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ロシア vs. 日本、そして北方4島

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ロシア vs. 日本:確執の的となっている島々に関する客観的事実について
F. ルーズベルト米国大統領がソ連のスターリンに対し、対日参戦と引き換えに千島列島の奪取を容認

         

アルジャジーラ 2019年1月22日

       

ロシアによってクリルと呼ばれ、日本によって北方領土と呼ばれる一連(ひとつらなり)の火山島こそは、日露両国が第二次世界大戦の交戦状態を終結させるための平和条約調印を妨げてきた問題の中心にあります。

        

第二次世界大戦の最後の日、ソビエト軍によって押収された4つの戦略的にも重要な島々に対し日本側は『固有の領土』であると主張し、両国の話し合いは何十年もすれ違いを続けてきました。

ロシアと日本の指導者たちは改めて1月22日に、紛争中の4つの島々をめぐりモスクワで協議を行います。

          

ロシアのウラジミール・プーチン大統領と日本の安倍晋三首相が1月22日にモスクワで会談を予定していますが、議題は領土問題がそのほとんどを占めることになるでしょう。
問題となっているクリル諸島(千島列島)に関する重要な事実は次の通りです。

         

▽ 位置

紛争の焦点となっているIturup(日本名:エトロフ)、Kunashir(同:国後)、Shikotan(同:色丹)とHabomai(同:歯舞)の島々は、最も近い島は日本の北海道の北海岸からほんの数キロ先の地点にあります。

        

これらの島々はオホーツク海と太平洋を二つに分ける火山列島の最南端に位置します。
これらの島々はロシアのサハリン島の南東に位置し、ロシア政府の行政上同じ地域の一部ですが、日本側はこれらの北海道の一部であり、「ロシアが違法に占領している」と考えています。

        

▽ 両国間の条約

        

1786年ロマノフ朝ロシアのエカチェリーナ2世はクリル諸島が「ロシアの探検家」によって発見され、したがって「ロシア領土であることは疑いようのない事実である」と宣言し、クリル諸島の主権を主張しました。

        

1855年のロシアと日本の間の最初の条約では、両国間の国境線は日本に最も近いIturup(日本名:エトロフ)、Kunashir(同:国後)、Shikotan(同:色丹)とHabomai(同:歯舞)の4島のすぐ北に引かれることになりました。

20年後の1875年に新たな条約が締結され、ロシアがサハリン(樺太)島を完全に支配することと引き換えに、千島列島全島が日本の領土となりました。。

1905年の日露戦争でロシアが敗北し、日本はサハリンの南半分を取り戻しました。

          

▽ ソ連による実効支配

         

第二次世界大戦の最後の日日、ソ連軍が千島列島全島を侵略して奪取、以来クリル諸島はロシア政府と日本政府間の紛争の中心にあり続けてきました。
米国が広島に原爆を投下した直後、ソ連は1945年8月9日に日本に宣戦布告しました。
そして8月後半から9月初頭、千島列島の守備隊の将軍が降伏した後、ソビエト軍は島々の占領を完了しました。

          

ロシアは1945年2月、第二次世界大戦後の世界について協議するためヤルタで開催された連合国首脳会議で、当時のフランクリン・ルーズベルト・アメリカ合衆国大統領がソ連のヨシフ・スターリンに対し、対日参戦と引き換えにクリル諸島を奪還することに同意したと主張しています。
ソ連による島々の実効支配は、過去70年間に渡って日本とロシアが繰り返し合意形成のための試行錯誤を行ってきたにもかかわらず、ロシア政府と日本政府が正式に戦争を終結させるための平和条約の締結を妨げてきました。

           

1956年、ソビエト連邦のニキータ・フルシチョフ書記長は最初に色丹・歯舞の2島を返還し平和条約を締結することを提案しましたが、日本がアメリカと安全保障条約を締結した後、この提案を取り下げました。

▽ 戦略的価値

          

戦略的に国後島と択捉島の間の海峡は冬季にも凍結しないため、ロシアはウラジオストクを拠点とする潜水艦を含めた太平洋艦隊が年間を通して太平洋にいつでも出動できるようになります。

ロシアは千島列島に軍事基地を置き、ミサイルシステムも配備しています。
千島列島の現在の人口は約2万人です。

          

安倍首相とロシアのプーチン大統領との間の過去数年間にわたる多数回の会合の結果、魚介類の養殖、風力エネルギー、観光などの分野で、島の様々な経済プロジェクトを立ち上げましたが、ロシア側は投資規模はまだまだ足りないと語っています。

        

2017年両国はさらに、日本の元住民が北方4島に墓参できるようチャーター便を飛行させることにも同意しました。

千島列島は温泉や鉱物資源、そして超音速航空機の生産に使われるレニウムのようなレアメタル資源などが豊富な場所でもあります。

          

https://www.aljazeera.com/news/2019/01/islands-heart-russia-japan-feud-190122010737338.html

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第二次世界大戦末期の大日本帝国ほど愚劣な国家は世界史上稀かもしれません。国家滅亡の危機に瀕しながら、当時の政策担当者軍の高官たちが目の色を変えて守ろうとしたは、自分たち自身、そして面子でした。

とめどもなく敗戦が続く太平洋の島々で『玉砕』を強いられた若者たちは、こうした軍高官の面子のために大量自殺を強いられました。

そしてもう一つ腹がたつのが、この千島列島の事実上の強制割譲です。

         

第二次世界大戦後半、アメリカ国内で徴兵された兵士たちは、ヨーロッパ戦線に送られることが決まると「ほっとした」。一方太平洋戦線に送られることが決まると「暗く絶望的な気持ちになった」と何かの本に書いてありました。

アメリカにとって、日本との戦いは驚くほど多くの犠牲を強いられた戦いでもありました。

損耗を恐れた当時の米国大統領ルーズベルトはソ連を対日参戦させることによってアメリカ軍の損耗を減らそうとして腐心しましたが、ヨーロッパ戦線でドイツとの死闘を終えたソ連軍兵士を今度は極東に送ることについては、さすがにスターリンにもためらいがあったと言われています。

その際持ち出されたのが、ソ連が千島列島その他を好きにしてもアメリカは黙認するという条件だったと言われています。

その後の冷戦について考えるとにわかには信じがたい話です。

        

しかし少なくとも言われるように、1945年5月時点で日本が降伏していれば、北方領土の強制割譲も、原爆の投下も、旧満州地区での日本人大量虐殺も、中国残留孤児の問題も存在しなかった可能性があります。

太平洋戦争はその目的についても、国民に対する扱いについても、その経過と結末についても、愚劣以上に悲惨な戦争だったと言わざるをえません。

その戦争を美化することは、その人間が当時の当事者たち以上に愚劣な人間であることの証明にほかなりません。

安倍首相に向け怒りと嫌悪感を露わにした英国の自然科学者、博物学者、ニュースキャスター

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「商業捕鯨は21世紀にあってはならない残酷で時代錯誤な行為」
「商業捕鯨の再開の正当性や必要性について、文化的、商業的、科学的あるいは倫理的根拠は全く無い」

          

キャロライン・デイヴィス / ガーディアン 2019年1月23日

            

日本は2019年7月に商業捕鯨を再開することを公表しましたが、国際的な非難に直面することになりました。

           

