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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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事業の安定化・効率化に、再生可能エネルギーが大きく貢献

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【 太陽エネルギーは、発展途上国の電力安定化に貢献 】

マーク・セラスオロ / AOLエナジー 2012年11月1日


インドは国内の電源開発と送電網の整備への取り組みが、経済成長のスピードに追い付けないでいることを、この夏の大規模停電によって、世界に知られることになりました。
この夏最も暑い時期に、インドでは3つの送電網に不具合が発生し、5億人以上の人々がまる二日間、電気無しの生活を強いられました。
世界の人々はこの報道により、インドでは電気関連設備に一切問題が起きていない日でも、数多くの国民が電気の無い暮らしを送っていることを、改めて思い出すことになりました。

今、インドでは太陽光発電が、この問題の解決に一役買っています。

インドや同じように経済発展が進む途上国では、急速に成長する経済により、エネルギー源の獲得競争に走らざるを得ない状況にあります。
インドは中国、日本、韓国などと化石燃料の獲得競争を繰り広げていますが、入手可能なエネルギー源のパイそのものが縮小する傾向にあり、特にイラン産原油の入手は経済制裁により難しいものになっています。


一方で、インド国内の地方における電力供給設備の整備は、人口の増加による需要増に追いついたためしがありません。
インドの電力供給は常に不安定であり、メンテナンスについても、これを維持し続けるだけの体制が整っていません。
激増を続ける人口に対応して、世界標準レベルの電力供給体制を整備するには、高額な費用、そしてものすごい手間がかかります。
メンテナンスと支持のための本当の集中化なしで、これらの格子は不安定です。 彼らを標準に達しているようにすることはひどく高価で、複雑です。

7月に発生した大停電を受け、インド国内にはさらなる石炭や天然ガスの輸入拡大を訴える人がいますが、国政に携わる指導的立場の人々は再生可能エネルギーの可能性に着目し始めています。
ビジネスウィーク誌によれば、現在インドで行われている太陽光による発電量はわずか1ギガワットで、国内需要のわずか0.5%を供給しているに過ぎません。
しかしインドの太陽光発電能力は成長を続けており、政府は国営電力会社に対し、再生可能エネルギーにより発電された電気を、積極的に買い入れるよう奨励しています。

▽ もっとも効率的な、再生可能エネルギーの利用とは?

非常に多くの電力消費者がいるインドでは、ひとつの企業だけで国内すべての場所に電力をいきわたらせる事が、果たして最良の方法なのかどうか、検証作業が行われていることと思います。
マランカラ・ティー・プランテーションは、かつては公立のゴム・プランテーション会社でした。
今日、建ててから86年が経過した歴史的建造物である、オフィスビルとして存在しています。
ここで働いている45人は、過去何年も、安定しない電力供給が原因の停電に度々見舞われてきました。
停電になると、マランカラ・ティー・プランテーションは備え付けのディーゼル発電機を作動させます。
こうして同社は多数のエアコンディショニング・システム、水道用のポンプ、3台の梱包機械、IT機器にネットワーク・システム、そして照明用の電気を確保します。


しかし上がり続ける電気料金、値上がりが続くディーゼル用軽油、いずれにしても経費の増加から免れることはできないと悟った同社は、ある一つの決断をしました。
度々停電を起こされ、その都度仕事に支障をきたすような状況に陥ることなく、日常必要な電気を確保するための別の方法は無いのか?

同社はインド政府が行っている、太陽光発電システム導入補助制度を利用することにしました。
この制度は1ワットの発電能力ごとに90ルピーの補助金が交付され、最高で設備投資額の30%を補助するものです。
この太陽光発電システムの導入し、電気を自前で管理することにより、同社は不安定な送電システムとは縁を切り、インドで最初のゼロ・エネルギー・ビルディングの仲間入りを果たしたのです。
さらにはビル全体の二酸化炭素排出量を、年間47トンも削減するという、おまけまでついてきました。

▽ 時代遅れの大規模送電システム

マランカラ・ティー・プランテーションの成功には、国の制度を上手に利用したことが貢献しました。

インドは2012年夏に経験したような大規模停電が2度と起きないように、インフラの整備に特に力を入れてきました。

しかし、実はこれは短期的対応なのです。
大規模停電を防ぐため、どれ程送電網の整備に力を入れたところで、100万単位で増え続ける人口、そして企業がそれぞれの事情に応じて電気を使ったり使わなかったりでは、設備投資をいくらやっても追いつくはずがありません。


インドのエネルギー産業が直面する課題は、かつて同国の通信事業会社が遭遇した課題に似ています。
インドでは当初、西側社会の国々がかつてそうしたように、ケーブルを張り巡らせて国内の通信網を整備しようとしました。
しかし無線技術の発達した今、電線を延々とつないでいくような作業はやめにして、最も進んだ無線技術を駆使して通信網を整備してはいけないという理由はあるでしょうか?
かくしてインドでは、より広範囲に、誰もが利用でき、信頼性の高い再生可能エネルギーによる発電システムの整備のチャンスが巡って来たのです。
そして赤道に近いという地理的条件と気候的条件から、太陽光発電をメインに据えたのです。

インドで最近発生した大規模停電は、インド国民、そして周辺国に、持続可能エネルギーの大切さを実感させることになりました。
再生可能エネルギーにより、必要とする場所場所で発電を行うことにより、化石燃料の使用を減らし、うだるように暑い夏に数億人を電気無しの状況に追い込んだ、信頼性の低い大規模送電網と縁を切ることができたのです。

