結審した刑事裁判、しかし福島における何かが終わったわけではない
国会事故調査委員会の精密な調査報告書を無視し、権力の側に都合の良い判決を下した東京地裁・永渕健一裁判長
日本の行政も司法も東京電力の役員に対し、説明責任を果たすよう求めることすらしていない

ジェームズ・グリフィス / CNN 2019年9月19日
2011年の福島第一原発事故をめぐっての唯一の刑事裁判において被告である東京電力の役員に無罪が言い渡され、避難生活を余儀なくされた何千何万という家族の希望を吹き飛ばしました。
彼らは3基の原子炉がメルトダウンした事故によって東日本の広域に降り注いだ放射性物質により、今後何十年もの間故郷で暮らすことができなくなった人々です。
東京地方裁判所は福島第一原子力発電所を運営していた東京電力の元会長と元副社長2人に無罪判決を言い渡したとNHKが伝えました。
彼ら3人は必要な安全対策を施すことを怠った過失を問われていましたが、全員が無罪とされました。
勝又恒久前会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長は、災害を合理的に予見することはできず、従って緊急避難を強いられたことにより44人の入院患者が死亡したことを含め、福島第一原発の事故がもたらした様々な結果についても責任を負う必要はないと結論づけたのです。
過去東京地方検察庁は東京電力の役員の起訴を拒否し、死亡した人々の家族と福島第一原発の周辺地区から避難を強いられた人々が協力して行った法的努力の後になって、やっと刑事事件として立件しました。

東日本大震災の地震により発生した巨大津波が福島第一原発を襲ったことにより発生した巨大災害の事故収束・廃炉作業には数十年の歳月と数十兆円の費用がかかると予想されています。
その原因を作った原子炉のメルトダウンからすでに8年が経過しましたが、いまだに何万人もの人々が避難生活を続けています。
9月、日本政府当局は破壊された原子炉炉心の冷却を続けるために注ぎ込まれた結果生じた100万トン近い放射能汚染水の貯蔵容量が限界に達する恐れがあるため、海洋投棄しなければならない可能性があると語りました。
福島第一原発では毎日約300~400トンの高放射性汚染水が生成されます
現在この放射能汚染水は敷地内に急造された数百基のタンクに保管されていますが、事故収束作業が開始されてから数年間で何度も漏出事故を起こしました。
「(放射能汚染水を)思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている。」
9月10日の記者会見で原田義昭前環境相はこう語りましたが、他の当局者は口々に最終決定はまだ行われていないと主張しました。
放射能汚染水を海洋投棄して希釈する可能性に日本政府が言及したことを受け、隣国の韓国では緊急事態の態勢に入りました。

さらに太平洋での希釈が果たして目論見通り行くかどうかは別にして、海洋汚染への懸念により日本の漁業に悪影響が及ぶ可能性があります。
福島第一原発事故の発生は当初、中国と米国西海岸でパニックを引き起こしましたが、カリフォルニアのワインの原料となるブドウから放射性物質が検出されました。
東京電力は以前、福島第一原発の事故収束作業には約40年の歳月と約5兆円の費用がかかると試算していました。
▽ 洪水のように押し寄せた悲劇
日本の歴史上最悪の原子力発電所事故の発端は海の上で始まりました。
東京の北東約370キロメートルの場所を震源とするマグニチュード9.1の地震が発生、日本の本州を東に約2メートル動かしてしまったほどの強烈なパワーが海上の波にそのまま伝わり、たちまちビルディングほどの高さの津波に変えてしまったのです。
日本の東北地方沿岸に到達するまでに、津波の高さは最大40メートルに達し、地上の車をあっという間に押し流し、建物を崩壊させ、道路も高速道路も寸断しました。
最初の地震発生から50分経たないうちに、まさにこうした事態から福島第一原発を守るはずだった高さ10メートルの防波堤を津波が乗り越えて始めたのです。

福島第一原発の施設内に大量の海水が流れ込み、建物の基礎部分を完全に水没させました。
そこにあったのが緊急時用の発電機でした。
このため福島第一原発は主電源が喪失してしまった後いかなるバックアップもないまま、重要な原子炉冷却システムも電力の供給を完全に絶たれてしまったのです。
原子炉の暴走が始まりました。
炉心の燃料棒が溶け始め、周辺地域に人間の致死量を遥かに超える放射能が漏れ始めました。
事故発生から16時間後、1基の原子炉の燃料棒はほぼ完全に溶け落ち、残りの2基の原子炉が同様の事態に陥るのは時間の問題でした。
1986年のチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故以降の最悪となる原子炉メルトダウン事故が起きましたが、日本政府がメルトダウンの事実を認めるまでにはさらに88日を要しました。
数十万人の周辺住民が緊急避難を行いましたが、中には自分の家に永久に戻れなくなった人々もいました。
福島第一原子力発電所周辺地域の一部はゴーストタウン化し、東京電力の職員、政府の調査関係者、そして人間として最悪の悲劇を自分の目で確かめようとする外部の人々の姿しか見られなくなりました。
▽ 誰に本当の責任があるのか?
東京電力の責任は、原子炉のメルトダウン以降の論争の最大の焦点でした。