著名人や環境保護論者たちは、「21世紀にあってはならない残酷で時代錯誤な行為」を非難し、捕鯨再開の決定を覆すよう日本に要求しています。

       

日本の安倍首相に宛てられた公開書簡は安倍政権が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退するという決定をしたことを厳しく批判し、運動家たちは1月26日土曜日にロンドンの日本大使館前で平和的な抗議行進を計画しています。

この書簡には俳優のリッキー・ジャーヴェィス氏、ジョアンナ・ラムレイさん、スティーヴン・フライ氏(俳優、作家、ジャーナリスト、コメディアン、司会者、映画監督)とベン・フォーグル氏(ニュースキャスター)、博物学者のクリス・パッカム氏などが署名しました。

         

パッカム氏は、次のように述べています。
「他の国々に取って全く納得できないことですが、日本はクジラの殺害を再開する方針を示しました。嫌悪をあらわにするだけの声明は必要ありません。私たちが必要とするのは日本に対する厳しい制裁です。日本人が恥知らずな行動に出るのであれば、彼らは経済的に苦痛を味わうことになるかもしれません。」

日本は2019年7月に商業捕鯨を30年ぶりに再開する予定であることを2018年12月に公表した後、国際的な非難に直面しています。
グリーンピースは、クジラの資源が回復したという日本の見解に異議を唱えています。

          

1986年以来日本は南極近海で8,201匹のミンククジラを殺してきた、保護活動を行ってきた運動家がこう語りました。

捕鯨廃絶委員会が主催するロンドンの日本大使館への抗議デモは、1月26日土曜日の正午に予定されています。

        

国連の野生動物保護プログラムの後援者であるベン・フォーグル氏は、次のように述べています。
「捕鯨は私たち人類が基本に持つべき人間性を無くしてしまった見下げ果てた行為です。私は日本に対し、世界中があげている声に耳を傾け、無意味なクジラの殺害をもう二度と行わないようにするよう求めているのです。」

         

公開書簡は安倍首相に対し、捕鯨を中止し、IWCに再加盟するよう求めています。
「クジラを殺すのに思いやり深い方法などはありません。クジラは捕鯨用の銛を打ち込まれた瞬間から苦痛にもがき、血まみれで悲惨な状態で長時間苦しみながら死んでいくのです。」

          

「商業捕鯨の再開の正当性や必要性について、文化的、商業的、科学的あるいは倫理的根拠は全くありません。」
英国の新聞デイリー・テレグラフに掲載された書簡にはこう書かれています。

          

さらにクジラ肉の消費量が1962年の233,000トンから2016年3,000トンに減少した日本について。書簡にはこうも書かれています。
「クジラ肉に対する大きな需要はもはやなくなっていることは明白です。」

         

書簡は国際的な捕鯨禁止による鯨類の保護を継続することが「重要」であること、そして商業捕鯨中止によって絶滅の危機に瀕していたいくつかの鯨種がゆっくり回復傾向にあることにも言及しています。

           

署名の列には、霊長類学者のジェーン・グドール博士(動物行動学者、霊長類学者、人類学者、国連平和大使)、ボーン・フリー財団女優のヴァージニア・マッケンナ氏、映画監督のビル・トラバーズ氏、テレビ・ラジオのプレゼンテーターのニッキー・キャンベル氏、自然主義者のスティーブ・バックシャル氏、ブロードキャスターのセリーナ・スコット氏などが名を連ねています。

          

https://www.theguardian.com/environment/2019/jan/24/celebrities-call-on-japan-to-scrap-resumption-of-whaling

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この記事、日本の報道にだけ接していたのではわからない商業捕鯨再開に対する欧米社会の怒りというものを肌で感じました。
日本の報道にだけ接していると、クジラ食という『日本の食文化』をなぜ欧米社会が邪魔するのだ?という気分になります。

        

しかし一方的側面だけを持った物事というものはなく、好むと好まざるとにかかわらず商業捕鯨というものに対する欧米社会の評価がこの記事に書かれているように変化している中で、それでも私たち日本人はクジラ食を続ける必要があるのか?という側面もあります。
「この産業の従事者はどうする?」という指摘もあるかもしれませんが、今や産業構造の変化は日常的に存在しています。
もっと過酷な環境で生きる術をかえざるをえなかった人々は無数に存在します。

過去の呪縛:韓国人強制労働被害者への補償金支払い拒否を世界はどう見ているか?!

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ドイツ企業はナチスの強制労働犠牲者への補償のため、ドイツ政府と協力して共同基金を設立

安倍首相の祖父である岸信介氏は、傀儡国家・満州国の戦時生産性を上げるために強制労働の利用を主張した

      

エコノミスト 2018年12月18日

       

第二次世界大戦中の日本の行動は、特に韓国において長い影を引きずることになりました。
朝鮮半島の日本の植民地化が終わってから20年後の1965年になって初めて、両国は外交関係を再構築することに同意しました。
しかしそれ以来、両国関係はとげとげしいものであり続けました。

         

          

ソウルの最高裁判所が日本企業の2社、三菱重工業と新日鉄住金に対する下級裁判所の判決を支持し、戦争中に強制労働に従事させられた韓国人に補償金を支払う義務を負わせたときから、深刻な騒ぎが始まりました。
同様の事例について、韓国内の裁判所に次々と提訴が行われることになりました。

           

日本の弁護士、山本誠太氏によると、少なくとも1つの事例については、日本企業が中国の元強制労働者と民事において和解を成立させたことがあると語っています。
韓国の判決で確定した補償金額は、原告1人当たり8,000万から1億5,000万ウォン(約780万円から1,460万円)の間で、妥当な金額であると考えられます。

しかし日本政府は判決を「容認できない」ものだとという見解を示し、日本企業に支払いを拒否するよう求めています。
さらに韓国政府に対し、この問題に介入するよう求めました。
しかし韓国のムン・ジェイン大統領は、司法制度への干渉はできないと返答しました。

          

日本側は条約によって再構築された日韓関係により、原告の主張は無効なるべきものだと強く主張しています。
当時の韓国への経済援助は、戦時中の人権侵害への賠償を目的としたものであったとも主張しています。

          

日本の裁判所は同様の賠償請求を棄却しました。
日本の政府高官はこう発言しました。
もし賠償金が犠牲者の手元に届かなかったのであれば、それは韓国政府に責任があります。

韓国の裁判所、そして韓国政府はこうした解釈に異議を唱えています。
韓国の司法、行政当局者は1992年を含めた数年間、日本の当局者が大日本帝国の戦時体制下の犠牲者が個人として補償を求めることができるという考えを受け入れたと指摘しています。

         

日本は太平洋戦争を終結させるため米国と結んだ条約の中で個人が米国に対し賠償を求める権利を放棄しましたが、日本の官僚は広島と長崎の原爆の被爆者は米政府を訴えることは可能だという判断を示したはずなのです。

           

しかし日韓関係の問題はこうした法的議論よりもさらに深刻です。
「裁判所の判決は日韓関係悪化の原因にもなりますが、一方ですでに悪化している日韓の二国間関係の影響を受けた結果でもあるのです。」
慶應義塾大学の西野純也氏は述べています。

         

