20億円の賞金を獲得した事になります。

なのにこの人は、本当に控えめで思いやりが深く、優しい人のようです。
勝っても勝っても、思い上がったり、偉そうにしたり、なんて事はいっさい無い人だそうです。
そして苦しんだ10年間、自分を支え続けてくれたのが家族であった事を忘れる事無く、いつも何よりも家族、そして友人を大切にしているそうです。

今田竜二選手は勝てないでしょうが、私は今週ばかりはこのストリッカー選手の優勝を願いつつ、床につく事にします。
ではトーナメント2日目、ストリッカー選手のホール・イン・ワンの場面をどうぞ。
嬉しそうだけど、控えめな笑顔は見せても、「どうだ?!」というような様子は見えません。
ところで「いいショット」のために、この人のリズムを真似するといいと思いますよ。
ただし、この人のようにフォローをまっすぐ出そうとすると、我々はダフるかスライスすると思いますけど......

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈6〉 痛恨はやはり3パット – 消えてしまった6,400万円

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所要時間 約 4分

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ゴルフではスタートする時やフェアウェーなどで、ボールを飛ばす事を「ショット」といい、グリーンという芝が短く刈り込まれた地面の上でボールを転がすのを「パット」または「パッティング」といいます。
石川遼君を例にとると、体を勢いよく回転させて「カキーン」と打つのがショット、ちょっと前かがみでそっとボールを打つのがパッティングです。
メートル法なら300メートルも谷や池を超えて放つ、豪快なショットの方が難しそうに見えます。
でもプロはやはりそのホールを締めくくるパットに多大な神経を使います。実際「イップス」と言って、短ければ短い程きちんとパッティングできなくなる心理状況に陥り、筆舌に尽くしがたい苦労を嘗めさせられたプロは世界中にたくさんいます。

アメリカで奥さんに支えられ、日本人としてはただ一人アメリカPGAツアーでシード選手として闘い続ける今田選手はそのパッティングの名手でした。
ただし、去年までは。
世界中にゴルファーが何百万人何千万人いるかは知りませんが、アメリカPGAツアーのシード選手120人は疑いなくその頂点にいます。
2007年以降、今田選手は4年連続してシード選手であり続けていますが、初優勝を果たした2008年以降調子は下り坂で、今年は毎年10位以内に入っていたパッティング成績も120位まで下がり、今年こそはシード落ちか?!と心配される程、結果が出ていませんでした。
それが今週、ゴルフの神様ベン・ホーガンのクラウンプラザ招待、バイロン・ネルソンのチャンピオンシップ、ジャック・ニクラウスのメモリアルと3試合続く今年のPGAツアーのクライマックスのひとつ、バイロン・ネルソン・チャンピオンシップの最終日13番ホールでバーディ奪取、ついに2打差で首位に立ったのです。
動画ではそのシーンが放映され、今田選手も「やったぞ!」とガッツポーズ。
ところが、その後15番以降の残り4ホールのうち、3ホールでボギーとしてしまい、終わってみれば3位タイ。
最後の土壇場で優勝が手からこぼれ落ちて行ってしまいました。

私は直接の敗因は17番の3パットだと思いますが、3パットは私たち素人ゴルファーでもやってはいけないミス。

優勝賞金は117万ドル(約9,400万円)、2位が70万300ドル(約5,600万円)今田選手の3位タイは37万7,000ドル(約3,000万円)です。
3位タイでも日本のトーナメントの優勝賞金と変わりませんが、獲得賞金が6,400万円も減ってしまった今田選手。
試合が終わった後、インタビューを申し込んだNHKのレポーターに対して
「悔しすぎて、ちゃんと答えられません。」
と返していました。もちろん今田選手が悔しいのは賞金の方ではなく、タイトルの事でしょうが。

それにしても、一打に3,000万円がかかるゴルフというのはどんな世界なのでしょうか?
アメリカのプロ・スポーツは野球でもバスケットでも、私たち日本人から見れば信じられない程高額の報酬が支払われます。
しかし、またそこで勝ち残って行くのも並大抵ではありません。挑戦して思うような活躍ができず日本に戻った選手のうち、渡米前と同様の活躍ができた選手はほとんどいません。それ程に心も体も消耗してのいってしまうのではないでしょうか?!

