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【 共謀罪 – 基本的人権の侵害に懸念を表明する国連に反発する安倍政権 】

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所要時間 約 6分

これ程不備の多い法案を、これ程急いでこれ程強引に可決成立させる正当性は全く認められない

警察は陰謀の疑いがあると断定さえすれば、市民の権利を一方的に蹂躙できるようになる

 

リンダ・シーグ / ロイター 2017年5月14日

 

安倍政権が現在テロ等対策法案、共謀罪法案の成立を図っていることに対し、国連の独立した専門家による監視委員会が懸念を伝えてきたことついて、日本政府は22日月曜日、書簡で抗議しました。

この法案が成立すれば、日本の警察は陰謀の疑いがあると断定さえすれば市民の権利を一方的に蹂躙できるようになります。

国連のプライバシーの権利に関する国連特別調査官のジョセフ・カンナタシ氏は菅義偉官房長官から受け取った抗議文について、「怒りに満ちた表現に終始し」「中身に乏しいものだった」と一蹴し、ロイターの取材に対し固い口調のコメントを電子メールで回答しました。

 

日本の衆議院は早ければ23日火曜日にこの議案を通過させることになっています。

そして成立に向け、参議院での審議を急がせることにしています。

 

国連の国際組織犯罪に対応する国連の条約の批准と、テロリズムと戦うため、さらには2020年の東京オリンピックを主催する準備のためにも、安倍政権は現在の法体系の変更が必要だと主張しています。

しかしこの動きに反対している人々は、個人の基本的人権を犠牲にして政府の権限を一方的に強化していくという安部政権の政策の一環でしかないと批判を強めています。

 

5月18日カンナタシ調査官の書簡の内容について菅官房長官は、

「明らかに不適当な内容であり、我々は強く抗議しました」

と語りました。

「この法律が個人のプライバシーを侵害したり言論の自由を不当に制限するように濫用されることは、まったくありえません。」

菅官房長官はこう付け加えました。

 

国連人権高等弁務官オフィスのウェブサイトで公開されている書簡の中でカンナタシ調査官は、日本のテロ等対策法の適用基準が漠然としている上に広範囲に及んでおり、

「プライバシーの権利の不当な侵害と表現の自由が一方的に制限される」

懸念について言及しました。

カンナタシ調査官は安倍首相に対し、今回の法案が基本的人権に関する国際基準に適合しているかどうかという懸念に対し、正確な情報を提供するよう依頼しています。

 

「私自身は安倍首相にあてた書簡の中の一言一句、文章の区切り方やピリオドの打ち方まで、何ら誤った指摘はしていないと確信しています。誤っているというのなら、一語一語具体的な指摘を行うべきです。」

カンナタシ調査官はロイターの取材に対する電子メールの回答の中で、このように語りました。

「日本政府がこのような不備の多い法案を、これ程急いでこれ程強引に可決成立させる正当性を、私は全く認めることができません。」

 

日本弁護士連合会を含めこの法案に反対している人々は、警察の捜査範囲と捜査権限を拡大し、法定での証言拒否を認めることを含むテロ等対策法案による今回の法改正は、政府の政策に反対する市民運動を一方的に抑え込むことを可能にする恐れがあると警告しました。

日本政府は一般市民をターゲットにすることは無いと保証していますが、弁護士のグループは組織犯罪またはテロリズムとは無関係な行為までが今回の法改正により犯罪と断定されてしまうという懸念について表明しました。

 

国連が国境を越える組織犯罪に関する条約を制定したことに合わせ、日本政府は2000年以降3回今回と内容が似通った法律を可決させようとしてきました。

今回も一般市民を始め大きな抗議が巻き起こっていますが、連立政権を率いる安部首相は衆参両院で3分の2以上の議席を制している力を背景にテロ等対策法案を立法化させると見られています。

 

法案成立を支持している国民が39.9パーセントであるのに対し、反対派41.4パーセントと、21日日曜日に共同通信社が行なった世論調査では、国民の意見も真っ二つに割れている事実を示しています。

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-politics-conspiracy-idUKKBN18I0CH