韓国人は、日本が過去に対して完全な責任を取っていないと感じています。
例えば西ドイツは、第二次世界大戦後の占領軍によって行われた裁判に加え、ドイツ自身の手によって大戦中の戦争犯罪の摘発を試みました。
そして2000年、ナチスの下で強制労働者を使役したティッセンクルップをはじめとするドイツ企業は犠牲者に補償するために、ドイツ政府と協力して共同基金を設立しました。
2007年に閉鎖されるまでに、170万人の被害者に対する44億ユーロの補償金の支払いを完了しました。

           

日本はこうした取り組みをしていません。

            

1995年、日本政府は戦時中の侵略行為を認め、アジア各国の犠牲者に謝罪しました。
しかし現在の首相である安倍氏の下で日本は、逆方向に舵を切り始め、企業などにも足並みを揃えるよう迫っています。

           

安倍氏の祖父である岸信介氏は、日本が中国から東北部を切り離して傀儡国家の満州国を建国した際、戦時生産性を上げるために強制労働の利用を主張しました。
その岸信介氏は1950年代に首相になりました。

          

「これまで日本は度々謝罪を行ってきましたが、私が考える限り、日本人は心の底から太平洋戦争中の行為について反省しているわけではありません。」
東京で強制労働の犠牲者のためにロビー活動を行っているNGO代表の矢野英樹氏がこう語りました。

         

当時独裁体制にあった韓国政府が日本と結んだ平和条約は、問題解決の役には立ちません。
経済面にばかり焦点を集め、歴史や正義の実現については省りみられていないからです。
「韓国の民主化が実現するまでは、誰も被害者の話に耳を傾けようとはしませんでした。」
新日鉄に対する訴訟を行った原告のリム・ジェソン弁護士がこう語りました。
戦争中に性的強制労働を余儀なくされた朝鮮半島の女性に対する補償に関する韓国政府の一貫性のない対応により、日韓のいがみ合いは尚一層救い難い状況に陥りました。

          

韓国の弁護士たちは、新日鉄が12月24日までに判決が命じる賠償金の支払いを開始しない場合、韓国内の新日鉄の資産凍結に移行すると述べています。
そうなった場合は一切厳しい対抗措置をとらざるをえなくなる、日本政府関係者はこう語っています。

           

https://www.economist.com/asia/2018/12/22/japanese-firms-resist-compensating-forced-wartime-labourers-from-korea

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「西ドイツは、第二次世界大戦後の占領軍によって行われた裁判に加え、ドイツ自身の手によって大戦中の戦争犯罪の摘発を試みました。
そして2000年、ナチスの下で強制労働者を使役したティッセンクルップをはじめとするドイツ企業は犠牲者に補償するために、ドイツ政府と協力して共同基金を設立しました。
2007年に閉鎖されるまでに、170万人の被害者に対する44億ユーロの補償金の支払いを完了しました。
日本はこうした取り組みをしていません。」

             

「安倍氏の祖父である岸信介氏は、日本が中国から東北部を切り離して傀儡国家である満州国を建国した際、戦時生産性を増やすために強制労働の利用を主張しました。
その岸信介氏は1950年代に首相になりました。」 

            

このような記述は日本のメディアには到底期待できません。
エコノミストの『私訳』をしている意味をかみしめられるような記事です。

          

特に安倍政権下における日本の大手メディアの恥ずべき特徴は
1. 権力にとって都合の良い情報のみを伝え、そうでない情報は伝えない
その結果全体像が歪み、結果として事実が歪曲される
しかし『嘘は言っていない』と開き直ることができる
2. ある事実について、権力にとって都合の良い解釈をし、その見解を広める
ということが、2大特徴のように思います。

           

Shame on You!

【 日本は第二次世界大戦の結果をありのままに受け止めるべきである 】

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なぜ日本だけが世界で唯一、第二次世界大戦の結果をありのままに受け入れることができないのか?

北方領土交渉、日本、ロシアともに国内からの反発に遭遇

写真:千島列島の一つ、千鶴島に遺棄されたソ連軍戦車

ドイチェ・ヴェレ 2019年1月16日

       

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は1月16日、日露間の平和条約の話し合いを前進させるため、日本が第二次世界大戦の結果を受け入れるよう要求しました。
日本とロシアは第二次世界大戦の終結以降、未だに平和条約を締結していません。

        

ラブロフ外相は日本が第二次世界大戦の結果を完全に受け入れるつもりがあるのかどうか、疑問を呈しました。
同外相は領土問題を解決し、平和条約を締結できるかどうかは、この日本の対応如何にかかっていると語りました。
年頭の定例記者会見でラブロフ外相は、日本が第二次世界大戦の結果を認識することは「最後通牒でもなければ前提条件でもない」と語りました。

       

「日本が第二次世界大戦の結果を受け入れることは、今日の国際システムにおいて不可避かつ不可欠な要素です。」
ラブロフ外相はこう語り、次のように付け加えました。
「なぜ日本だけが世界で唯一、第二次世界大戦の結果をありのままに受け入れることができないのか?」

        

日本政府は「平和」を望んでいる

        

第二次世界大戦が終結した後も、日本とソビエト連邦(現ロシア共和国)は平和条約に署名しませんでした。
1956年、日本とソビエト連邦はソ連軍が第二次世界大戦の最末期に奪取した千島列島の一部を形成する2つの島、色丹と歯舞の2島を日本に返還する用意があるという共同宣言を発表しました。

         

ロシア政府は、日本が領土交渉の基礎としてこの文書を受け入れるように促しました。
しかし日本側はロシア政府が協議において既成事実を濫用していることを自覚しているはすだと繰り返し述べてきた。

写真:信州島に遺棄された日本軍戦車

「私たちは北方領土問題を解決し、平和を実現するという日本の基本的な方針に基づいて継続的に働きかけを続けています。」
1月始め須賀官房長官はこう述べました。

色丹と歯舞の2島を含む千島列島(ロシア名クリル列島)は第二次世界大戦の最末期ソビエト連邦に占領されました

         

紛争が続く海域

         

ロシアのプーチン大統領と日本の安倍首相は1月22日、モスクワで平和条約について協議を行う予定になっています。
平和条約は第二次世界大戦の日本・ロシアの敵対行為を正式に終結させる道を開くものになります。

         

2018年末、プーチン大統領と安倍首相は和平交渉を加速させることで合意しました。
しかしその後、日露両国ともに国内の反対運動に直面することになりました。
デモ隊はロシアでは島々の支配権を譲渡することに反対し、日本では北方領土全島の返還を実現させるよう政府に要求しました。

         

https://www.dw.com/en/russia-urges-japan-to-accept-the-result-of-world-war-ii/a-47102603

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【 写真集:大日本帝国に君臨した戦争犯罪者 】

           

東條英機(写真上・以下同じ)

東條英機は、1941年から1944年までの日本の首相であり、大日本帝国軍の参謀総長でした。
彼は400万人の中国人の殺害に責任があると同時に、捕虜に対する生物学的実験を指揮命令したとして起訴されました。
1945年に日本が降伏した後、彼は拳銃自殺をはかりましたが、失敗しました。
その後罪状を認め、1948年に絞首刑に処されました。

         