マーク・セラスオロはアウト・ブラック・パワー[闇の電力(権力)から抜け出そう、という意味]社でマーケッティングを担当する一方、再生可能エネルギー機器と他のエネルギー機器の理想的な組み合わせを行うための設計製作者として働いています。
以前はレヴィトン・マニュファクチャリング、ハーマン・インターナショナル、ボーズ社(いずれも著名な音響機器メーカー)でマーケッティング部門の責任者を務め、あめりか全米家電協会(CEA)でも活動していました。

http://energy.aol.com/2012/11/01/solar-energy-could-solve-developing-nations-infrastructure-prob
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ついに衆議院の解散・総選挙の日程が決まり、すべてが回りだしてしまった観があります。
『脱原発派』の糾合・集約がならぬまま、選挙戦が始まってしまうのは何とも残念ですが、こうなれば脱原発の志を持つひとりひとりが草の根運動をしていくしかありません。
間違っても『原子力ルネッサンス』の復活などが起きないよう、そんな議員は一人も当選させない意気込みで、自分の周囲に声をかけていきましょう。

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【先週のスポーツから】

アメリカNBCニュース 11月12日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)


世界ラリー選手権・ステージ9ファイナル、スペインで疾走するハンス・ウェイジス。11月10日。


11月5日ロンドンで開催されたATPワールドツアー決勝、トーマス・ベルディッチを相手にサーブを打ち込むアンデイ・マレー。


11月9日開催されたバークレイズ・シンガポール・オープンでのひとコマ。ゴルフカートの上に立って、自分のボールを探すリカルド・カールベルグ。


11月10日アメリカ、フロリダ州キイラーゴ。フロリダ・キーズ海上高速道路のキイラーゴ橋を渡り、ジュウフィッシュ・クリーク橋の中間点に到着したランナーたち。
885名が参加したハーフマラソン大会のひとコマ。


11月11日、スペインのチェステで開催されたバレンシア・モーターサイクル・グランプリで転倒するヤマハ・モトGP世界選手権の覇者リカルド・トルモ。
リカルドはシーズン最後の故郷での戦いを制することはできなかった。

【 1,300万トンのがれき処理、なぜ広域に 】&【自然エネルギーの新たな技術革新、スイス企業が成功】

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アレックス・ゾルバート(静岡)アメリカCNNニュース 11月9日


日本の東北太平洋側を巨大な津波が襲い、壊滅的被害を与えてから1年8か月が過ぎました。
この間著しい回復を果たした場所がある一方で、この国は1,300万トンに上るがれきの処理問題を抱え込んだままになっています。

このがれきのうち、20%は東北地方以外での破壊によるものと言われています。
今日東京南部から何時間もかけて、数台のトラックが静岡に到着しました。
ここで進められる焼却計画によって処分するためです。
当局によれば、運び込まれたのは、巨大原子力事故を起こした福島第一原発から150kmから250km離れた場所にあった、破壊された民家の残骸を細かく裁断したものです。
しかしこれらの廃棄物からは高いレベルの放射能が検出される恐れが残っており、当局の職員が監視のため訪れた何人かの人々が見守る中、その測定を行いました。
職員が手慣れた様子で、しかし慎重に検査手順を進めていきます。
当局によれば検査の結果、これらの廃棄物から放射能は検出されず、施設への運び込みが許可されました。
トラックが誘導され、運んできた廃棄物を焼却炉の中に収めました。

心配していた市民たちの代表も、今日の検査と運び込みの結果を受け入れました。

ここ静岡県内には、なぜ700キロも離れた場所から廃棄物を運んできて処分しなければならないのか、その理由に疑問を持ち、批判的な立場の人々がいます。
行政はこの点について、きちんとした情報公開を行うべきだと主張しています。

粕谷まさひろさんは、被災した自治体すべてが、それぞれ焼却設備を持っていたはずだと語りました。しかし、現在助けを必要としていることも事実であり、今後ともこれまで同様に、慎重に、そして入念に取り組んでいく、し語りました。

議論の絶え間のない、長く、そして延々と続く取り組みです。

動画はスチューデント・ニュースの全編。この話題が取り上げられるのは2分04秒 - 4分21秒の間。

http://edition.cnn.com/2012/11/08/studentnews/sn-transcript-fri/index.html
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【自然エネルギーの新たな技術革新、スイス企業が成功】

アメリカCBSニュース 11月7日


(ジュネーヴ)スイスの技術者のグループが、電力企業が充分な量の電力を安定的に、より遠くまで送電できるようにするサーキット・ブレーカーの開発に成功したと、発表しました。
チューリッヒに拠点を置くABBグループは、世界で最も高速の高圧直流電源用のサーキット・ブレーカーの開発に成功したと発表しました。
この開発により、水力、風力、そして太陽光などの自然エネルギー発電による送電が容易になります。

「電気工学の歴史に、ABBが新しいページを開きました。」
ABB社の経営最高責任者、ジョー・ホーガン氏がこう語りました。
「この度の歴史的な技術革新により、未来の送電網のあるべき姿が明らかになりました。
多層直流送電網はヨーロッパ大陸各地と各国を自在に接続し、従来の交流電源送電網の負荷を平準化し、その補完を可能にします。」
ABB社が開発した新しいスイッチは、直流送電網の開発の障害を取り除くことに成功すると同時に、一世紀もの間解くことができなかった、電気技術のパズルを解いて見せたのです。
この機器は大規模な発電所に等し出力の電力を、わずか5ミリ秒(人間が瞬きをする30分の1の時間)の間に遮断することが可能です。

数十億ドルの価値が見込まれる市場で、ABB社は新しいサーキット・ブレーカー開発をかけ、ライバルであるシーメンス社やアルストム社としのぎを削ってきました。
HV直流電線は、原子力発電から再生可能エネルギーへの切り替えを推進している、ドイツやスイスのような国々で使われることになるでしょう。


ドイツは2011年の福島第一原発の巨大事故を受け、原子力発電の段階的廃止について、その実施スケジュールを早めることを決定しました。
ドイツは国の電力の25%をわずかに切る割合を原子力発電に依存していましたが、この依存率は日本と米国とほぼ同程度です。

