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[アフター・ザ・フクシマ]立ち上がる日本の市民社会〈後篇〉&【東京電力・柏崎刈羽原発、2013年4月再稼働予定】

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「被災地の人々に向け『心配する必要などない』と話すことに、良いことなどは何もない」
各国から集まる批判、そして国連の調査官の厳しい評価

キム・ジェンナ・ジュリアーンス / IPSニュース 11月26日


以下は最近起きたことです。
11月に福島県が行った健康調査の結果が発表された際、47,000人の調査対象の内、47%以上の子供たちの甲状腺に、小結節、嚢胞(のうほう)などの異常が見つかりました。
この結果はたった一つ、別の調査例である2001年の長崎での1.6%という数値と比較しても、著しく高い値です。

しかしこの調査を指揮した福島医科大学の鈴木真一博士は、この結果と放射線被ばくとの関連について尋ねたドイツのテレビ局であるZDFに対し、放射線被ばくの影響によるものというよりは、日本の子供たちの食事においては、魚介類の比率が高いことが原因かもしれないという趣旨の返答を行いました。

「鈴木教授は、日本の国民にウソをついています。」
15年間小児科医として働いてきた、橋本ゆりか博士がIPSニュースの取材にこう答えました。
「もう誰もそんな話は信じません。」


政府、そして日本の医学界で最も高い地位を占めている人々、彼らが今回の件で明らかにした見解に対し、彼女は不信を隠そうともしませんでした。
最近になって橋本医師はこれ以上の自らの被ばくを避けるため、東京で経営していた医院をたたみ、大阪に移住しました。

2011年3月の福島第一原発の事故以降、福島県内、そしてその周辺においても、彼女が取り扱ったありとあらゆる症状の中で、下痢、鼻血、皮膚感染と結膜炎の患者が増加を続けました。

しかし彼女がこうした状況について相談を持ちかけると、多くの医師が患者を不要に貶めたり、無視したりしました。

▽ 立ち上がる市民たち

福島から5時間ほどの距離にある、静岡の住民である河合かず子さんは、地元の自治体が海岸に打ち寄せられた、放射能によって汚染されたがれきの焼却処分を決めるまでは、自分たちは福島第一原発の事故の影響は受けてはいないと考えていたと、最近ニューヨークを訪れた際にIPSニュースに語りました。


彼女は地元で懸念を深めている人々のため、静岡の5つの都市の医院、そして情報拠点をめぐる視察旅行に参加してもらおうと、国際的な医学者数人と接触しました。

「福島で見られるものと同じ症状が、行く先々で確認されました。」
ドイツの引退した医学者であり、チェルノブイリの事故の被災地で20年間、子供たちの治療にあたったドアート・ジーデントフ博士が、河合さんとのインタビューを収録したビデオの中で語っています。

ジーデントフ博士はインタビューの中で、アメリカ人の同僚であるウィスコンシン大学医学部の家庭医学・公衆衛生学の専門家であるジェフリー・ピーターソン博士とともに、日本政府が公表した福島医科大学の調査について、痛烈に批判しました。
その見解は橋本医師のものとほぼ一致しています。

実際に現れている症状のうち、どれが福島第一原発による放射性物質が原因となっているか、それを判断するにはまだ早いと断ったうえで、ピーターソン博士は初期治療の専門家である医師も参加した上で、幅広い調査を行う必要があると指摘しました。
「被災地の人々に向かって『心配する必要などない』と話すことに、良いことなど何もありません。地元の人々が抱く懸念には、はっきりとした根拠があり、国際社会はそのことを証明済みなのです。」


権利に関する問題を扱う国連の『健康を守る人間の権利に関する特別報告官』のアナンド・グローバー氏は、11日間にわたる日本国内での調査の後、11月26日月曜日に声明を発しました。
その中でグローバー氏は、日本政府に対し、もっと広範な日本国民に対する放射線被ばくに関する健康調査を実施するよう求めました。

完全に独立した権限を持つグローバー氏は来年6月、国連人権委員会に詳しい報告書を提出する予定ですが、日本滞在中に日本政府を含めた福島第一原発の関係者、医療関係者、市民団体や被災地の住民たちから直接聞き取り調査を行いました。

グローバー氏はさらに、被災地で放射線を被ばくしてしまった住民たちが、「今後に影響を及ぼすどのような決定に対しても、発言することを許されなかった」ことに懸念を表明し、今後は影響を受けたと思われる住民も「実施される対策、放射能汚染実態の監視、そして責任の所在を明らかにする」プロセスに参加させられるべきだと、強く訴えました。

社会の様相が一変してしまった3.11の後、様々な事態が進行する中、懐疑的にならざるを得なかった市民たちは、自分たち自身で身を守る算段を始めました。


災害以降、その生活がどう変わったのか尋ねられると、河合さんはハンドバッグの中からデジタル表示式の一本の棒状の器具を取り出しました。
「これはガンマ線の量を計測する器械です。」
テレビの料理番組で、棒の形をした素材を説明するシェフのような口調で、彼女がこう語りました。
「今では誰もが、一個は持ち歩いています。価格は5,000円ほどです。」

http://www.ipsnews.net/2012/11/in-post-fukushima-japan-civil-society-turns-up-heat-on-officials/
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以下のニュース、「発見が遅れて」2週間以上掲載が遅れてしまいましたが、本当でしょうか?!
国内のニュースでは見た事が無いと思うのですが…
しかし、掲載元のサイトにはきちんと取材された動画が公開されています。

とりあえず翻訳し、掲載します。
関連する記事があるかどうか、数日をかけ確認します。

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【東京電力・柏崎刈羽原子力発電所、2013年4月に再稼働を予定】

ユーロニュース 11月13日


日本にある世界最大の原子力発電所である柏崎刈羽原子力発電所で、巨大な防波堤の建設が開始され、7基ある原子炉の内、少なくとも1基の原子炉を2013年4月に再稼働させるべく、準備が進められています。

日本国内の原子力発電所は20か月前に発生した福島第一原発の事故により、いったんはすべてが停止させられました。
事故の発生により、原子炉の再稼働に対する国民の反対も強くなっています。

「津波そのものの威力を削ぐことも大切ですが、たとえ想定している以上の津波が襲い、電源が失われてしまっても、冷却水を原子炉に送り込むことが出来なくなり、福島第一原発のような事故が起きないように、私たちの新しい計画はこの点について考慮済みです。」
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の、荒井史郎所長代理がこのように述べました。

日本はすでに大飯原発の再稼働を実施し、これに対する反対運動が毎週のように行われています。
地質学者も日本政府は福島第一原発の事故から、何の教訓も学んでいないと批判しています。
専門家は大飯原発は活断層の上に位置しており、もし巨大地震が発生すれば、もう一度福島第一原発のようなメルトダウンが起きる可能性が高いと警告しています。

※この記事には動画がありますが、埋め込みできないため、以下の元のサイトからご覧ください。
http://www.euronews.com/2012/11/13/japan-restarts-reactor-despite-protests/

[アフター・ザ・フクシマ] 立ち上がる日本の市民社会〈前篇〉

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所要時間 約 8分

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「日本政府は、本気で国民を守るつもりはあるのか?」

キム・ジェンナ・ジュリアーンス / IPSニュース 11月26日


工業技術者であった、山田恭暉(やすてる)さんの場合、定年退職の意味は、仕事をするのを止めるという事ではありませんでした。
73歳になった山田さんは、日本中から集まった他の700人の熟練技術者である退職者とともに、こう申し出たのです。

福島第一原発の最も危険な、放射線量が著しく高い現場で、若い人たちに放射線被ばくをさせないよう、自分たちが事故の収束作業を行う、と。

山田さん、そして現代のサマリア人とも言うべき彼の同志たちが結成したグループは、1986年のチェルノブイリの事故以来、最悪の原子力事故となった福島第一原発事故に対し、政府がもっと本腰を入れた対策を行い、放射線の危険性について正しい情報提供を行うよう求め、日本全国で立ち上がった市民運動団体のひとつです。

※善きサマリア人(聖書に出てくる)そのものについての解釈は少し複雑なようですので、ここでは善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:good Samaritan law、良きサマリア人法、よきサマリア人法とも)の解説を引用します。
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
アメリカやカナダなどで施行されており、近年、日本でも立法化すべきか否かという議論がなされている。(日本語版ウィキペディアより引用)


「ガンが進行している頃には、私たちの寿命の方が先に尽きてしまっているでしょう。」
彼の組織[福島原発行動隊(SVCF)]の取り組みについてプロモートするため、アメリカを訪れていた山田さんが、IPSニュースの取材に対し、こう答えました。

[福島原発行動隊(SVCF)]が目指すのは、福島第一原発の事故現場に世界の専門家を結集し、根本的な解決に向けた取り組みを可能にするよう、日本政府に対する国際世論を喚起することです。
現在続けられている事故現場の汚染物質除去などの収束作業には20年、そして根本的解決を図るための事故の検証作業には40年かかると見られています。

「チェルノブイリの事故の規模は、きわめて大きいものでした。しかし福島程、複雑なものではありませんでした。」
山田さんがこう指摘しました。

事故の収束作業がこのまま、事故の対応に充分なノウハウがあるわけではない東京電力という民間企業に任されたままの現状について、山田さんは懸念を深めています。


現在福島第一原発の現場では約400社ほどの企業が参加して、様々な収束作業を行っていますが、何段階もの多重下請けによる現場作業が、熟練した技術者が事故の収束に加わることの邪魔をしている。
ベテラン技術者である山田さんが、このように説明してくれました。

あれ程の批判を受けながら、政府関係機関と原子力産業界のなれ合いの関係は未だに改善されておらず、このため日本政府は事故の収束作業を東京電力任せにしています。
この状況について、収束作業が日本の将来の世代に与える影響、ひいては地球的規模の影響を考えると、居ても立っても居られないのだ、と山田さんは語りました。

一向に改善されない行政と原子力産業界の癒着、めまぐるしく変わる福島第一原発の状況報告と周囲への影響、公表された放射線量への疑念、そして矛盾する現状報告、これらすべてが、日本政府は本気で国民を守るつもりはあるのかという、大きな不信感につながりました。


さらには日本の医学界も、放射線被ばくによる健康への脅威、奇形や正常な機能を持たない子供が生まれる危険性などが高まっていることを否定したことにより、日本国民の中で知識・意識が高い層の信頼を失うことになりました。
〈つづく〉

http://www.ipsnews.net/2012/11/in-post-fukushima-japan-civil-society-turns-up-heat-on-officials/
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どうやら完全とは言えないまでも、年末の衆院選に向け「脱原発への願い」が一本化される動きが出てきて、少しほっとしました。
例によって「二大政党」からは「脱原発だけで政治ができるか?」等々、足を引っ張るコメント続出です。
しかし、脱原発はただ単に物理的に原発を停止させるというだけではなく、利権まみれ、金まみれの原発行政に象徴される、国民不在の政治からの脱却の意味もあります。

福島第一原発の被災者の方々に対する一片のいたわりも示さず、思いやりも口にせず、徹底した金融緩和により外資のハゲタカ集団を呼び込んで日本で好き放題やらせたり、日本国民の基本的人権を制限した上、軍備を増強(すさまじい金がかかります)されてしまったりしたら、それこそ言いたい事も言えない世の中になってしまいます。