日本時間の今晩からはビッグゴルファー・シリーズ(私が勝手に名付けたのですが)の第3戦メモリアルです。
ふたたび今田選手が上位に食い込むよう、みんなで念を送りましょう、アメリカ大陸まで!
こんな不安と混乱の時代、ダメで当然、超能力が身につくよう訓練してみるのもいいんじゃありませんか?

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈5〉

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所要時間 約 4分

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ゴルフというのは「徹底的」に屋外のスポーツですから、「天候というものがこれほど影響するのか?! 」と思う事しばしばです。
まずはその日の天気、晴れて風がなければ機嫌良く出かけ、雨の日や風の強い日は「あーあ... 」なんて出かけます。
まあ、気はってくるとたいがい天気に関係なく、後悔の「あーあ... 」なんですけれども…
そしてゴルフ場に着くと、こんどは晴れていてもそうでなくとも風がいちばん気になります。

道具を使ってボールを飛ばすスポーツの中で、ゴルフが一番遠くまでボールを飛ばします。ドライバーという一番遠くまでボールを飛ばす事のできるゴルフクラブは、プロでだいたい300ヤード弱(約270メートル)、私たち素人の平均は200ヤード強(180メートル)。何たって私たち素人用でもこのドライバー、平均価格は6万円~8万円しますので、それなりの仕事はしてくれて当然。
この距離をまっすぐボールを飛ばすことができると、えも言われず気持ちがいいものです。
逆の場合は?
タイガーウッズがものすごい顔で悪態をつきながら、ゴルフクラブで地面をブッ叩くのをご覧になった事はありませんか?
あんな気持ちです。
ただ、私たちは彼程の技量と精神力があって失敗する訳ではないし、同伴者に不快な思いをさせるので、あの態度はご法度です。
その点、石川遼君などは失敗しても決して激した様子は見せませんので、彼は本当に立派な青年だと思います。

さて、その「まっすぐ」ですが、邪魔をするのが風。せっかくまっすぐ打てたはずなのに、ボールは風に右に左に翻弄され、場合によってはOBといって「場外、アウト!」になってしまう場合があります。
ドライバーだけでなく、ゴルフはあらゆるクラブで風の影響を受けます。
プロの大会など、地面を転がすだけのパッティングですら風を計算すると言います。
でもやっぱり雨、特に強い雨。

なんで今日はこんなに天気にこだわるのか、と言いますと、実は明日月曜日、会社をサボってゴルフの予定なのです。
ところが台風2号なんてのが近づいてきてますよね。
それが明日、宮城に大雨を降らせる可能性が出ててきています。
本当はニッポン国民なら地盤沈下域の被災地の方の事や
「台風が福島第一原発を直撃したらどうしよう…また、大量の汚染水が漏れちゃうんじゃないか?! 」
と、そっちを心配するべきなのかもしれませんが…
でも所長の吉田さん、立派な方らしいし…
小雨ならゴルフというのはできるのですが、台風となるとゴルフ場そのものが「クローズ」といって、お休みになってしまいます。
せっかく有給休暇をとったのに、台風のせいでムダになってしまう可能性が…
どうやら今回のゴルフ、始める前から「後悔」しちゃいそうです。

アメリカPGAツアーのシード選手、韓国系アメリカ人・チャーリー・ウィー選手のドライバーショットをお勉強しましょう。始めはまずクラウンプラザ・インビテーショナルの3番ウッドのティー・ショットを見ていただきます。その後「スイング・ビジョン」でドライバーショットの詳しい解説があります。カンどころは
1. スパイン・アングル(前傾姿勢)をキープしたまま、クラブをしっかり左に振って行く
2. ダウンスイングでは左ひざでしっかりパワーを受け止める
というあたりでしょうか。

  ゴルフ 

後悔のゴルフ〈4〉

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所要時間 約 6分

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5月第2週のアメリカPGAツアーは最高額の優勝賞金が得られるザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ。

ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ開催コース、TPCソーグラスの名物ホール、17番グリーンに上がるK.J.チョイ選手。 距離はさほどないが、グリーンの周りはすべて池。 普段なら世界のトッププロなら何でもなく打てるはずだが、プレーヤーズ・チャンピオンシップの様な大きな大会になると、一流選手が次々池に打ち込んでしまう

ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ開催コース、TPCソーグラスの名物ホール、17番グリーンに上がるK.J.チョイ選手。 距離はさほどないが、グリーンの周りはすべて池。 普段なら世界のトッププロなら何でもなく打てるはずだが、プレーヤーズ・チャンピオンシップの様な大きな大会になると、一流選手が次々池に打ち込んでしまう.

