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再生可能エネルギーは、経済苦境に喘ぐEUの中で唯一といって良い成長分野・ 2012年、原発39基分の発電量を実現

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【ヨーロッパの風力発電事業の最新事情】
風力発電はEU全体のエネルギー安全保障と環境保護に大きく貢献、緑の産業界の雇用を創出、技術輸出も実現
次々と再生可能エネルギー発展のための、法整備を進めるEU

ポール・ホッケノス / アメリカAOLエナジー 10月23日


欧州連合(EU)の官僚機構の評判は、その官僚主義的なやり方により形無しです。
しかし事、風力発電事業となると、特に洋上発電については、この10年間順調に成果を上げ、域内で行われている事業の中でほぼ唯一予想を上回る成長を続けており、急成長の観すらあります。
欧州では経済危機が進行中ですが、その中のわずかな例外として、風力発電事業が発展を続けています。発展の背景にはEUでは二酸化炭素排出規制などの、国家的規模での環境規制が行われていることも挙げられるでしょう。

EUの風力発電事業の躍進を表すものとして、まず挙げられるのが発電量の増大です。
今年、EUの風力発電事業は、100ギガワット発電を実現するという、ひとつの節目を迎えました。
この発電規模は39の原子力発電所の発電量、あるいは7,200万トンの石炭による火力発電量に等しいものです。

ブリュッセルに本部を置くヨーロッパ風力発電協会(EWEA)によれば、これによりEU全域の電力総需要の7%を供給できるようになりました。


「最初の10ギガワットをEUの送電網に送り込むまでに、20年の歳月を要しました。」
ヨーロッパ風力発電協会(EWEA)のCEOクリスチャン・ケーアがこう語りました。
「しかし、さらに90ギガワットを追加するのには、13年しかかかりませんでした。そしてEUの風力発電能力の半分は、この6年間で達成されたのです。」
同協会の試算によれば、欧州域内の5,700万世帯が一年間に消費する電力を、風力発電だけで賄っていることになります。

欧州の風力発電事業のけん引役はドイツ、スペイン、そしてイギリスです。
ドイツの風力発電は陸上に設置された風力タービンが主体で、その総発電量は30ギガワット、これを上回る規模で風力発電を世界で行っているのは、アメリカと中国だけです。
この発電量はドイツの総需要電力の11%を賄います。
これに対し、デンマークでは総需要の17%が、スペインでは26%が風力発電によりまかなわれています。
デンマークとイギリスは、洋上発電の潜在能力の効率的活用に成功した数か国間中の代表的存在です。
「風力発電は欧州内にたくさんある再生可能エネルギー資源の、一部を活用したに過ぎませんが、それだけでEU全体のエネルギー安全保障と環境保護に大きな貢献をしているのです。それに加えて、緑の産業界の雇用を創出し、技術輸出も実現しました。」
ケーア氏はこのように語りました。

▽ 達成までの道のり、困難が伴うのは当たり前


欧州の風力発電事業が成功するまでの道のりは、決して容易なものではありませんでした。

10年前までは石油石炭による火力発電、そして原子力発電に特化した大企業が欧州市場を独占していました。
そして風力発電や太陽光発電のような再生可能エネルギー事業の新規参入に対しては、執拗に妨害を繰り返していました。
多くの欧州市場では、ドイツのような国でも、国策会社やひとにぎりの大企業が市場を独占していたのです。
こうした状況が変わり始めたのは1998年のことで、旧弊な大企業独占市場が自由市場へと少しずつ形を変えて行きました。
こうしてEUは京都議定書を始めとする、地球的規模の環境保護を経済社会の中で実現する動きをリードすることになり、温室効果ガスの排出問題などについても、世界の世論の主流を創り出しているのです。

その中で重要な役割を演じたのが2001年と2009年のEUの議決でした。
2001年の議決は、環境への負荷が少なく、エネルギー安全保障にも貢献できる再生可能エネルギー発電設備建設に対し、資金援助を行うための仕組みを作りました。
さらに8年後の2009年には、2020年の排出規制の実現を法的に規定したのです。

加盟国再生可能エネルギー行動計画は、加盟各国の達成状況について、2年ごとの検証を行う事を定めました。


2020年の目標は、EU加盟各国が以下の条件をクリアすることを求めています。
▼ 再生可能エネルギーの発電割合を20%にまで高める
▼ 電力使用量の20%削減
▼ 二酸化炭素排出の20%の縮小
加盟国再生可能エネルギー行動計画は、欧州全体では2020年には再生可能エネルギーによる発電割合は34%に達し、うち風力発電は14%を担うことになっています。
再生可能エネルギーに対する様々な支援、そしてEU市場を統合したことも、こうした取り組みを可能にするため、重要な役割を演じたものと考えられます。

「今や再生可能エネルギーに関する野心的な目標が、EUの政治機構の中心に据えられています。」
ヨーロッパ風力発電協会(EWEA)が昨年公表した報告書は、このように結論づけました。
「EUが加盟国、そして域内全体で野心的な目標をいち早く採用したおかげで、欧州の企業は風力発電技術において世界をリードし、また世界市場において最大のシェアを獲得することになるでしょう。」

▽ 加盟各国のさまざまな取り組み


この方針決定について、加盟各国のそれぞれの受け止め方は、もちろん異なっていました。
たとえばドイツでは、EUの方針は風力発電や太陽光発電以上に、開発について国の政策に大きく依存していたバイオ燃料の分野にも、大きな影響を与えました。

「EUが採用した行動指針は、バイオ燃料に相当な影響を及ぼしました」
と、ドイツ最大の研究機関であるマックス・プランク研究所のフェルディ・シュース博士が説明しました。
「しかしドイツにおける主流は、2000年に施行された国内の再生可能エネルギー法により、やはり風力発電と太陽光発電になるでしょう。」

それでも尚、EUの首脳陣と風力発電に重きを置く加盟各国は、2030年の達成を目指す野心的な目標の達成について、心配しています。
ドイツ、デンマーク、スウェーデンなどの国々は、すでに国内電力需要の20%以上を再生可能エネルギーによって賄っています。
「2020年以降の成長を確実なものにするため、さらに法整備を進める必要があります。」

2012年の初頭、EUがこう表明しました。
「再生可能エネルギーの発展を、しっかりと支えていく必要があります。」


欧州のこうした意気込みは、初期投資を必要とする野心的な目標を達成しようという、一時的なムードに終わることは無いでしょう。
なぜなら欧州の再生可能エネルギー事業は、今やしっかりと基礎固めをし、前進を続けているからです。

http://energy.aol.com/2012/10/23/the-business-of-wind-energy-in-europe
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あれだけの事故を引き起こしておきながら、尚も原子力発電にしがみつく勢力が大手を振ってまかり通っている日本を、世界はどう評価しているのか、そして私たちはこの現実にどう向かい合うべきなのか?