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この稿の掲載の前日、問題のテロ等対策法案が衆議院を通過しましたが、私たち「一般市民」は国政選挙に無関心・無行動でいたことにより、自分たちの社会の民主主義が着々と破壊されていく結果になったという危機感を今こそ肝に銘じなければならないと思います。

軍国主義国家時代の日本の「一般市民」がどれ程怯えながら暮らしていたか、それを知る人は少なくなってしまいましたが、風化させて良い記憶とさせてはならない記憶があるはずです。

『北朝鮮の脅威』ばかりが強調されますが、自分たちが暮らす社会に強権国家が誕生することの脅威の方が害は直接的かつ深刻なはずです。

【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現へ! 】《5》

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所要時間 約 9分

原子力規制委員会は、本来果たさなければならない役割を放棄しているのも同様の有様

問題の解決ではなく、問題を指摘する人間をつぶそうとする原発行政

 

フェアウィンズ 2017年2月2日

 

ラジオ・エコショック(ES):さて原子炉は現在中国で製造されているという事ですが、それによって将来どんな問題が発生する可能性があるでしょうか?

大統領に就任したドナルド・トランプは、現在連邦政府が行なっている管理監督業務の75%を撤廃すると語っています。

原子力規制委員会はその管理監督業務のまさに塊のような機関です。

もしトランプがどのような結果につながる可能性があるか慎重に検討もせず、原子力発電に関する規制を次々撤廃するようなことになれば、いったいどんなことになるのでしょうか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

いずれにしてもアメリカの原子力規制委員会は、本来果たさなければならない役割を放棄しているのも同様の有様です。

私はアメリカ大統領の民主党候補の座をヒラリー・クリントンと争ったバーニー・サンダースと同じ通りに住んでいました。

今は二人とも別の場所に住んでいますが、ある夜私は彼にこう言ったことがありました。

「バーニー、次の原子力規制委員会の委員長に私を任命してくれないか?」

原子力規制委員会の委員長については米国連邦政府に任命権があります。

彼は私をまじまじと見つめた後、声を挙げて笑いました。

「アーニー、冗談を言ってるのかい?どう転んでも君は原子力規制委員会の委員長にはなれないよ。」

 

これは真実を衝いた発言です。

原子力産業界はすでにアメリカの原子力規制委員会を支配下に置いています。

原子力規制委員会の5人のコミッショナーはすべて行政機関によって任命された人間たちであり、その素性については原子力産業界の政治圧力団体である原子力発電協会(NEI)が綿密に調べ上げています。

原子力規制委員会が政治的に独立した監査機能をもっているなどという考えは、それこそ冗談です。

 

憂慮する科学者連盟は、危険な原子炉を廃炉にするためには現在の原発の管理基準をもっときびしくしなければならないという声明を明らかにしました。

本当はもっと厳しい規制など必要ないのです。

今ある基準を、誤魔かさずに適用すれば良いだけの話化のです。

 

みなさんにご紹介したいお話が2つほどあります。

いずれも原子力規制委員会の中の職務に忠実な人々が、アメリカ国内の原子力発電所に関する大きな懸念を明らかにしました。

 

まず最初はカリフォルニア州でペック博士が、ディアブロ・キャニオン原発には付近で大地震が発生する危険性があると警告を行った事です。

ペック博士はこの懸念について公の場で発表したのですが、これに対し行政監察官が3度に渡る調査を行いました。

その都度博士の対応に誤りが無いことが証明されたのですが、私が指摘したいのは原子力発電に関わる問題について真実を明らかにしようとすると、原子力規制委員会がまるで秘密警察のように画策をしたことが何度もあったという事実です。

 

もう一人はラリー、苗字はクリッシオーニです。

彼については、フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのサイトでも取り上げていますので、良ければご確認ください。

彼はアメリカ南部にあるオコニー原子力発電所が、もし上流にあるダムがトラブルを起こした場合水没する危険性があるという事実を、アメリカ原子力規制委員会が隠していたことを告発しました。

この事実については原子力規制委員会も、発電所を所有するデューク・エナジー社も把握していましたが、対外的には一切公表していませんでした。

 