ドイツ国内の再生可能エネルギーによる発電割合は、すでに17%から25%に上昇しましたが、その資金のほとんどは、各家庭が支払った電気料金に含まれる税金によって賄いました。
EUで最大の経済力を持つドイツは、2050年までにこの割合をさらに80%にまで高める計画を推進しています。

スイスはこれまで、5基の原子炉を用いて、国が必要とする電力の40%を賄ってきました。
しかし、福島第一原発の事故発生を見て、スイス政府は、2034年までに原子力を段階的に廃止する計画を決定しました。

http://www.cbsnews.com/8301-505245_162-57546543/swiss-firm-says-its-new-switch-to-aid-green-energy/?tag=mncol;lst;5
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最近、ヨーロッパを中心とした、再生可能エネルギー技術の著しい進歩を見ていると、ちょっとした焦りを感じます。
新たな地平線が見えた事、そしてこれまで寄りかかっていたものがもう使えないという危機感。
こうした事が、それこそインセンティブとなって、躍進が始まっているように感じます。

ところが日本はまだ原子力発電にしがみついている。
どころか、次の政権は当然俺たちの手に落ちる、そう考えている自民党などは、河野太郎さんのような『良識派』は少数派に過ぎず、大方は原発路線の再発進にやる気満々の様子。

こうなれば私たちは、決してあきらめない、希望を捨てない、支え合いながら持ちこたえていきましょう。

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【インド、デイワーリーの祭り】

アメリカNBCニュース 11月12日


ディワーリーの前夜、インド北部のアラハバッド市内のクリケット競技場内に並べられたろうそくに火を灯す少女。

ディーワーリー(दीवाली, Diwali または サンスクリット語のディーパーヴリー दीपावली, Deepawali)は、インドのヒンドゥー教の新年のお祝い。別名「光のフェスティバル」とも呼ばれ、10月末から11月初めのインド歴の第七番目の月の初めの日になる。この日は新月と重なる。
ディーワーリーの期間中は買物をすると縁起が良いとされ、特に耐久消費財の需要が伸張する。自動車、家電業界などではこの時期をかき入れ時として販売に力を入れる。(Wikipediaから抜粋)


11月12日夜のカルカッタ市内。デイワーリーの間、インドの各家庭は掃き清められ、家族全員が新しい衣服を身に着けます。
そして家の周りにオイルランプを置きならべ、爆竹を鳴らして新年を祝います。


11月12日夜、バンガロール市内で集まった数百人の人々が小さな気球を飛ばし、デイワーリーを祝いました。
翌13日からデイワーリー「光の祭り」が始まります。


11月12日、北インドの都市チャンデイーガルで、デイワーリーの前夜、人々が陶製のランプを置きならべ、ヒンズー神ガネーシャ(繁栄の神)の形を作りました。
ヒンズー語の文字で『祝デイワーリー』と描かれています。

日本の脱原発を許さない、隠された5つの本当の理由

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【六ヶ所村 – 動かせぬ事実】
その場しのぎを繰り返す政府、将来を見通せない日本

エコノミスト(英国)2012年11月10日


ここ青森県の北東部にある僻遠の地の存在について、北朝鮮やイランの潜入工作員たちはきっとほくそ笑んでいるに違いありません。
眼前に広がる田園風景のせいではありません、ウラン濃縮施設がこの六ヶ所村にあるからです。
この施設では使用済みのウラン、そしてプルトニウムから、再び核燃料を作り出そうという『再処理』が行われています。
ここは分離プルトニウムの上手な隠し場所として使われ、その量は9トンにもなりますが、専門家によればこれだけあれば優に1,000個以上の核弾頭を製造することが可能です。

核兵器の製造・所有は一切行わないことを誓い、目下54基の原子炉の内2基しか稼働していない日本において、この六ヶ所村は唯一の例外のようにも見えます。
日本政府は片方では2040年までの原子力発電の段階的廃止を謳っておきながら、一方では六ヶ所村が核燃料の再処理を行い、原子力発電所に燃料供給を行うことになっています。
再処理によって創り出される核燃料により、日本は2050年代になっても原子力発電を稼働させ続けることが可能になります。
こうした事実は誰の目にも明らかですが、日本の当局者たちは一向に平気な顔をしています。
しかしこの矛盾は、日本政府の『原子力発電の段階的廃止』という目標が、ほとんど無意味なお題目に過ぎないことを証明するものです。

2011年3月15日福島。


その矛盾を証明するもの、日本の原子力政策を大きく左右するだけの力が、人口11,000人のこの村にはあるのです。
昨年発生した3基もの原子炉がメルトダウンするという福島第一原発の事故を見て、この国ほとんどの人々が、原子力発電に愛想を尽かすことになりました。
国民の支持率が急落し、世論調査の結果、国民の多くが原子力発電の廃止を支持している今、野田政権としてはこれ以上国民の反感を買うような政策はできないはずでした。
しかし当局の担当者によれば、六ケ所村の存在が野田政権をして、原子力発電の廃止路線を取り下げざるを得ない状況に追い込みました。

六ヶ所村再処理工場は、完成が15年も遅れている上、資金繰りについては全く行き詰った状況にありますが、政策に対する強い影響力だけは衰えていません。
この再処理工場には、すでに2兆2000億円もの巨額の資金がつぎ込まれていますが、かつては貧寒とした農漁村であった六ヶ所村の古川健次村長は、補助金が無ければこの村はやっていけないと語気を強めます。
六ヶ所村は雇用についても歳入についても、再処理施設への依存割合を高め続けて来ました。