今日は個人的意見を述べさせていただきますが、弱者に対するいたわり、思いやりの無い政治など、まっぴらごめんです。

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【 武器、軍隊…その銃口が国民に向けられた時[Ⅰ] 】

アメリカNBCニュース 11月27日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

2012年11月22日、トルコ。国境の向こうのシリア、ラース・アル・アインの方に上がる火の手を見つめる国境警備兵。


2012年11月18日シリア、マアッラト・アン・ヌウマーン。政府軍の攻撃で肩に銃弾を受けた少年を抱きかかえ、病院の外で治療の順番を待つ父親。


2012年11月4日シリア、トルコとの国境近くの難民キャンプ。政府軍による虐殺のあった村から、家族とともに逃げ出すことに成功した少年が、水の配給の列に並んでいる。


2012年11月4日シリア、アレッポ。政府軍の空爆により破壊された住宅から、2人の幼い子供とその母親を助け出す救助隊員。


2012年10月31日シリア、アレッポ。政府軍の機銃掃射により重傷を負った11歳の少女に、酸素吸入をする家族。


2012年10月26日シリア、イドリブの難民キャンプで、配給品の奪い合いに加わる少年。

国連の査察官、日本政府の原発難民・被災者対策に「NO!」

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所要時間 約 13分

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【 国連特使「日本は福島第一原発事故の被災者に対し、救済のための取り組みを強化せよ!】

山口まり / AP通信 / アメリカABCニュース 2012年11月26日

国連のアナンド・グローバー氏


26日月曜日、国連の権利に関する調査官が、福島第一原発の事故の影響を受けている周辺住民と原発内の労働者に対する日本の保護・救済措置について、もっと充実した取り組みを行うよう、苦言を呈しました。

権利に関する問題を扱う国連の『健康を守る人間の権利に関する特別報告官』のアナンド・グローバー氏は、2011年の巨大地震と巨大津波により引き起こされ、3基の原子炉がメルトダウンした福島第一原発事故において日本政府は、放射線による健康被害について楽観的な観測をのみ行い、限られた健康調査しか行っていないと、語りました。

福島第一原発の事故調査は数多く行われましたが、その中で国会事故調査委員会の報告書は、日本政府がいくつもの事実の隠ぺいにかかわった疑惑について指摘し、その中で大量の放射性物質の拡散状況に関する情報提供の遅れは、多数の人々にしなくても良い放射線被ばくをさせてしまったとして、厳しく非難しました。
このような事実は日本政府と原子力産業界の癒着関係が明らかになった事とも相まって、多くの国民の不信を買うことになったのです。


グローバー氏は、放射線の影響を受けたとみられる住民に対する健康調査が続けられていることについては評価する一方、その調査範囲は狭すぎることを指摘し、日本政府の対応を批判しました。
▽健康被害は福島第一原子力発電所の県境を越えて発生したと考えられるのに、約200万人の福島県民だけに調査範囲が限定されている。
▽子どもたちに関しては、甲状腺がんの検査のみ行われている。

グローバー氏は、健康調査は『福島第一原発の影響を受けた可能性がある全域』について行われる必要があり、具体的には本州の北半分、東日本・北日本全域にまで調査範囲を拡大すべきだとしています。
これに対し、日本政府が行った健康調査は、福島県民の4分の1にしか及んでいません。

グローバー氏によれば、短期間の契約で危険な作業を行った福島第一原発の緊急作業員に関しては、完全な形での健康調査が行われていません。


さらには、多くの住民が、自分たちの健康診断の結果を確認することを許されていないとして、不満の声を上げています。

「調査範囲が狭すぎるという事から考え、日本政府はチェルノブイリの教訓を軽視し、低線量被ばくに関する国際的な医学上の見解を無視している、残念ながらそのように結論せざるを得ません。」
グローバー氏はこう述べ、以下のように続けました。
「チェルノブイリでは事故直後3年間は調査も研究も行われず、資料が欠落しており、決して良い参考例にはなり得ないのです。」

さらに彼は日本政府が、一般市民の1年間の放射線被ばく線量の上限を20ミリシーベルトとしたことについても、疑問を呈しました。
原子力産業に従事する労働者の年間被ばく線量の10倍もの被ばくをしてしまう事を、3年の間一般住民に認めるつもりなのか?
福島第一原発周囲に立ち入り禁止区域を設定する際に、こうした値を用いれば、それ以下の被ばく線量なら安全という誤解を与えてしまうのではないか?


政府が作成し学校を通じて子供たちに配布した冊子、さらには各種の集会において、日本政府は100ミリシーベルトの被ばくをしない限り、放射線被ばくとガンの発症を直接結びつける明確な証拠は無いと強調してきました。

チェルノブイリにおいて立ち入り禁止区域とされたのは、年間被ばく線量が5ミリシーベルトに達する地区である、グローバー氏がこう指摘しました。

いくつかの調査研究においては、年間100ミリシーベルトとの被ばくであっても、高いガン発症確率につながるという明確な証拠は無い、としています。
「しかし、そうした見解は論争の的になっています。そして、異なる見解示す多数の調査・研究結果があるのです。日本政府はそのどちらが正しいかなどと言う見解を示す必要はありません。政府が採るべき態度、それは住民などの健康に関し、より慎重で、あらゆる可能性を検討する姿勢で臨むことです。」
グローバー氏の発言です。


福島医科大学の医師たちは、福島第一原発の事故による推定放射線被ばく線量について、1986年に発生したチェルノブイリ事故と比較して極めて低いものであると結論しました。
子どもたちの甲状腺がんの発症確率も、そうした結果に準ずるものになるだろうと予想しています。
しかし、この9月、福島第一原発の事故以降初めて、10代の一人の少女に甲状腺がんが見つかりました。
これについて福島医科大学の甲状腺がんの専門家である鈴木真一医師は、福島第一原発の事故による放射線が原因とするには、ガンの発症が早すぎると語りました。

チェルノブイリの事故においては、子供たちに初めて甲状腺がんの発症を確認したのは、事故発生後4年が経ってからでした。

グローバー氏はまた、放射線量の測定のありかた、被ばくが健康に与える影響の検証などを行う際、その意思決定の場には必ず住民が参加するよう、最大限の配慮をすべきだとも語りました。
「これは個人的な見解ですが、それぞれの分野の専門家と言われる人々だけが、真実の一端を握っています。地域の人々やコミュニティも、そうした情報を共有できるようにするべきです。」


グローバー氏は11日間にわたって行った、福島およびその周辺地区に関する調査結果について、日本政府に対しても報告書の草案を提出しました。
最終的な報告書は来年6月に公表の予定です。
http://abcnews.go.com/Health/wireStory/envoy-japan-nuclear-victims-17809461#.ULQKd2cyXq4
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この国連査察官の方がおっしゃっているのは、国際社会の常識だと思います。
『先進国社会』なら当然そうあるべきことです。

この国はなぜ違うのでしょうか?
今の衆議院選に向けて大政党の代表が声を張り上げている、その中身を見ればその理由がわかるような気がします。

かつては穏やかな田園地帯で、丹精を込めて育てた花々や樹木に囲まれ、静かに暮らしていた人々。
その人々が原発難民にされるや、多くの人々が狭い上に、夏暑くて冬は寒い仮設住宅で、プライバシーも無ければ、この先の希望も無い暮らしを強いられています。

津波と原発で住む場所も財産も無くしてしまった高齢の方々は、もうここで死ぬしかないのか、と肩を落としています。
幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生…
先には希望があるはずの子供たちに、そして親御さんの上に重くのしかかる不安と恐怖。

まずこの問題をどうするのか?
被災者・難民・避難民の方々は、どうすれば救われるのか?
2012年の国政選挙であれば、まず真っ先にその議論をしなければならない。
一国の政治の場とはそうあるべきだと思うのですが…

しかし現実は
「TPPによる平成の開国!」
「憲法改正で自衛隊を軍隊に組織変更!軍備強化に突っ走れ!」

この人たちに国際社会の常識が無いのなら、私たち市民がそれを持てばいいのです。
そして人の心を持つことのできない大政党には、厳しい上にも厳しい採点が必要です。

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【 しぼりたての牛乳の雨が降る。EU本部前で大荒れ、ヨーロッパの酪農家 】

アメリカNBCニュース 11月26日


ヨーロッパの酪農家たちがベルギーのブリュッセルにあるEU本部前で、しぼったばかりの数千リットルの牛乳を、辺り一面にまき散らす挙に出ました。
採算がとれるかどうかわからないほど厳しいぃなの生産制限措置、そして価格の低迷に抗議するためです。

26日の午後早い時間、ヨーロッパ中から集まった酪農家、そしてトラクターがブリュッセル市内の最も交通量の多い地区で交通妨害をしたあげく、EU本部前の公園、そして欧州議会前の広場を占拠しました。

集まった農民たちは用意したホースを取り出し、ブリュッセル広場にある、大理石とガラス、そして金属を組み合わせて作られたEU議会に向け、大量のしぼりたてのミルクを浴びせかけました。
一部は通行人、そして取締りに出ていた警官の上に雨のように降り注ぎました。

次に彼らは丸めた干し草の束とタイヤを積み重ねて火をつけたため、真っ黒な煙が空高く立ち上りました。
彼らはこのまま火曜日の午後まで、ここでピケを続ける予定になっています。
2日間の抗議運運動を組織したヨーロッパ酪農家委員会は、現在の生産割当量と価格が続けば、小規模酪農家は事業を続けられなくなると抗議しています。

ベルギーを例にとると、牛乳1リットルの卸値は0.26ユーロですが、生産原価は0.40ユーロになります。

EUの牛乳の生産量は世界最大ですが、欧州議会の年間予算の40%にあたる1,300億ユーロが、酪農を始めとする農家への補助金として使われています。
このためEUは全域で牛乳の生産量を2015年度までに、1億3000万トン程度(それでもEU内の需要を大きく上回ります)にまで減らす取り組みを行うことに合意しました。

こうした酪農家による抗議活動は過去何度かありましたが、2009年には、卸値の少額の値上がりを実現しました。

月曜日にベルギーに集まったトラクターは国内はもちろん、近隣のフランス、ドイツ、ルクセンブルク、そしてオランダからもやって来ました。集まった酪農家の数は2,500人程でしたが、ポーランドからも100人程が参加していました。





http://www.msnbc.msn.com/id/49968348#__utma=14933801.520676263.1342579093.1353898913.1353974264.154&__utmb=14933801.3.10.1353974264&__utmc=14933801&__utmx=-&__utmz=14933801.1353287926.143.11.utmcsr=worldnews.nbcnews.com|utmccn=%28referral%29|utmcmd=referral|utmcct=/_news/2012/11/18/15252420-netanyahu-israel-prepared-for-significant-expansion-of-gaza-operation&__utmv=14933801.|8=Earned%20By=msnbc|cover=1^12=Landing%20Content=Mixed=1^13=Landing%20Hostname=www.nbcnews.com=1^30=Visit%20Type%20to%20Content=Earned%20to%20Mixed=1&__utmk=110220293

高齢化が進む日本【日本だけでは、もう解決できない?!】

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世界で最も高齢化が進む社会、どうすれば『人口構成の危機』を乗り越えられるのか?