そこでラリーは委員長に告発状を送付し、議会にもコピーを送りました。

ラリーのもとにやってきたのは行政監察官でした。

彼はラリーにこう言ったのです。

「君には二つの選択肢がある。告発状を撤回するか、または私たちに君を刑務所に入れる手間を掛けさせることだ。」

これに対し、ラリーはどっちも選ぶつもりはないときっぱりと返答しました。

監察官たちは早速ラリーに関わる調査を開始しましたが、最終的に司法省がこの男性は何も間違ったことはしていないと結論を出しました。

 

そうなのです。

原子力規制委員会の内部告発や異議申し立ては、委員たちのひんしゅくを買うだけでは済まないのです。

下手をすれば起訴されてしまいます。

 

私と妻のマギーは1990年代に現在の活動を始め、原子力発電の安全性に関わる様々な問題提起を行ってきました。

これに対しアメリカ原子力規制委員会はその問題の解決を図るのではなく、私たちの活動をつぶしにかかったのです。

 

私はその張本人に会ったことがあります、ジョン・ホワイトという名の人間です。

2012年のことでしたが、マギーは原子力発電の安全管理に関わる基準を故意にないがしろにし、その問題を指摘するアーニー・ガンダーセンをつぶそうとしているとする報告書を彼に突きつけました。

ホワイトはマギーの目をまっすぐ見つめ返し、こう語りました。

「必要なら、私は何度でも同じことをするさ。」

これこそが米国原子力規制委員会の体質なのです。

彼らは自分たちの立場は侵されるべきではないと考えています。

そしてフェアウィンズの活動が、そんな彼らの姿勢を問題視していることも把握しています。

 

フェアウィンズが米国原子力規制委員会のやることに異議を唱えることを止めれば、彼らは安閑としていられるのです。

しかし原子力産業界の利害と原子力発電所の見解に異議をはさむ人間がいれば、その人間はたちまち渦中の人となってしまうのです。

 

《6》へ続く -

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《15》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館


ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。
いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

ポール・シニャック(フランス: 1863–1935)作[夕凪、コンカルノー、作品220(アレグロ・マエストーソ - 堂々と速く)](写真上)油彩、1891

ジョルジュ・スーラの最も熱心な支持者として、シニャックは生涯を通して新印象派の理論を推進した画家であり続けました。
彼はスーラが始めた点描の手法を取り入れ、繊細な表現による色彩の調和を目指し、この絵について自ら語ったように「明滅する色彩の点」でキャンバス全体を覆いました。
この絵は海を愛したシニャックのてによるブルターニュ地方の風景です。

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/459119

 

【 天皇家への忠誠を誇示したい超国家主義者たちへの冷たい視線 】《後篇》

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所要時間 約 6分

明仁天皇は太平洋戦争の悲劇を反省し、犠牲者を追悼することにその人生を捧げてきた

明仁天皇の行動こそは、超国家主義者たちへの生きた非難

 

エコノミスト 2017年4月12日

 

天皇家の人々が女性太陽神の子孫だという見解を受け入れるためには特殊な価値観を受容する姿勢が必要ですが、少なくとも日本国民が共通して持っているものは天皇家の血統に対する自然な敬意です。

日本にとって都合の悪い歴史を書き換えようとする人間たちは、こうした国民感情を利用して容易に自分たちの主張を有利に展開することを常とう手段としています。

こうした人間たちは第二次世界大戦中、大日本帝国が一般市民を大量に虐殺したり、占領地域の女性たちに兵士向けの売春を強要したりといった事実は存在しないと主張しています。

史実を書き替えようとするグループの中には当然、時の勢いに迎合しようとする人間たちも含まれていますが、しかし多くは自分たちの主張こそ正しいと信じ込んでいます。

半藤氏が指摘したように、

「私たち日本人は何か問題が起きるはずが無かったのであれば、そんな問題は起きなかったのだと考える傾向があります。」

 

都合の悪い歴史を書き換えようとする人間の急先鋒とも言うべき2人の人物が、安倍政権内に閣僚として座っています。

稲田朋美防衛大臣と高市早苗総務大臣です。

そして安倍政権の閣僚の4分の3は、38,000人の有料会員によって維持され、日本国憲法の書き換えと天皇の地位をより強いものにすることを目指す日本会議、すなわち歴史の書き換えを目指すグループのメンバーです。