フランス、アレバ社の核再処理施設。こちらは名実ともに稼働している。


そして日本政府にとって非常に頭の痛い問題は、この施設が日本原燃株式会社(にほんげんねん : 核燃料サイクルの商業利用を目的に設立された日本の国策会社)により建設され、その最大手の株主が福島第一原発を運営する東京電力であることです。
もし六ヶ所村の再処理施設が暗礁に乗り上げてしまえば、日本政府が1兆円もの公的資金をつぎこんでいる東京電力が行き詰ってしまいます。
そうなれば、ただでさえ福島第一原発の事故により経営危機が続く東京電力にとって、致命的打撃、破たんの可能性が出てくる恐れがあります。

六ヶ所村の問題さえなければ、日本の原子力発電廃止路線への転換は、もっとずっと容易なものになるだろうと、政府関係者が語りました。

六ヶ所村再処理工場は、現在日本全国の原子力発電所内の一時保管庫に積み上がる、核廃棄物の再処理を行うことを期待されています。
この原子力発電所内に保管される核廃棄物の再処理もできず、さらに永久処分場の確保もできないとなれば、原子力発電所の危険性が、ただひたすら高まっていきます。
「六ヶ所村再処理工場の稼働無くして、全国の原子力発電所の再稼働は承認できません、決して」
与党民主党の所属議員がこう語りました。

この国の原子力発電が停止して以来、既得権を抱えていた国会議員を始めとする人間たちは、不足する電力の問題を見た国民が、原子力発電に回帰してくれることを密かに願い続けて来ました。

核廃棄物処分場「もしこの文字が読めるなら、あなたはすでに近づき過ぎています」


さらには、国際的な圧力があったことも見逃せません。

民主党政権が原子力発電の廃止路線を打ち出すと、アメリカ、イギリス、そしてフランス各国が『深刻な懸念』を表明しました。
この『深刻な懸念』の中には、日本国内で積み上がる一方のプルトニウムの問題があった、と政府関係者が語りました。

公的には核兵器を持たないことを表明している日本は、非核国家の中で最大量の分離プルトニウムを抱え込んでいます。
その日本がもし、原子力発電の廃止にも関わらず使用済み核燃料の再処理を続ければ、世界中の核開発能力のある国々に誤ったメッセージを送ることになると、アメリカは主張しています。
日本政府はこうした不安を払しょくするため、2040年までの原子力発電所の廃止は、義務ではなく目標であるといち早く表明し、米英仏などの国々を安堵させたのです。


そしてさらなる国際的圧力が、技術的には可能な日本の脱原発、そして日本国民の人々が形にした勇気を、押しつぶしてしまいました。
日本がもし原子力発電という手段を放棄してしまえば、日立製作所とゼネラルエレクトリック、そして東芝とウェイティングハウスとの提携により支えられるアメリカの原子力産業が、その技術的な協力者を失ってしまう事を、アメリカ側が恐れたのです。
これはすなわち、中国やロシアの原子力技術=核技術が、いずれ日本やフランスのそれを追い抜くことを意味します。

なぜ日本政府は原子力発電の廃止にこうも及び腰なのか、いくつもあるこのような圧力の存在が、その問題を解き明かすカギになります。

次に日本の政権を握る人間たちは、原子力発電を継続するために、これらの圧力を利用することでしょう。

しかしそれでも、核燃料の再処理だけは、継続すべき理由が見当たりません。

プリンストン大学の核拡散問題の専門家であるフランク・フォン・ヒッペル氏がこう指摘しました。
日本にとってはウラン燃料を輸入する方が、再処理などするよりはるかに安上がりのはずだ。
しかも危険を冒してわざわざ青森まで輸送するより、核廃棄物をコンクリート製のキャスクに閉じ込めて冷却する方が安全性は高いと。

移送される核廃棄物


しかしこうした核廃棄物の再処理に関する深刻な問題も、福島第一原発の事故が発生するまでは、議論の対象にもなることもあまりありませんでした。
六ヶ所村近くで薬草の大黄農園を営む菊川れいこさんは、たった一人で六ヶ所村再処理施設に対する戦いを続けてきました。
彼女の戦いは本当に長い間続いてきました。
この間、彼女と一緒に戦ってきた人々は、亡くなるか脱落して行きました。
六ヶ所村には、彼女の話を聴く人はもう誰もいなくなってしまいました。

http://www.economist.com/news/asia/21566018-governments-fudge-its-nuclear-future-remains-unconvincing-rokkasho-and-hard-place
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5つの理由、ご確認いただけましたでしょうか?

[1]日本全国から集められた核廃棄物を、再処理できずに抱え込んでしまっている六ヶ所村の財政事情
[2]日本原燃の実質的オーナーである、東京電力の財政問題
[3]日本が大量のプルトニウムを抱えたままになることに、懸念を持つアメリカ、イギリス、フランスの圧力
[4]日本が原子力発電を止め、再処理だけを続けた場合、現在核開発疑惑を持たれている国々に、『誤ったメッセージ』が伝わってしまう。
[5]日米原子力連合の戦力低下を恐れるアメリカの圧力

どれも、日本国民大多数の利害と全く相いれない、『国民のため』などとは言えるはずもない理由ばかりでは無いでしょうか?

[1]については、福島第一原発の事故により核廃棄物の問題が明らかになった以上、六ケ所村の振興策は核廃棄物再処理以外の手段を講じるべき。
[2]すでにご紹介したドイツの電力企業E.ONやRWEなどの例を参考にした再生可能エネルギーへの事業転換、そして巨大企業による電力支配を続けるべきかどうかの議論をすべき。
[3][4]プルトニウムの処分
[5]日本の核技術を廃棄物最終処分(再処理ではなく)・廃炉に特化させるなどする、日米の開発分野の分担

いずれも実施するには混乱を伴うでしょうが、10年20年かければ、決して不可能ではないはず。
それよりも100年や200年では片づくはずのない、危険な高放射性廃棄物やプルトニウムをこれ以上『作らないようにする事』の方が、はるかに緊急性の高い問題だと思います。