アルジャジーラ 11月9日


日本は、人口構成の危機に直面しています。
国民の高齢化と出生率が低下し続けることにより、日本の人口は減少を続けています。

今から20年後、日本では高齢者が15歳以下の子供たちの4倍という規模に達することになります。
今や日本では大人用紙おむつの販売数量が、赤ちゃん用の紙おむつの販売数量を上回ってしまっている、事態はそれ程深刻になっています。

昨年日本全国の人口は250万人という記録的減少により、1億2,780万人になりました。
そして2060年には、現在の3分の2にまで、すなわち8,700万人にまで減少すると見られています。
そしてそのうち40%が、65歳以上の高齢者となる見込みです。

人口構成のゆがみは、ひとつの大きな社会問題を作り出しました。
『孤独死』の問題です。
これは1980年代に表面化した日本特有の現象で、近年になり増々頻繁に見られるようになっています。

日本では400万人の高齢者が、一人暮らしをしています。
一方で高齢者の介護を自分たちで行うことにした家族は、しばしば社会からの孤立感に悩み、やがては自分自身をも追いつめてしまう場合があります。


日本の高齢化に伴い、政府は現役の労働人口が縮小していくにも関わらず、増え続ける年金の支払いを確実なものにしていかなければなりません。
現在の社会保障制度を維持するため、政府は消費税率を現在の5%から引き上げ、さらに年金の支払い開始時期を遅らせるため、労働者の退職年齢を70歳にまで引き上げようとしています。
しかし高齢者の福祉の現場や病院で働く人々は、不足する労働人口を補うためには、もっと積極的に外国人労働者の受け入れを行うべきだと考えています。

一方で、高齢者の増加という国にとっての痛みが、新たなビジネスチャンスにつながる場合もあります。
数々の企業が、『シルバー¥(円)』と名付けた拡大を続ける高齢者市場を狙い、高齢のため自分では歩けなくなった人のための、二足歩行ロボット型の高齢者用アンドロイド歩行器の新技術開発などにしのぎを削っています。

日本は果たして、高齢化する社会、縮小する人口というふたつの厄介な問題を克服することはできるのでしょうか?

この記事には約25分間の動画が付属しています。動画を見るには、下記のアルジャジーラのリンクをクリックしてください。
http://aje.me/VQcgy2

http://www.aljazeera.com/programmes/101east/2012/11/2012115114958294318.html
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「老後は健康的に、不安の少ない穏やかな暮らしがしたい…」
「安心して子供を産み育てられる社会にしてほしい…」
こうした人間として、当たり前の願いに対し、近づく衆議院議員選挙では
「TPPに参加して、日本の産業構造を一変させる必要があるのだ!」
「憲法を改正して、軍備を増強せよ!」
「無制限の金融緩和を実施し、外資のハゲタカどもをどんどん日本に連れて来て、経済を活性化させよう!」
などという、およそ国民の願いからは遠い主張を、日本の『2大政党』の党首がぶつけ合っています。

福島第一原発では、今後どのように事態が展開するか全く予断を許さない状況なのに、その対応を東京電力まかせにしたまま、憲法改正までして軍隊・兵器を増強せよ、というのは一体どういう政治感覚なのでしょう?
中国が無人島周辺をうろつく事は許せないが、守るべき国土に放射性物質が大量にばらまかれ、何万人もの人々が住んでいた家を、大切な故郷を追われたことは、「仕方が無い」と言うつもりなのでしようか?

これについて『政治の劣化』などという、抽象的であいまいな表現にとどめて良いものなのかどうか。

その上、自民・民主に通じる「我々の主張に同調しない『異分子』は断固排斥する!」という感覚が、非常に気がかりです。
1930年代にナチスの取材を行った故ドラッカー氏は、「この連中は将来必ず、ユダヤ人排斥をやる。」と確信したそうです。
そして実際どうなったかは、皆さんもよくご存知の通りです。
「排斥」から始まったユダヤ人への迫害は、「絶滅」にまでエスカレートしてしまいました。

私は一国の政治を担う、という行為はやりがいはあっても、地味で忍耐ばかりが必要な仕事だと思っています。
立場が違う人々との話し合いを延々と繰り返し、時に受け入れ、時に説得する。

ところが日本では徹底的にポピュリズムに走った首相が、国民の支持率60%などという『実績を作った』ため、以後そんな着実な姿勢は顧みられなくなったように感じます。
政治の劣化とはその過程を指す言葉でしょう。

宮城谷昌光氏の小説を読んでいて興味深いのが、中国や日本の人々が「言葉により強く感応する」人種であるようだ、としている点です。
古代、殷帝国では、行く手の地面に埋設された災いを言の葉の力によって取り払うため、呪文を唱えながら巫女の集団が軍隊の先頭を進んだそうです。
氏の小説の一編に、このシーンが出てきます。

今回の衆議院選挙は、実態のある政治構想とは思えない「言の葉」合戦に堕している観があります。
『脱原発』は免罪符の代わりになり、その証拠に『脱原発』を標榜していた『第3極』の政党が、核兵器装備を主張する右翼の大物と合従連衡したりしています。
今回の選挙戦は、あたかも『言ったが勝ち』の様相を呈しています。

『脱原発』に象徴される、国民を犠牲にしてまで経済利益を追い求めるシステムを打破する取り組み。
少子化や、高齢化について、統計ではなく、国民一人一人の問題として解決を考える。

そのために、地味に忍耐強く、真摯に取り組もうとする人々を国政の場に座らせる必要があります。
「言の葉」の効果で国民を誑(たぶら)かす、あるいはこの国を危険で陰惨な結末に向かわせる政治は、Enough is enough - もうたくさん。

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メイシー百貨店・サンクスギビング・パレード、目で見る歴史

アメリカNBCニュース 11月23日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)


1.[とびだせフェリックス]
サンクスギビングデイに、ニューヨークの目抜き通りをメイシー百貨店のアトラクションがバレードする催しが始まったのは1924年のこと。
以来もう何十年もの間、人々が待ち望む年中行事として続けられています。
1927年、史上初の巨大バルーンとしてメイシー百貨店が選んだのは、8年前に無声映画でデビューした飛び出せフェリックスでした。


2.[海底2万マイル・ネモ船長]
1929年11月28日にニューヨーク市内をの通りを進むのは、ジュール・ベルヌ小説『海底2万マイル』の潜水艦ノーチラス号のネモ船長の巨大風船です。
初期の巨大風船は風紀で膨らませ根、結びつけたひもを引っ張って進めていました。
1929年にはパレードの最後にひもを離し、この風船をメイシー百貨店まで持ち帰った人に報酬が支払われました。しかし1932年に飛行機を使ってこの風船の回収を試みたところ、危うく風船にぶつかりそうになり、この回収イベントは中止になりました。


3.ミッキーマウス
1934年、メイシーのパレードの巨大な風船になって姿を現した最初のディズニー・スターは、ミッキーマウスでした(もちろんですよね)。巨大なミッキーは15メートル上の高さがありました。
製作したのはグッドイヤー社でした。
風船のロープを持っている人々の姿をよくご覧ください。全員がミッキーとミニーマウスのコスチュームを着ていますよ!


4.デディベア
1945年11月23日のパレードが、ニューヨークのタイムズスクエアを通過している場面です。
1941年、サンクスギビンクのパレードが第二次世界大戦のために中止されて以来、再開後初のパレードでした。
テディベアが自由の女神のレプリカの脇を通過しています。


5.スーパーマン
鳥だ!いや、飛行機だ! いや、スーパーマンだ!
スーパーマンの巨大風船がメイシーのパレードに登場したのは1939年でしたが、漫画『アクション・コミックNo.1』に登場したのはその翌年でした。
スーパーマンの人気は何年経っても衰えを見せません。
この写真の第2回は1966年に、そして1980年には第3回目の登場を果たしました。


6.ポパイ
1960年代前半はポパイの絶頂期、メイシー百貨店のパレードにもたびたび登場しました。ほうれん草をむしゃむしゃ食べる水夫のポパイ、パレードに初めて登場したのは1957年でした。


7.ミレニアム・スヌーピー
20世紀最後、1999年11月25日のパレードに登場したのは、ミレニアム・スヌーピー、スヌーピーとしては5代目です。


8.ロナルド・マクドナルド
2002年11月28日、76回目となったパレードがタイムズスクエアを進みます。 この年は13個の巨大風船が登場しましたが、このファーストフード・チェーンのマスコットの姿もありました。


9.ピカチュウ
2005年11月24日にブロードウェーに沿って進む、テレビゲームのポケモン・シリーズのキャラクターです。


10.そして、こどもたち
大勢の子供たちが、パレードを見るために集まって来ました。1960年代初頭の寒い感謝祭の日、電話ボックスによじ上っている子供の姿も見えます。

フクシマ、あらゆる立場の人々が、大きな苦しみを背負うことになってしまった…

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福島第一原発、事故現場で働く人々の後悔、そして罪悪感
【原子力大災害の第一線で戦う男たち、「福島の50人」のその後】
故郷の町や村を守りたい、その一念で現場に踏みとどまった人々

エコノミスト 2012年10月27日


大事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の所長だった吉田正夫氏はかつて、友人にこう漏らしたと言います。

「まるで硫黄島にいるような気分だった。」

第二次世界大戦中の1945年、北太平洋上のこの島を守っていた日本軍は、アメリカ軍を相手に英雄的な、しかし絶望的な戦いを繰り広げた後、降伏すべく運命づけられていました。

しかし吉田所長の下で働いていた吉沢敦文さんと福良正敏さんは、その時のことをそのようなドラマとしては語りませんでした。
災害発生後、海外のメディアによる初めてのインタビューで、彼らは『福島の50人』と呼ばれた人々の使命感について語ってくれました。

3月11日に襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こして以来、日ごとに、そして一時間ごとに放射線量が上がり続ける中、彼らは文字通り命を懸けて事故の収束作業に取り組んできました。
彼らを突き動かしたものは、自分たちの家族も暮らしている周辺の町や村を守りたい、その一念だったのです。


それ程の思いで取り組んだ『福島の50人』の戦いでしたが、もとより勝てるはずもありませんでした。
そして自分たちの戦場から戻った時、彼らは言いようのない、整理できない感情に苦しめられることになったのです。

恥ずかしいと思う気持ち、そして罪悪感。

10月初旬、野田首相が福島第一原発を訪れ、謝意を表するため彼らと一堂に会した時、その感情ははっきりと形を表しました。
すでに事故発生から18カ月が経過し、野田首相は彼らの勇気ある行動を称える機会が来るのを長い間待ち望んでいました。

ひとりの男性が3月11日以降の、極度の混乱状態の中で撮影した数枚の写真を首相に渡しました。

作業員の命すら奪いかねなかった原子炉建屋の爆発。
真の闇の中、凍えながら、そして感電の危険を冒しながらの電源の復旧作業。
辺り一面散乱する放射能にまみれたがれきや残骸。
口に入るものと言えば水とビスケットだけの日々…


しかし、次の瞬間、信じられないような光景が繰り広げられました。
同行したメディアのスタッフが写真を撮ろうとした瞬間、8人の内6人までもが顔を隠したのです。
そして、自らの姓名を決して明かそうとはしませんでした。

東京電力は長い間、内外のメディアの緊急作業員の人々に対する、インタビューの申し入れを断り続けて来ました。
しかし破壊された福島第一原発が政府の管理下に入った現在、この『エコノミスト』が初めて、2人の職員に、直接話を聴くことを許されたのです。