 

そしてこれらの人々が共通して持っているのが、戦争を引き起こしたことと戦争中日本が関わった犯罪行為について、戦後になって隣国や関係国に謝罪する姿勢を持ち続けたことが日本人の精神をダメにしたという認識です。

日本会議の議長を務める田久保忠衛氏は、学校における「道徳教育」の推進を唱え、国歌を強制的に歌わせることに反対してきた左翼の教師が行ってきた70年間の「洗脳教育」を終わらせ、「振り子を正しい位置に戻す」ために歴史教科書の第二次世界大戦(太平洋戦争)の日本の行為に対する前向な記述を要求しています。

 

超国家主義者たちは前進しました。

菅官房長官は彼らの仲間ではありませんが、教育勅語を擁護するとした発言は超国家主義者たちに対する追従(ついしょう)です。

 

それでも彼らは見過ごせない問題を抱えています。

彼らが尊敬していると強く主張するまさしくその天皇家の人びとです。

現在83歳なられる今上の明仁天皇は、父君である裕仁天皇が容認あるいは推進した太平洋戦争の悲劇を反省することにその人生を費やしてきました。

明仁天皇は多くの日本人や現地の人々が犠牲になった戦場を訪問することに、ご自身の多くの時間を費やしてきました。

そして日本人だけではなく、すべての戦争犠牲者を哀悼し続けてこられたのです。

 

▽ 菊の花の嘆き

 

明仁天皇の行動こそは、超国家主義者たちへの生きて活動している非難です。

日本会議のリーダーたちは、明仁天皇が半藤氏のような人を会話に誘った事実を知って、明らかに動揺しその表情は目にみえてひきつりました。

超国家主義者たちは明仁天皇から親しく声をかけていただいたことなど無いのです。

 

高齢化によりご自分の職務をこれまで通り遂行することに困難を感じられるようになって以来、明仁天皇は国民に対し生前退位を認めてくれるようお話になりました。

超国家主義者たちはこうした明仁天皇の思いにすら腹を立てています。

2,000年間続いてきた日本の皇室の伝統に反するというのです。

 

著名な自由主義知識人の1人である船橋洋一は、明仁天皇は国民の間にたぐいまれな程の人気があり、しかも尊敬を集めていると語りました。

「明仁天皇は本当の意味で無敵というべきです。」

 

しかしいまわが世の春を謳歌しているかのように振る舞っている超国家主義者たちはどうでしょうか。

自分たちの主張が支持されていると心の底から思っているのでしょうか?

 

〈 完 〉

http://www.economist.com/news/asia/21720613-bit-problem-flag-waving-extremists-japanese-ultranationalists-devotion-emperor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 天皇家への忠誠を誇示したい超国家主義者たちへの冷たい視線 】《前編》

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所要時間 約 7分

総力戦を展開、その挙句国民が大量に殺され、2度も核兵器攻撃を受けるなどして国土を徹底に破壊される結末への道を突き進んだ軍国主義

日本の戦争犯罪はねつ造されたものであるという印刷物を自分たちの周りにせっせと積み上げ、正体を隠して発言を続ける自称『歴史家』達

 

 

エコノミスト 2017年4月12日

 

教育勅語は1890年10月、法令等ではなく当時の明治天皇自身の言葉として交付されました。
美文調で書かれた315文字は、国民に自己の研鑽に努めた上で帝国に忠誠を誓い、家族を大切にし、そして何より日本の天皇制の存続に尽くすよう諭しています。

あらゆる教育機関で教育勅語の謄本が作られ、天皇・皇后の写真とともに奉安殿に納められて大切に扱われました。
子供たちが教育勅語を暗唱したことにより、一人一人の国民が神聖な皇位継承者とその臣民とをつなぐ『国体』という神秘的概念を形成するための基盤になりました。
このため教育勅語は必然的に、戦前の大日本帝国が天皇の名の下に軍国主義政策を推進し、総力戦を展開し、その挙句国民が大量に殺され、2度も核兵器攻撃を受けるなどして国土を徹底に破壊される結末への道を開くことになりました。

 