東京電力は終始一貫して東日本大震災は想定が可能な範囲を完全に超えた、カタストロフィであると主張し続けました。
東北地方太平洋沖地震は世界史上4番目に大きなものであり、日本史上最大規模の地震であり、これほどの規模の災害は全く想定できるものではなかったというのが東京電力が主張する立場です。
しかし永久に故郷に戻れなくなった人を含め避難を強いられた人々は、東電側の主張は福島第一原発に関係する職員が責任を逃れることを目的にしたものだと怒りを募らせています。
事故発生後の東京電力の対応は、
メルトダウンの発表が遅れたこと
安全上様々な問題があったのにそれらを軽視したこと
浄化プロセス中に放射能汚染水の漏出事故を何度も起こしたこと
など、事件を注視していた人々に多くの攻撃材料を提供した事は間違いありません。
2012年に国会事故調査委員会が作成した報告書は、東京電力と日本の原子力規制当局が災害に備えるために講じた措置は「不十分」であり、危機への対応は「不適切」であったと結論づけました。
綿密な調査と検証を行った国会事故調査委員会は、福島第一原発事故についてきっかけとなったものは自然災害であっても、予見し対策を取ることができたはずなのにそれをしなかったための『人為的な』大災害であると指摘したのです。
事実、福島第一原発の事故について検証した数種の報告書の中で、東日本大震災の災害規模を予測することもそれに備えることも、誰にもできなかったと結論を出したのは東京電力の内部調査報告書筆だけでした。
「事故の直接的な原因はすべて、2011年3月11日以前に予測することは可能であった」
これが国会事故調査委員会の結論です。

しかしこれだけ不正の証拠が数多く揃っているにもかかわらず、日本の行政と司法当局は東京電力の役員に説明責任を果たすよう求めようとはしていません。
検察庁は3人の役員の起訴を2度にわたって拒否しました。
今週判決が出た刑事裁判は、住民が抗議し検察審査会の手続きを経て初めて実現したものだったのです。
19日木曜日の判決により、福島に関する刑事訴訟は一旦結審しました。
しかし、100万トンもの放射能汚染水が福島第一原発の敷地内に溜まり続け、事故現場には溶け落ちた燃料棒がそのまま残っています。
巨大事故の亡霊はこれから何十年もの間日本に取り憑いたまま、人々を苦しめることになるでしょう。
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唐突ですが、もしこの裁判長が太平洋戦争後の東京裁判を担当していたら、A級戦犯とされた人間たちもすべて無罪にしてしまっただろうな…ふとそんな考えが頭をよぎりました。
「予見不可能」「当時の基準では違法とは言えない」等々
張作霖の爆殺を始めとする関東軍の暴走や南京大虐殺、盧溝橋事件の偶発的衝突やバターン死の行進など、すべて「予見不可能」「当時の基準では違法とは言えない」と判断されれば、戦争犯罪などというものも成立しなくなります。
しかし東京裁判では『人類の普遍の原理』の考え方が取られた結果、捕虜や市民の大量死を犯罪と断じたのだと思います。
私個人は今回の東京地裁の判決は『人類の普遍の原理』という立場から俯瞰すれば、許しがたい判断だと思っています。
現在の日本はその異常さが日常的に見られるようになった、という危機感を一人でも多くの日本人が共有すべきではないでしょうか。
日本の司法には、福島第一原発事故によって生活を破壊されてしまった人々の人権を守ろうという姿勢が無い
国民一人一人の人権を軽んじ、権力におもねるという日本の司法の腐敗は、もはや珍しいことではない

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年9月19日
巨大事故を引き起こした福島第一原子力発電所を運営していた東京電力の元幹部3人は、2011年3月に発生した原子炉のメルトダウンを防止できなかった責任をめぐる唯一の刑事裁判で無罪判決を受けました。
法廷で東京電力の勝又恒久前会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人は福島第一原発事故において3基の原子炉がメルトダウンしたことについては謝罪していましたが、事故の引き金となった巨大津波は予見不可能だったと述べました。
検察側は元幹部3人が大津波が福島第一原発にもたらい危険性を示す情報あったにもかかわらず、情報に基づいて必要な措置を取っていなかった点を追及していました。
原子炉のメルトダウンが直接の死亡原因となったと公式に記録されている人はいませんが、この裁判は地元の病院から強制的に避難させられた最中または後に44人の高齢者が死亡したことの関連性について告発していました。
被告は全員、被害者を災害関連死に至らせたとする職業上の過失については無罪を主張し、さらに災害前に入手可能だったデータの信頼性は低いものだったと主張していました。
「不確実で曖昧な問題に対処することは困難です」
と竹黒被告は東京地方裁判所における刑事裁判でこう述べました。
検察官は3人に対しそれぞれ禁錮5年を求刑していました。

裁判所の外で抗議者は評決に口々に怒りをあらわにしました。
「私はこんな判決は受け入れることはできません。」
一人の女性がこう語りました。
グリーンピースは、日本の司法には福島第一原発のメルトダウン事故によって生活を破壊されてしまった人々の人権を守ろうという姿勢が無い、と非難しました。
グリーンピース・ドイツのシニア・スペシャリスト、ショーン・バーニー氏はもし有罪判決が下っていたら東京電力、原子力発電を支持する安倍首相とその政権、そして日本の原子力産業界に「決定的な打撃」を与えたはずだったと語りました。
「こうした事情から、日本の裁判所が証拠に基づいて判決を下すという原則の適用を怠ったことは別に驚くには当たらないのかもしれない。」
現地での取材のため東京を訪れていたバーニー氏は声明でこう述ましべた。
「福島の大惨事の発生から8年以上が過ぎた今も尚、東京電力と日本政府は自分たちが何十年もの間原子力リスクに科学的に対処することを怠ってきた事実を認めようとしていません。」
福島第一原子力発電所は2011年3月11日に津波に襲われた後、6基あった原子炉のうち3基でメルトダウン事故が発生しました。
高さが14メートルに達した津波は発電所の予備電源を含むすべての電力の供給をストップさせ、冷却機能を失った原子炉内の燃料が溶け落ちる事態につながったのです。