ヒロイズム – 個人的勇気に関する話題は、団体行動に徹しようとする習慣が支配する日本社会では、きわめて扱いにくい性質のものです。
ましてありとあらゆる立場から批判されている東京電力に雇われている身とあっては、なおさらのことです。
福島第一原発の周囲の市町村からは100,000の人々が避難を強いられ、戻ることができなくなりました、多分もう二度と…。


吉沢氏は当時、福島第一原発で事故に取り組んでいた東京電力の幹部社員の一人です。
彼は数多くの危機が同時に進行していたと語りました。
巨大地震、繰り返される余震、津波、3度にわたる爆発、上昇を続ける放射線量…
振り返れば、身の毛もよだつ危険が幾重にも重なりあっていました。

「状況は何もかも悪いものでした。」
福良氏がこう言って、福島第一原発がきわめて危険な状況にあったことを認めました。
しかし私は死ぬつもりもありませんでした。それぞれが全力で取り組んでいました。死ぬことはすなわち、敗北することだったからです。」

しかしこうした義務感は、危機が進行しているような場合、時に人間としての一面を隠してしまう場合があります。
当時福島第一原発内にいたのは、5人の内4人までが地元の人々でした。
彼らは自分たちの家族が、津波にさらわれてしまったかもしれないという恐怖に苛まれ続けていました。
さらには上昇を続ける放射線量が、自分たちが暮らす町や村を危険に追い込んでいることも理解しており、何とか食い止めたいという思いで一杯でした。
彼らはもう何年も一緒に仕事をしており、そのことが彼らをここ福島第一原発に踏みとどまらせたのでした。

「巨大地震と巨大津波が襲った直後の最初の、そして最大の懸念は原発内の6,000人に上る労働者、とりわけ原子炉付近で働いていた2,000人の労働者の安全確保の問題でした。」
吉沢さんがこう語りました。


後でそれが誤りだったことを思い知らされることになりましたが、災害直後の最初の夜、すなわち3月11日夜、福島第一原発の施設内の人々は、すべての原子炉は停止した後、冷却され続けていると考えていたのです。

この考えが、時間を失うことにつながってしまいました。

夜が明けると最初の水素爆発が起き、その甘い観測を吹き飛ばしました。
そして、次々と恐ろしい光景が眼前で繰り広げられたのです。
その結果あらゆる局面で、施設の職員が原子炉を冷却するために水を注入する作業を、不可能になってしまいました。
さらに3月14日、15日と立て続けに爆発が起き、施設内の職員のほとんどを避難させるべきではないかという圧力が、一層強いものになりました。

こうした状況下、当時の福島第一原子力発電所所長であった吉田氏(現在、ガンとは異なる疾病のため入院中であると公表されています)は、難しい決断を迫られることになったと、吉沢氏が語ります。
最低限必要な事故対応を行うための人数だけを残し、残りの大半の職員を避難させるべきかどうか。


吉沢氏も、福良氏もインタビューを受けた際、吉田所長が事故現場を放棄するつもりなど、全くなかったと語りました。
吉沢氏は福島第一原発の危機が頂点に立った時点で、現場から少し離れた場所にあった臨時の事務所から、事故現場に戻りました。
「その時私は、自分はこの場所で死ぬことになるのだな、と思いました。日本で言うところの『骨をうずめる』覚悟でした。」

吉沢氏は今も続く複雑な感情について、言葉ではなく、態度に現れた瞬間がありました。
施設内に残った人々が自分たちの街や村を守るために、どれ程必死に絶望的な戦いを続けたか、そのことを説明しているうちに、感情が激してきた吉沢氏は言葉を続けることが出来なくなったのです。

ようやく次の言葉が出て来た時、彼はこう語りました。
「しかし世の中を見ると、私たちに対する痛烈な批判を感じるのです。」

こうした批判は、故郷を追われ、避難を強いられた人々の中でとりわけ強いものです。
そして日本社会に大きく広がっている見方でもあります。
1945年、第二次世界大戦に敗北した後、各地から帰還して来る中、これと似た罪悪感を抱いた兵士たちが数多くいました。

しかし英雄扱いされるための、罪悪感に苛まれ続けるための、どちらの時間も福良氏にはありません。
福島第一原発で働いている作業員のほとんどが東京電力の関係者である以上、事故に対する責任感を感じないわけにはいかないのだと、彼が語りました。

こうした感覚は、責任を潔く認める日本人の美徳に通じるものがあります。
しかし東京電力の経営陣は、全員がこうした感覚を共有していた訳ではありませんでした。

日本政府にまで責められた東京電力は、10月になってやっと、福島第一原発の事故発生の危険性を過小評価していたことを認めたのです。

http://www.economist.com/news/asia/21565269-meet-%E2%80%9Cfukushima-50%E2%80%9D-men-front-line-nuclear-disaster-heroism-and-humility
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NHKや共同通信社の『世論調査』の結果を見て、首をかしげざるを得ませんでした。
今回の選挙で原発問題を判断材料にする人は、全体の9%に過ぎない?
次の政権は自民単独と自民・民主の連合を合わせると5割、つまり原発推進の立場を(おそらくは)崩していない自民党が政権の座に座るべきだと考えている国民が5割?

今年の夏の時点で、日本は脱原発を推進すべきだと考えていた国民は8割に達していたのでは?

私の脱原発への思いは、3.11に関する世界中の記事を翻訳し続けるうち、自然と自分の中に出来上がって来たものです。

中でも、この記事が掲載されたエコノミストが2012年1月31日号に掲載した記事において展開された以下の主張が、その思いを不動のものにしたかもしれません。

いったん事故を起こしたら、その影響が一体どこまで及ぶか計り知れないのが原子力発電であり、地震など一切発生しない、丸一日車で走っても誰とも出会わないような荒野ならともかく、人間が暮らす場所近くで原子力発電など行うべきではない。
( http://kobajun.biz/?p=1760 )

日本の政治や報道においては、「単なる発電手段」として、原子力発電を水力、火力と並べて比較するケースがまま見られます。
それが大いなる誤りであることを、この記事もまた教えてくれていると思います。

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【 プシュカの家畜市 】

アメリカNBCニュース 11月21日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)


一年の内の5日間、インド、プシュカで家畜市が開催されます。世界最大のラクダ取引の場であり、その他の家畜が売買される場でもあり、今や有数の観光イベントにもなっています。ウェブサイトの説明では、約2万頭ほどのラクダ、馬、牛が取引されるとのことです。






世上言われる「円安の進行」、果たして現実になるのか?

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[イギリス・アメリカ側からの分析]

ベン・マックラナハン / ファイナンシャル・タイムズ / アメリカCNNニュース 11月8日


リーマン・ショック以降円高が続いていますが、日本の政策担当者は実態以上の円高が続いているとして、投機筋を非難しました。

その指摘が正しいかどうかはとりあえず措(お)いておき、夏以来円が対ドルレートで78円50銭前後での値動きを抜け出し、80円前後にまで円安が進んだことを見て、日本の中央官庁街である霞が関の官僚たちは、少しばかり胸をなでおろしていることでしょう。
しかしこの動きに投機筋は関わってはいません。
世界の核経済指標に改善の兆しが見え始めたことを受け、この3週間、ヘッジファンドが円安の進行に一定の役割を果たしたことは事実です。
世界の外国為替市場において、様々な投資機関が各代表的通貨の方向性を見極めようと悪戦苦闘する中、円安が進んでいることだけは確実な事実だと、外為市場の複数のトレーダーが証言しています。

実際、アメリカの先物商品取引市場が公表した数値は、先週になって円安の兆候が現れると、今年5月以降初めて投資家による円売りの動きが倍加したことを伝えています。
これに対し、ヘッジファンドの動きはそれほどはっきりしたものでは無く、錯綜した短期的取引が繰り返されていると、モルガン・スタンレーは分析しています。


「これまで、ドル対円の値動きは穏やかに推移してきました。」
ロンドンにあるモルガン・スタンレー欧州外貨戦略部門の責任者であるイアン・スタナード氏がこう語りました。
「もし円安ドル高の動きが本格化しないとしたら、それはドル高になるための材料がきわめて限られたものであることを示唆するものです。」

目下のところ、国内でデフレによる不況が進行する日本で、シャープやパナソニックのような輸出企業に打撃を与えた円高の時代が終わる、という観測について、多くの取引関係者は慎重な見方をしています。
たとえば、安定した価格とインフレ調整後の高い利回りにより、外国の機関投資家が日本の国債を買い続けていることで、資金が円市場に留まり、実質的に円を買い支えている点などに、取引関係者は留意しているのです。

しかしこの10月に見られたドルの対円レートで3%の値上がりは、2月に起きた円安ドル高とは様相を異にしていると、多くの関係者が認めています。
2月の円安ドル高は、日本銀行の『1%のインフレ目標』に基づく金融緩和策と、世界経済で表面化した新たな懸念に対し、すぐには打つ手が無かったことが影響したものでした。


最新の円安ドル高の傾向には、3つの際立った特徴があると、アナリストが語っています。

特徴の第1、それは世界最大規模と世界で3番目に大きい経済の、成長状況の違いです。
最新の資料によれば、米国経済の回復が確実なものになる一方、日本経済は逆の様相を見せています。

今週日本政府が公表したデータでは、日本の主要な11の経済指標が、今年9月の国内の工業生産高が著しく悪化し、日本の景気が後退期に入った可能性があることを示唆しました。
日本政府がこのような表現を行うのは、1986年以来、7度目になります。
実際、過去6期の経済期間の内4期で、日本経済が不況の中にあることを数値が明らかにしています。

もし景気の後退が事実なら「日銀のインフレ目標はさらに一層、より遠のくことになるでしょう。」こう語るのは、東京のバークレイズのFX取引部門の責任者である、山本まさふみ氏です。
「さらなる金融緩和策が求められることになるでしょう。」


特徴の第2、それは日銀による景気刺激策への関与度合いがより一層高まったと、投資家たちが見ていることです。
日銀は最新の政策委員会で、独自の資産買収計画を追加し、市中の銀行に対し無制限で低金利の融資を行う計画も明らかにしました。

これら一連の金融緩和策における重要な特徴としてあげられるのは、日銀の白川総裁が日本政府の2名の経済閣僚と連携し、日本経済にインフレを起こさせるための施策だという事です。
この数年、日本の政治家たちは束になって日銀がデフレの克服のために、何ら有効な手を打ってこなかったとして日銀を繰り返し攻めたててきました。
今回の日銀の施策でカギになるのは「日本政府による日銀支配が公になったこと」だと、東京のゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストである馬場なおひこさんが指摘しました。

特徴の第3、それは目前に迫っている日銀の首脳陣の交代です。
現在の白川総裁の任期は来年4月末まで、投資家たちは後継者がどのような施策をとることになるか、もうすでに憶測を始めました。
法の定めるところでは、日銀総裁と副総裁は政府によって任命され、衆参両院の承認を必要とします。
この時点で民主党が政権を維持しているか、または自民党を中心とする勢力が取って代わっているか、いずれにしても白川総裁の後継者はハト派の色合いが強い人になるのではないか?
こう語るのはUBS(Universal Bank of Switzerland)シンガポールの外貨戦略担当チーフのマンスール・モイ・ウッディン氏です。
総裁の後継者候補には武藤東四郎元日銀副総裁、経済官僚を歴任してきた岩田一政氏、そして現在は研究機関を運営しているもう一人の元日銀副総裁などがあげられています。