日本と違い、地震などまず起きるはずの無いドイツはなぜ、あのように決然と原子力発電所の廃止を決めたのでしょうか?
それはこれまでドイツ国民が、福島第一原発の事故が発生するはるか以前から、反原発、脱原発運動に取り組んできたからだという事が、各国の報道を見て理解できました。
そしてこうした運動を支えたのが、事実を包み隠さず国民の前に明らかにする報道や政府機関の広報でした。

これとは対照的に、私は日本の権力機構(政府機関、政治家、マスコミ権力など)は国民が自ら考え、自ら決断を下すことを、極度に恐れているのではないか、と考えています。
そのことが先月、自民党の幹事長が「原子力発電を止める、止めないなどと言うことは、国民に決めさせていい問題では無い」と発言したことに、端的に表現されていると思います。
そんな大切なことは、オレたちの『専決事項』だという事でしょうか?

自分たちの国の方針を自ら「決めさせてもらえない」ような国民は、民主主義国家の国民ではありません。
利用され、使われるだけなら、民主主義国家の国民では無いと思います。

面倒でも考える、億劫でも機論する、今日本の人々に求められているのは、そういう事ではないでしょうか?

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【 勝利の瞬間、世界のウェブサイトはどう伝えたか?】

アメリカNBCニュース 11月7日


アメリカNBCニュース『勝利を得たオバマ大統領「最高の時代はこれからやってくる!」』

バラク・オバマ米大統領の再選は、7日、多くのニュース・ウェブサイトのホームページのトップを飾りました。
各社から派遣された多数の記者たちが、シカゴで行われたオバマ大統領の就任演説を伝えましたが、その報道の仕方は実にさまざまでした。
ロシア・タイムズとCNNは同じ写真を選びましたが、それ以外のサイトはすべて異なる写真をメインに据えています。
あなたのお気に入りは、どのホームページでしょう?


ニューヨークタイムズ『オバマ大統領のための夜・選挙戦の優勢を保つ、得票数は拮抗』


米国FOXニュース『さらに4年間。勝ったのはオバマ大統領』


アメリカABCニュース『アメリカ合衆国大統領。オバマ氏が勝利』


アメリカCNNニュース『まだまだ、やらなければならないことがある。新たな任期、変わらぬ課題』


アメリカCBSニュース『さらなる4年間』


ワシントンポスト『第2期』


アルジャジーラ『勝利者オバマ大統領、胸を張って未来を志向』


ザ・ガーディアン(英国)『最高の時代はこれからやってくる!』


ハフィントン・ポスト『ビバ、オバマ!』

【 欧州大手、原発建設事業から次々と撤退 】

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[イギリス国内4か所の原発建設、ドイツ大手が事業を売却]

ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 10月30日


ドイツの大手電力企業のE.onとライバル企業であるRWEは共に、イギリスでのホライゾン原子力発電所建設事業を、日本の日立グループに売却しました。
あまりにも高額になりすぎた建設費用に懸念を深めたドイツの企業は、イギリス国内に原子力発電所を建設するという冒険的事業からの撤退を決意したのです。

ホライゾン原子力発電所は8億6,000万ユーロ(860億円)で、日本のエレクトロニクス企業である日立グループに売却され、11月末までに契約手続きが完了すると、E.onとRWEが10月30日火曜日に明らかにしました。

ドイツの2大電力会社であるE.onとRWEは、イギリス国内に4基から6基の原子炉を建設する目的で、2009年に5対5の割合で、企業連合を立ち上げました。
原発建設が予定されているのはウィルファ、アングレシー、オールドベリー、そしてグルーセスターシャーです。

RWEの代表取締役であるペーター・テリウム氏は、建設費用が180億ユーロ(1兆8,000億円)と見積もられ、これ程建設費用が膨らんでしまったのでは、利益を確保できる見通しが立たない、と語りました。
「これ以上原発建設に関する金融リスクを取ることはできない事、そして原発事業の今後の見通しが悪化している事。この2点から、我々は原子力発電事業への投資をストップします。」
テリウム氏はこう付け加えました。

▽ 冒険的事業への参加者と、契約を交わした日立グループ

英国のバブコック・インターナショナル、同ロールスロイス、そしてカナダのSNCラヴァリン社の3社が、日本の巨大エレクトロニクス企業である日立が行う事業への参加を希望したため、合意書を取り交わしたと、30日火曜日日立が声明を発表しました。
日立は同時に、最初の原子力発電所が2020年代半ばに稼働を開始する見込みであると発表しました。

日立はさらに、電力事業を開始すれば10%にわずかに欠ける利益を得る見通しであり、新たな雇用創出の実現を約束しました。
技術者の養成のための投資には特に力を注ぎ、英国内の建設チーム、原子力発電の運営スタッフも養成すると語りました。

伝えられるところでは、ドイツ国内でそれぞれ原子力発電所を運営する電力事業大手であるE.onとRWE2社は、今回の取引からおよそ1億ユーロ(100億円)の利益を上げました。

2社は現在、共に負債を減らし、今後は再生可能エネルギー事業者への転換を進めるため、本業に影響を与えない範囲において、子会社の整理・売却を進めています。

http://www.dw.de/german-power-giants-sell-off-uk-nuclear-joint-venture/a-16342994