土肥原賢二

この「中国の専門家」は1912年、北京で秘密工作員を皮切りにその経歴を作っていきました。
中国語の標準語である北京語といくつかの中国語の方言を流暢に話した土肥原は、中国の最後の皇帝、溥儀(宣統帝)と共に「満州帝国」を設立しました。
満州国は日本の支配下にある傀儡政権でした。
1940年、土原は日本の真珠湾攻撃の実現にも尽力しました。
そしてその8年後に絞首刑にされたのです。

        

松井岩根

松井は1937年に一週間のうちに約30万人の中国人が殺された南京大虐殺に関わったとして起訴されました。
今日の歴史研究者は大虐殺の決定は大日本帝国の皇室関係者によってなされたと考えていますが、当時、皇族関係者が起訴されることはありませんでした。
結局戦時法廷は松井に「クラスB」の戦争犯罪者として有罪判決を下しました。
彼は1948年に処刑された。

         

木村兵太郎
1939年に日本が中国東北部で始めた中国共産党の軍隊に対する戦争は残忍なものでした。
その遂行者が木村兵太郎です。
木村兵太郎は数千人が命を奪われた強制収容所を設立しました。
1944年に木村は軍司令官としてビルマに派遣されました。
彼は捕虜を使ってタイとビルマを結ぶ全長415キロの泰面鉄道を建設しました。
この工事期間中に約13,000人の捕虜となっていた連合軍兵士が死亡しました。
彼は1948年に絞首刑に処されました。

        

広田弘毅

広田は1937年2月まで日本の首相を務め、その後外相に就任しました。
彼は南京大虐殺に関わったとして起訴されました。
非軍人で1948年に絞首刑にされたのは広田ただ一人でした。

       

板垣征四郎
1931年9月18日、板垣は満州北東部の鉄道を爆破し(柳条湖事件)、日本はこれを中国に対する宣戦布告を行うための口実として用いました。
板垣はこの後1945年に大日本帝国が降伏するまで北朝鮮、インドネシア、マレーシアで戦った。
彼は戦争を拡大した罪で1948年に絞首刑に処されました。

       

武藤章
日中戦争勃発以来武藤は継続して中国で戦っていましたが、後になって南京大虐殺を含む残虐行為に関わっていたことが明らかにされました。
極東軍事裁判では、武藤は捕虜を飢えさせただけでなく、彼らを「拷問し殺害」したとされ、1948年に絞首刑に処されました。

         

松岡洋右
複数の国際連盟加盟国によって日本が中国との戦争を一方的に開始したとして非難されると、日本は松岡洋右のリーダーシップの下で国際連盟を脱退しました。
松岡は1940年から1941年の間に外務大臣を務め、日本、ナチス、ファシスト党が支配するイタリアとの三国同盟の共同調印者の一人でした。
1946年に彼は極東軍事裁判において刑を宣告される前に、結核で死亡しました。

          

長野修身
1941年12月7日、パールハーバーの米海軍基地への日本の奇襲攻撃の支持者である長野大将は、実際に攻撃を命じた人間です。
12人の米軍艦は沈没または大破し、2,400人以上のアメリカ人兵士が殺害されました。
1946年に彼は極東軍事裁判において刑を宣告される前に、肺炎で死亡しました。

         

白鳥敏夫
彼は日本の戦争プロパガンダを率いていた人物です。
白鳥は日本のイタリア大使であり、大日本帝国、ナチスドイツ、ファシストイタリアの三国同盟の成立に奔走しました。
白鳥は外務省顧問として、「表舞台と舞台裏」の両方で持ち前の全体主義思想の拡大普及に尽力しました。
白鳥は極東軍事裁判で終身刑を宣告されましたが、1949年にがんのため死亡しました。

急減速したアベノミクス経済

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日本:2018年11月の機械受注額、企業の設備投資意欲の低迷を背景に失速

日銀の政策は株価に限度を超えた影響を及ぼしているという批判に直面している

      

スタンレーホワイト/ロイター 2019年1月16日

写真:2018年9月12日、川崎市の京浜工業地帯にある化学工場の設備を修理する労働者。

      

米国と中国の貿易戦争が世界経済に悪影響を及ぼす中、企業の設備投資が勢いを失うとの観測から、2018年11月の日本の機械生産の主要な受注額が急減速しました。

       

設備投資額の先行指標と考えられる機械生産の主要な受注額の前月比0.02%というわずかな減少は、中間期における3.5%の増加という予想を大きく下回り、10月の7.6%増から急速に減速したことを示しています。

      

米中間の貿易戦争は世界の2大経済圏の成長に重くのしかかり、企業収益の先行きが不透明になったとの判断から日本の輸出企業が設備投資や人の採用を見送る可能性があり、結果的に日本の成長を脅かすことになりました。

       

日本政府は今年10月に消費税を引き上げる準備をしており、それによって消費支出が冷え込むと予想される中、さらに企業支出が減速しつつあるとのデータは、日本経済の見通しを尚一層厳しいものにすることになりました。

東海東京リサーチセンターのエコノミスト、武藤弘明氏が次のように語りました。
「各企業は貿易戦争が本格化することを心配しているため設備投資計画を先延ばしにしています。それによって日本の経済成長率は予想を下回る可能性が出てきました。」
「これはさらにインフレ圧力の低下を意味します。政府は消費税の引き上げを遅らせることを躊躇すべきではありませんが、日本銀行は交換で資金を購入する必要さえあるかもしれません。」

      

内閣府のデータによると、製造業からの受注件数は10月が12.3%の増加であったのに対し、11月は一転して6.4%の減少になりました。
サービス部門からの受注は2.5%増加でしたが、前月の4.5%の増加と比べると増加は鈍りました。
11月に増加したのは宅配業者や物流会社からの受注です。

       

しかしながら建設業界および電気通信業界からの発注の減少によりサービス部門からの注文増が減殺される結果となり、全体の成長が鈍る結果となりました。
なお「主要」機械受注は、造船業および電気事業部門を除外しています。

      

       

▽ 強まる経済的逆風

       

日本の経済政策の立案を担当する人間たちは、企業が古い製造設備から最新の技術に基づく製造設備に投資する事業投資、すなわち設備投資の増加が経済成長の原動力になるという路線を取り続けてきました。

      

        

しかし、国際貿易の緊張や世界経済の成長の鈍化が日本の輸出志向型経済に悪影響を及ぼす可能性がり、2019年は企業設備投資がけん引役となって経済成長する可能性は薄れています。

       

日本は増大し続ける福祉予算を賄うため何としても税収増加を必要とするため、消費税を2019年10月に8%から10%に引き上げる予定です。

       

       

この際消費者心を冷え込ませないようにするため、食料と生活必需品については増税の対象から除外される可能性があります。
政府はさらに自動車、住宅、その他の耐久財の購入に対して減税措置をとる予定です。

       

          

こうした措置を取っても、エコノミストや政府の政策立案者の中には、消費増税によって消費意欲が損なわれ、経済に悪影響が及ぶのは避けられないと懸念する意見があります。

       

         

日銀の次回の政策会議は1月23日に終了しますが、経済専門家の多くは日本経済の成長を後押しするための日本銀行の選択肢は限られたものしかないと語っています。
日銀は短期の公定歩合をマイナス0.1%、10年物国債の利回りをゼロ%前後に設定していますが、アナリストは長期利回りを低く抑える目的で日銀が購入する社債の量が市場を歪めていると語っています。

        