それに以下の指摘。
『次に日本の政権を握る人間たちは、原子力発電を継続するために、これらの圧力を利用することでしょう。』
最近になってなぜ自民党が「日米関係の修復」を声高に言い始めたのか、その魂胆を解き明かしているかのようです。

さらには六ヶ所村の再処理施設とセットの高速増殖炉もんじゅ。
どちらもまったく「まともに動いたことも無い」( http://kobajun.biz/?p=1932 )のに、合わせると7兆円を超える巨額の資金がつぎこまれているのです。
いったい日本の財政赤字の、何%を占めているのだ?!
そう思われませんか?
しかも、六ヶ所村再処理工場は、動き出せば高濃度の放射性廃棄物を毎日海に捨て続けることになります(小出裕章氏著『原発のウソ』)。

このエコノミストの記事の原題には『The government’s fudge』、日本政府のfudgeという語句が含まれています。
fudgeは『ごまかし[不正,カンニング]をする,ずるをする;(債務・義務・約束などを)果たさない,守らない,すっぽかす,踏み倒す((on ...)) fudge on an exam - ランダムハウス英和大辞典』などの意味ですが、まさにその繰り返しにより、問題がここまで大きく、一見するともう手がつけられない状態になってしまったのではないでしょうか?

ほとんどの原子力発電所が止まった段階で、日本国内には処理不能の高レベル放射性核廃棄物が30,000トン以上あり、これはいくら金を積んでも解決できない問題です( http://kobajun.biz/?p=5062 )。
火力発電所の原料費は高くつくなどと、言ってはいられない程危険な存在なのです。

さらに原子力発電を続ければ、核廃棄物の量が増え続けることになり、これに福島第一原発の事故が生み続けている高濃度汚染水、除染後の土などの低レベル放射性廃棄物まで加えれば、この国の汚染はいったいどれ程のものになってしまうのか、気が遠くなる思いです。

世界中のほとんどの国は、放射能汚染の危険が高くなる一方、そんな環境にはないはず。
なぜ日本「だけが」そうなのか、真剣に考えましょう。

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【 水没するイタリアの古都・ヴェネツィア 】
2010年12月以来、最大の高潮

アメリカNBCニュース 11月11日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

道路わきのベンチの上に立ちつくす女性


水浸しのコーヒーショップ店内


開店休業


有名な聖マルコ広場もこの通り。


水没した聖マルコ広場。

福島第一原発4号機使用済み核燃料プール、日本人が知らない本当の危険《後篇》[フェアウィンズ]

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【 使用済み核燃料プールは、本当に燃え上がるのか?! 】
福島第一原発では、アメリカの原発ではやらない、核燃料の危険な配置が行われてしまった

フェアウィンズ 2012年8月19日

アメリカ原子力規制委員会も、使用済み核燃料の束が空気中で発火するのかどうか、実際に確認しようとして、国立サンディア研究所に実施を依頼しました。
偶然の一致から、この実験は福島第一原発の事故発生の2週間前に行われました。

この映像に映っているのが、核燃料の束です。
さらに詳しくご説明しましょう。
この束には使用済み核燃料は入っていません。

核燃料ペレットの発熱を、電熱線ヒーターを使いシュミレートしています。電熱線はトースターの内部などに使われているものです。
実験では核燃料ペレットは使わず、この電熱線を使って、使用済み核燃料ペレットと同程度の熱を放出させました。
しかしそれ以外の条件は、実物の使用済み核燃料棒と同一のものにしました。

ご覧いただいている映像は、実際には5時間かかったものを1分間に短縮したものです。
この映像を解りやすくするために別に用意したスクリーンショットを、画面の左上に表示させます。
束ねた燃料棒から数本のワイヤーが伸びていますが、これは電線です。
いちばん右が、燃料棒の天辺から下までを横から見たものです。
この5時間の実験により実に多くのことが解りましたが、それらは国立サンディア研究所のサイトで直接確認することが可能です。

最初の映像は熱が加えられる直前の燃料棒の束です。
直後に、この燃料棒の束が過熱されますが、すでに煙が上がり始めています。
しばらくの間、煙を上げ続けているのが確認できます。
そして、煙の中から炎が上がり始めている様子がわかります。
最後のシーンは、燃料棒が燃えた結果、どうなったかを表しています。

これはジルカロイが空気中で燃焼することを、確認した実験です。
燃焼させるためにマッチで火をつけたりはしていません。
一定温度以上になると、空気中で自然に発火する物質特性を確認したものです。

最後に一つ、明らかにしておく必要があります。
ご覧いただいた実験では、使用済み核燃料の代わりに電熱線が使われていましたが、使用済み核燃料の束が、空気中で発火することは明白になりました。


実際の福島第一原発4号機は、これよりはるかに悪い状況にあります。
4号機の使用済み核燃料プールには1,500束の、1束ではありませんよ、1,500束の使用済み核燃料棒が入っています。このうち、300束は原子炉の炉心から取り出したものです。
ですから、きわめて高温の使用済み核燃料の束が300、使用済み核燃料プール内にあるのです。

そしてもっと悪いことがあります。
日本人は原子炉の炉心からすべての核燃料を取り出し、きわめて限られたスペースしかない使用済み核燃料プール内に入れました。
アメリカではこういうやり方はしません。
チェッカーボード方式、つまりチェッカー盤にコマを置くようにして、高温の核燃料と低温の核燃料をそれぞれ空間を開けて組み合わせて配置していくのです。
しかし日本人は、この面倒な方法を行いませんでした。
原子炉の炉心から取り出したばかりの高温の核燃料を、互いにくっついたまま、ひとまとめにして使用済み核燃料プールに入れてしまったのです。

これらの条件から考えて、福島第一原発の使用済み核燃料プール火災発生の可能性はあるでしょうか?
使用済み核燃料が空気中で発火することは、このビデオで確認済みです。

では、実際に使用済み核燃料プール火災を引き起こすものは何でしょうか?


