星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » 安倍首相に向け怒りと嫌悪感を露わにした英国の自然科学者、博物学者、ニュースキャスター

安倍首相に向け怒りと嫌悪感を露わにした英国の自然科学者、博物学者、ニュースキャスター

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 6分

広告
広告

「商業捕鯨は21世紀にあってはならない残酷で時代錯誤な行為」
「商業捕鯨の再開の正当性や必要性について、文化的、商業的、科学的あるいは倫理的根拠は全く無い」

          

キャロライン・デイヴィス / ガーディアン 2019年1月23日

            

日本は2019年7月に商業捕鯨を再開することを公表しましたが、国際的な非難に直面することになりました。

           

著名人や環境保護論者たちは、「21世紀にあってはならない残酷で時代錯誤な行為」を非難し、捕鯨再開の決定を覆すよう日本に要求しています。

       

日本の安倍首相に宛てられた公開書簡は安倍政権が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退するという決定をしたことを厳しく批判し、運動家たちは1月26日土曜日にロンドンの日本大使館前で平和的な抗議行進を計画しています。

この書簡には俳優のリッキー・ジャーヴェィス氏、ジョアンナ・ラムレイさん、スティーヴン・フライ氏(俳優、作家、ジャーナリスト、コメディアン、司会者、映画監督)とベン・フォーグル氏(ニュースキャスター)、博物学者のクリス・パッカム氏などが署名しました。

         

パッカム氏は、次のように述べています。
「他の国々に取って全く納得できないことですが、日本はクジラの殺害を再開する方針を示しました。嫌悪をあらわにするだけの声明は必要ありません。私たちが必要とするのは日本に対する厳しい制裁です。日本人が恥知らずな行動に出るのであれば、彼らは経済的に苦痛を味わうことになるかもしれません。」

日本は2019年7月に商業捕鯨を30年ぶりに再開する予定であることを2018年12月に公表した後、国際的な非難に直面しています。
グリーンピースは、クジラの資源が回復したという日本の見解に異議を唱えています。

          

1986年以来日本は南極近海で8,201匹のミンククジラを殺してきた、保護活動を行ってきた運動家がこう語りました。

捕鯨廃絶委員会が主催するロンドンの日本大使館への抗議デモは、1月26日土曜日の正午に予定されています。

        

国連の野生動物保護プログラムの後援者であるベン・フォーグル氏は、次のように述べています。
「捕鯨は私たち人類が基本に持つべき人間性を無くしてしまった見下げ果てた行為です。私は日本に対し、世界中があげている声に耳を傾け、無意味なクジラの殺害をもう二度と行わないようにするよう求めているのです。」

         

公開書簡は安倍首相に対し、捕鯨を中止し、IWCに再加盟するよう求めています。
「クジラを殺すのに思いやり深い方法などはありません。クジラは捕鯨用の銛を打ち込まれた瞬間から苦痛にもがき、血まみれで悲惨な状態で長時間苦しみながら死んでいくのです。」

          

「商業捕鯨の再開の正当性や必要性について、文化的、商業的、科学的あるいは倫理的根拠は全くありません。」
英国の新聞デイリー・テレグラフに掲載された書簡にはこう書かれています。

          

さらにクジラ肉の消費量が1962年の233,000トンから2016年3,000トンに減少した日本について。書簡にはこうも書かれています。
「クジラ肉に対する大きな需要はもはやなくなっていることは明白です。」

         

書簡は国際的な捕鯨禁止による鯨類の保護を継続することが「重要」であること、そして商業捕鯨中止によって絶滅の危機に瀕していたいくつかの鯨種がゆっくり回復傾向にあることにも言及しています。

           

署名の列には、霊長類学者のジェーン・グドール博士(動物行動学者、霊長類学者、人類学者、国連平和大使)、ボーン・フリー財団女優のヴァージニア・マッケンナ氏、映画監督のビル・トラバーズ氏、テレビ・ラジオのプレゼンテーターのニッキー・キャンベル氏、自然主義者のスティーブ・バックシャル氏、ブロードキャスターのセリーナ・スコット氏などが名を連ねています。

          

https://www.theguardian.com/environment/2019/jan/24/celebrities-call-on-japan-to-scrap-resumption-of-whaling

+ - + - + - + - + - + - + - + - + - + - + - +

                

  

この記事、日本の報道にだけ接していたのではわからない商業捕鯨再開に対する欧米社会の怒りというものを肌で感じました。
日本の報道にだけ接していると、クジラ食という『日本の食文化』をなぜ欧米社会が邪魔するのだ?という気分になります。

        

しかし一方的側面だけを持った物事というものはなく、好むと好まざるとにかかわらず商業捕鯨というものに対する欧米社会の評価がこの記事に書かれているように変化している中で、それでも私たち日本人はクジラ食を続ける必要があるのか?という側面もあります。
「この産業の従事者はどうする?」という指摘もあるかもしれませんが、今や産業構造の変化は日常的に存在しています。
もっと過酷な環境で生きる術をかえざるをえなかった人々は無数に存在します。

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報