いずれが就任しても、現在次期首相に最も近い位置にいると言われ、2%から3%のインフレ目標を掲げるべきであると主張している自民党の阿部総裁にとっては、受け入れやすい人材であることは明らかです。

共和党の大統領候補者、ミット・ロムニーは連邦準備制度理事会がこれ以上金融緩和策を続けることに対し疑問を呈していましたが、大統領選挙に敗れたため、アメリカ側によるドル高への誘因は当面無くなり、したがって円相場に直接の影響は及ばないと思われています。
これと同時に、アメリカ国債の利息が高い率で安定する可能性も低くなりました。
ドイツバンクでFXを担当する田中たいすけ氏は、今後の円の対ドルレートの動きがどうなるか、その最良の指標となるのが2年もののアメリカ国債と日本国債の間のギャップだと語りました。
現在17ポイントあるギャップは、過去12カ月間と比較してもほとんど変わりがありません。
このことは、これ以上円が値下がりする可能性が、低いだろうということを示唆しています。

しかし目下のところは、ゆっくりとした円の下落傾向が続いており、前出のモルガン・スタンレーのスタナード氏をして「落ち着いた」動きではあるが、「しばらくの間こうした傾向が続く」だろうと言わせています。

http://edition.cnn.com/2012/11/07/business/japan-yen-slide/index.html?hpt=ias_c2
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神谷秀樹氏の著書『強欲資本主義 ウォール街の自滅』(文芸春秋新書)の中に興味深い話がでてきます。
ゴールドマンサックスの不動産部門にいた、「保守的」銀行家が、今日行われているマネーゲームにこれ以上自分の財産や立場を賭け続けるつもりは無い、もう降りる、といって引退したエピソードです。
この話を読んで、ああ本当の保守というのは、過去の事例によって証明された手堅い手法を良しとする立場の事なのだな、と改めて感じ増した。
やられたからやり返す、何が何でも国の腕力を強くして周辺諸国に目にもの見せてやる、という考えを露わにする自称保守が日本では目立っています。

東京都知事だったそうした人物の中のひとりは「都民銀行」構想をぶち上げ、実際にスタートさせました。
同行は暗礁に乗り上げてしまった様子ですが、当の本人は責任を取らず、いなくなってしまいました。
そんな『保守』は、世界にはありません。

私はイギリスのディズレーリやマーガレット・サッチャーが(好きか嫌いかは別にして)、本当の意味での『保守』派の政治家だと思っています。
なぜなら彼らは、きちんとした議論を重ねながら物事を進めていったからです。

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【世界最大規模のカーレース】

アメリカCBSニュース 11月
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

2012年11月3日、首都ロンドンから英国南部のブライトンまで60マイル(約100km)の区間で争われる王立自動車クラブ『ロンドン・ブライトン間クラシック・カーレース』は
世界最大規模のクラシック・カーレースです。
世界中のファンを惹きつけるこのレースの歴史は125年、今回の参加車両は300台に上りました。
レース前、ロンドンのリージェント・ストリートで、参加する車両のお目見えが行われました。






http://www.cbsnews.com/2300-504784_162-10014445.html?tag=recommended;galleryLiRecommended

「無制限の金融緩和策を」という訴え

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「期待通りの結果が出なければ、その時こそ日本は…」

ヒロコ・タブチ / ニューヨークタイムズ 11月20日


日本国内では前首相でもある、自民党の安倍晋三総裁がこの12月に、首相に返り咲くという予想が専らです。
何年もの間、積極的通貨政策を支持する人々は、デフレによる経済不況から脱却し、日本経済を活性化させる策として、通常では考えられないこの対策を行うよう主張してきました。
日銀はもっと紙幣を印刷すべきだ、金利もゼロのままにしておけ、彼らはこう主張します。
しばらくの間日本は、インフレを許すのだということを市場に確信させろ、と。

そうした過激な措置を採れば急激なインフレーションを引き起こすのではないかと懸念する日本銀行は、こうした主張を取り上げませんでした。
しかし、10年以上の間弱々しい経済成長と価格低迷を打破するためには、思い切った貨幣政策を採るべきだと主張する、経済学者と国会議員が今までは考えられなかった連携をしたことにより、その日銀の手足が抑え込まれようとしています。

かつて首相の地位にあった自民党の安倍晋三総裁が、来月に予定されている衆議院議員選挙の結果、首相に返り咲く公算が高まり、こうした主張が勢いを得ることになりました。
きわめて保守的な立場をとる安倍氏ですが、一方では日本銀行に対し、価格、企業の利益、そして賃金を低下させ、15年間日本経済の不振を演出しているデフレに対し、対策をもっと積極的に行うよう主張し、自らの支持者をも驚かせました。

先週いっぱいこうした発言をさらにエスカレートさせていった安倍氏は、12月16日に投票が行われる選挙で、彼が総裁を務める自民党が政権をとれば、日銀が政府の指示に従わざるを得ないよう、法律を書き換えてでも、日銀の権限を縮小させると語りました。

木曜日に東京で行った演説会で、安倍氏は日銀に対し現在インフレ目標としている1%を大きく上回る2~3%に設定し、『無制限の金融緩和策』を行うよう要求すると語りました。
しかしこの『無制限』という表現に、懸念を抱いた経済学者もいました。
安倍氏はさらに、日銀の公定歩合を現在の0.1%からゼロに引き下げるように主張しています。


安倍氏は週末にかけ、一層踏み込んだ発言を行いました。
熊本県南部の都市では、日銀が政府から直接建設国債を購入することにより、公共事業資金を確保し、貨幣を強制的に市場に流通させるようにするつもりであると演説したと、地元のメディアが伝えました。
しかしこうした政策には疑問の声が上がっています。
日銀は日本の社会が必要とはしていない道路や橋の建設に、際限も無く多額の出費を強いられるようになるかもしれません。

しかしながら、安倍氏の発言は、株式市場を席巻する結果となり、翌火曜日に若干値を戻したものの、木曜日に日経平均株価を500ポイント押し上げました。
金融緩和が実施されれば値下がりすることになる円相場も、2.5%値を下げ、円安によって恩恵を被る日本の輸出業者を安堵させました。

「ずいぶん時間化がかかりましたが、最終的に変化に対する希望を持つことになりました。」
長年金融緩和を主張し続けてきた、東京の学習院大学の貨幣経済を専門にする岩田規久男教授がこう語りました。
「安倍氏が首相に就任すれば、日銀も自らの牙城を守ることはできなくなるでしょう。」

この首相候補はまだ発言を行っただけで、どのような新たな金融緩和策がとられたわけではありません。しかしこうした対策には、市場の期待が実際の金融政策に先行する場合があるという理解が不足しているとする強い反発もあります。
日銀は火曜日に政策協議を行い、これまでの方針を継続する方針をまとめました。


日本銀行は、実際的なゼロ金利政策、国債などの金融資産を買い入れる基金の拡大、量的緩和を含め、この数年間、再度日本経済を成長させるべく一連の対策を行ってきました。
しかし実際には1998年以来、日本の物価は加工を続け、日本経済はデフレーションの中に入ってきました。
確かに対策は採られてきましたが、日銀はデフレからの脱却を実現させることはできませんでした。
日本のデフレを決定的なものにし、消費者と企業の心理を冷え込ませてしまった、日銀による様々な政策の失敗を、経済学者たちは指摘します。
1999年初頭、日本の経済状況が悪化する中、日銀はデフレの兆候が消失するまで、公定歩合の金利を実質ゼロにする政策を維持すると発表しました。しかし2000年中ごろ、経済が上向きかけた時点で、政策変更はまだ時期尚早だと日本政府が抵抗したにもかかわらず、日銀は金利を0.25%に引き上げました。

こうした早すぎた日銀の対応の背景には、何よりバブルの再来を恐れる、恐怖心理があったのだと批判されました。
1980年代にバブル経済がはじけて以来、日本経済は立ち直りを見せていません。バブル当時、株価と地価はそれ以前の4倍にまで膨らみましたが、景気の停滞が本格化した1990年代には、ほぼバブル以前の価格に戻ってしまいました。

以来日銀は物価上昇に関するあらゆる兆候に対して過敏になってしまい、結果的にこの国がデフレに陥り、そこから長く抜け出せなくなった原因を作ってしまったと、批評されています。
日銀は、ゼロ金利政策を打ち出し、金融緩和策をとるようになった2001年以降ですら、インフレ懸念について度々表明し、その兆候が現れ始めた場合には、直ちに金融引き締め策をとることになるとの警告を行いました。


こうした、いわばおっかなびっくりの金融緩和策が、インフレの芽をことごとく潰すことにつながりました。
日本の消費者は賃金の下落と支出の減少が、いつまでも続くものという感覚を抱くことになりました。
収益の減少を予測する企業の設備投資も落ち込んでいきました。
日銀は可能な限り通貨供給量を増やしましたが、市中の銀行の貸出残高が増える気配は一向に無く、消費も投資も停滞を続けました。
日本はデフレーションの中に沈みっぱなしでした。

「日銀自身が自ら行っている政策に自信が持てない状態で、いったい誰がそれを信じることが出来るでしょうか?」
早稲田大学政治経済学部の経済政策が専門の原田泰(ゆたか)教授がこう語りました。
「人々にデフレが進行すれば大変なことになると納得させることが必要でしたが、インフレーションはすべて兆しが見えただけで終わりました。政策の失敗です。」

日銀が金融緩和策の継続に消極的な態度で臨み、さらには政府からの独立を維持したいと願い背景には、日銀は政府の経済政策のために紙幣を印刷する機関とは見られたくない、という動機があります。

市場が日銀を政府が行う経済政策のために安易に資金を供給しているとみなされてしまえば、政府が抱える公的債務に関する信用不安を引き起こすことになると、日銀側は主張しています。
もしそうなれば政府の資金調達コストが上昇し、日本の財政はヨーロッパのような債務危機に陥るというのが、日銀の説明です。

「我々の通貨政策が、実は公的債務を何とかしようという動機の下に行われているという誤解が広まれば、長期金利の上昇につながり、実体経済に損害を与えて、しまいます。」
火曜日、日銀の白川総裁がこのような懸念を表明しました。


野田首相は20日火曜日、安倍氏が「欠陥のある経済政策」を説いてまわっていると批判しました。
野田首相が率いる民主党は、直近の世論調査で自民党に対する退勢を挽回しつつあります。

金融緩和策では、日本経済の立て直しは不可能だという疑問を呈する人々もいます。
彼等は日本経済の根本、構造的な問題を指摘します。
急速に進む高齢化、硬直した商習慣、産業の空洞化などの問題です。

BNPパリバのチーフ・エコノミストである河野龍太郎は20日、日本の財政赤字について、
「悪化する一方の麻薬中毒患者」と表現しました。
「財政政策あるいは金融政策で、日本にとっての新たな価値を創造することは不可能です。」

しかし安倍氏のような金融緩和政策を強力推し進めようとする人々は、デフレを克服し、日本経済を回復させるためには、投資先としての信用回復がより良い方法だと主張しています。

小規模なインフレが価格を押し上げ、円安が輸出産業の追い風となってその収支を改善させる効果があることに言及した上で、収入が増加し、消費は活性化し、政府は税収が増加すると主張するのは、安倍氏率いる自民党の国会議員、山本厚三氏です。