検察は勝又恒久前会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人は巨大津波がもたらすリスクを認識すべきであったにもかかわらず、必要な安全対策を講じることを怠ったと主張していました。
3人は専門家が福島沖で発生する大津波による脅威について警告が行われた会議に出席し、その資料も閲覧し、もし10mを超える津波に襲われた場合は福島第一原発が全電源喪失の状態に陥り、大事故を起こす危険性があることを警告されていました。
さらに専門家を集めた政府委員会の2002年の報告書に基づいて東電内部の検討結果は、マグニチュード8.3の地震の後に最大15.7mの津波に襲われる可能性があると結論づけていました。
2011年3月の巨大津波を引き起こした地震の震度はマグニチュード9.0に達したのです。
巨大津波は福島を含む東北地方の太平洋沿岸地区で18,000人以上の命を奪いました。
そして福島第一原発の原子炉のメルトダウンは放射性物質を大気中に放出し、発電所周辺を中心に16万人の住民が避難を強いられましたが、4万人以上の人々が未だに自宅に戻れずにいます。

東京電力はメルトダウンした原子炉の炉心から溶け落ちた燃料を見つけて取り除くのに40年かかるとの見解を秋からにしていますが、一部の専門家はすべての原子炉の廃炉が完了するまでにはさらに多くの時間がかかると見ています。
日本政府は福島第一原発の廃炉解体費用、周辺地域の除染費用、被害者への補償の総費用は20兆円以上と見積もっています。
何重もの苦境に立たされている東京電力は、福島第一原発の敷地内に貯蔵されている100万トン以上の放射能汚染水の処理方法を間もなく決定するとみられています。
最も可能性の高い『太平洋に汚染水を投棄する』という選択肢は、これまで8年間かけて事業再建に取り組んできた地元の漁業関係者に強く反対されています。
当初、東京電力の役員が直接刑事責任を問われる可能性は低いとみられていました。
東京地方検察庁は証拠不十分と犯罪性が低いとの理由で、過去2回3役員を起訴することを拒否しました。
しかし2015年、一般市民で構成される検察審査会が3人の男性を裁判にかけるべきだと裁定した後、刑事訴訟が行われることになりました。

東京電力の元幹部に対する刑事告発を行った福島県民5,700人以上の告発を代行する河合弘之弁護士はすでに判決の前、敗訴した側が控訴するために法廷闘争は約10年続くと予想していたと語りました。
「この判決は大きな戦いの始まりを告げたにすぎません。」
河合弁護士は集会でこう語りました。
「私たちの究極の目標は、多くの住民を絶望の淵に追い込んだ危険な原子力発電所を根絶することです。」
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福島第一原発事故の原因を作り出した東京電力の3人の役員に対する刑事裁判における『日本の裁判所』の無罪判決は、世界のメディアが一斉に取り上げました。
まだ作業途中ですが私が確認した限り、取り上げていない著名なメディアはありません。それらをじっくりたっぷり、シリーズ化してご紹介したいと思っています。
それぞれ行間に怒りがにじむような記事になっていますが、私の翻訳ではその行間の怒りも文字になってしまっているかもしれません。
「違う!」と思われる方は、どうぞご自分で翻訳の上、ご紹介なさってみてはいかがでしょうか?
『保守の論客』なる人物、実は見返りを期待して体制や金主におもねる人間の稚拙で意味不明、しかも呆れるほどに無内容な文章を読んだことがありますが、完成度の高い日本語の文章という点でも、「星の金貨』の文章が彼らの『論説』に劣るものだとは思っていません。
「再処理計画は実現不可能!」フランスは『核燃料サイクル計画の放棄』を発表、共同開発を希望していた日本を痛撃
福島第一原発の事故収束・廃炉には8兆円を超える費用、第二原発の廃炉の同時進行は可能なのか?

山口まり / AP 2019年9月2日
2018年11月28日静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所の原子炉2号機を解体する作業員。
日本の原子力政策決定機関は、日本が大規模な原子力発電所の廃止措置の時代に入っており、安全対策の徹底と数十年の作業期間に加え数千億円という巨額の費用を必要とする作業について、予め計画を完備するよう各電力会社に促す内容の報告書を採択しました。
日本では現在24基のすべての商業用原子炉の40%にあたる24基の原子炉の廃炉が計画されています。
その中には2011年に東北地方を襲った巨大地震と巨大津波により深刻な被害を受けた福島第一原発の4基の原子炉が含まれています。
日本原子力委員会で今年採択された年次原子力白書は、電力事業者に米国と欧州の事例、特にドイツ、フランス、英国の事例から学ぶよう強く促しています。
日本はまだ原子炉の廃炉措置を完させた経験が無く、放射性核廃棄物の最終処分についての具体的な計画もありません。
「廃止される原子力施設が今後さらに増加することを考慮し、一連の作業を効率的かつ円滑に実行するために新しい技術とシステムを開発する必要がある。」
報告書にはこう記述されています。
「これは我々が前進させ取り組まなければならない、すべてがまったく新しい段階である。」