[フィンランドの原発建設、ドイツ最大手が株式の売却を発表]

ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 10月24日


ドイツのE.on電力事業グループは、フィンランドの原子力発電所新規建設事業について、企業連合の株式の持ち合い分も含め、その権利一切を売却すると発表しました。
この動きは同社の原子力発電関連事業の見直しに沿ったものです。

E.onと、その子会社E.onノルディック社は、両社が所有しているフェノボイマ – 2009年に設立された、フィンランドに新たな原子炉一基を建設するための企業連合体– の株式の34%に相当する持ち分すべてを売却すると、10月24日水曜日発表しました。

E.onの北欧における事業責任者のジョナス・アブラハムソンは、今回の決定はフィンランド国内の投資を回収し、その分をスウェーデンとデンマークに集中させる方針転換のひとつとして決定されたものだと語りました。
「我々はフィンランド国内の事業に見切りをつけ、すべての資産の売却を開始しました。」
アブラムソンはこう語り、売却資産の中には天然ガス開発会社のガスムの株式20%も含まれると、付け加えました。

フェノボイマ企業連合のこれからの持ち株割合については、すでに話し合いが進行中であったため、原発建設に必要な60億ユーロ(約6,000億円)に上る建設資金は確保されると、E.onと並び株主であるフィンランドの鉄鋼会社のオウトクンプが声明を発しました。

フィンランド公共放送のYLEの取材に対し、オウトクンプの代表取締役であるミカ・セイトヴァータ氏は、同社は今後も原発建設に関与し続けると、返答しました。

E.onは今年3月には、ドイツのライバル企業であるRWEとともに、イギリス国内での原発建設事業からの撤退を決めています。
撤退の主な理由として、同社は原発の建設費の予想を超えた高騰をあげています。

ドイツ最大の電力会社であるE.onはドイツ国内で複数の、そしてスウェーデンで1基の原子力発電所を運営しています。

しかしながら2011年3月に福島第一原発で原子力発電所事故が発生すると、ドイツ政府は直ちに国内の老朽化した原子炉の停止を命じたために、E.onの収益は低下していました。

さらに、ドイツ国内の原子力発電所を段階的に廃止し、2022年までに原子力発電をゼロにするドイツ政府の方針決定により、E.onは発電手段を再生可能エネルギーへと切り替えるため、事業計画を大幅に見直すことになりました。

http://www.dw.de/eon-dumps-nuclear-project-in-finland/a-16328836

[ドイツの電力事業、原子力発電の段階的廃止問題を克服]

ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 8月13日


ドイツの電気事業会社のE.ONは、原子力発電の段階的廃止という国家の政策と、原油価格の高騰により、2011年は赤字に転落しました。
しかし今年に入り、上半期、莫大な利益を計上しました

2011年の末まで巨額の赤字を計上し続けた後、ドイツ最大手の電力事業者であるE.ONは、2012年上期、その収支を大幅に改善しました。
ドイツ最大手の電力事業会社は2012年の上期実績について、純利益が31億ユーロ(3,100億円)と前年同期と比較し、大幅な増益を実現しました。
全同期比で23%の増益、収入総額は654億ユーロに達しました。
「この実績を可能にしたものは、電力事業の新たな分野に挑んだ結果、得られたものです。」
代表取締役のヨハネス・ティッセン氏が声明の中でこう述べました。

今年度の著しい収益回復に大きく貢献したのは、ロシアのガスプロムとの長期に渡る低価格での天然ガス供給の契約でした。
「粘り強い交渉により、12億ユーロの利益がもたらされることになりました。」
2011年の原油価格の高騰により、多くの顧客が失われた経験を生かし、同社はロシアから有利な価格的条件を引き出すことに成功したと、ティッセン氏がつけ加えました。

さらに同氏は、ドイツ政府が原子力発電を段階的に廃止していく措置についても、その損失の影響は一年限りのものに留めることができたと語りました。
E.ON社はドイツ政府の決定により、利益を上げ続けていたにもかかわらず、イーザル1号とウンターヴェッサー、2か所の原子力発電所を廃炉にせざるを得ませんでした。

http://www.dw.de/german-power-supplier-overcomes-nuclear-phase-out-dent/a-16162446
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【 勝敗の行方を見守る人々】

アメリカNBCニュース 11月6日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)


ニューヨーク市ロックフェラーセンター


ニューヨーク市タイムズスクエア


ジョージア州アトランタのオバマ大統領支持者


マサチューセッツ州ボストンのロムニー候補支持者


イリノイ州シカゴのオバマ大統領支持者


ドイツ、ベルリンのアメリカ大使館内


イギリス、ロンドンのアメリカ大使館内


そしてこの人。背中を見せているのはもちろんミッシェル夫人。


この人も。


そして、勝利。イリノイ州シカゴ。


そして敗北。マサチューセッツ州ボストンのロムニー候補選挙対策本部前

福島第一原発、信じられない程、莫大な量の放射能汚染水

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【 限界が近づいている!福島第一原発施設内、高濃度汚染水の保管問題 】

アルジャジーラ 10月25日


もはや機能していない福島第一原発で、破壊された原子炉の冷却に用いられた、高濃度の放射性物質に汚染された莫大な量の水の保管に、東京電力が苦慮していることを、同社の汚染水対策班の責任者が明らかにしました。

福島第一原発の敷地周辺には、オリンピックプール50杯分の水を貯蔵できる、巨大な貯水タンクが数百基建設され、原子炉を冷却するために使われた約200,000トンの汚染水が保管されています。

東京電力はすでに周囲の木を片っ端から切り倒し、タンクを設置するための敷地の確保を行っていますが、汚染水の量は今後3年で現在の3倍の600,000万トンを突破するものと見ています。
「汚染水の保管容量は限界に近づいており、時間との戦いになってきました。残された保管容量はごくわずかしかありません。」
東京電力の汚染水対策班の責任者である岡村雄一氏が今週、AP通信の取材に対し、このように答えました。