「基本的にこうした政策は、日銀がこの15年間に行わなければならなかったことです。」
「2、3%のインフレを心配しなければならない理由などあるはずが無いのです。」

しかし、安倍氏があまりに強力な金融緩和策について声高に言い過ぎ、結局投資を呼び込むことに失敗した場合について、金融緩和策を支持する立場の人々も警鐘を鳴らします。
「彼らはこういうかもしれません。『だめだったな、いや、始めからだめだって解ってたんだよ…』、そして一層ひどいデフレがこの国を見舞うことになるかもしれません。」
学習院大学の岩田教授がこう語りました。

「その時こそ日本は、抜き差しならない状況に追い込まれることになるでしょう。」


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この原稿を訳していて、実は途中でやめようかと思いました。
私は金融については門外漢に等しいため、なかなか翻訳がはかどらなかったためです。
しかし訳し終えて、やはり田淵広子さんはさすがだな、と思いました。

私は今回の選挙を迎えるに当たり、自民党の『公約』について、何だか非常に乱暴な印象を受けました。
そしてこの記事を訳し終えて、やはりその印象は間違っていなかったのだな、と感じたのです。
すなわち「無制限の金融緩和策」というのは、イチかバチかの大バクチなのだという事が解りました。

賭けのモトデになるのは私たち国民の生活、そしてこの国の未来です。
賭けに負けたとき、最も悲惨な目に遭わなければならないのは、立場の弱い人々です。
定職のない人々や低所得の人々、母子家庭や父子家庭の方々、高齢者世帯に老老介護世帯、障害者の方や施設で暮らさなければならない子供たち…

古来、弱者に対する視点を失った政治がうまく行ったためしはありません。

塩野七生さんの『ローマ人の物語』に、こんな話が紹介されていました。

ハドリアヌス帝は、市民の話を直接聴くことが多い皇帝だった。
しかしその日は急用があり道を急ぐ皇帝に、一人の寡婦が進み出て、
「私の話を聴いてください。」
と話しかけたとき、
「今日はその暇が無いのだよ。」
と答えた。
するとその女性は
「だったらあなたに為政者たる資格は無い!」
と言い放った。
ハドリアヌスは身をひるがえし、女性の話を聴き始めた。

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【停戦合意を祝うパレスチナの人々】

アメリカNBCニュース 11月21日


21日水曜日、イスラエルとハマスが停戦に同意しました。

140人以上のパレスチナ人、そして5人のイスラエル人犠牲者を出した8日間の戦いがここに終了しました。
ガザ地区では数百人、数千人の人々が通りに出て停戦を喜び合っていました。
イスラエルによる爆撃に代わり、この夜は何発もの花火が夜空を焦がしました。


【 戦争とは何か?! そんなことも解らぬうち、殺されてしまったこどもたち 】

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「暴力を止めさせるため、あなたも声を上げてください」(米国CNN)

トム・ワトキンス / アメリカCNNニュース 11月20日


この地で起きている衝突について最新の正しい情報をあなたに伝え、そして暴力を止めさせるために、あなたにも声を上げていただきたいと考え、現在CNNは多数の要員をガザ、イスラエル、そして周辺の紛争地域に送り込んでいます。
必要な情報を手にするため、CNNテレビとCNN.comをご活用ください。

19日月曜日、ガザ市内にあるシャイフ・ラドワン墓地の屈強な墓堀り作業員たちが、15か所の墓穴を掘ることになり、忙しい朝を過ごしました。
彼等はさらに墓穴を掘ることになっています。

墓穴の一つは5歳のユシフ・アル・ダルーのものです。
彼とその家族8人は、日曜日、自宅にいたとき、イスラエル軍の空爆により殺害されました。

彼らの亡骸はハマスの旗にくるまれ、銃声が鳴り響く中、墓地に向かってガザ市内の大通りを進んでいきました。

祈りの声を上げていた群衆が去った後、その場に残った友人と親せきが静かに冥福を祈りました。


イスラエル当局は、空爆は飽くまでハマスの軍関係者に狙いを絞ったものだと主張しています。

ガザ地区の最大の墓地は、イスラエルとの国境近くの郊外にあるため、葬儀に参加するのも命がけになります。
月曜日に行われた葬儀でも、ダルー家の親戚は、遺体をシャイフ・ラドワン墓地に運び込むだけで精一杯でした。

かつてダルー家があった場所に戻ってみると、葬儀に参列した人々が、エジプトのムスリム同胞団の一派である、モハメド・カタトニ率いる自由正義党の代表団を歓迎していました。
代表団の一人がイスラエルに対する、ガザ地区の子供たちの復讐を誓いました。

紛争に巻き込まれ次々に犠牲になる子供たち、しかし状況を理解するにはあまりに幼すぎる子供たち。

「暴力はエスカレートしていくでしょう。」
18日日曜日に、別のイスラエル軍の攻撃で兄弟を殺されたハマディとだけ名乗った男性が語りました。
この場所の多くの人々同様、彼は戦争には倦み疲れていましたが、状況が一層悪くなることを予感していました。
「イスラエルはこんなものでは納得しないでしょう。」
彼はこう語りました。
「もっと、もっと多くの血が流れるでしょう。」


イスラエルが望んでいるのは、ガザ地区からのロケット弾攻撃の全面停止です。

「今日、116発のロケット弾が、イスラエルに向けガザ地区から発射されました。」
イスラエル国防相のスポークスマンであるアビタル・ライボヴィッチ中佐がCNNにこう語りました。
「決して、穏やかな一日だったとは言えません。」

細長い形状をしたガザ地区は面積はワシントン首都特別区ほどの面積があり、170万の人々が暮らしていますが、目に映るのは巨大地震が襲った後の報道のような、破壊された街の様子です。
がれきの山、もはや息をしていない人間の体…
生き残った人々は泣き叫ぶか、そうでなければ虚脱したようになっています。

しかしガザ市内をがれきだらけにしてしまったのは、自然災害ではありません。
この地の住民たちは、もう6日間もイスラエル軍の攻撃が止むことなく続いていると語りました。

辺りが闇に包まれると、人の姿が消え、静かになった通りとは対照的に、着弾するイスラエルの砲弾、そして発射されるロケット弾、双方の轟音が鳴り響きました。


日曜日の爆発で屋根に手のひらほどの穴がいくつも開いた、通りに面した2階建ての家屋では、2人の子供たちとその家族が暮らしていました。
「幼い子供たちがこの場所、そしてここでもがれきの下に埋まっていました。」
子どもたちの叔母にあたる女性がこう言って、コンクリートのがれきの山を指さしました。
「二人子供は父親と一緒の部屋で、このあたりで寝ていたのです。すると突然、家が崩れ落ちました。私の兄は急いで子供たちの下に駆け寄りましたが、この大きながれきの下敷きになっていたのです。」

2歳と4歳の幼児は、そこに変わり果てた姿で埋まっていたと、彼女が語りました。近くにあったがれきは血で赤く染まり、その場にあった部屋はがれきと土砂に埋まっていました。
ここに居て助かったのは父親だけでした。
爆発があった時、下の階に居た22歳の母親は、黒いヒジャブで目以外を覆い隠していました。
「とてもショックです。」
彼女が話しました。
「信じられません。かけがえのない二人のこどもたちが…。もう生きているのが嫌になりました。」

彼女はハンカチで両目を覆い、そして震えていました。


CNNのスタッフが現地に到着した数時間後の午前1時30分頃、すぐ近くでイスラエル軍の空爆が行われました。
行ってみるとかつてイスラエル軍の攻撃で出来きた大きな穴に、ブルドーザーが新たながれきを落とし込んでいました。

通りを2、3本はさんだ向こう側でも、似たような光景が広がっていました。3階建ての屋根が、地面に投げ出されていました。

数メートル先で、緑のTシャツを着た一人の男性が両手で頭を抱えながら、必死に何かを探していました。
彼は事前に警告を受けていたと語りました。
「イスラエル国防軍から電話があったんだ。」
「でも最初は信じられなかった。すると小型のロケット弾が、ここの屋根に命中した。そしてその10分後に、建物が吹き飛ばされたんだ。」

それまでにこの建物の住民は避難していました。
しかし爆発の衝撃で近所に住む15人が負傷したと、彼が語りました。


これに対しイスラエル軍は、双方がロケット弾やミサイルを打ち合っている状況では、どの被害についてどちらに責任があるかなどという事は、はっきりさせられるはずが無いと語っています。
CNNのスタッフは、ガザ地区から発射されたロケット弾が、近くのイスラム教モスクをかすめて飛び去るのを目撃しました。

海外のメディア数社が共同で使用していたビルもまた、イスラエル軍のミサイルの標的になったものと思われます。
目撃者の話では午後3時20分頃、このビルで3度の爆発があり、3階部分から大きな炎が上がりました。

関係者の話では、パレスチナのイスラム聖戦機構の軍広報部の責任者であるラメス・ハーブを含む2人が死亡し、2人の子供たちが負傷しました。

この建物内に居た報道関係者は退去するよう警告を受け、いったんは避難しました。
しかし数時間たって何も起きなかったため、建物に戻ったところで攻撃に遭遇してしまったのです。
この建物が破壊されたのは、18日日曜日でした。


[ガザ地区に関する資料]
陸地面積: 360平方キロまたは138平方マイル
人口: 約170万人
宗教: イスラム教徒(大部分はスンニ派)99.3%、キリスト教徒0.7%
経済: 農業、零細商店、小規模な工場など。
失業: 40パーセント(2010年現在)

http://edition.cnn.com/2012/11/19/world/meast/gaza-scene/index.html?hpt=hp_c3
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自民党の『政策』が公表され『3年以内に全原発の再稼働を決定する』上、憲法改正をして再軍備を行うという『独自色』を打ち出した、と報道されました。

危険なのは現在の社会に閉塞感を抱き、「何でもいから世の中変わってほしい!」と願う若年層が引きずられてしまう事です。
昭和30年代に生まれた私は、成長期にほぼ毎日ベトナム戦争の報道があったため、戦争がどれ程悲惨なものなのかを日々学びながら成長しました。
そして戦争が終わったら終わったで、アメリカでは戦場後遺症に苦しむ人々が多数生まれ、ベトナムではアメリカ軍が散布した枯葉剤のおかげで、多数の奇形児が生まれてしまいました。

しかし今の日本のマスコミは中国や韓国の『脅威』については事細かに報道する一方、世界で実際に行われている戦争の実態を報道することについては、あまり積極的ではありません。
私は【星の金貨】の関係で、毎日世界の主要メディアの報道内容をチェックするのが日課になっていますが、この点が際立った違いになっています。

自民党の『政策』、さらに続けます。
金融緩和を徹底的にやって日本経済を活性化すると言いますが、以前『徹底して金融緩和』した際には、金利の低さに目をつけた海外資本が日本から資金を借り出し、これを使って世界各地でバブルを演出し、100兆円とも言われる資産を作り出しました(水野和夫著『金融帝国大崩壊』)が、日本国内では実業とはかけ離れたマネーゲーム・ブームとなり、実業の下で働く市民生活は改善されず、かえって格差社会の拡大につながった(神谷秀樹著『強欲資本主義 : ウォール街の自爆』)のは、記憶に新しいところです。
その後、このバブルがはじけ、ヨーロッパはその後遺症から立ち直れずにいます。

また例によって『公共投資を積極的にやって』景気の底上げをする、と言っていますが、世界はケインズ流の経済政策によって好景気がもたらされるという、『大きな物語』はすでに終焉してしまっている、と言われています。

さらに法人税の大幅減税により世界の企業を日本に呼び込む、と言っていますが、これなど噴飯ものの最たるもの。
日本は日常の場で英語がほとんど通じないという点だけでも、非常な困難が伴います。
ちなみにアムステルダムに世界のハブ空港があるオランダの人々は、公用語はもちろんオランダ語ですが、アメリカ人、イギリス人相手には英語、ドイツ人相手にはドイツ語を操れる人が国民の半数を超えると言われているのです。
ハード、ソフト、諸条件が揃わなければ世界の企業が日本に進出するなど不可能ですし、進出して来たら来たで、それが大勢の日本人の雇用につながるのでしょうか?そして、中小企業や地場産業の発展につながるのでしょうか?