『国体』という言葉は、かつてヒトラーが主張した生存圏(ドイツ語:Lebensraum - レーベンスラウム)という言葉が現代のドイツにおいて使われることが稀なように、現代の日本人にとって耳に快い言葉ではありません。
教育勅語に関しては、太平洋戦争に降伏した3年後の1948年、国会によって排除と失効が確認されました。

ところが4月早々、安倍内閣は「教育勅語」について、「憲法や教育基本法に反しない形」で教材として使用を認める閣議決定をしたのです。
安倍政権の菅菅義偉官房長官は記者会見でためらいがちにではありましたが、
「教育の唯一の根本とする指導は極めて不適切だが、普遍的なことまで否定すべきではない」
と語り、安倍政権の方針に反対する人々がまるでわからずやであるかのようなコメントをしたのです。

そして予想される批判をかわそうとするかのように、安倍政権が実際の授業で教育勅語を活用するよう勧めたことは無いと語り、使うかどうかは現場の教師次第だが、憲法違反にはならないよう配慮が必要だと付け加えました。

 

しかし教育勅語の問題を持ち出したタイミングは、森友学園を巡るスキャンダルが国内で大きな論議を呼んだその直後でした。

森友学園は超国家主義者グループとも言うべき存在で、幼稚園を運営しています。

その幼稚園の様子を撮影したビデオは、現在の天皇である明仁天皇と彼の妻の皇后の写真の前でお辞儀をする幼児たちを映し出しています。

子どもたちはさらに旧大日本帝国の軍歌を歌い、大人たちに対し、中国、韓国、ロシアとの間に存在する領土問題にしっかり取り組むようお願いをした上で、反中国・反韓国のスローガンを唱えていました。

 

日本国内では、この学園と安倍首相の妻・安倍昭恵氏との関係が明るみに出て、大きなスキャンダルになっています。

昭恵夫人は森友学園が大阪に建設している小学校の名誉校長に就任することに同意しました。

昭恵夫人は名誉校長を今年2月下旬に退きましたが、スキャンダルの中身はこの森友学園が小学校の建設用地を国から異常に安い価格で払い下げられたというもので、現在調査が進められています。

1930年代初期に生まれた小説家の半藤一利氏は教育勅語をまだ暗記しており、声に出して一言一句を唱えることができます。

半藤氏は教育勅語は良い面を持っていると語ります。

親孝行を心掛け、兄弟仲睦まじく暮らし、友情をはぐくみながら生きていくことに、反対する人など世の中にいるでしょうか?

しかし一方では、天皇陛下にいつでも命を捧げられるようにしていることを、美徳として称えています。

 

これと全く逆の概念を日本に持ち込んだのが、1947年にアメリカ占領軍によって『押しつけられた』自由主義の日本国憲法です。

そして一般国民こそが主権者だという事を明確に規定しています。

日本国憲法は天皇の神格化を否定し、国家元首ではなく単に国の象徴だと規定しています。

半藤氏は教育勅語の復活について語りながらも、天皇を元首の地位に据えることについての議論ができない人々を軽蔑しています。

 

日本においては右翼と超国家主義者の区別は判然とはしていません。

東京都内の中心部の路上では、日章旗を翻し、大日本帝国がアジア各地の征服事業にいそしんでいた当時の軍歌を大音量で鳴らし続ける『街宣車』の周りで、見るからに悪そうな連中(原文ではthugs)が汗を流していました。

 

日本の戦没者を神格化している東京の靖国神社では、特攻隊の制服を身にまとった夢想家が威張るようにして歩きまわっています。

別の場所では、公には決して正体を明かそうとはしない自称『歴史家』達が、日本が関わったとされる戦争犯罪はほとんどがねつ造されたものであるという印刷物を自分たちの周りにせっせと積み上げています。

さらには歴史を書き換えてしまおうとする人間たちがケーブル・テレビ・スタジオの安っぽいセットの前に座り、史実に対する怒りを爆発させているのが現在の日本です。

 

〈 後篇に続く 〉

http://www.economist.com/news/asia/21720613-bit-problem-flag-waving-extremists-japanese-ultranationalists-devotion-emperor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

 