また、リスクプレミアム(危険保険料率)を下げるために、株式市場に連動している上場投資信託も購入しています。
この日銀の政策も、株価に限度を超えた影響を及ぼしているという批判に直面しています。

https://uk.reuters.com/article/uk-germany-china-scholz/from-client-to-competitor-chinas-rise-prompts-german-rethink-idUKKCN1P91X1

【 全滅!アベ原発輸出計画、英国で 】

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日立はウェールズの160億ポンド(約2兆2,200億円)の原子力発電所の計画のキャンセルを決定
日立は2,780億円の損失を計上する見込み・英国は電力供給計画に大誤算

アダム・ヴォーン/ ガーディアン  2019年1月11日

      

日本のコングロマリット・日立は、ウェールズにある総工費160億ポンド(約2兆2,200億円)の原子力発電所の建設計画から撤退することが確実視されており、英国の野心的な原子力ルネッサンス計画が灰燼に帰す可能性が出てきました。

       

日本経済新聞によると、同社と英国政府、そして日本政府の間で行われた資金調達に関する協議が、来週行われる日立の取締役会で主要議題にされることになるだろうと見られています。

日立は英国のアングルシー島で計画されているウィルファ原子力発電所に、これまですでに約20億ポンド(約2,780億円)を費やしました。

         

わずか2か月前にももう一つの日本の巨大企業・東芝が、暗礁に乗り上げていたプロジェクトの譲渡先を見つけることができず、カンブリア原子力発電所建設計画を放棄しました。

        

日立による撤退は、汚染著しい石炭火力発電所や老朽化した原子炉を新型原子炉に交換するという英国の計画に大きな打撃を与えることになり、洋上風力発電などの他の思い切った代替案を検討するよう内閣に対する圧力が強まることになるでしょう。

その事は一方で原子力発電技術を世界に輸出するという日本の希望の終焉を象徴する出来事となりました。

         

日立、英国政府、日本政府はウィルファ原子力発電所から供給される電力の保証価格と、計画に対し英国政府が50億ポンド以上になる可能性のある株式の公開価格について交渉してきました。
協議は結局のところ「すべての関係者にとって有効な解決策を見つけるのは難しい」ことを証明するものだと業界関係者が証言しました。

         

電力労働組合は、カンブリア、ウィルファと短期間に立て続けに建設計画が中止される見込みとなったことは極めて憂慮すべき事態であり、英国政府と原子力発電との関わりについて「警鐘を鳴らすべきである」と述べました。

       

日立側はまだ最終決定はしていないと述べています。
「日立はホライゾン・プロジェクトの一時中止の可能性と一私企業としての経済的合理性の観点からの財務的影響を現在検証していますが、現時点で正式な決定は行われていません。」

しかしながら、「一時中止の可能性」という表現が使われたことで、撤退も選択肢の中に含まれているということが初めて公式に確認されることになりました。

この計画に携わる英国の子会社ホライゾン原子力発電は、「噂や憶測についてはコメントできない。」と述べています。

        

しかし複数の内部関係者が次のように証言しました。
「日立には深刻な内部対立があり、今回の事業が必要とする資金量が巨額にすぎる上極めて危険だと主張する日本の資本家側の主張が通ることになりました。」
彼らはさらにEU離脱によって英国経済の先行きが不当目である点に言及し、このことが最終的に計画を断念するもう一つの原因になったと指摘しました。

       

現状について事業・電力・産業戦略局は次のように述べています。
「ウィルファ原子力発電所を建設することにより消費者と納税者に恩恵が行き渡るようにするため、双方にとって合意可能な契約内容をつくるため日立と交渉中です。」

           

交渉の行き詰まりの主な原因は、日本政府が英国内の複数の原発建設を機能させるためにこれ以上の資金提供はできないとしていることが原因であると考えられています。
これに対し、日立と英国政府の負担は「あまりにも大きすぎる」と考えられています。

安倍晋三首相は、1月10日のテレサ・メイ英国首相との2回にわたる協議に3時間以上費やしたものの、問題となっている原発の今後についての議論はなかったと主張しました。

           

日立はウィルファ原子力発電所建設計画の一連の事業り特別償却により、致命的ではないにしても巨額の損失を被ることになるでしょう。
2012年にドイツの公益事業会社であるE.ONとRWEからプロジェクトを購入するために支払った7億ポンドを含め、これまでこの計画には約20億ポンド(約2,780億円)を費やしています。

         

影の内閣(英国野党の仮内閣)のエネルギー省担当大臣のレベッカ・ロングベイリー氏は、ウィルファ原子力発電所建設がキャンセルされる見込みは北ウェールズの経済と雇用にとって非常に憂慮すべき事態であり、
「特に2018年にムーアサイド原子力発電所建設計画が崩壊した現在、英国のエネルギー安全保障に重大な悪影響を及ぼし得る」
と語り、次のように付け加えました。
「今週日本の安倍首相の英国訪問の際、日立のウィルファ原子力発電所建設計画について何らかの話をしたのであれば、テレサ・メイ首相はその内容について国民に包み隠さず話をする必要があります。」

          

プロスペクト・ユニオンの上級副書記長であるスー・ファーンズ氏が次のように語りました。
「新原子力発電計画は英国のエネルギー安全保障にとって高度に戦略的重要性を持つものです。英国政府はムーアサイド、ウィルファと立て続けにプロジェクトを失敗させることによって、エネルギー安全保障の危機に陥ることを回避しなければなりません。」

           

ウェールズの地方政府は、英国首相官邸にウィルファ・プロジェクトを再び機能させるよう要請していると表明しました。
「これは、ノースウェールズ、ウェールズ、そしてアングルシーに大きな経済的利益をもたらす可能性のある重要なプロジェクトです。」
地方政府のスポークスマンがこう語りました。

          

一方、原子力発電に詳しい評論家たちは、この計画の崩壊は英国にとって災害ではなく、政策転換の機会であると指摘しました。

グリーンピース英国のチーフ・サイエンティストであるダグ・パー氏が次のように語りました。
「私たちは時代遅れで取り扱いが非常に困難なテクノロジーに頼りすぎていたのかもしれません。しかしこれで改めて考え直し、良い決断をするチャンスが与えられることになりました。」

         

核軍縮キャンペーン(CND)の代理事務局長であるサラ・メディ・ジョーンズ氏が次のように語りました。
「洋上風力発電のコストは原子力発電よりはるかに安く、清潔で実現可能な代替案が存在することは明らかです。賢明な選択の実現のためには、政治的決断が必要です。」

          

たった1ヵ所、サマセットにあるEDFエナジー社のヒンクリーポイントC新原子力発電所のみに青信号が点灯し、建設が始まりました。
一方、フランス企業EDFと中国企業CGNは、ともにさらに多くの原子力発電所を建設したい考えです。

         

https://www.theguardian.com/environment/2019/jan/11/hitachi-cancel-plans-nuclear-power-station-angelsey-wales

2020年東京オリンピック招致汚職疑惑・フランス捜査当局が汚職捜査を正式に開始

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東京オリンピック開催を実現させるため、委員会の票を金で買った疑い

日本オリンピック委員会会長は「起訴のための正規の手続きが進められている人物」

ロイター / NBCニュース 2019年1月12日

        