事故をこれ以上深刻なものにしないためには、メルトダウンした原子炉に大量の水を絶え間なくかけ続ける以外、方法がありません。
岡村氏は、原子炉建屋の最上階、地上50メートルの高さにある使用済み核燃料プールに注水するため、死に物狂いで方法を探った日々の事を覚えています。

使用済み核燃料プールに水が無くなってしまえば、核燃料はオーバーヒートしてメルトダウンを起こし、はるか遠くまで死の灰を拡散し、何百万という人々に被害を与えることになります。


核燃料を冷却し続け、それぞれの原子炉を安定した状態にしておくための措置は、別の大きな問題を引き起こしました。

破壊された原子炉から漏れ出し、建屋の地下、そして周辺の施設に溜まり続ける高濃度の汚染水をどう処理するか、という問題です。
「その時点で、高濃度汚染水がタービン建屋にまで漏れ出すという事は、想定していませんでした。」
岡村氏がこう語りました。

岡村氏たちは冷却水として使用した汚染水から放射性物質を取り除き、再び冷却水として使用できるようにするシステムを作り上げることを課題として与えられました。このシステムはこれ以上の施設内の汚染を防ぎ、作業員たち、そして環境へのダメージを食い止める目的がありました。

まず最初に東京電力は汚染水を原子炉近くの貯蔵タンクに保管する作業を行いました。


▽ 汚染水

その一方、55名からなる岡村氏のチームは、汚染水から放射性物質を除去するシステムを制作しましたが、岡村氏によれば通常なら完成まで2年かかる作業を、事故発生後3カ月で着工から稼働までを行いました。

この装置のおかげで、東京電力は冷却水の再利用が可能になりました。

しかしいくら再利用が可能になったとはいえ、原子炉の亀裂から原子炉建屋内とタービン建屋に冷却水が漏れ出し、このため汚染水の増加はとどまることなく続いています。
岡村氏のチームは、11月には東芝グループの技術を使った、新しい汚染水の浄化システムを稼働させることにしています。
「ALPSシステムによって浄化された汚染水を、さらに浄化することにより、すべての汚染物質が規制値以下のレベルにまで浄化されることになる予定です。」

しかし、こうしている間にも、原子炉の施設から地上に汚染水が漏れ出すことを防ぐ手立ては無いために、汚染水を保管するタンクは次々に一杯になっていきます。


原子力技術者で大学講師の後藤政志氏は、増え続ける汚染水の問題は、人間の健康、そして環境に対する長期に渡る脅威となり得る、と語りました。
後藤氏は、この汚染水が福島第一原発の施設の排水溝などから地下水脈に入り込み、さらには海中や公共の水道水などにも入り込んでしまう事を懸念しています。

「約10,000トンから20,000トンの汚染水が、それぞれの原子炉の核燃プール内に溜まっています。その他にも大量の汚染水が、この福島第一原発の施設にはあり、もしそれらを一か所にまとめると、その量は数十万トンもの量になります。それを見たら、いったいどう処理すればいいのか、誰だって動揺せずにはいられないでしょう。」
後藤氏は最後にこうつけ加えました。

「とにかく信じられない程莫大です。まったくもって莫大な量の汚染水が貯まり続けているのです。」

溶けた核燃料をはじめ、放射能で汚染されたすべての破片などを取り除かない限り、福島第一原発は汚染水の問題に取り組み続けなければなりません。
このプロセスだけで、優に10年はかかるものと見られています。

http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2012/10/2012102510561941251.html
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この問題と、使用済み核燃料(高放射性核廃棄物)の問題をスルーして、原子力発電の継続など許されるはずがありません。
あたりの木をどんどん切り倒し、汚染水をつめた巨大なタンクを次々に設置していく。
しかし、どんどん水をかけ続けなければ、福島第一原発はこれまで以上の大災害に向けて暴走する。
そして高濃度の汚染水の『生産』が果てしなく続く。

これが『冷温停止状態』の真実です。

この真実を、日本国民の何パーセントが認識しているでしょうか?

福島第一原発の事故が始まったばかりの頃、海外の専門家などが指摘する『可能性』を口にすると、
「風評を煽るな!」
と責められました。

しかしその後、海外の報道機関や研究機関、そしてフェアウィンズやセイフキャストなどの市民運動グループが少しずつ事実を明らかにしていき、『可能性』は事実であった事が判明していきました。
それにより、「風評を煽るな!」などという叱責が、蒙昧であるが故の感情論である事が明らかとなり、口にする人はいなくなりました。

今度は『冷温停止状態』という言葉の一人歩きにより、福島第一原発の現場で淡々と、着実に事故処理が進んでいるかのような『錯覚』を持っている人が数多くいる事でしょう。

この記事が伝える『真実』も、一人でも多くの人に伝えていかなければならないと思っています。

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【 嵐の後の子供たち 】

アメリカNBCニュース 11月5日


マンハッタン・ビーチに近いブルックリン地区で、学校にたどり着くため、倒れた木を乗り越える母と息子。11月5日は、ハリケーン・サンディ襲来から一週間、学校再開初日になりました。
11月5日、ニューヨーク。


マンハッタン・イーストヴィレッジ小学校で、5年生の子供たちとハリケーン・サンディについて議論する女性教諭ミリー・ラミレス。
イーストヴィレッジでは多くの子供たちが被災した。
11月5日、ニューヨーク。


自身のハリケーン・サンディの体験について描く、イーストヴィレッジ小学校5年生の生徒。


イーストヴィレッジ小学校に到着した親子

「ぞっとするような眺め」、鳴り響く線量計、振り切れる針

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【「真実の危険は知らなかった…」福島第一原発の作業員】

アメリカCBSニュース 11月1日


津波によってメルトダウンが起きた福島第一原発では、汚染された冷却水の危険性を知りながら、東京電力は適切な防護措置も取らず、正しい情報提供も行わず、緊急作業員を現場に送り込んだと、元作業員が告訴理由の中で述べました。

この元作業員は、危機的状況にあった事故直後、原子炉3号機の事故対応にあたった6名の契約雇用による作業員の中の1人で、東京電力の対応により、放射線による健康被害を受けてしまったと語りました。