【 憲法改定の『家業』に精を出す安倍首相 】

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所要時間 約 5分

『憲法9条を無効に!』未完のファミリー・ビジネスにばかり熱心な安倍首相

国民の57%が憲法第9条の改定に反対、賛成は25%留まり、現実は安部首相の見解とはおよそ逆

 

エコノミスト 2017年5月4日

 

今週ずっと、東京の国立公文書館で展示されている黄ばんだ文書を見るために、大勢の人々が静かに並んで順番を待っていました。

1946年アメリカ軍の占領下にあった当時、うだるように暑い日々に起草され、戦争の放棄を宣言した日本国憲法は多くの日本人にとってある意味神聖な価値を持つものです。

しかし日本の安倍晋三首相は、その条文を改めたいという強い願望を、これまでほとんど隠そうとはしませんでした。

 

そして今年、東京がオリンピックを主催する2020年までに憲法の改定を確実なものとしたいという決意表明をするために、安倍首相は現在の憲法が公布されて70周年を迎える5月3日を選んだのです。

憲法の改定を実現させるためには衆参両院の過半数の承認と、国民投票による同意が必要になります。

ただでさえ異論の多いこの議論をつづけるためには多大な政治的エネルギーを費やさざるをえず、必然的にこれからの3年間、安部首相が繰り返し約束した弱体化した日本経済の立て直しは後回しにされることになります。

 

安部首相が望むのは日本国憲法の平和条項として有名な第9条を改定し、現在は軍隊という位置づけでは無い日本の自衛隊について合法性を確保するとともに、名実ともに日本の正規軍としての地位を確立させることです。

日本国憲法は陸、海、空の常備軍の保持を禁止していますが、このために日本の自衛隊の250,000人以上の兵員、1,600基の航空機、そしてその威力を誇示している4隻の大型ヘリ空母などは居心地の悪い思いをしています。

こうした問題に加え憲法第9条の条文は、たとえば国連の平和維持活動に自衛隊が参加することは違法か適法かという終わりの無い議論を続けさせる結果にもつながっています。

 

安部首相が率いる自民党はこれまで何十年もの間、憲法第9条を戦勝国アメリカが日本に押しつけた屈辱の産物とみなしてきました。

つまるところ、同党の古屋圭司衆議院議員の言葉を借りれば、自民党はこの日本国憲法の改定を明確な目標として1955年に誕生しました。

安部首相の祖父である1950年代当時の岸信介首相は、在任中に憲法の改定を実現させようと懸命の取り組みを行いましたが果たせませんでした。

安部首相はこれまで環境づくりに精力的に取り組み、足場を固めた上で憲法改定に乗り出しました。

「憲法を不朽の大典とみなす国民は、今や少数派になりました。」

安部首相は支持者に対し、こう語りかけました。

 

安部首相が自信を持ってこう語る背景には理由があります。

安部首相が率いる連立与党は日本の衆参両院の議席の絶対多数を占めており、同じく憲法改定に前向きな他の党の同意を得れば、国民投票実施のために必要な国会の議席3分の2以上の確保は充分に可能だと判断したのです。

北朝鮮が頻繁に繰り返すミサイル発射実験も、安部首相の主張に貢献する結果となっています。

 

しかし安倍首相の目論見通り事が運ぶかどうかは未だ解りません。

 

NHKが行なった最新の世論調査では、国民の57%が憲法第9条の改定に反対している一方、賛成派は25%に留まり、現実は安部首相の見解とはおよそ逆になっています。

 

憲法改正に対する支持が日本国内でピークを迎えたのは10年以上前のことです。

社会学者の小熊英二慶応大学教授は、特に現代の若者は、外国との外交紛争に慎重な見方をするようになったと語りました。

そして安倍首相自身も、日本国民にとっての最大の懸念は安全保障問題ではなく、経済問題だという事を認めています。

 

未完のファミリー・ビジネスにばかり熱心に取り組むようなことになれば、安部首相の『悲願』は再びその手からこぼれ落ちることになるかもしれません。

 

http://www.economist.com/news/asia/21721690-voters-are-up-arms-about-idea-shinzo-abe-sets-date-revising-japans-pacifist?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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