マスターズの優勝賞金が144万ドルなのに対し、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップは171万ドルですから、日本円で約1億3,700万円になります。アメリカPGAツアーの優勝賞金は軒並み100万ドル前後ですが、中でも、『第5のメジャー』プレーヤーズ・チャンピオンシップの賞金の高さは群を抜いており、フィールド(参加選手のレベル)の高さで有名な大会になっています。
今年2011年は5月16日(現地15日)、韓国出身のK.J.チョイ(崔 京周 - チェ・キョンジュ)選手が優勝しました。崔選手は日本のマルちゃんこと丸山茂樹選手の一歳下で、マルちゃんがアメリカPGAツアーを中心に活躍していた頃のライバル。派手ではありませんが、着実に勝利を積み重ねて、もはや世界的プレーヤーとしての地位を築き上げました。

しかし、今日のお話は崔選手の事ではありません。
予選落ちしてしまった日本の今田竜二選手の事が気がかりだ、というお話です。
今田選手はタイガーウッズと同年齢の今年36歳、14歳で親の反対を押し切って渡米、その後めきめき頭角を現し、アマチュア時代にはタイガーに次いで全米第2位になるなど、将来を期待され1999年にプロに転向しました。
しかしその後、自身「なんでこの俺が...」と思う程の低迷時期が来ます。
そしてそれを何とか乗り越え2005年にアメリカPGAツアーのシード権を獲得。
その後じわじわとランクを上げ、遂に2008年プレーオフの末、2007年に2位に甘んじたAT&Tクラシックで初優勝しました。
この年は2位も2回あり、全体順位は125人のシード選手中9位とトップテン・プレーヤーに入りました。賞金総額も300万ドルを超え、世界的プレーヤーへの仲間入りか?!と期待させました。
ところが翌2009年は90位、2010年107位とじりじり順位を下げています。
今年はすでに13大会開催されましたが、予選通過が6回で順位が128位とちょっと低迷しています。

アメリカPGAツアーではシード選手であるか、そうでないかでは天と地程の違いがあると言われています。
毎年全体順位125位というのは年間賞金総額がたいたい80万ドル前後となり、その金額の収入が確保される、ということになります。
今田選手の場合は2007年から2010年の4年連続シード選手でしたが、この間の賞金総額が600万ドルを超えています。日本にいてはとても稼げる金額ではありません。

ところが、今年の低迷。私はプロの解説者ではありませんが、アメリカPGAツアーをあきらめた丸山茂樹選手の場合がそうでしたが、技術・体力といった問題よりも、精神的課題にぶつかっていると思われます。
アメリカのアメリカPGAツアー選手ともなれば、ドライバーの飛距離は恐ろしい程になります。
丸山茂樹選手はこれに対抗しようとして筋力作りに取り組みましたが、失敗、撤退を余儀なくされました。
同時期にPGAツアーに参加した田中秀道選手は体まで壊してしまい、撤退の上、数年間は日本でも満足なプレーができなくなりました。
かつて全英オープンに参加した際、ある日本の選手は
「こちらが6番アイアンで打つ距離を、彼らは9番で楽々打ってくる。この違いは大きすぎる。」
と嘆いていました。

今田選手はもともと飛距離を追い求めるのではなく、アプローチやパッティングのうまさがPGAツアーでも光る選手でした。
この技術があったればこそ、ドライバー平均飛距離(平均280ヤード)+フェアウェーキープ率(59%)のトータル・ドライビング順位が161位という順位でも、シード選手としてやってこれました。
問題はそのアドバンテージをしっかり胸に刻んで、その足場を変えずに闘い続ける事ができるかどうかだと思います。
何故ならアメリカをはじめとする欧米の若い飛ばし屋たちが、ここ1、2年で400ヤードを超えるティーショットを記録するようになっているからです。
この部分で彼らと対等に闘うには、もう体を取り替えるしかありません。

私たちアマチュアは「飛ばし屋」と一緒にラウンドすると、ティーショットでは知らず知らずリキむ。
二打目は飛ばし屋同様パーオン狙って、大きく曲げて大トラブル。
二打目を自分が最も得意とする距離にレイアップしたときより大幅にスコアが悪くなって、それこそ『後悔のゴルフ』に。

プロ選手にもこんな事はあるのでしょうか。
今田選手にはこれから、自分の長所に力点を置いた闘い方に徹して、アメリカPGAツアーのシード権を確保して欲しいものです。
そしてできれば2勝目も!
がんばってください!