事故当時の作業員が、当時福島第一原発で何が起きていたかを、公の場で明らかにするのは珍しいことです。
彼は自分の名が『シンイチ』であることだけを明かし、AP通信の取材に応じました。

46歳の『シンイチ』は、事故当時の行動について、以下のように語りました。
暗闇と恐怖が支配する身の毛もよだつような現場で、あふれだした高濃度汚染水の中をヘッドランプひとつでかき分けるようにして進んでいきましたが、防護ブーツを通してさえ、汚染水の暑さが伝わって来ました。
「とんでもない状況でした。人間を送り込んでよい場所では無かったのです。」

3月24日、彼を含めて6人のチームは、電源ケーブル敷設のため3号機の地下部分に送り込まれたのです。
3号機は10日前に原子炉建屋が爆発を起こし、大量の放射性物質を環境中に放出していました。
彼らの任務は、過熱している核燃料プール内に冷却水を送り込むため、ポンプの電源を復旧させることでした。


彼は、東京電力とその第一次下請会社は、汚染された水が施設内のいたるところにあることを、作業員たちには伝えなかったと主張しています。

こうした『シンイチ』氏の告発に対し、東京電力の一杉よしみ氏は、福島第一原発の敷地内の他の場所で汚染水の存在が懸念されてはいたものの、3号機の地下にもそれがあるとは予測できなかったと、主張しています。
『シンイチ』氏の被ばく線量は、この日だけで政府が定める法定限度の半分を超えてしまい、直後から福島第一原発での作業を止めなければなりませんでした。

『シンイチ』氏は彼の家族が嫌がらせを受けたり、彼自身が事実と違う事を語っている、またはトラブルメーカーとしての汚名を着せられる恐れがあることから、取材に関しては顔写真の撮影を行わないことを条件に取材に応じました。

10月30日に彼は福島の労働基準監督局に刑事告発を行いました。
内容は、東京電力の安全対策に違反があったことを認めた上で、改善命令を出すよう求めています。
また、6か月以下の懲役または500,000円以下の罰金を定める労働安全衛生法に基づき、彼を直接雇用した会社を告発しました。

『シンイチ』氏の雇用主である東京電力の下請け会社は、3月中に彼を福島第一原発の現場で働かせることをやめ、待機を命じました。
彼は現在、ホットスポットと呼ばれる、福島県内の汚染がひどい場所で、除染作業員として働いています。

「私はこうした不当な取り扱いについては、告訴する充分な理由があると考えています。告訴に踏み切った理由は以上です。」


3月24日朝、『シンイチ』氏のチームは福島第一原発の危機管理センターに集合し、その日の作業について指示を受けました。
彼らは防水加工された防護服の下に、さらに2重構造の防護服を身に着け、チャコールフィルター付きのフルフェイスの防護マスク、そしてゴム手袋を二重に装着しました。
作業員はそれぞれ携帯型の線量計を身に着け、警報を前日検出された放射線量の40倍にセットしました。
この時、放射線量の増加については、それほど急激なものは予測していなかったのです。
しかし実際の放射線量は400ミリシーベルトでした。
この量は致命的ではありませんが、一時的に白血球数を減少させるのに十分な被ばく線量です。

3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、福島第一原発の3基の原子炉でメルトダウンが発生し、大量の放射性物質が放出されました。
過熱している原子炉に対し何トンもの水が送り込まれましたが、それは直後に高濃度汚染水となって漏れ出し、原子炉建屋の地下や他の施設に漏れ出していったのです。


『シンイチ』氏はこの時受けた簡単な指示を覚えています。
すぐに原子炉建屋一階と地下の、制御盤の電線をつなぎなおすように。
放射線量が少しばかり高くなっているだろうが、問題というほどではない。
「汚染水については、何も触れられていませんでした。」

そのため、作業用ブーツを選ぶ際、膝まである長いブーツを履いたのは2人だけで、残る4人は短いものを選んだのです。

行く手を照らし出すものと言えばヘルメットにつりつけられたヘッドランプのみ、そんな状態で彼らは壁に開けられた穴から原子炉建屋の中に入っていきました。
電動ドアなど動くはずもありませんでした。
『シンイチ』氏と2人が1階で待機している間、2社の異なる下請け会社によって派遣された作業員3人が地下へと降りていきました。
何気なく下を見ると、白い湯気を立てている水面が見えました。
そしてめちゃくちゃになった機器の部品、そして壊れた建物の破片が落ちていました。


「ぞっとするような眺めでした。」
『シンイチ』氏が語りました。
「原発で働く人間なら知っていますが、床にたまった水は最悪の状況の象徴なのです。決して触れてはならないものなのです。」

線量計が鳴り響きました。最大値を検出したら5回警報音を鳴らすように設定された線量計は、原子炉建屋に入ってから度々短い警報が鳴っていましたが、この時も警報が鳴ったのです。
数秒間のためらいがありましたが、結局3名の作業員は地下に降りはじめした。
その時線量計の警報がけたたましく鳴り響き、そして静かになりました。
それはその場の放射線量が、計測可能な値を超えてしまったという合図でした。
しかしチームのリーダーは、きっと誤作動に違いない、と話しました。
地下に進んだ三人は、くるぶしまである水をかき分けながら、制御盤までたどり着くと点検を済ませ、再び1階に戻ってきました。
彼らは地下に溜まった水が、ゴム製のブーツを通しても暖かく感じた、と話しました。

他の任務を与えられた別のチームは、『シンイチ』氏のチームを無視し、何もせず現場を飛び出しました。放射能がきわめて危険な値に達していることを、線量計が警告していたのです。


しかし『シンイチ』氏のチームはそこに留まり、水浸しの地下をさらに奥へと進んで行ったのです。
ただちに命に関わることはありませんでしたが、短いブーツしか履いていなかった2名の作業員は、両脚にベータ線(放射線)による火傷を負いました。
最も長くこの場にとどまった3名の作業員は180ミリシーベルトの被ばくをしていました。政府が7月に定めた年間被ばく限度量の、ほぼ4倍の被ばくをしてしまったのです。
『シンイチ』氏は短いブーツしか履いていないことを理由に、地下に降りてぶら下がっているケーブルの結束作業を行うことを拒否し、長いブーツを着用していた2人が代わってこの作業を行いました。
おかげで『シンイチ』氏は、放射線火傷を免れることができたのです。