7月上旬、福島第一原発の使用済み核燃料プールの冷却装置が故障しました。
メインのポンプ、予備のポンプ、その両方ともが数日間稼働しなくなり、プール内の水の循環が行われなくなりました。
そしてこの間、プール内の温度が上がり続け、一日当たり華氏で言えば18度ずつ、摂氏で言えば10度ずつ温度が上がり続けました。

使用済み核燃料プールというのは、巨大なプールであり、約1,100トンの水が入っています。
1,100トンの水の温度が毎日10度ずつ上昇し続けるという事について、実感がわくでしょうか?
この状態が続けば約1週間で沸騰が始まり、さらに一週間が経てば、核燃料棒の先端が空気と触れはじめることになります。
次に起きるのは、国立サンディア研究所のビデオでご覧いただいたような状況です。

ですから日本人に与えられた時間は2週間、この時間内に冷却装置の修理・稼働を行わなければなりませんでした。
これは本当に大変な事態でした。
私はよく2週間で、ほとんどの修理を仕上げたものだと感嘆する思いです。


しかし本当に危険なのは、再び大地震が襲ってきたときです。
原子炉建屋はすでに構造上、大きな損傷を受けており、自身が発生して使用済み核燃料プールの水が無くなってしまえば、文字通り一巻の終わりです。
最早使用済み核燃料の冷却手段は失われ、天文学的な数の使用済み核燃料が発熱し始めることでしょう。
そして使用済み核燃料プールから炎が上がり、シルカロイの容器の中に残っていたウラニウムが、大気中に放出されてしまうのです。

1998年のことになりますが、ブルックハヴン国立研究所が、使用済み核燃料プールが火災を起こした場合の被害について検証し、被害想定を行ったことがあります。
18万人がガンを発症し、原発の周囲半径65キロ内は、人が住めない場所になってしまいます。
この時の想定は、現在福島第一原発4号機使用済み核燃料プール内の核燃料よりも、少ないウランの量で計算が行われました。
当然ですが、もし福島第一原発4号機使用済み核燃料プールに何か起きれば、その被害はブルックハヴン国立研究所の想定を上回る結果になってしまうことは明らかです。

原子力産業界がどのように抗弁しようとも、地震によって4号機使用済み核燃料プール内の水が無くなってしまえば、核燃料プールは火を噴くのです。

それが現在、福島第一原発4号機が実際に抱えている問題なのです。

現在アメリカ国内には23基のゼネラルエレクトリック社製マークⅠ型原子炉があり、中には福島第一原発4号機以上に核燃料を抱え込んでいる原子炉もあります。
アメリカ国内には世界で最も多くのマークⅠ型原子炉が存在し、使用済み核燃料プールの問題は福島第一原発だけの問題ではありません。

どうすればいいのでしょうか?
私たちは日本政府と東京電力に対し、一刻も早く福島第一原発4号機使用済み核燃料プールから核燃料を取り出すよう、圧力をかけることはできるはずです。
私たちはこれまで検証してきたことが現実になるかならないか、大地震の発生をただ待っているわけにはいかないのです。


アメリカ合衆国国内においては、原子力規制委員会に対し、福島第一原発と同型機の23基の原子炉の使用済み核燃料プールから燃料を取り出すよう、要求することができます。
現段階では、原子力産業界が経費を節約するために、使用済み核燃料プール内の核燃料保管を認めるよう、原子力規制委員会に圧力をかけています。

フェアウィンズ・エネルギー教育機関は、福島第一原発の事故発生以来、原子力発電に関する重要な技術的課題を明らかにすべく、努力を続けてきました。
福島第一原発4号機使用済み核燃料プールの問題も、そうした取り組みの一つです。

私たちはみなさんに改めて、フェアウィンズ・エネルギー教育機関に関する寄付をお願いしなければなりません。
私も妻のマギーもフェアウィンズからは、全く報酬を得ていません。
しかしご覧いただいているようなビデオを制作したり、調査を行うためにはお金がかかります。
これまでお寄せいただいた寄付に対し、心からお礼を申し上げるとともに、今後の寄付についてご検討いただいている皆さんに、感謝の念を改めさせていただきます。

ご覧いただき、ありがとうございました。
これからも、情報提供を絶やさないよう、努力を重ねてまいります。
〈完〉

http://www.fairewinds.org/ja/content/can-spent-fuel-pools-catch-fire
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 どこの景色がお気に入りですか?】

アメリカNBCニュース 11月第1週分から

アメリカ・テキサス州ダラスのかぼちゃ村。


このコーナー、皆さんも旅先の写真をアップロードして、世界中の人に人気投票で選んでもらうことができます。
自信作を下記URLの、下の方にある応募コーナーから応募してみてください。
※[Select Photos]という青いボタンを押し、一枚5メガバイト以内の写真をアップロードし、英語でコメントをつけてください。
コメントは国名と地名程度で大丈夫のようです。
http://todaytravel.today.com/_news/2012/11/01/14862149-its-a-snap-travel-photos-from-around-the-world?lite#__utma=14933801.520676263.1342579093.1352255473.1352261035.124&__utmb=14933801.27.10.1352261035&__utmc=14933801&__utmx=-&__utmz=14933801.1351650534.115.8.utmcsr=nbcnews.com|utmccn=%28referral%29|utmcmd=referral|utmcct=/&__utmv=14933801.|8=Earned%20By=msnbc|cover=1^12=Landing%20Content=Mixed=1^13=Landing%20Hostname=www.nbcnews.com=1^30=Visit%20Type%20to%20Content=Earned%20to%20Mixed=1&__utmk=177255717

