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核燃料デブリ、放射性物質スラッジ、放射能汚染水 – 世界で最も危険な核廃棄物が未解決のままあふれ返る福島第一原発

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福島 - 放射能パンデミック - 世界に汚染を広げる放射能汚染水の海洋投棄
福島第一原発の事故発生から10年間、メルトダウンした核燃料に水をかけ続ける以外、本質的解決につながることは何もできなかった東京電力

               

                

マンリオ・ディヌッチ / グローバルリサーチ 2020年11月5日

                 

新型コロナウイルスとは無関係であったため、このニュースはほとんど見過ごされていました。
日本は、福島第一原子力発電所から海洋中に100万トン以上の放射能汚染水を排出するための準備を進めています。

                   

日本を破滅に縁に追い込んだ2011年3月11日の出来事は東北地方東日本沿岸を襲った津波によって引き起こされ、原子力発電所が水没した結果、3基の原子炉の炉心が溶け落ちました。

               

                  

福島第一原子力発電所は、高さ10~15メートルの津波が襲う可能性のある地域内であるにも関わらず、海抜わずか4メートルの海岸に建設され、それを守るのは高さ5メートルの防波堤でした。

                    

それに加え、原子力発電所の管理方法について民間企業である東京電力は重大な過失を犯していました:津波に襲われた肝心なタイミングで安全装置が作動しなかったのです。

                     

事故後、メルトダウンした核燃料を冷却を続けるため、何年もの間地下水をくみ上げて原子炉を冷却する作業が続けられてきました。
くみ上げられた地下水は放射性物質を多量に含んだ放射能汚染水となり、福島第一原発内の1000基を超える大きなタンクに貯蔵され、累計で123万トンに達しています。

                    

東京電力はさら多くのタンクを建造中ですが、2022年半ばまでには設置スペースがいっぱいになってしまう予定です。

                  

                  

しかし東京電力はメルトダウンした原子炉の冷却を続けるために今後も水を汲み上げ続ける必要があり、政府との合意により、これまでに蓄積された汚染水から放射性物質を取り除くためろ過処理を行った後、海に排出することを決定しました(ただし、どの程度の量になるかは不明です)。
これは30年以上続くとされる事故収束・廃炉作業の一環に組み入れられます。

                   

さらには福島第一原発では除染フィルターに蓄積した放射性物質を大量に含むスラッジ(ヘドロ)が数千の容器に保管されていることに加え、汚染された土壌やあらゆる種類の放射性物質が多種多量存在します。

                   

すでに東京電力も認めている通り、原子炉3号機でのメルトダウンはとりわけ深刻です。
3号機の原子炉にあったのは二酸化プルトニウムと二酸化ウランとを混ぜてプルトニウム濃度を高めたMOX燃料であり、これは通常使われる核燃料よりはるかに放射能が強く、不安定な特徴を持っています。

               

                

福島第一原発やその他日本国内で使われていたMOX核燃料は、日本から送られた核廃棄物を使用してフランスで生産されたものです。
グリーンピースはプルトニウム核燃料を1万キロメートルという長距離輸送を行うことに起因する危険性について、かねてから非難していました。

              

さらにグリーンピースはMOX核燃料の利用推進はプルトニウムの抽出が容易になる上、ウラン開発の一連の流れにおいて核物質の民間利用と軍事利用との間には明確な境界線が無く、結果的に核兵器の拡散を後押しすることになると非難しました。

                   

2015年の推定ではこれまでに、世界で約240トンの軍事目的用プルトニウムと2,400トンの商業用プルトニウム(濃度を上げることによって核兵器製造が可能)が蓄積されており、さらに軍事目的の約1,400トンの高濃縮ウランが蓄積されています。

                 

プルトニウムは数百キログラムで地球の77億人の住民に肺がんを引き起こすことが可能です。
さらにプルトニウムは、人間が約1万世代交代する間、即時に人を殺すことができる毒性を保ち続けます。
このように地球上の人類を壊滅させてしまうだけの量のプルトニウムがすでに存在することが確認されたのは、歴史上初めてのことでした。

                   

                

広島と長崎への原爆投下。
大気中、海上および地下での2,000回を超える核爆発実験。
広島に投下された原爆100万発以上に相当する核弾頭の製造。
核兵器に関連する多数の事故、および民間および軍用の原子力発電所に関連する事故はすべて、何億人もの人々に影響を及ぼす放射能汚染を引き起こしました。

                  

WHO(世界保健機関)によって記録されている世界人口年間約1,000万人の癌による死亡、その一部はこれらによって引き起こされた放射線の長期的影響に起因するものです。

                   

WHOのデータによると、新型コロナウイルスCovid-19は10か月で世界中で約120万人の死者を出しました。
その危険性を過小評価すべきではありませんが、マスメディア、特にテレビが福島第一原子力発電所から100万トン以上の放射能汚染水放射性水が海に放出されるということを詳細に伝えようとはしなかったという事実を正当化するものでもありません。

                    

放出された放射能汚染水が食物連鎖に入り込めば、癌による死亡者がさらに増加することになるのです。

                     

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今から10年以上前、東北大学の工学部に入学した長男が私に、何気なくこんな話をしました。
「大学にある実験装置で、平面のスリットに1メートル間隔で穴を開け、片方の穴めがけて中性子を一個放射すると、別の穴にも中性子が通過した痕跡が残る。でも現代の科学ではその理由を説明することはできないんだ。」
つまり人類は放射線の正体について、まだまだ雑にしか把握していないということなのだ、そう私は理解しました。

                   

しかしそれからわずか数ヶ月で福島第一原子力発電所の事故が発生しました。
そしてそれから10年。
東京電力がその間何をやったか『科学的に客観的に』見てみれば、
溶け落ちた核燃料の周囲にひたすら水を注ぎ込む。
その結果放射能に汚染された水を貯めるタンクを延々と作り続ける。
そして散乱する放射能に汚染されたがれきを少しずつ片付けはしたものの、どこにも持って行きようがない。
そのどこに人類史上最も危険な物質である溶け落ちた核燃料を安全に廃棄処分するという計画的プロセスがあるというのでしょうか。
核燃料が再び臨界点に達しないようにするという一点だけを見ても、地下水を注ぎ込む以外、どんな『有効な解決策』も実現できずにいる。
それが日本の電力会社の現実なのです。

                         

にもかかわらず安倍政権の下で、日本国各所で原子力発電所が次々と再稼働を果たしました。
しかも私達から徴収している電気料金から、巨額の費用を捻出して…
一方では原発事故被災者の中には、なお一層厳しい境遇に追い込まれている人々もいる。
何もかも、たった10年が過ぎたからといって黙認して良い話ではありませんよ。

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