東京電力のスポークスマン吉田まゆみ氏は、この時のチームリーダーは現場から撤退しなかった理由について、非常に重要な任務を担っていると考えたので、あえてそこに留まったが、床に溜まっていた汚染水についてはもっと注意深く対処すべきだったかも知れないと、後に東京電力の職員に語ったことを明らかにしました。
さらに東京電力は、施設内の予期せぬ状況について、さらに慎重に状況判断をすべきであったと、付け加えました。

結局『シンイチ』氏が13日間福島第一原発で作業した間の累積被ばく線量は20ミリシーベルトで、『ただちに健康に対する悪影響は無い』とされましたが、彼自身は安心しているわけではありません。

他にも原発作業員の問題を取り扱っている『シンイチ』氏の顧問弁護士は、東京電力とその下請け最大手である関電工は、『シンイチ』氏とその同僚5名の作業員を、許容限度をはるかに超える放射能に汚染された現場に、防護が不完全なまま送り込んだと指摘しました。


『シンイチ』氏の顧問弁護士、山添拓氏はこう語りました。
「きわめて危険な現場に作業員を送り込んだこと自体違法である上、著しく高い放射線被ばくの危険にさらしたことも労働安全衛生法に違反しています。」
「たとえ東京電力が対利用の鳳雛作業を行った結果、現場がどうなっていたのか予測できなかったにしても、作業員の安全確保のための意識に欠けていたことは事実です。」

『シンイチ』氏が経験したことは、きわめて過酷な状況が続く福島第一原発の現場で、不十分な防護策しか施されず働いている作業員の中でも、特異なものです。
しかし何段階もの下請け、孫請けによって作業員が雇用されている今の体制では、作業員に事故が発生した場合に、責任の所在が曖昧にされてしまう可能性があると、山添弁護士が指摘しました。

国会独立調査委員会、政府事故調査委員会、そして民間の調査委員会による報告書は、この件について、東京電力の危機管理能力の欠如、緊急時対応の訓練不足、そして監督官庁との不適切な関係について、批判しました。
このうち国会独立調査委員会は、3号機の地下で作業員2名がベータ線やけどを負ってしまった件について、東京電力は原子炉に対する放水・散水を行えばどのような影響があるか、そもそもの始めからこれを厳重に監視すべきであったとの、結論を出しました。


『シンイチ』氏は福島第一原発で働いていた当時、5歳になる息子の2次的被ばくを最小限にするため、帰宅すると言えに入る前に着ていた服をすべて脱ぐようにしていたと話してくれました。
彼は着衣を洗濯機に放り込むや否や、すぐに風呂場に飛び込むようにしていました。

福島第一原発の他の作業員の人々も、皆同じように心配していると、『シンイチ』氏が話しました。
「私は満足に教育を受けていませんし、年齢もすでに40歳になりました。選択の余地は無いのです。」
彼がこう話しました。
「私は今、打ちのめされています。私は一生懸命働きましたが、家族と子供が犠牲になってしまいました…。これが私という人間の、人生の結末なのです。」

http://www.cbsnews.com/8301-501712_162-57539827/ap-interview-japan-nuke-plant-water-worries-rise/?tag=mncol;lst;9

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ここに語られていることに、『重い』などと言うありきたりの表現を使うべきでは無いと思いました。
最後の一言に、この『シンイチ』氏という方が、どんな思いで福島第一原発の現場で危険を押して働いていたかが表現されています。
働くのなら一生懸命取り組まなければならないというひたむきさ、家族と子供のためにという愛情。

ちょうどこの原稿をアップする準備をしている時、NHKのクローズアップ現代で、福島第一原発作業員の方の特集番組を放映しました。
その待遇があまり恵まれたものではないと感じました。
今福島第一原発の現場で身を挺して働いておられる作業員の方の取り組みが無ければ、この日本はどうなるでしょう?

故郷と住む家を追われた100,000人を超える原発難民の方々もまた、信じがたいほどの悲劇に見舞われました。

人間なら当たり前の『生きていくための願い』を、信じられぬほど大規模に、情け容赦なく、破壊しつくしたのが福島第一原発の事故でした。

この【星の金貨】でも数々の海外記事を翻訳・ご紹介する中で、どれ程多くの方々の悲劇を見てきたことか…

「監視・規制が問題というより、原子力発電そのものが問題」( http://kobajun.biz/?p=4337 )というフェアウィンズのサイトに掲載された原稿の中の言葉が、今さらながら思い浮かびます。

いま大飯原発の活断層を巡る報道で、原子力規制員会の『見解』がどうなるか注目を集めています。
でもちょっと待ってください、こうした報道に『慣らされて』しまうと、原子力規制委員会の存在を受け入れ、やがては原子力規制委員会を成立させている日本の原子力発電体制も、『仕方ないもの』として心のどこかで容認することにはならないでしょうか?

いくらでも人間の悲劇を生み続ける「原子力発電そのものが問題」、この意識を忘れないようにしたいと思っています。

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【えっ、誰がキュリオシティと一緒にいるの?!】

アメリカNBCニュース 10月31日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

ご覧いただいているのはNASAの火星探査車キュリオシティを、1メートルほど離れた場所から撮影した写真のようです。
えっ、でもちょっと待ってください。
一体だれが撮影したのですか?