そして軍備の増強。
日本がそれをやれば、中国などもまた「やり返して」来るでしょう。
結果、中国を相手に軍拡競争などを始めてしまったら、恐ろしい勢いで国費が費やされるのは目に見えています。
アメリカの主力戦車であるM1A2エイブラムズは8億6千万円、日本の自衛隊の90式戦車は約9億円。自衛隊が次期主力戦闘機に予定しているロッキードF35は一機約100億円、ステルス戦闘機一機235億円、ステルス爆撃機に至っては一機3,274億円、こんごう級イージス艦は1,244億円です。
(『兵器価格総覧』 http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/weapon-price-sai-axx.htm )

人口13億以上、GDPで追い越され、さらに年率5%以上の経済成長が続く相手と軍拡競争を始めて、どうやって国庫の破たんを防げるのでしょうか?

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[動画『逃げるチャンスも、隠れる場所も無い』アメリカNBCニュース 11月20日]
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【 停戦への願いも空しく、死んでいった人々 】

アメリカNBCニュース 11月21日


イスラエル軍の空爆により死亡した2人の少年の遺体を抱いて、通りを行く人々。彼らの父親もまた、殺された。
11月20日、ガザ市内北部。


ハマスのロケット弾が着弾し、破壊された住居から脱出しようとする男女。イスラエル、ベエルシェバ。


イスラエルの空爆により犠牲になった人々の葬儀に参列する人々。イスラエル軍は20日までの7日間で市内100か所以上の目標に空爆を加えている。11月20日、ガザ市内。


ハマスが発射したロケット弾の着弾に備え、身を伏せるユダヤ教徒の伝統の服装をした男性。11月20日イスラエル、ベエルシェバ郊外。


国連が運営する施設に身を寄せるパレスチナの子供たち。イスラエル軍は空爆の際、子供たちを逃がすよう勧告するリーフレットを空から散布した。11月20日、ガザ市内。


道をゆく、葬列を見守るパレスチナ人の子供たち。11月20日、ガザ市内北部。


ハマスが発射したロケット弾の着弾地点から、子供を抱いて避難させるイスラエル兵。イスラエル、ベエルシェバ市内。


破壊された家の前に立ちつくす、パレスチナの少年。11月20日、ガザ市内。

【 アノニマス集団、イスラエルに『サイバー戦争』を宣戦布告 】

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イスラエル国内のサイトに、4,400万件のサイバー攻撃

ジョンD.サッター、アメリカCNNニュース 11月20日
※アノニマスの本来の意味は『匿名の』。ここではインターネット上で、政治的意図をもってハッカー活動をする集団のこと。



デジタル時代には、戦争は地上で行われるとは限りません。
イスラエル政府は、先週ガザ地区に空爆を開始してから、総計4400万件を超えるサイバー攻撃を受けたと、18日日曜日に発表しました。

アノニマスの名で知られるハッカー集団は、イスラエルのいくつかのサイトをダウンさせたり、パスワードを流出させるなどのサイバー攻撃を行い、パレスチナの人々に対してイスラエルが行った「野蛮で、残忍で卑劣な行為」に関し、その非を鳴らしました。

イスラエル情報省のカルメラ・アヴナー長官は日曜日に開かれた記者会見で、現在イスラエルは3正面作戦を余儀なくされている、と語りました。
「第1が現実の戦闘、第2が世界のソーシャル・ネットワーク上での戦い、そしい第3がサイバー攻撃です。」
「ハッカー集団は現在使用されているイスラエル政府の各ウェブサイトに対し、つながりにくくするよう攻撃を仕掛けています。現在ガザ地区で起きているような衝突があると、こうしたサイバー攻撃が増え、攻撃の内容もエスカレートする傾向にあります。このようなわけで今回もまた、私たちは政府関係のコンピューターシステムを守るため、重要な戦いを行っています。」


イスラエルとハマスの軍事部門は、相手の残虐性を訴えるためあらかじめ用意された写真を、ソーシャルメディアを使って拡散したとして、双方とも批判を受けています。先週の14日水曜日に始った暴力の応酬によりイスラエルでは3人が死亡、パレスチナ側の犠牲者は100人に上っています。

サイバー攻撃の有効性については、様々に取りざたされていますが、イスラエル側は今回の攻撃のほとんどが失敗に終わっていると語りました。

イスラエルのユーバル・スタインニッツ財務長官は、書面で以下のように声明を発しました。
「私たちは現在、この数年間取り組んできたコンピューター防御システムの開発成果を享受しています。しかしそのために費やした時間と労力は膨大なものでした。」

ロイター通信によれば、今回の攻撃では、ひとつのウェブサイトが10分間だけダウンしました。


これに対しアノニマス側は650に上るイスラエルのウェブサイトのリストを公表し、いずれもダウンさせるか、内容の毀損を行ったと主張しています。
「彼らはいくつものウェブサイトをダウンさせ、データベースを削除してしまい、そして関係者の電子メールアドレスやパスワードを流出させました。」
16日金曜日、ケイシー・チャンが技術系のサイト、ギズモード(Gizmodo)にこう記しました。
「とんでもない、攻撃の成果です。」

月曜日の朝、ツイッター上にアノニマスによる一本のフィードが流されました。
別のハッカー集団が、マイクロソフトが運営するイスラエル版の多数のサイトを破壊したと伝えていました。この中には、Bing、MSN、Skypeなどが含まれています。
月曜日の朝、Bingを利用しようとしたイスラエル国内の利用者は、そこに検索エンジンの代わりに反イスラエルのスローガンがでかでかと掲載されているのを目の当たりにしました。


この件についてマイクロソフト社の広報担当者が電子メールで、以下のようなコメントをCNNに寄せました。
「マイクロソフトはサイトの毀損状況と、修復すべき内容について把握しています。現在完全復旧のための作業を続けています。」
「現時点においては、顧客情報が流出したという事実は把握していませんが、状況に応じて適切な手を打って行くつもりです。」

アノニマスグループに関係するサイトには、新たな脅迫メッセージが掲載されました。

「2012年11月は、イスラエル国防軍、同インターネット・セキュリティ部門、そしてイスラエル政府にとって、忘れることが出来ない月になるだろう…」

外部の専門家はこれを、デジタル・ウォーズがエスカレートする兆候だと見ています。
「いまや彼らの戦いは、ジャンク・データの洪水をあふれ返らせて、目的のサイトにアクセスできなくする『接続妨害』戦術を越えてしまいました。彼等にとって侵略可能なサイトに手当たり次第にアクセスし、そこにあるイスラエル当局者、あるいは協力者の個人情報を流出されるという戦術に転換したのです。」
アンディー・グリーンバーグがフォーブス誌にこう書きました。


一方、別の専門家はこれまでのアノニマスによる脅迫は、そのほとんどが『はったり』に過ぎなかったと語りました。
「かつてはネット世界にその才能と団結力を誇示したアノニマス集団も、現在はそれ程でもなくなりました。彼らの一番新しい取り組みであったオンライン十字軍の運動も、さほどのことも無く立ち消えとなっています。」
19日月曜日、サム・ビッドルがギズモード(Gizmodo)にこのように記しました。
「これはサイバーウォーズというよりは、他にも同調者が現れ、ハッカー攻撃がエスカレートするように扇動するための、プロパガンダの一つでしょう。」

ハッカーグループは、今回のキャンペーンを『#OpIsrael』(イスラエル作戦#)と呼んでいます。

ギズモードとは別の技術系サイトの次世代ウェブ(TheNextWeb)には、こう書かれています。
「イスラエル政府がほぼ間違いなくデータベースの復帰夕作業を行っていると考えられることから、今回のアノニマスによる攻撃が、いつもの大量のデータを送りつける単なるばか騒ぎ以上のものであることが想像できる。」
「『#OpIsrael』は複数のハッカーが、現実世界に被害を及ぼすことを意図しているように見受けられる。
サイトの表示が不可能になった際に表示される『404エラー』、少なくともそれ以上の結果を求めていることは確かである。」

イスラエル軍の空爆にさらされるガザ市内。11月18日。


グリーンバーグはフォーブズ誌の記事の中で、アノニマスによる攻撃を、中東で実際に人命が失われていく戦闘と比較しています。サイバー攻撃は主張は明らかではあっても、実際に人間の肉体を傷つけることが決して無い点が重要だと述べています。

「もちろんアノニマスによる攻撃を、ガザ地区におけるイスラエル、パレスチナ双方の血で血を洗う抗争と比較することはできません。」

http://edition.cnn.com/2012/11/19/tech/web/cyber-attack-israel-anonymous/index.html?hpt=hp_c1
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【拡大し続けるイスラエル・パレスチナ間の暴力】

アメリカNBCニュース 11月19日


パレスチナ側からのロケット弾攻撃が続く中、コンクリート製の退避壕の中で妹を抱きしめる少女。11月19日イスラエル、アシュドット郊外。


イスラエル軍の空爆により犠牲となった人々の、合同葬儀の様子を見守りながら涙を流す、ガザ地区のパレスチナ人の女性たち。11月19日、ガザ地区。

自分たちが通う大学をイスラエル軍に破壊された大学生たちが、門の残骸を抱えて抗議している。
11月19日、ガザ地区、ビルザイト大学。


イスラエル軍の空爆により、自宅を破壊されてしまった女性。11月19日、ガザ地区。


パレスチナ側からのロケット弾攻撃で自宅を破壊された女性。11月16日イスラエル、アシュケロン郊外。

http://msnbc.msn.com/id/49836828/displaymode/1247?beginSlide=1

一度始めてしまったら、『都合のいいところで』でなど終わらない!それが暴力の応酬

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ガザ地区への『イスラエル軍の全面侵攻』いつでも可能: ネタニヤフ首相

アメリカNBCニュース 11月18日
(掲載した写真はクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

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(ビデオ)この4日間のイスラエル軍の容赦ない攻撃により、すでに50人以上のパレスチナ人が死亡し、数百名が死亡しました。
そして、エジプト当局はイスラエルとパレスチナの抵抗勢力との間の休戦を成立させるべく、調整を続けています。
イスラエル、パレスチナ、双方とも戦闘準備は整っていると語っていますが、エジプトの仲介による和平の成立が待たれます。
NBCのアイマン・モヘルディンがお伝えします。