日本の電力会社は、福島第一原発の事故後に導入された安全基準をクリアするための改良作業に投資する代わり、老朽化した原子炉を廃棄する選択を行いました。
もっとも一般的な原子炉の場合、その廃炉措置には約600億円の費用と数十年の作業期間が必要です。
日本政府が運営する日本原子力研究開発機構が明らかにした79の原子力研究施設の約半分を廃棄する計画に言及し、報告書は原子力に関する基礎研究が弱体化することについての懸念を提起しました。
福島第一原発の事故以前、日本には60基の商業用原子炉があり、国内の電力需要の約25%を供給していました。
安倍政権は新しい原子力発電所の建設すら視野に入れた原子力発電の推進政策をとっていますが、原子力規制当局が時間をかけて検査を行っているため、原子炉の再起動はゆっくりとしか進んでいません。
一方、原子力発電の継続に反対する感情は日本国民の中に根強く、電力会社が原子力発電の継続のために施設の改良工事等を行う際に現地の同意を取り付けることが一層困難になっています。
中でも放射性核廃棄物の貯蔵に関連する計画はいかなるものであっても、強い抵抗を受ける傾向があります。

福島第一原発の事故以降、日本国内で再稼働した原子炉は9基にとどまり、安倍政権が目指す野心的20~22%の強引な目標と比較すると、その割合は全電力供給の約3%に過ぎません。
東京電力ホールディングスは2月、2011年の東日本大震災の際メルトダウン事故をかろうじて免れた福島第二原発の原子炉4基すべてを廃炉にする計画を発表しました。
地元の住民と自治体は福島第一原発の事故以降ずっと福島第二原発の廃止を求めてきましたが、8年が経ってやっと結論が出ました。
東京電力は福島第二原発の廃炉だけで4,100億円の費用と40年という時間がかかると語っています。
しかし専門家は、現在、廃墟と化した福島第一原発の現場で事故収束・廃炉のために絶えず数多くの難問を抱え込んでいる東京電力にとって、この数字が現実的なのかどうか懸念を表明しました。
福島第一原発の事故収束・廃炉には8兆円を超える費用がかかると見積もられています。
2001年から東海原子力発電所の廃炉作業を続けている日本原子力発電は、作業完了予定を5年間、2030年まで完了時期を延期すると発表しました。
これは同社が原子炉炉心から高放射性廃棄物を取り出すことができずにいる上、保管方法も見つかっていないためです。
この日本政府が運営していた東海核燃料再処理施設の廃止措置には70年かかり、費用は7,700億円に上ることが予想されています。

さらに日本については備蓄量が47トンに達しているプルトニウムについて国際社会の懸念が高まっているにもかかわらず、原子力白書は核燃料サイクル計画と高速増殖炉の開発計画を推進すると述べています。
これに対し原子力委員会はプルトニウムの備蓄量を減らし、事実をありのままに公にするべきであると述べています。
フランスは最近になって、理論的に燃料として使った以上のプルトニウムを生成する次世代高速増殖炉・ASTRID計画の放棄を公表しました。
再処理技術を共同開発することを望んでいた日本にとって、大きな痛手となる可能性があります。
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日本という国が原子力発電を止められないのは、科学的になにか根拠があるからではなく、そこに群がって汚れた利権を漁り続ける人間たちがいるからだということが、8年間福島第一原発事故に関する海外メディアの記事を翻訳し続けてきた結果、私の中に出来上がった答えです。
アベ政治の本質を知っている自治体と住民は切り捨てられる
安倍政権は住宅問題・環境対策予算を削減してオリンピック予算にまわしている

AP / 2019年9月15日
同町の熊谷大(ゆたか)町長は、2019年9月14日土曜日、2020年東京オリンピック開催が2011年東日本大震災の被災地の復興に役立っていないと日本政府を批判しました。
「利府町に対する日本政府からの援助はなく、予算は全くありません。」
2020年開催の東京オリンピックで男子と女子のサッカーを開催する宮城スタジアムのメディア・ツアーで、熊谷町長はこうコメントしました。
オリンピックサッカーの試合を開催する予定になっている東北地方の自治体の町長が、2020年に開催される東京オリンピックを被災地の復興に活用することを約束した日本政府からの資金提供を受けられないでいると語りました。
日本政府と東京2020の主催者はオリンピック開催を通し、2011年に発生した東日本大震災からの日本の復興を世界にアピールすることを望んでいます。
サッカーや野球など、いくつかのオリンピック・イベントが東北地方で開催される予定になっています。
しかし開会式まであと1年を切ったこの時点で、宮城県利府町の熊谷町長は、利府町が日本政府からの資金援助を受けていないと語りました。
「政府からの資金援助はありません。いかなる予算提供もありません。全くありません。」
熊谷町長は9月14日土曜日、こう語りました。
「東京2020は復興の象徴と位置づけられていますが、こと予算に関しては、この利府町にはオリンピックの予算はやってきません。」
熊谷町長は2020年のオリンピックで男子と女子のサッカーを主催する予定の49,000席の規模を持つ宮城スタジアムのメディアツアーで、こうコメントしました。