日本オリンピック委員会会長の竹田恆和氏は、現在正式にフランスの検察当局の捜査対象になっているとフランスの司法関係者が明らかにしました。
容疑は2020年の東京オリンピック開催を実現させるため、委員会の票を金で買ったとする贈賄容疑です。

     

情報筋によれば、引退した馬術スポーツマンでもある竹田氏は先月、パリの国家金融検察庁に起訴されました。
起訴裁判官のルノー・ヴァン・ルイムベク(Renaud Van Ruymbeke)氏は、竹田氏が日本が東京での開催権の獲得を確実にするため贈賄を行った疑いがあると語っています。

     

一方東京にいる竹田氏は、オリンピックの開催権を東京が手に入れるために贈収賄などの不正な手段は一切行っておらず、これまでフランス当局から訴追されたことはないと語りました。

      

フランスの法律の下での起訴とは、竹田氏が現在「起訴のための正規の手続きが進められている人物」として扱われていることを意味しますが、正式起訴は起訴状が法廷に提出された後に初めて実現されます。
東京で竹田氏は次のように語りました。
「東京オリンピック・パラリンピック開催に多大な支持を与えてくれた日本方々に大変な心配をおかけしてしまったことをお詫び申し上げます。そして、疑念を晴らすために調査に協力していきたいと思います。」

国際オリンピック委員会(IOC)は、これまでフランスの司法当局と密接に連絡を取ってきたと述べました。
IOCの倫理委員会は今回の事件に関するこれまで記録を公開した上で、1月18日金曜日に会合を開く予定です。

     

「竹田氏に関してこれまで判明しているのは、潔白であるとの材料だけである。」
とIOCは声明の中で述べた。
竹田氏は2012年からIOCのメンバーであり、そのマーケティング委員会の委員長も務めています。

     

2016年フランスの検察当局は、日本のオリンピック招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社であるブラック・タイディングス社への200万ドル以上の支払いに関する調査結果を公表しました。
この支払いに関し、フランスの捜査当局から依頼を受けた日本の検察当局の調査要請に対し、2017年に竹田氏をはじめとする数人が自発的に事情聴取に応じたと共同通信社が伝えました。
この際、竹田氏たちは不正があったことを否定したと共同通信社は伝えています。

ブラック・タイディングス社は、元国際陸上競技連盟のラミン・ディアクの息子、パパ・マサッタ・ディアクと密接なつながりを持つイアン・タン・トン・ホンが代表を務めています。
当時の日本の当局者は、2件の支払いは合法的なコンサルタント手数料であると述べ、2016年9月に日本オリンピック委員会の依嘱を委員会のメンバーもこれらの支払いが正当であると判断したと語っていました。

    

東京都の小池知事は、フランスが捜査を開始したとのニュースに「非常に驚いた」と述べました。

     

71歳の竹田氏は、1972年と1976年のオリンピックで馬術の障害飛越競技の選手として出場するなど、オリンピックに長い間関わってきました。
彼の祖父は明治天皇であり、彼は現在の天皇のまたいとこにあたります。

      

彼は1987年以降日本オリンピック委員会のメンバーであり、2001年以降は委員長の座に就き、国際オリンピック委員会(IOC)の上級メンバーとして数回の冬季オリンピック準備の担い手として働いてきました。

       

森喜朗元首相の事務所によると、竹田氏は11日金曜日に2020年東京オリンピックの大会組織委員長である森元首相とともに東京で開催されたオリンピック関連の行事に参加していました。

     

       

https://www.nbcnews.com/news/world/japan-olympics-chief-investigated-corruption-linked-2020-games-n957596

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前回に引き続き、日本のためというよりまるで広告代理店を儲けさせることが主目的か?と疑ってしまうほどのアベ外交なるものが、いかに欺瞞に満ちたものであるか!ということを感じます。
オリンピック開催が完全に利権事業にされてしまっており、1964年の東京オリンピック当時7歳だった自分が感じた晴れがましさともいうべき前向きな気分は、みじんも感じることができません。
渦中の人物とされている日本オリンピック委員会の会長自身がどれほどの関与をしているのかは私には想像のしようもありませんが、黒幕は別にいるのかもしれません。
しかし、日本が札束で国際オリンピック委員の票をかき集めたという印象を世界に与えてしまったことは疑いありません。

       

日本の対外政策の品性がこれほど下がったことはかつてない、そのことだけは残念ながら間違いないでしょう。

「安倍政権は歴史問題の政治利用をやめ、謙虚になるべきである」

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過去の不幸な日韓関係を政治利用することをやめ、これ以上の関係悪化は避けるべきである
韓国政府の公式記録:35年間の日本の植民地支配、強制労働に従事させられた韓国人は従軍慰安婦と合わせ780,000人

     

アルジャジーラ 2019年1月10日

      

韓国のムン・ジェイン大統領は日本政府に対し、第二次世界大戦中の日本企業による強制労働を課された韓国人の問題を「政治化」しないよう要請しました。
韓国のムン・ジェイン大統領は、日本が過去の事実に対して「より謙虚な」態度をとるべきであると述べ、日本政府が第二次世界大戦中に日本企業によって強制された韓国企業の問題を 「政治化」することによって二国間関係をこれ以上悪化させないように釘をさしました。

       

日韓両国の関係は歴史と領土をめぐる紛争によって長い間緊張が続いてきました。
今回の問題は1910 - 45年にかけて朝鮮半島における日本の残酷な植民地支配に起因するものです。

       

「日本政府はもっと謙虚な態度をとるべきだと考えています……日本の政治家たちがこの問題を政治利用しているようです。」
とムン・ジェイン大統領は1月10日の記者会見でこう述べました。

      

現在の両国間の主な争点となっているのは第二次世界大戦中にいわゆる「従軍慰安婦」が日本軍によって性的奴隷となることを強制され、労働者たちが日本の企業に徴用されたこと、そして韓国が実行支配している竹島の領土問題です。

       

2018年10月、韓国の最高裁判所は、日本の新日鉄株式会社と住友金属が4人の元徴用工に対し補償を行うべきだとの判決を下しました。
一連の問題に加え、つい最近日本は韓国の軍艦が日本の巡視艇にレーダー照射を行ったと主張し、新たな緊張が加わりました。

        

1月9日、韓国の裁判所が新日鉄住金の韓国内資産の一部の差し押さえを承認した後、日本政府は韓国政府との外交協議を要求しました。
そして韓国側の一連の動きを「非常に遺憾」だとの見解を示しました。

       

韓国政府の公式記録によれば、日本による35年間の植民地支配の間、強制労働に従事させられた韓国人は従軍慰安婦と合わせ780,000人に上ります。

      

日本は両国間の歴史的補償問題はすべて、外交関係が正式に復活した1965年の日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約の下で解決されたと主張しています。
この条約では、日本が元植民地だった韓国に対し当時の金額で約8億ドルの補償金を支払うとともに低金利の貸付金が提供されました。

日本政府は韓国の裁判所の決定は、この条約に加え国際法にも違反していると主張しています。

        

ムン・ジェイン大統領は1965年の条約は植民地支配における犠牲者の問題をすべて解決したわけではないと語り、こうした考え方は「政府という立場によってではなく不幸な歴史によって」作られたものであり、「裁判所の判決を尊重すべきだ」と語りました。

       

▽ 歩み寄る韓国と北朝鮮

      