テルアビブ、イスラエル
イスラエル空軍によるガザ市内への空爆が続く中、ネタニヤフ首相は18日日曜日、ガザ地区に対する大規模な軍の投入準備が完了したと語りました。

18日の閣僚会議でネタニヤフ首相は
「イスラエル国防軍はガザ地区においてすでに1,000以上のテロリストの拠点目標を攻撃しました。」と、語りました。
「我々はハマスとテロリストの集団に対し、高い代償を支払わせるつもりです。イスラエル国防軍はいつでも、同地区に対する全面侵攻が可能です。」
しかし首相は地上軍の侵攻について特に言及することは無く、最後までこの話題には触れませんでした。


パレスチナの医療当局は18日日曜日、ガザ地区におけるイスラエル軍の空爆により、女性と幼い子供を含む12名が死亡したと伝えました。

一方、アメリカのオバマ大統領はイスラエルの国土と国民を守る権利を支持するが、イスラエル軍の地上からの侵攻については懸念を表明しました。
「これ以上ガザ地区における戦闘が拡大しないよう、和平が達成されるのであれば、もちろんその方が望ましい。」
オバマ大統領はこのように語りました。
「イスラエル軍の地上侵攻は、ガザ地区の人々にとっては何としても避けたいものでしょう、一方、イスラエル軍部隊にとっても死地に飛び込むことになり、死亡、あるいは負傷という事態が避けられず、決して好ましいことではありません。」

▼ 巨大な爆発音

イスラエルのアイアンドーム防空システムのミサイルが迎撃に成功した瞬間


イスラエルの経済活動の中心地であるテルアビブに向け発射されたロケット弾のうち、少なくとも2発がイスラエル軍のアイアンドーム防空システムにより迎撃に成功したと、目撃者、そしてイスラエルの防空当局がコメントしました。
NBCのポール・ゴールドマンも、テルアビブの中心めがけて飛来したロケット弾1発を、イスラエルの迎撃ミサイルが撃墜したのを目撃しました。
「私は身を隠した途端、巨大な爆発音を耳にしました。」
ゴールドマンがこう語りました。
「空を見上げると、爆発の閃光が走るのが見え、火薬のにおいが鼻を刺しました。」

イスラエル軍は地上からの侵攻に備え、ガザ地区に対する空爆と艦砲射撃を続けていますが、エジプトは休戦について『若干の可能性』が無い訳ではないとの見解を持っています。
「南部における騒乱が止み、ロケット弾やミサイルによるイスラエル市民に対する攻撃、そしてガザ地区からのテロリストによる脅威が無くなれば、我々はあえて地上侵攻までは行わない。」
イスラエルのモシー・ヤーロン副首相は、ツイッターでこのようにコメントしました。

空爆の後のガザ市内北部


NBCのモヘルディン特派員は、イスラエル軍の攻撃による被害が、ガザ地区のいたるところ広範囲に拡大している、と伝えました。
「イスラエル軍による空爆は、計算性の高いもののように見受けられます。とにかく、人口密度の高い地点を狙い撃ちにしているのです。」

18日のイスラエル軍の空爆では3階建ての建物が破壊され、少なくとも12人が死亡したと、パレスチナの医療当局が明らかにしました。
ガザの医療担当官のアシュラフ・アル・キドラ氏によれば、死亡者の内、4人が女性、4人が幼い子どもたちであると語りました。

イスラエル軍の攻撃は、パレスチナ側の軍関係の指揮官たちを狙い続けられています。

11歳の息子の亡骸を抱いて泣き崩れる、英国BBC放送現地職員のパレスチナ人男性。


キドラ氏によると、今回のイスラエル軍の攻撃ではすでに75名が死亡、うち32名が一般市民です。負傷者はすでに600名を超えています。

一方ガザ地区から発射された500発以上のロケット弾がイスラエルに着弾し、市民3名が犠牲になり、多数の負傷者が出ています。

▽ ジャーナリストにも負傷者

フランスのAFP通信によると、18日夜間、イスラエルの軍用機がテレビ局を攻撃した際、6人のジャーナリストが負傷しました。
攻撃されたのはイスラエルがハマス寄りと見ているアル・クズのテレビ局であると、目撃者が確認しました。
スカイ・ニュース社も18日午前5時ごろ、同社のスタジオとオフィスがあるビルにミサイル2発が撃ち込まれた、と伝えました。
またアル・アラビアも、同社のオフィスが攻撃されたと伝えました。


これについてイスラエル軍のスポークスマンは、ハマスがテロ活動を行うために利用しているアンテナが設置された建物に対する攻撃を行った、と発表しました。

イスラエルは14日水曜日、実質的にガザ地区を支配し、イスラエルとの和平を拒否しているハマスの軍司令官を、軍用機によるピンポイント攻撃により殺害しました。
イスラエル軍はガザ地区で実現を目指すものは、徹底した兵器削減とハマスによる境界線を越えてのロケット弾攻撃の根絶である、とこの数年宣言し続けています。

カイロでは、エジプトのモハメド・モルザイ大統領の代理がハマスの指導者たちと、イスラエルの仲介を行っていますが、以下のようにコメントしました。
「停戦をすぐにでも実現させられる可能性であるとの、兆候はあります。しかし、実現できるかどうかの保証はできかねます。」


エジプトはイスラエルとハマスの間で、これまでも停戦協定を成立させてきましたが、今回の軍事衝突により破られてしまいました。
パレスチナの当局者は休戦に関する協議が現在もカイロで続けられ『成立の望み』はあるものの、合意に達することができるかどうか判断するのは、早計に過ぎると語りました。

一方、エルサレムではイスラエルの当局者は、交渉内容に関してのコメントを拒否しました。
イスラエルの軍関係者は、今度こそガザ地区からのロケット弾攻撃の根絶を目指すための、戦いの準備はすでに整っていると語りました。
イスラエルは2000年前後からこの攻撃への対応に苦慮し、その都度和平会談が頓挫してきました。

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(ビデオ)NBCのマイク・ヴィクエイラとマーティン・フレッチャーが中東で進行中の危機について、最新の事情を報告します。さらにイスラエル軍のガザ地区に対する地上侵攻が迫っている今、米国が果たすべき役割について検証します。

国連の外交問題担当者がバン・キムン事務総長が、和平実現を後押しするため、今週カイロとエルサレムを訪問する予定であると明らかにしました。

▼ 地上攻撃


国境線に沿って戦車部隊と大砲を配備し、イスラエルは地上侵攻を行うかどうか検討を行っている最中だと語りました。
ガザへの攻撃を行う地上部隊の要員を、現在の倍の75,000人規模まで拡大するため、すでに16,000人の予備役の兵士に対して招集がかけられました。

地上戦の可能性について尋ねられたイスラエル軍のタル・ラッソ少将は、「可能性はある。」と答えました。
「すでに作戦計画の作成完了まで、そうですね、もう少し時間が合かかります。もうすこし待つ必要があります。それは1日や2日ではありません。」

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(ビデオ)NBCのリチャード・エンゲルが、激しさを増す暴力の応酬について報告します。

イスラエル側にロケット弾を撃ち込むパレスチナ側、そしてハマスが権力を掌握していることの象徴である首相官邸や警察署を攻撃するイスラエル。

人口が密集するガザ地区への攻撃をあえて行い、膨大な犠牲者を出すことになるのかどうか、2か月後に大統領選挙を控えるイスラエルのネタニヤフ首相にとっては、大きな賭けになります。


前回、2008年末から2009年新年、3週間にわたり行われたイスラエル軍のガザ侵攻では、パレスチナ側に1,400人の犠牲者が出ましたが、そのほとんどが一般市民でした。
イスラエル側の死者は13人でした。

http://worldnews.nbcnews.com/_news/2012/11/18/15252420-netanyahu-israel-prepared-for-significant-expansion-of-gaza-operation?lite
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この話題をあえて選んだ理由は、やはり日本の総選挙です。
今回の選挙では「徴兵制」「軍備増強」「憲法改正」などを謳う勢力にばかり、焦点があてられているような気がします。
選挙直前になって、維新の会と太陽の党が「合流」しましたが、これなど日本の軍備強化という点では一致しているタカ派勢力が、選挙後「大同団結」する布石ではないか、と個人的には考えたりしています。

もともと「軍備増強」「憲法改正」を訴えてきた自民党総裁と幹事長。
「徴兵制」導入を主張する維新の会、そして新たに維新の会の代表に就任した人物は、日本の核兵器装備を訴えてはばかりません。
この人物が選挙後どこかの段階で自民党と維新の会の、「合流」の「ハブ - hub」になる可能性があるのではないか、と個人的に思うのです。
もちろん、具体的根拠の無い、個人的な「勘」に基づく話です。

彼らに共通するのは、今回取り上げた報道、そして報道写真が伝える『戦争の現実』に極めて無頓着である点です。
なぜかこの人たちは、たとえば下の写真の爆発の中心に自分や自分の家族がいる、という事を想像できないらしいのです。

ガザ市内に対するイスラエル軍の空爆


戦争すれば一般市民にどれだけの災厄が降りかかるか?!日本人はその究極を広島や長崎で体験させられたはずなのに…
もちろん日本がガザやイスラエルのようなことになったら、この人たちは自分たちだけは核攻撃にも耐えられるような掩蔽壕に身を隠し、そこから「徴兵」した国民に対し、右へ行け、左を攻撃しろ、と命令するつもりなのかもしれませんが…

一度書いたと思うのですが、パレスチナの人々は、イスラエル人がパレスチナ人1人を殺すたび、その報復に3人殺してやる、と誓うそうです。
一方イスラエル人に犠牲者が出れば、イスラエル軍は直ちに報復に動きます。
こんな応酬を始めてしまった以上、この地に平和が訪れることなど容易なことではありません。

中国の台頭を理由に、日本の軍備強化を煽る勢力。
しかし13億(ただしこれは『戸籍を持つ人口』であって、実数は14億とも、15億とも言われています)の人口を持ち、経済規模もすでに日本を上回る中国を相手に、たとえ「限定戦争」であっても、始めてしまっらどんな結果が待つのか、責任を持てるのでしょうか?

「弱腰外交」をしろ、と言っているのではありません。
しかしアメリカ人と中国人は、世界の中でも群を抜いてタフな相手です。
「オレは核兵器持ってるぞ、バックにはアメリカもいるぞ。」
そんな喧嘩はやめた方がいい、と言っているだけです。
アメリカ人も中国人も心から日本人の味方などしない、その代り、利害が一致すれば協力し合える、それだけのことです。

日本は様々な高度工業技術を持っていましたが、日本企業が野放図に中国国内に進出した結果、その大半を模倣されてしまった、ということがありました。
韓国企業には、次々と技術者を引き抜かれ、これも技術の流出につながりました。

こうしたことに無為無策でありながら、憲法改正、軍備増強、徴兵制復活で日本が何とかなるのでしょうか?

民主党は「官僚制打破」を訴える小沢一郎氏を先頭に戦い、そして政権を獲っておきながら、その後は小沢氏の失脚に動き、今や自民党以上の官僚主導政治を出現させるという、国民に対する痛烈な裏切りをやってのけました。

今回の選挙について私が言いたいこと、それはとにかくこの手の「ダマシ」に2度とあわないよう、お気をつけください、という事。

そのためには政党ではなく、人間を選ぶ、政治家として資質を見極める、そのことがとても大切だと思っています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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