復興庁によれば、2019年8月現在、東北地方では約50,000人がいまだに避難生活を強いられています。
宮城県女川町長の須田善明町長も熊谷町長の発言に同調しました。
女川町は利府町同様、東日本大震災の津波により壊滅的な被害を受けた沿岸の自治体です。
「私たちは日本政府から1円も補助金を受けていません。」
須田町長がこう語りました。
「会場設営からオリンピックの試合を観戦するために訪れる人々の接待まで何から何まで、私たちは自力でやらなければなりません。」
首都圏でのオリンピック建設事業を急ぐために地域から建設労働者が連れ去され、その結果地方での復興の取り組みがを妨げられていると一部のメディアが伝えています。

日本は世界で最も地震と津波が発生しやすい場所の1つです。
2011年3月11日、東北地方太平洋の沖合でマグニチュード9.0の地震が津波を引き起こし、福島第一原子力発電所で3基の原子炉がメルトダウンする事故を引き起こしました。
この地震と津波は東北地方の太平洋沿岸地域に甚大な被害を与え、18,000人以上の命を奪いました。
2013年のオリンピックの指名争いでは約8,000億円の総開催費用を予測した日本政府は現在、約2兆1千億円を超える予算をつぎ込んで首都圏を中心にオリンピックを開催できるように準備していると伝えられています。
海外からも多くの人々が参加した日本の反オリンピック活動家のグループは、今年の夏、「反五輪の会」の名の下で小規模な抗議やその他のイベントを開催しました。
彼らは東京オリンピックに巨額の国家予算を支出することに反対しています。
「反五輪の会」の主張によれば、日本政府は住宅問題と環境問題のための国の予算を削減してオリンピック予算にまわしています。
「反五輪の会」の人々は福島県の再建のためにもっと国の予算を回すよう求めています。
これに対しオリンピック組織委員会は福島の復興はオリンピックの主要なテーマであり、野球、ソフトボール、サッカーの試合を開催し、福島はもう安全であるということを世界に証明する機会にすると主張しています。
しかし日本のオリンピック組織委員会は東京での開催準備を進める際、一連のハードルに直面しました。

今年8月には東京の夏の暑さにより、女子トライアスロン予選競技が短縮されました。
東京の夏の暑さは来年のオリンピックの試合にも悪影響を与える可能性があります。
日本のオリンピック委員会の竹田恒和前委員長は、東京にオリンピックを誘致するための不正な買収行為に関与したため、今年初めに辞任させざるを得ませんでした。
竹田氏は不正行為を否定しましたが、フランスの検察当局が買収資金だったと認定している約200万ドルの出費に署名したことは認めました。
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一度書いたことがありますが、地方の業界団体の理事をしている友人がいます。
彼は大きなプロジェクトに政府の資金援助が必要になると、自民党本部に陳情に行かなければなりません。
そしてプロジェクトの中身について説明しようとすると、発言の蒙昧さと権力者への徹底した阿諛追従ぶりで今や大層評判の悪い自民党のN幹事長にピシャリとこう釘を刺されるそうです。
「中身なんか関係無いんだよ。あんたのところの選挙区が、我々にどれだけ投票してくれたかで決まるんだよ。」
そう言って企画書類など見ようともせず、前回の選挙戦での自民党の得票一覧票を引っ張り出し、そちらの方を詳細に確認しはじめる…
そのため彼は国政選挙になると目の色を変えて担当地方を走り回り、自民党候補者への投票を頼んで回らなければなりません。
この話を知っていた私は、今年7月の参議院選挙で秋田、岩手、山形、宮城の4県で自民党候補者が落選したのを見て、この4つの県はいずれ何らかの形で『報復』されるのだろうと思っていました。
その結果の一つを伝えたのがこの記事なのだと考えています。
現在の日本の『国政』が何を基準にして動いているのかを象徴するものでしょう。
このような政治は従来の自民党支持者にとっても受け入れがたい状況のはずです。
ちなみに先の友人は自民党本部に陳情に言った後、決まって体調を崩します。
「でもあなた自身が、そうした体制の存続に力を貸しているんだよ。」
とは、さすがに可哀想で言えずにいます。
なおこの記事の原題は『Mayor of town in north Japan bemoans lack of Olympic fund』であり、そのまま翻訳すれば『オリンピック試合開催の資金提供が無いことに不満を表明する東北地方の町長』ということになり、私がつけた題名を連想させるものでもありません。
「もう一度原発事故を起こしてしまったら、日本は破滅する」
難しくなった2030年までに30基の原子炉を再稼働させるという安倍政権の目標

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年9月12日
新たに環境大臣に就任した小泉進次郎氏は、福島第一原発事故を繰り返さないためにすべきことは原子力発電所の再稼働ではなく、原子炉の廃炉であるべきだと語りました。
戦後日本で3番目に若い閣僚に任命された数時間後、小泉進次郎氏が明らかにしたコメントは、彼を原子力発電推進派の安倍首相との対決路線に
置く可能性があります。
「日本国内の原子炉をどのようにして保持するかではなく、それらをどうすれば廃炉にできるのか学んでいきたい。」
38歳の小泉氏はこう語りました。
「別の原子力発電所事故を起こしてしまったら、私たちは破滅することになるでしょう。この国ではいつ大地震が起きるかわからないのです。」
こう発言した小泉氏ですが、すぐに日本が原子力発電を全廃することは『非現実的』だと主張する新任の経済産業大臣から反論されることになりました。
「原子力にはリスクもあり懸念もあります。」
菅原一秀経済産業大臣は記者団にこう語りました。
「しかし『原発ゼロ』は、現時点においても将来においても現実的ではありません。」