アメリカ・ミネソタ州フィンレイソンのエルボー湖。


アイルランドのディングル・ペニンシュラ。


アメリカ・ジョージア州ブルーリッジ。


アメリカ・ミシガン州グランド・ラピッズの河畔。

福島第一原発4号機使用済み核燃料プール、日本人が知らない本当の危険《前篇》[フェアウィンズ]

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所要時間 約 14分

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【 使用済み核燃料プールは、本当に燃え上がるのか?! 】

フェアウィンズ 2012年8月19日


今回の特集では、フェアウィンズのチーフ・エンジニアであるアーニー・ガンダーセン氏が、アメリカ国立研究所が制作した、核燃料棒が空気に触れた場合どうなるか実験した、シュミレーション・ビデオを分析します。
国立研究所のビデオは、フェアウィンズが福島第一原発の事故について再三指摘してきたように、核燃料棒が空気に触れた場合には火を噴く、という事実を証明しています。
そしてガンダーセン氏は、もし福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールのミスが無くなるような事態に陥った場合、どのような結果になるかを議論しています。

[ビデオ映像]
アーニー・グンダーセン: こんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
今日は使用済み核燃料プールの火災について、お話ししたいと思います。
使用済み核燃料プール火災は、ほんとうに発生するのでしょうか?
火災はどのような形になり、その結果引き起こされるのは?
そしてなぜ今、世界の専門家が福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールを注視しつづけているのでしょうか?

詳しいお話をする前に、まず2点ほど基本のおさらいをしましよう。

原子炉の中ではウラニウムが崩壊に崩壊を繰り返し、そのエネルギーの95%が熱に変換されます。これが核分裂と呼ばれる現象であり、特徴的なことは、たった一個の原子が信じられない程多量の熱を放出するという点です。核分裂の結果、残る5%の熱量を閉じ込めたままの物質が残ります。これが核分裂生成物と呼ばれるものです。


核分裂生成物の熱は5年間に渡り、徐々に冷めていきます。
ただし、最低で5年です。
5年間、核分裂生成物は冷やし続けなければなりません。

核分裂生成物が熱を出し続けるのは核分裂の一種ですが、ただしこの反応は原子炉の中では起きません。
使用済み核燃料プールの中で起きます。

ここで核燃料のウランが私の小指ほどの大きさの、ペレットの中に入れてあることを思い出してください。
そしてそのペレットが、長さ3メートル60センチある核燃料棒の中に入っています。


この燃料棒はジルカロイという物質でできていますが、これが問題なのです。
ジルカロイは空気中である温度以上になると、燃えてしまいます。
自然発火によるものですが、こうなると水では消すことができません。

ペレットが入った核燃料棒は束ねられた状態になっています。
この束の大きさはこのぐらい、そして高さは3メートル60センチです。
この燃料棒の束は原子炉内部から取り出され、使用済み核燃料プールに沈められます。


さあ、ジルカロイは燃えるのだという事を、ご理解いただけたでしょうか。
2011年4月、福島第一原発の事故の一か月後、フェアウィンズではジルカロイでできた棒が、空気中で燃えることをビデオでご紹介しました。
ビデオの中では、ジルカロイの破片がテーブルの上で、跳ねる様子が確認できるはずです。
ジルカロイ自身が発火しましたが、炎は見えません。しかし物理的には空気中での燃焼であり、内部に別の熱源を持っているわけではありません。

問題はこのような反応が、使用済み核燃料プールで発生するか?という事です。
世界中の専門家が懸念している、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールで?
現在福島第一原発では、4基の原子炉が危機的な状況にあります。
しかし今や世界の専門家が注目しているのは、4号機の使用済み核燃料プールなのです。
なぜ?
いいですか、ゼネラルエレクトリック社製マークⅠ型原子炉では、使用済み核燃料プールには覆いがありません。
これが意味するところは、何かトラブルが発生しても、放射性物質が空気中に放出されないよう、抑え込むものが何も無い、という事です。


現在福島第一原発4号機では、原子炉格納容器の中から炉心がそっくりそのまま取り出され、使用済み核燃料プールの中に置かれています。
4号機だけがこのような状態になっています。

原子炉の炉心が原子炉から、原子炉格納容器からそっくり取り出され、使用済み核燃料プールの中に入れてあります。

これと関連して重要な点は、4号機の原子炉建屋が損傷しているということです。原子炉建屋の底にはふくらみができており、私はそれがオイラー・ストラト・バルジ(Euler strut bulge : 地震波による特有の変形?)と言われる変形現象の第一段階だと信じています。


これは明らかに地震による損傷です。
爆発では、このようなふくらみはできません。
指示の揺れによりこうした損傷が起きたものと思われます。

まとめてみましょう。
福島第一原発4号基では、原子炉の炉心が格納容器からそっくり取り出され、現在使用済み核燃料プールの中に置かれている。
そしてその外側にある原子炉建屋は、まず2011年3月11日に発生した地震そのものによる損傷を受け、さらに爆発による損傷も受けている。
これが現在、世界の専門家たちが、この先一体どうなるのか、4号機に注目している理由です。
〈つづく〉

http://www.fairewinds.org/ja/content/can-spent-fuel-pools-catch-fire
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

日付が8月とちょっと古いのですが、福島第一原発4号機の状況について、すでにご紹介したフェアウィンズの【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】よりも詳細に述べられせていますので、改めてご紹介します。

私たちはこれから原子力発電を終わらせるために、『なぜ原子力発電を止めるべきなのか』という事について、多くの人と『議論』をしていかなければなりません。
その際、不可欠なのが正しい知識です。
この点、フェアウィンズのガンダーセン氏は、実にわかりやすく原子力発電の仕組み、そして福島第一原発の現状を説明してくださいます。
私は『技術者の良心』を、形にしたような方だと思っています。