一方、ムン大統領は記者団に対し、北朝鮮の金正恩総書記のソウル訪問、並びにきた朝鮮と米大統領ドナルド・トランプとの第2回サミットが「目前に迫っている」と述べました。

       

昨年6月シンガポールで初めて行われた会談で、金正恩とトランプは「朝鮮半島の非核化」に向けて取り組むことを約束して入るものの、中身については曖昧な表現にとどまった文書に署名しました。
その後、それぞれの合意の解釈の仕方についての議論はあるものの、具体的な進展はほぼありません。

      

ムン大統領はシンガポールの合意内容は「やや曖昧」であり、北朝鮮の非核化についての誓約については「疑問」が残ることを認めました。

      

しかし金総書記はムン大統領や他の政治指導者に対し、金総書記の非核化についての見解は「国際社会の要求と全く変わらないものだ」と確約しており、北朝鮮政府は非核化について韓国や近隣諸国に駐留しているアメリカ軍の問題とは切り離して考える筈だと語りました。

       

ムン大統領ははさらに、制裁措置の解除を確実なものにするために北朝鮮政府は「非核化のための大胆な具体的方策」をとる必要があるが、北朝鮮の取り組みに応じたアメリカ政府の「対応措置」も必要であり、それには1950年から53年まで続いた朝鮮戦争について正式に終結させることが含まれると語りました。

        

金総書記は9日、北朝鮮に取って最も重要な外交同盟国である中国への訪問旅行を終えました。
訪問の間、中国の習近平総書記は金総書記とトランプとの来るべき首脳会談についての支持を表明しました。
ソウルでの記者会見でムン大統領は、「金正恩総書記の訪中は、第2回米朝首脳会談の成功に非常に良い影響を与えるだろう」と述べました。

        

金総書記はムン大統領は昨年3回直接会談を行い、可能な範囲で経済協力を再開することを誓うとともに、互いに親密な様子を内外にアピールしました。

        

両国はまた互いへの軍事的脅威を軽減させるため、韓国北朝鮮の国境にある板門店から地雷や小火器を取り除き、最前線の監視所を破壊するとともに、海陸の国境沿いに緩衝地帯や飛行禁止区域を設定するなどの措置を講じました。
韓国大統領によると、金総書記は先月末ムン大統領に書簡を送り、2019年にソウルを訪れる意欲を表明しました。

         

https://www.aljazeera.com/news/2019/01/japan-foster-humble-attitude-south-korea-moon-190110044945076.html

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現在の日本韓国間のレーダーを照射した・しない、威嚇飛行をされた・してない、という争いほど愚劣なことはないと思っています。
もっと注視すべきは、こうした軍事関連行動の機会を増やせば増やすほど、偶発的事故の機会が増えてしまうということの方です。
歴史上、緊張関係にあった国同士の『偶発的』軍事衝突によって泥沼の戦争に拡大してしまった例は、一つや二つではありません。
外交関係が軍事的緊張関係に陥らないよう舵をとるのが、すなわち国政というもののはずです。

      

そしてさらに深刻なのは『アベ外交』なるものが一体何をしたいのか?ということです。
商業捕鯨再開については、日本は英連邦諸国から『嫌悪感』を突きつけられました。
ゴーン氏逮捕については、ヨーロッパを始め各国から日本の司法制度の歪みを、さらには三権分立の脆弱さを指摘されることになりました。

この問題について、アルジャジーラの記事をまず翻訳したのは、世界で最も中立的立場に立っているメディアだと考えたからです。
この記事中から読み取れるのは、平和に向かっての取り組みへの共感と、対立を煽る人間たちへの警戒です。

        

そして私たちは愚劣な政治というものが結局は自分達には跳ね返ってくるものなのだということを強く認識することだと思います。
戦前日本の張作霖爆殺・国際連盟脱退に始まった失政は、最終的には恐ろしい数の日本人が殺され、2度にわたって核兵器攻撃を受け取るという極限状態まで行ってしまいました。

愚劣な政治の先には自分達の苦しみがあるのだということを、私たちはもっと強く認識すべきでしょう。

「私は常に正直であった!」カルロス・ゴーン元日産会長、裁判所で証言

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財務上の不正嫌疑に対する元会長の反論、千人以上のメディア関係者と傍聴人

経営危機に陥っていた日産を鮮やかな手並みで蘇らせた救世主であり、ルノー、三菱自動車との三者連合を築き上げた功績は?

     

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年1月7日

     

財務上の不正を行ったとして昨年11月に逮捕され、そのまま拘留されていた日産のカルロス・ゴーン元会長は日本の法廷で「無罪」を主張しました。

      

      

「私は常に誠実さに基づいて行動してきました。そして私はこれまでの数十年、プロフェッショナルとしてのキャリアにおいて、いかなる不正も指摘されたことはありません。私は誤った摘発を受けているのであり、犯罪としての実態が存在しない根拠のない告発によって不当に拘束監禁されているのです。
豊かな頭髪の根元が白髪になってしまった64歳のゴーン氏は、満員の法廷でこう語り、次のように付け加えました。
「検察官による告発内容とは反対に、私は日産からいかなる非公開の支払いも受けたこともなく、また非公開のまま決められた金額の報酬を将来受け取るという内容の契約を交わしたこともありません。」
ルノー社は日本で金銭上の不正について容疑がかけられているゴーン氏について、取締役のまま据え置いています。

        

ゴーン氏の顧問弁護士はすでにゴーン氏を逮捕拘禁している正当な根拠を明らかにするよう請求しています。
今回の事件は日本の自動車メーカーとフランス・ルノーとの提携関係を動揺させる一方、日本の容疑者の扱いに対し批判を巻き起こすことになりました。

ゴーン氏が最初に逮捕拘禁されたのは11月19日ですが、2016年から5年間約50億円の役員報酬を過少申告したとして起訴されました。
日産側は過剰な支払いだと主張していますが、ゴーン氏はそうした告発は当たらないとしている模様です。

      

それ以来、彼は虚偽の役員報酬の報告書を提出を続け、個人投資による損失1億8,500億円を日産に補填させたという容疑で2度再逮捕されましたが、告訴はされていません。

       

法律の専門家によれば8日に行われた審問は戦後発効した日本国憲法によって容疑者に与えられた権利によるものであり、ゴーン氏の裁判の正式な開始でもなく、また訴訟に影響を与えるものでもありません。

      

東京拘置所における凍えるように寒く狭い独房での長期にわたる拘留は、検察側がそれぞれ異なった主張の上で容疑者を数回再逮捕した結果によるものですが、ゴーン氏は弁護士が立ち会うことが許されない状況で1日最大8時間にわたる取調べを受けています。

ゴーン氏の審問が行われたの法廷の外の路上は、拘留所を出発から法廷に到着する瞬間までゴーン氏の姿を捉えようとカメラを手にした国内外の報道関係者で埋め尽くされました。
そして14の傍聴席を獲得するため1,000人を超える人々が列を作って並んでいました。

      

ゴーン氏の最新の拘留期間は11日に期限が切れます。

       

ブラジル生まれのレバノン育ちのフランス人であるゴーン氏は、1990年代後半に経営危機に陥っていた日産を鮮やかな手並みで蘇らせた救世主であり、ルノー、三菱自動車との三者連合を築き上げ、称賛の的となっていました。

       