日本政府は、原子力発電が2030年までに日本全体の気発電割合の20%から22%を構成することことを望んでいます。
しかし原子力発電に反対する人々は大地震や津波に見舞われる可能性の高い国土の特性を考えると、原子力発電所の存在は日本を常に危険にさらすことになると批判しています。
しかし安倍首相は原子力発電所の再稼働を要求し、原子力は日本が二酸化炭素排出目標を達成し、輸入に頼らざるをえない天然ガスや石油への依存割合を減らすのに貢献すると主張しています。
2011年3月巨大津波に襲われた福島第一原子力発電所で3基の原子炉がメルトダウンする事故を引き起こした後、日本国内にあつた54基の原子炉はすべて停止しました。
当時原子力発電は日本の総電力生産量の約30%を占めていました。
しかし現在は福島のメルトダウン事故後に導入された厳格化された安全性基準に適合した原子炉9基だけが再稼働しています。
しかも安倍政権が目指す2030年までに30基の原子炉を再稼働させるという目標は、地元の強い反対と法的課題を前に達成できる可能性は低くなっています。
小泉進次郎氏は自らの主張について閣内からの反対意見に直面するでしょうが、少なくとも父親であり反原発運動家として知れる元首相の小泉純一郎氏の支援を受けることになるでしょう。

日本の原子力の将来についての議論は続いていますが、将来の首相候補とも取りざたされる小泉進次郎氏は現在、福島第一原発内に貯蔵された100万トンを超える放射能汚染水をどうすべきかという論争の中心に立たなければなりません。
小泉氏の前任者である原田義昭環境相は9月10日の記者会見で、福島第一原発を管理運営する東京電力が放射能汚染水を無期限に貯蔵することは不可能であり、太平洋に放出して希釈する以外の選択肢はないと語りました。
放射能汚染水を海洋投棄するという見解に地元の漁業関係者は怒りの声をあげ、隣国である韓国も抗議を行いました。
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小泉進次郎氏個人について私自身は何か関心があるわけではありませんが、私の一般論(ちょっと変な言い方ですが)は【 政治の良心が死んでいく国・日本 】エコノミスト( https://kobajun.biz/?p=36138 )でご紹介した通りです。
それよりも今回驚いたのは、小泉氏を批判する菅原一秀経済産業大臣についてウィキペディアを参照していたときのことです。
『詐欺漢』や『食言』『欺瞞』『劣悪』『陰湿』という単語は、私にとっては安倍内閣という単語の連想句になっています。
またか!
というのがその感想です。
こうした政治屋一人一人も問題ですが、安倍政権を見ているとその周辺にはそうした人間が際限もなく登場してくる印象があります。
自分に身近な利害しか眼中にない政治屋を生む土壌というものがあるはずです。
平等で自由で、そして平和な日本を守るために戦わなければならない最大の敵とは何か?
私はそれを見失わないことが一番大切だと思っています。
福島第一原発敷地内の貯蔵にある100万トン以上の放射能汚染水、東京電力は2022年までに収容能力を超過すると公表
一旦開始されれば、処理済み汚染水の海洋投棄は17年続く可能性がある

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年9月10日
日本政府の環境大臣は、複数の原子炉が破壊された福島第一原子力発電所を管理運営する東電が、近い将来大量の放射能汚染水を直接太平洋に投棄せざるをえなくなると語り、周辺地域の漁業関係者を激怒させました。
2011年3月東日本大震災による巨大津波に襲われ3基の原子炉がメルトダウンするという巨大事故を起こし、周辺市町村の数十万人の住民が避難を余儀なくされましたが、この事故以降、福島第一原発の敷地内には100万トン以上の汚染水が溜まり続けています。
東京電力は、汚染された地下水が増え続ける事態への対処に苦しみ続けてきました。
汚染水が増え続けている背景には、破損した3基の原子炉の炉心の融解を防ぐために間断なく注ぎ込まれる水に加え、汚染された現場に地下水が流入している現実があります。
東京電力は、増え続ける汚染水からほとんどの放射性物質を除去する作業を続けてきましたが、水素の放射性同位体であるトリチウムを除去できる装置は現場にはありません。
沿岸の原子力発電所は通常、トリチウムを含む水を海洋投棄しています。
トリチウムは自然界ではごくわずかに発生するのみです。

東京電力は昨年、一度濾過処理をしたタンク内の汚染水にトリチウム以外の別の放射性物質が含まれていることを認めました。
現在、福島第一原発のほぼ1,000基のタンクに100万トン以上の汚染水が貯蔵されていますが、東京電力は2022年の夏までには貯蔵能力が限界に達することを明かしました。
「思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている。」
原田義昭環境相は10日の日東京で行われた記者会見の席上、こう語りました。
「これから政府全体で慎重に議論すると思うので、単なる意見として聞いてほしい。」
政府が専門家委員会から報告書を受け取るまで、汚染水の処分方法に関する決定は行われません。
他の選択肢には、汚染水を気化させる、あるいは長期間陸上で保管する方法などがあります。
原田環境大臣はどれくらいの量の汚染水を海洋放出する必要があるかは話しませんでした。
しかし日本原子力学会において福島第一原子力発電所の廃炉方法を検討する委員会の委員長を務める宮野廣法政大学教授による最新の研究では、処理済みの汚染水を希釈して放射性物質を基準を満たすレベルにまで減らした後、処理水を排出するのに17年かかる可能性があるとしています。