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後悔のゴルフ(3)臆(おく)してばかりの……

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所要時間 約 3分

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大体ゴルフなどというものは自分でコースを回るか、プロのトーナメントの観戦が面白いのであって、ちょっと上手な人の
「この前、今年のベストスコアが出たよ。」
なんて言う話は、まったくもって面白くないものです。
しかし、ベストスコアを出した方は、誰かに話したくて話したくて仕方がありません。
そこで、他人にとってはメイワクな自慢話でも
「すごいですねぇ、さすがですねぇ」
なんて言いながら、ガマンして聞いてくれる人がいると
「ああ、コイツは(自分にとっての)良きゴルフ・パートナーだ。」
なんて思って、いや、勘違いしてしまいます。
こういう「いいヤツだ」と思われる人間は、結果的に一緒にゴルフする、いわゆる「ゴルフ仲間」が知らず知らず増えて行くことになります。
でも、本人も人知れず練習を重ね、自分も「すごいですねぇ」と言ってもらえるよう努力をしているのです。
しかし何ともはや、運動センスや身体能力の点で生来恵まれてはいないため、中々結果に結びつきません。
それに最近、ゴルフをする上でさらなる重大な欠点がある事に気がついてしまいました。
それは「臆する」心です。
臆は臆病の臆。

英国グリーティング

英国グリーティング

勝負所に来ると「心が臆して」しまい、普段ならしないような、レベル的にはとっくに克服しているはずのミスを連発してしまうのです。
一方、自慢「する」方の人はなぜか自信を失う事無く、勝負所でしっかりとまとめてきます。
いいところ、全部持って行ってしまう訳です。
結果してまたもや
「さすがですねぇ!」
言いたくないんですけど....
結局自分はゴルフ・プレーヤーじゃなくて、ゴルフ・パートナーでしかないのかな、なんて...
そんなら、クラブやらボールやら、無理して良いものを揃える必要なんかないんじゃないの、ってちょっと空しくなっちゃったりもする訳です。
おや、電話?!
「良きゴルフ・パートナーのkobajunさん? 今度の土曜日、空いてない?......」

“安楽拓也の飛ばしのチェック項目” -あなたのドライバーはなぜ飛ばないのか?- 【DR0007】

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後悔のゴルフ(2)

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所要時間 約 8分

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技術的なことに加え、その人の心の持ちようが問われるスポーツ、それがゴルフ。
そのため、この稿を書いているkobajun氏はゴルフでラウンドをしても
「今日は満足した」
どころか
「今日はまあまあだった...」
どころか
「今日は、まあ...」
という日すら非常に少ないのです。
これが例えばテニスだったりすれば、パートナーの肩でもたたきながら
「いい汗かいたね。」
なんてことを言えるのも知れません。しかし、私はゴルフに関する限りこんなセリフは一度も言ったことがありません。
アメリカではラウンドした後、ゴルフコースの池の中にゴルフバッグごと『投げ捨てて』いくゴルファーすらいるそうです。もっともその日のうちに引き上げにくる人が、ほとんどらしいのですが...
ゴルフの何がここまで人を狂わせ、熱くさせるのでしょうか?!
私もずっとこのことを考えてきました。
得た結論は14本ものゴルフクラブを使い分けるところにあるような気がします。
例えば野球のバッター、バントをするのもホームランを狙うのも同じバットを使います。
ところがゴルフでは100ヤード、150ヤード、200ヤードを打つ時では使うゴルフクラブが違います。概ね10~15ヤード刻みでクラブを変えて行きます。
さらにゴルフクラブの商品説明を見ると、必ず書いてあるのが「ミスを最小限にとどめる工夫がなされている」云々。
こうして見れば、ゴルファーひとり一人、至れり尽くせりの道具を持ってコースに現れているはずなのです。
野球でピッチングやバッティングの『フォーム』が大切なように、ゴルフでもボールを打つ時のフォーム(ゴルフではスウィング と呼ぶ方が一般的)がとても大切です。レッスンや練習場に通うのも、ひたすらこのスウィングを良いものにするため、と言ってもいいでしょう。
たどり着くところはパターを除く13本のゴルフクラブを、同じように最も合理的にスウィングできるようにすることです。
そのため最も大切になるのが、よけいな小手先の動きを封じ込めること。
ゴルフは距離の調節と方向取りが命のスポーツ。でもそれは実はコースに13本も持って行く、最新式のクラブがやってくれるのです。
そのため現代のプロ・ゴルファーは、徹底的に合理的スウィングを体に覚えさせ、さらに筋力を鍛えることで身に付いたフォームのパワーアップを図ります。
この道具の進化 + 合理性の追求 + 筋力のアップ = により、近年のプロゴルファーの打球の飛距離の伸びは驚異的レベルに達している、と言われています。
一方情けないのが私のようなアマチュア、中でも練習量そこそこ、月のラウンド数もそこそこ、というアマチュア・ゴルファーです。
まず、道具ですが、ほとんどプロと同じ道具を使っています - ただ、筋力その他が足りない分、簡単にボールが飛ぶようにはなっています。
そして、一番足りないのが合理性。
レッスンなどで一応合理的なスウィングを教えられても、そこに客観的に見ればとんでもないアレンジを加え、「あり得ない」スウィングをしているゴルファーを良く見かけます。
一番多いのはあらゆる関節・筋肉に力を入れてリキム人。体のよけいな場所に力を加えれば、体の動きがぎこちなくなるのが当たり前なのに、結果、最も弱い部分からバランスが崩れて、予測もつかないタマが飛び出し、落胆したり赤面したり...
私の知人はゴルフ練習場で真上にボールを打ち、そのボールがキン・コン・カンと跳ね返ったあげく、後ろの打席の人の足下に「ブスッ!」と突き刺さったそうです。知人は後ろの人に
「あんた...帰れ!危ないから帰ってくれ!」
と言われたそうです。
次が「よくそれでボールが打てるなぁ」という体勢から、手先を器用に舞わせ、無理矢理ボールに当てている人。でもきわめて複雑な動きが組み合わされているので、成功率が低くならざるを得ません。