答えはキュリオシティ自身です。
キュリオシティと高度な技術を持った画像処理の専門家による作品なのです。
原子力を動力に6つの駆動輪で動き回るこの移動式研究所の写真は、火星のGlenelg(グレネルグ)と名づけられた場所で、10月31日に撮影されたものです。

キュリオシティから伸びた長さ2.1メートルの火星画像採集装置 - Mars Hand Lens Imager(MAHLI)という名のロボットアームの先に取り付けられたカメラが、撮影した画像を組み合わせて合成された写真です。

MAHLIの主要な役割は、火星表面の様子を顕微鏡の精度で撮影すること、たとえば砂の粒子の形状の確認することなどです。
しかしスマートフォンのユーザーが自分の写真を撮影するようにして、キュリオシティが自分の姿を撮影することも可能なのです。

キュリオシティが自分で撮影した『自画像』はどんなものなのか、火星のゲールクレーターに着陸して一カ月が過ぎた9月に、最初の一枚が送られてきました。
この時からサンディエゴに本拠を置くマリン・スペース・サイエンス・システムズとNASAのジェット推進研究所のMAHLIチームのプロジェクトは大きな一歩を踏み出したのです。

同様の作業をアマチュアのレベルで行っているのが『無人宇宙飛行サイト.com』(UnmannedSpaceflight.com.)です。
このサイトは、宇宙における無人、すなわちロボットによるミッションの愛好者が集うサイトで、NASAが提供・公開した原版の写真から自由にイメージを膨らませるコーナーがとりわけ人気を誇ります。
時にはアマチュアの方が先に『完成画像』を作り上げてしまう場合があります。写真を合成し、発表するに至るまでの面倒な手続きを、アマチュアならきちんと守る必要はありません。

冒頭の写真はキュリオシティの司令塔部分に焦点を合わせ、オハイオ州のエンジニア、ジョー・ナップが合成したものです。


この魚眼レンズで撮影したような写真は、イギリスの教育者で天文学者のスチュアート・アトキンソンが、NASAが公開した火星での写真を合成して制作したものです。
写真の断片を組み合わせて作ったため、ロボットアームの痕跡が、黒い影となって画面に残り、気味悪く感じるかもしれません。
「ちょっと完成を急ぎ過ぎたかもしれません。でも黒い影もそんなに気にならないでしょう?NASAの公式写真では無いにもかかわらず、いい出来だと思いますよ。」
アトキンソン氏がこうコメントしました。


そしてこの一枚が、今日初めてNASAが公開した『公式』第一版の写真です。
MAHLIが撮影したサムネイル・サイズの写真を組み合わせてつ作り上げました。
高解像度版、つまり完成版はまだ公開されていません。
マリン・スペース・サイエンス・システムズのマイケル・キャプリンガーが、『無人宇宙飛行サイト.com』の同好の氏たちに対し、少しばかり自重するよう求めています。
「とりわけこのプロジェクトに関しては、キュリオシティの着陸前から、慎重に準備を進めてきました。」
キャブリンガー氏がこう口説きました。
「アマチュアの皆さんのスクープ合戦により、私たちが重ねてきた苦労が色あせてしまわないよう願うばかりです。」

キャプリンガー氏の16年間に及ぶ苦労の積み重ねを思えば、同情を禁じ得ません。
しかし一方ではやはり、これらのアマチュア作品も皆さんにご紹介せずにはいられません。

皆さん、高解像度版のNASAの『公式』画像が公開された暁には、ぜひNASA火星探査サイトを開き、そのプロの技を堪能していただきたいと思います。

「市民自らが立ち上がり、放射能汚染の真実を明らかにする」セイフキャストの活動

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所要時間 約 11分

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放射線からスモッグまで、市民のため数値を明らかにする

ディラン・ウォルシュ/ニューヨークタイムズ 10月19日

セイフキャストの測定によって明らかになった、福島第一原発事故の汚染実態


小さな非営利組織であるセイフキャストは、福島第一原発の事故後、広範囲に及ぶ日本の都市部で大気中の放射能汚染の問題が深刻化する中、事故の教訓が求める行動を実践に移しています。
ナイト財団から40万ドル(3,200万円)の資金提供を受け、セイフキャストは放射能を速成するための線量計を独自に開発し、分刻みで各地の放射線量を測定して公表しています。
この線量計はどこででも手に入る部品によって構成されており、近くロス・アンジェルスでもこの器械を使った測定が始められることになっています。

セイフキャストの取り組みは、昨年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを起こし、たくさんの人々に放射線被ばくの危険性が迫った時に始められました。


「私には日本にたくさんの友人がいるのです。」
セイフキャストの共同設立者であるジョン・ボナー氏がこう語りました。
福島第一原発の事故後の混乱の中、
「人々は情報を手に行けることができなくなりました。電話回線は完全にパンクし、どんな事態が進行しているのか、全く分からないままにされてしまったのです。」

世界各国の選りすぐりのデザイナー、エンジニア、実業家、そしてハッカーたちが彼の下に参集し、ボナー氏は友人たちのネットワークを介して必要な情報を集め、これを誰もが簡単に確認することができるよう公開することを構想しました。
彼らはすぐに手分けして、関係機関の情報入手を次々試みましたが、必要とするデータは存在していませんでした。


「必要な情報が結局はどこにも存在しない、そのことが解る前から私たちは、各地の放射線量を計測するため、どこにでも持って行けるガイガーカウンターの制作に取り掛かっていました。」

こうしてセイフキャストは誕生しました。

ガイガーカウンターによる測定を続けるうちに、『放射能同様、実に様々な問題が』大気中、そして環境中には存在していることが明らかになってゆき、セイフキャストはこれらの問題にどう向き合うべきなのか、そのことについても考えざるを得なくなったと、ボナー氏が語りました。
セイフキャストによる測定が行われる以前に存在していたデータは、権利が存在し、誰もが利用できるようにはなっていませんでした。おまけに時間的にも、数値的にも、数回分が平均化されて1つのデータにされてしまい、結果的に不正確な、信頼性の乏しいものになっていました。