逮捕直後、ゴーン氏は日産の会長職を解任されましたが、永続的な後継者はまだ指名されていません。
ルノーの会長職はそのままです。

今回のゴーン氏の逮捕は、何人かの業界関係者が日産、三菱、ルノーの3社連合が解体の危機に陥るという観測を生むことになりましたが、一方でフランスの自動車メーカーと日本の2社との間の違いを鮮明にしました。

      

しかし現在の日産の最高経営責任者である西川社長は、フランスのAFP通信とのインタビューで、今回の事件が3社連合を決裂させる危険性があるとの憶測に対し、これを否定しました。
「3社連合が決裂する危険にさらされているとはまったく思っていません。」

      

https://www.theguardian.com/business/2019/jan/08/carlos-ghosn-nissan-i-always-acted-with-integrity-carlos-japan-tokyo-first-apperance-

日本の商業捕鯨再開には実質的に何の経済的利益もない

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鯨類の多くが絶滅の危機にある中、日本政府の決定には嫌悪感が募る - そして経済的にも正当性できないはず
日本が「調査捕鯨」によって入手したクジラ肉の多くが、今やペットフードの原料にされている

     

社説 / オブザーバー(英国) 2018年12月30日

     

捕鯨という行為は何千年にも渡り人類の手により続けられてきました。
彼らの肉、油、脂身は食料品、ろうそくのワックスの製造、そしてランプの燃料として使われてきました。
しかしこの種の採集作業は今日ではもう必要ありません。
現代社会はタンパク源も、照明に使う燃料等も、もっと手に入れ易いものによって調達されているからです。
1986年に国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨を一時停止する決定を行ったのにはこうした背景がありました。

      

すでに多くの鯨類が絶滅の危機に瀕していることを考えると、商業捕鯨の停止は遅きに失した感がありました。
30年経った現在においてもシロナガスクジラ、ザトウクジラ、タイセイヨウセミクジラ等、多くの鯨類が絶滅の危機に瀕している状態から抜け出すことができずに危機的状況が続いています。
もし30年前に商業捕鯨の停止が行われていなければ、今頃はこの地球を代表する生物のひとつである鯨類の多くが海洋中から消滅してしまっていたでしょう。
そして私たちが現在暮らしている地球というものの環境は、非常に惨めな状態に陥っていたでしょう。

      

こうした懸念が背景にあることを考えると、7月に商業捕鯨を再開するため2019年6月をもって国際捕鯨委員会(IWC)を脱退すること決定したという日本政府の発表を理解することは尚一層困難になります。
どんな基準から考えても、日本政府の決定は気が滅入るものであり - そして憂慮すべきものです。

      

日本政府の決定には経済的な正当性は全くありません。
同じく生態学的な正当性も全く持ちません。

      

食べるために地球上で最も知的な生物を虐殺する、その準備を始めたことはおぞましいと言わざるをえません。

      

当然のことながら地球上でともに生きている各国の政府、科学者、野生生物保護グループは、日本が提示した行動に対し強い嫌悪感を明らかにしました。

      

「地球上に生息するクジラ種が人間が行う海上輸送、騒音、プラスチックゴミ、化学物質による汚染、そして気候変動など様々な要因が重なり合うことによって前例のない脅威にさらされているタイミング」を狙ったように日本政府が商業捕鯨の再開を宣言したことについて、自然保護団体であるWWF(世界自然保護基金)が行うべき批判を行ったのに対し、英国、オーストラリア、ニュージーランドは日本の政治指導者に対し再考を勧告しました。

      

そして日本の政治指導者たちの動機を検証すると、尚一層平静ではいられなくなります。
過去日本はIWCルールブックの抜け穴を悪用し、政府自身がクジラの肉を国内販売してきました。

      

そして日本の政治指導者たちの動機を検証すると、尚一層平静ではいられなくなります。
過去日本はIWCルールブックの抜け穴を悪用し、政府自身がクジラの肉を国内販売してきました。
これにより国際海域、特に南大西洋での「調査捕鯨」が許可されることになりました。
その結果、何百頭ものクジラが鯨類研究の名のもとに毎年南大西洋で捕獲されてきました。
これらの「調査」捕鯨によって手に入れたクジラ肉はその後、小売店やレストランに行き着きました。

      

しかしこうしたやり方で南大西洋で行われてきた実質的な捕鯨は、他の国々や野生生物保護団体など多方面から多くの批判を招くことになりました。
その結果、日本の捕鯨従事者たちは環境保護活動団体などによって運営されている船によって嫌がらせを受けています。
こうした妨害や監視から逃れるためインドの国土の大きさにほぼ匹敵する1.7メートル平方マイルに及ぶ日本自身の海域で捕鯨をすることによって、日本は誰からも邪魔されずにこれまで以上の規模で捕鯨ができるよう望んでいるのです。

      

しかし日本の狙い通り物事が進むかどうかは先行き不透明です。
現在の日本の消費者がクジラの肉に消費意欲を持っているのかどうかすら不明です。
1960年代には全国でほぼ25万トンのクジラ肉が販売されていましたが、その数字は約3,000トンにまで落ち込みました。
そして現実には日本が「調査捕鯨」によって入手したクジラ肉の多くが、今やペットフードの原料にされているのです。

      

さらに日本の消費者がクジラ肉の購入にどれほどの金額を出費するつもりがあるか、それもわかりません。
遠洋「調査捕鯨」には日本政府の助成金が交付されていました。
自国の海域内での商業捕鯨に切り替わった場合、政府からの補助金が引き続き支給されるかどうかはまだわかっていません。
しかし補助金が交付されなければ、クジラ肉の流通価格は一層高価になり、この点についてはすでに専門のレストラン経営者が価格の急激な上昇に対する懸念を表明する事態になっています。

      

このように日本には実質的に何の利益ももたらされることはないのに、これから日本はその褒められない行動に対し世界から厳しい非難と批判にさらされることになります。
こうした行為は自分自身の足に銛を打ち込むようなものです。

      

しかしそれは自分自身が招いた結果であり、世界中のほとんどの国々が当然の成り行きだと考える容易に想像がつく事態なのです。

https://www.theguardian.com/commentisfree/2018/dec/30/observer-view-japan-resume-commercial-whaling

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日本国内で『日本はすごい!』『日本人は優秀!』といった類の番組が繰り返し放映され、何となく国民全体がそんな気分に浸っている間、世界が日本を見る目が実際にはどう変わってきているのかを如実に伝える論評です。

原文中には repugnant、admonish、depressing、など報道関係ではあまり使われることのない嫌悪感が滲み出しているような単語が使われています。

オブザーバーという新聞は英国でもハイエンドに使い存在で、その社説にこのような単語が使われるというのは余程のことだと個人的に感じています。

     

私自身の商業捕鯨に対する考え方はことごとしく述べる程のものはありません。

       

しかし数年前に実際に食べてみて、昭和40年代に食べていた時に感じたような旨味は感じられず、豊かになった日本にはもっと他に食べて美味しく、手に入れやすいものはたくさんあると思いました。

      

        

クジラを食するということは『文化』なのでしょうか?

それとも習俗なのでしょうか?

国際社会というものの存在がなければ、日本は『世界第3位の経済力』を持つことはできないということを考えれば、もっと客観的に自分たちの姿を見つめ直す必要があると感じます。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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