汚染水を海洋投棄するという決定は、過去8年間にわたって懸命に事業の再建に取り組んできた地元の漁業関係者を怒らせることになります。
隣国の韓国も、自国の海産物の評価に影響が出かねないとして懸念を表明しています。
8月韓国政府は福島第一原発の放射能汚染水がどのように処理されるか説明を求めるため、在韓日本大使館の高官を召喚しました。
極東アジアを代表する2国間関係は第二次世界大戦中に日本の鉱工業の現場で強制労働を課された韓国人に対する補償問題に端を発した争いにより、すでにかなりの程度悪化しています。
日本政府は破壊された3基の原子炉建屋に大量の地下水が流れ込むのを防ぐため、345億円をかけて福島第一原発の敷地を取り囲む地下に凍土壁を作りました。
建造された凍土壁は、地下水の流入量を1日あたり約500トンから約100トンに減らすことに成功しました。

日本は来年2020年の夏に東京でオリンピックとパラリンピックが開催される前に、放射能汚染水の処理方針を具体化しなければならないという新たな圧力にさらされることになりました。
6年前に東京がオリンピック開催地として立候補した際、日本の安倍首相は国際社会に対し事故を起こしている福島第一原発が「アンダー・コントロール」下にあることを保証しました。
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安倍首相の『アンダーコントロール』発言には、世界中の識者、そして日本中の心ある人々が唖然としたことでしょう。
私も「日本の首相がここまでの嘘をつくようになったんだ…」
と口をあんぐりと開けてしまったことを覚えています。
そして今感じることは、あの時『Not under control!』『Never under control!』ということを、もっともっと強く発信すべきだったという後悔の念です。
あの嘘に国民が一斉に怒らなかったために、今や福島の人々も日本国民も、あの時よりもっとひどい状況に追い込まれてしまっているのではないでしょうか?
そして一旦汚染水の太平洋への投棄が始まったら、17年続けられる可能性がある、そんなことはほとんどの国民が知らないでしょう。
日本のマスコミは原田環境大臣の発言のみ伝え、放射能汚染水の海洋投棄が現実になったら何が起きるのか科学的に検証を行ってそれを読者視聴者に伝えようという姿勢など無いからです。
政治にも報道にも良心も良識も通じない今の日本はすごく危険です。
こうした現実と戦っている人たちを可能な限り応援していきたいものです。
韓国を植民地支配していた時代、国家として犯した残虐行為について、日本はすべてを認めたこともなく相応の賠償をしたこともない
トランプと金正恩の3度の会談の成果は、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発計画が持つ本当の危険性を世界に過小評価させただけ

エコノミスト 2019年9月3日
静かな環境で買い物をしたい人にとって、この夏韓国の首都ソウルにある無印良品またはユニクロの店舗は最良の選択だったといえます。
普段なら買い物客で賑わっている両社の各店舗は、7月に韓国に対し一方的に輸出制限を行った日本革の態度に怒った韓国の一般市民の間に日本製品のボイコットが広がった結果、別の場所で衣料品や家庭用品を購入する人が増え、何週間もほとんど無人の状態が続いています。
一方日本では、「信頼できない」韓国人に関する相変もわらぬ偏見が復活しています。
過去の出来事について見過ごしにしたままにはできないという隣国韓国の態度に対する怒りは、外交官から市井で暮らす普通の日本人にまで広がっています。
しかしこの極東アジアの2つの国はともに民主主義を奉する自由主義の国家のはずであり、アメリカにとって欠くことのできないアジア地区最大の同盟国でもあるはずです。
彼らの間にはなぜいさかいが絶えないのでしょうか?
第二次世界大戦中に韓国人を強制労働者として使用した日本企業に対し、韓国の最高裁判所が原告である強制労働の被害者にそれぞれ補償金を支払う義務があると判決を下した2018年10月以来、両国の間にくすぶっていた燠火(おきび)が一気に燃え上がりました。
1965年に締結された日韓条約によってこうした請求問題はすべて解決済みであると長い間主張してきた日本は、韓国政府に対し裁判所を押さえ込むよう要求しました。
これに対し韓国政府は、行政が司法に干渉することはできないとはねつけました。
韓国の法務当局が判決を受けた日本企業の資産を差し押さえる動きに出ると、7月に入ると日本は韓国の最も重要な産業であるエレクトロニクス分野の企業がメモリチップを生産する際に必要とする化学物質について、輸出制限を課しました。

8月、今度は韓国が日本との軍事情報包括保護協定破棄の決定を公表し、争いをさらにエスカレートさせました。
日韓両国の争いは今回の韓国の裁判所の判決にとどまるものではありません。
韓国と日本は過去数十年にわたって議論してきました。
日本は1910年から1945年まで韓国を占領・植民地化しましたが、その間に犯した残虐行為について、すべてを認めたわけでもなく相応の賠償をしたことも一度もありませんでした。
これに対しその時々の韓国政府は、国民の中にくすぶる反日感情を都合よく利用し、民族主義的感情を煽ってきました。
実際、大日本帝国の鉱工業の現場に強制的に送り込まれた韓国人男性、あるいは急日本軍の売春宿で売春行為を強要された韓国人女性に対する補償をめぐって行われた実態解明のための検証は、事実が想像以上に酷いものであったことを証明したのです。
それでも同盟国である日韓両国は、これまでこうした問題の見解の不一致について、商取引と国家安全保障の問題とは切り離して取り扱ってきました。
その理由の一部は、主に北朝鮮によって生じている極東アジアにおける不安定な事態が自分たちの手には負えない事態に陥った際、日韓両国と同盟関係にあるアメリカが介入できるようにするためです。
日米韓3か国の同盟関係こそが極東の危機管理を可能にしてきました。