ここにも後悔している人。マスターズ2011で「3日目まで首位」のローリー・マキロイ。

ここにも後悔している人。マスターズ2011で「3日目まで首位」のローリー・マキロイ。

わたしが驚いた例をひとつご紹介します。
プロの中には打つ直前に、左右の足を少し踏み替えて体勢を微調整し、それからスウィングをする人がいます。プロのそれはゆっくりと静かです。
私が練習場で実際に見た人は、最初に左右の足をバタバタっとし、それが次々繰り返されしかもどんどんスピードが上がり、その早さも騒音も最高調に達した「ダダダダッ」という瞬間、「うっ!」と言ってボールを打つのでした。
「バタバタ、バタバタバタ......ダダダダッ、うっ!」です。
よーく見てみると、足をバタバタさせている間に、体とボールとの距離を微妙に調節しているようです。
でも私自身は練習を少し中断せざるを得ませんでした。
かくいう私もワキが甘くなって左右の振れ幅が極端になったり、手首が折れ曲がったりして、「ブスッ!」や「ダダダダッ、うっ!」という人たちと結果がさほど変わりません。
これらすべて
「ちゃんとできないかもしれない......いや、できないだろう......ゔっ、やばい!」
というためらいやおびえが原因です。
たとえれば、人間、嘘やごまかしを言う時、どうしても早口になるのと同じことでしょう。
こうした「事前敗北心理」にはプロでさえ陥ります。
昨年の全英オープンで石川遼クンを励ましながら一緒にラウンドしたトム・ワトソンはパターが、2008年に全米で最多勝利を挙げたスティーブ・ストリッカーという人はドライバーが、ちゃんと打てなくなる「イップス」という状態に陥っています。それも数年間。
この人たちはプロの中でも『世界のトッププロ』と言われる人達ですから、技術的に未熟ということはあり得ません。
ひとえに心、心だけの問題なのです。
よく言われますが、ゴルフは心を映すスポーツ。
私のゴルフが「まあまあだった...」どころか「まあ...」も無いのは、私の精神が「まあまあだった...」どころか「まあ...」でも無いということ?!
そう思えば思う程、コースに出ると
思いっきり力んで + 手首ガクガク + 脇も甘くなって + おまけに顔まで上がって =
「ファーァァァァァ!」......
スティーヴ・ストリッカーはマスターズ2011で11位。長いドライバー・イップスの後、トッププロの中でも抜群の安定を誇るゴルフをしている。

スティーヴ・ストリッカーはマスターズ2011で11位。長いドライバー・イップスの後、トッププロの中でも抜群の安定を誇るゴルフをしている。


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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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