具体的にご説明しましょう。
ロス・アンジェルスの南部海岸大気観測地域では、1万平方マイル内に1,600万人が暮らす場所に35か所の観測地点が設けられ、遠隔操作により大気中の汚染物質の測定を1時間ごとに行っています。
しかし公表されるデータは、8時間ごとの平均値でしかありません。
設置されるセンサーの数と測定頻度は、アメリカ政府が一定の面積と時間について定めた運用基準に沿ったものです。
セイフキャストは測定すべきエリアを大幅に拡大し、1分ごとに観測データを公表するという、これまでとは比較にならない程充実した調査、発表を行おうとしているのです。
「私たちは測定装置を数多く持っています。そして得られたデータは、完全に公開するつもりです。」
ボナー氏はこう語り、次のようにつけ加えました。
「うまくいけば、そこで使われることになる測定装置の数は、我々自身が制作する数をはるかに上回ることになります。」

ナイト財団でジャーナリズムとメディア革新について研究を続けるジョン・ブラッケン氏( http://www.knightfoundation.org/staff/john-bracken/ )は、セイフキャストが手掛けている取り組みの底流には、コンピューターのハッキングとDIYの文化があると語りました。
「セイフキャスト内の多くのグループが、ソフトウェアが持つ機能を、ハードウェアの機能として実現させてしまっているのです。」
「見事な実績です。」

『最新の科学技術を市民運動の強力な武器として提供する』セイフキャストの取り組みについては、ブラッケン氏は感動すら覚えると語りました。


日本において、政府機関などが公表する放射線量などのデータに対し、多くの人々が疑いを解くことができませんでした。
そこに現れたセイフキャストは、今や日本国内に400万を上回る測定地点を設定しています。そして、ボランティアの人々が正確なデータを採取することにより、公表される著しく透明性の高いものとなり、人々の信頼を得ることになりました。

セイフキャストはナイト財団から資金提供を受けて、測定機器の開発研究を行っています。
このため完成した測定機器の設計・製作方法は、誰もが無償で利用できるようになっています。
このためこれから始まるロス・アンジェルスでの測定には、誰でも参加することができます。

最終的にボナー氏と彼のチームが望んでいるのは、ロス・アンジェルスでの取り組みがきっかけとなり、世界中で市民の手による環境監視、そして環境保全が実現することです。
ナイト財団はそのコンテストで、セイフキャスト以外の5つの団体にも資金援助を行う事を決定しましたが、得られた研究結果を市民が自由に利用できるよう、公開することを求めています。
ナイト財団によればこの結果881本のプログラムが提供され、そのほとんどがインターネットで入手可能になっています( http://www.knightfoundation.org/ )。

「今日、私たちが取り扱わなければならない情報の量は、実に膨大ですが…」
ブラッケン氏がこう語りました。
「しかしその一つ一つをきちんと検証することを、誰かがやらなければならないのです。」

http://green.blogs.nytimes.com/2012/10/19/from-radiation-to-smog-numbers-for-the-public/
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【子供たちの手に可能性を運ぶ、オーケストラの指揮者】
[メイキング・ア・ディフエレンス / この世界を変えて行く!]

アメリカNBCニュース 10月17日


今夜も新しい[メイキング・ア・ディフエレンス]のストーリーをご紹介ことにしましょう。
新たな道を切り開く一人の女性のお話です。
彼女は次世代を担う子供たちに、クラシック音楽の素晴らしさを伝えたいという熱意を抱き、クラシック音楽などまるで頭に無かった子供たちに、チャンスを提供しています。
ロス・アンジェルスからダイアナ・アルバーがお伝えします。

リポーター: 初めてバイオリンに触れる、この小さな手をご覧ください。

ソニア・マリエ・デ・レオン・デ・ベガ(指揮者)「私も初めての時はこんな感じでした。」

リポーター:新たな始まりの瞬間です。

ソニア「こうして私は、クラシック音楽を心から愛するようになったのです。」

リポーター:彼女はここにいる子供たちも、生涯こうした情熱を失わないよう願っています。

ソニア「まるで魔法のような力を持っている、そして何より美しい、私は子供たちの人生の中に、クラシック音楽を導きいれる手伝いをすることに喜びを感じているのです。」

リポーター: かつては女性のオーケストラ指揮者などありえないと言われた時代がありました。しかし彼女はその常識を打ち破った、最初のラテン・アメリカ人女性です。
彼女が率いるオーケストラは、結成20周年を迎えました。


しかし彼女はこんなふうに考えているのです。
「一番大切なのはコンサートなの?」
彼女は毎年数千人のロス・アンジェルスの子供たちの目の前に、オーケストラのソロイストを連れてきて、クラシック音楽を演奏してもらっています。
そして子供たちが言葉を失う様子を見て、クラシック音楽が子供たちの中に根づく可能性があることを感じています。

公立の学校でもそうですが、ここ数年で音楽の授業への教育予算が大幅に削減されてしまいました。
今や彼女のこの取り組みだけが、ロス・アンジェルスの子供たちがクラシック音楽に触れる唯一の機会になってしまいました。

リポーター: そして、子供たちは聴くだけではなく、無料のバイオリンのレッスンが受けられます。
子どもたちは声楽のレッスンも受けていると話してくれました。

キンベリー・アルバラド(4年生)「むしゃくしゃすることがあるでしょう。そうしたらその気持ちをバイオリンで表現してみるといいわ。」

ミゲル・トレス(6年生)「たくさん演奏すればするほど上手に弾けるようになるし、そうすれば増々演奏することが楽しくなるんだ。」

ソニア「バイオリンやその他の楽器を手にして、自分を表現できるようになれば、代わりに銃や麻薬などを手に持つことが無くなるのです。音楽の美しさ、そして達成感が心を満たしてくれますから。」

リポーター: 達成感を得ることによって子供たちの心が満たされ、何に対しても前向きに取り組めるようになることを、彼女は望んでいるのです。

キンベリー「むしゃくしゃすることがあるでしょう。そうしたらその気持ちをヴァイオリンで表現するの。ソニアたちのおかげで、音楽の素晴らしさがわかったの。一生懸命練習を続けて、大人になったらソニアたちのオーケストラのメンバーになるわ。」

リポーター:少しだけ手を貸してあげることで、子供たちの未来が開けていきます。
ダイアナ・アルバー、NBCニュース、ロス・アンジェルスから。

http://www.msnbc.msn.com/id/3032619/#49455469

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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