ともあれ、なぜ福島第一原発の事故は『終わっていない』のか、なぜ4号機が一番危険なのか、一緒に学習しましょう。

なお、翻訳の際、オイラー・ストラト・バルジという言葉だけ、その意味を突き止めることができませんでした。
幸い長男が東北大学工学部大学院にいるので、尋ねてみましたが、知りませんでした。
どころか、オイラーの定理ほかの説明をされたのですが、理解できず、途中で遮らなければなりませんでした。
振動波の解析に関連があるようだ、というところまでしかわかりませんでした。
お詫び申し上げます。

そして以下のニュース。
21世紀の資本主義の正体を垣間見るような内容です。

かつての資本主義の資本は、一面では社会資本に通じる部分があり、資本の拡大が国民生活の向上と結びつく部分があった。
すつての日本で、高度成長により社会資本の整備が進み、国民全体の生活水準も上がったのが、その例です。


ところが、新自由主義の台頭以来、資本と実物経済とのかい離が始まり、資本の拡大イコール資本の自己肥大に過ぎなくなってしまった。

まさに以下のニュースで『ある人』が語るアメリカ資本には、自己の資産価値の拡大にばかり目が行き、アメリカの実体経済を活性化させ、国の立て直しに貢献しようなどと言う動機がまるで見えません。

この日本の資本家たちは、どうでしょうか?
最近やたらと声高に、当然のようにこの国の未来に関する発言を繰り返していますが、その本音がどこにあるのか、私たちは見極める必要があります。
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 オバマ大統領の勝利。『ウォール街を占拠せよ!』の宿敵、金融界はどう出るか?!】

アメリカNBCニュース 11月7日

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サバンナ・ガスリー :
大統領選挙の結果が明らかになりました。
そこで今度はオバマ大統領の第2期に、アメリカの金融はどうなるのか?
NBCケーブルテレビの金融番組『マッドマネー(へそくり)』のホスト、ジム・クレーマーに話を聴いてみましょう。
おはようございます。

ジム・クレーマー : おはよう、サバンナ。

ガスリー「早速ですが、大統領選挙の結果を受け、金融市場では今後のどのような動きが見られることになるでしょうか?」

クレーマー「急激な変化は無いと思います。アメリカ市場の株価は選挙当日値上がりしました。しかしこれから先に起きる事態の中に、誰もが恐れているような事態が進行しているのではないか、という懸念があると思います。あるいはオバマ大統領が、誰もが予想しなかったような起死回生の秘策を打って来るのではないか、という期待を持っている人がいるかもしれません。
私はどっちも違うと思います。
これから先、アメリカの金融市場が直面しなければならない課題は、財政面で崖っぷちにいるという事であり、これに比べれば、オバマ氏とロムニー氏、いずれが大統領になっても、さほどの違いが表面化するようなことは無いと考えています。」


ガスリー「すでに私たちが直面している問題の他に、これから表面化してくるような課題はあるでしょうか?そして金融業界は堅実な商売を好みますが、これから先にある不確実な要素は何でしょうか?政府は歳出削減を行っており、これから先増税の可能性もあります。あなたはどのような不確定要素が、今後の経済に悪影響を与えると考えますか?」

クレーマー「ある人がこんなことを言っています。『もし君が国際市場で仕事をしているなら、アメリカ国内では何もするな。何かしたいのなら、その場所はアジアだ。アメリカ国内でやっている事業については、これ以上人を増やすな。人を雇うならメキシコ国内だ。今新たなビジネスを始めたところで、成功する確率は少ない。失敗する確率の方がはるかに高い。そしてあまり大きな声では言えないが、配当を目当てに有価証券を持ち続けることはやめた方がいい。個人退職年金に関する税制上の優遇措置も無くなる。いずれにしてもあらゆる項目に課税され、しっかり税金を支払うことになる。たまったものじゃない。』」

ガスリー「オバマ大統領は選挙期間中、共和党の主張とは逆に、富裕層への減税措置の廃止を訴えてきました。大統領は共和党の反対を抑え込めるでしょうか?アメリカ経済は現在、悪化ではなく回復吉用にあるように見えますが、その足取りは非常に危ういものです。増税の影響はありますか?」


クレーマー「現在アメリカ国内の失業率は非常に高いままです。できるだけ多くの人の雇用を確保しようとしていますが、ここで増税を行えば、失業率が再び上昇する恐れがあります。増税はまだ早いと思います、当面は失業率の改善に的を絞った方が良いと思います。」

ガスリー「大半の人々にとって大統領選挙は終了しました。結果を見て幸せな気分に浸っている人々もいれば、そうではない人々もいます。経済界はそうでは無い方なのですか?」

クレーマー「そうですね、住宅販売の現状を見て見ましょうか。FRBのバーナンキ議長の対応が良い例かもしれません。FRBは金利を低く抑え込んでおり、住宅市況は改善しています。取引も活発化してきました。
しかし金融界はそうではありません。私はエリザベス・ウォーレン(ハーバード大学の法科大学院教授。米政府の銀行救済策を評価し、議会に金融システム改革のあり方を助言するための、不良資産救済プログラム(TARP)などを監視する委員会の委員長を務めた。『ウォール街を占拠せよ!』運動の思想的指導者と言われることもある。)の動きに注目しています。彼女は金融界と対立する立場の象徴のような女性です。
金融界は不活発なまま、おとなしく税金を支払い、規制に対しては従順な態度をとり続けることでしょう。」

ガスリー「大統領選挙はこれまで、経済界に対しては厳しい態度をとり続けて来ました。関係の修復はあるでしょうか?」


クレーマー「これから大統領は、企業の経営者に対し突然電話する機会が多くなるだろうと、多くの人が語っています。大統領は何のためそうするのか、今のところ判断する材料はありません。」

ガスリー「NBCケーブルテレビの金融番組『マッドマネー(へそくり)』のホスト、ジム・クレーマーにお話を伺いました。ありがとうございました。」

http://today.msnbc.msn.com/id/3041440/vp/49724558/#49724558

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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