しかしドナルド・トランプ大統領の下で、アメリカは国際社会の危機管理とはどんどん距離を置くようになってきました。
トランプと北朝鮮の独裁者であるキム・ジョンウンとは昨年6月以来3回に渡り会談を行ってきましたが、その成果といえば北朝鮮の核兵器・ミサイル開発計画が持つ本当の危険性を世界が過小評価するよう演出しただけでした。
トランプは常々極東アジアにおけるアメリカ軍の駐留費用について不満を口にし、日韓両国の同盟国間の言い争いに巻き込まれることを嫌っていました。
しかも現時点ではナショナリスト的姿勢を誇示する方が日本でも韓国でも支持される傾向があり、どちらも態度を改めるつもりはありません。
目下、両国は過去に振り回され続けているだけです。
国民に大きな負担を強いる、人口減少と老齢化が急速に進む中での防衛費の急激な増大
F-35ステルス戦闘機を安倍政権の計画通り購入すれば、自衛の範囲を完全に超えることになる
宇宙空間にも持ち込まれる日米対中国ロシアの軍拡競争、増大に歯止めがかからない軍事予算

山口まり / AP通信 2019年8月30日
防衛省は8月30日金曜日、2020年度の5兆円3,200億円の予算要求を行ったと発表しました。
2019年度に対し1.2%の増額です。
今年末に財務省の承認を経て議会でこの予算案が成立する以前、トランプ政権が日本に対して要求しているアメリカ軍の駐留経費の日本負担分の増額やイラン近海のホルムズ海峡での哨戒任務に日本が参加することを受け入れれば、その金額はさらに膨らむことになります。
日本の軍事予算は2012年12月の安倍首相の就任以降、7年連続で増え続け、当初の金額と比べると13%増額されました。
2018年には、計算方法によって異なるものの総防衛支出で世界第8位または第9位にランクされました。
安倍首相が押し進めるのは、日本の自衛隊が国際紛争の場で自由に活動できるようにすること、装備を共通のものにすることによりアメリカ軍との共同作戦をより一層遂行しやすくすることです。
安倍首相はすでに2015年に日本の平和主義憲法について解釈の変更を行い、自国に加えその同盟国の防衛にも自衛隊が武力行使できるようにしました。
購入が計画されている中で最も高額なのが、短距離離陸と垂直着陸が可能なF-35Bステルス型戦闘機です。
安倍政権は2024年に配備するために1機140億円するこの戦闘機を6機(840億円)購入する計画です。
安倍政権はさらに今後数年間で42機(5,880億円)のF-35Bと105機のF-35Aを購入する計画を進めており、2つを合わせたF-35の保有数は147機になります。

この保有数は米国以外の国では最大であり、専門家はこの数はもはや自衛の範囲を完全に超えていると指摘しています。
今年度後半防衛省は現在ヘリコプター空母として機能している2隻の駆逐艦のうち『いずも』を31億円をかけて艤装し直し、飛行甲板を耐熱製のものに交換し誘導灯を取り付け、F-35Bを搭載できる航空母艦に改造する計画しています。
岩谷防衛大臣は8月初旬、アメリカ海兵隊所属のF-35Bも『いずも』を利用できるようにするが、当初は日米共同訓練の際だけに限定し、アメリカ軍が単独で利用することはないと語りました。
これは自衛隊とアメリカ軍の連携を一方的に強化すれば、アメリカが主導する国際武力紛争に巻きこまれる可能性があり、その危険を回避するためだと語りました。
アメリカ大統領トランプが日本に対し米国が主導する国際紛争への武力介入にもっと積極的に参加するよう要求する中、この取り決めは米国との同盟関係において日本の負担割合を高めていることを強調する意味があります。
第二次世界大戦中日本に侵略された過去を持つアジア太平洋諸国に対する配慮から日本はこれまで外用出撃的性格を持つ航空母艦の保有を避けてきましたが、いずもの改造は海上自衛隊の役割を大きく変化させることになります。
南シナ海における中国の増大する軍事的プレゼンスと能力の強化とそれに伴う権益強化の主張は、域内の多くの人々を不安にさせてきました。

日本は今後10年間、新しい防衛ガイドラインの下で宇宙専門の軍事部門を設置し、サイバー攻撃および電磁波攻撃に対する対策を強化していく計画です。
中国もロシアも軍事空間における軍事能力を強化しているのに対応するため、今年日本と米国は宇宙空間における軍事協力に合意しました。
日本の防衛省は524億円をかけ、航空自衛隊の20人の隊員を宇宙空間に送り込み、宇宙ゴミの影響と将来実用化される可能性のある日本の人工衛星に対する電磁波干渉攻撃を監視するとともに、高感度レーダーを使用した追跡システムと光学望遠システムを装備機能させる計画です。
高額なアメリカの武器を購入すれば米国の対日貿易赤字を削減し、互換性の高い軍事協力可能にしますが、発展途上の日本の軍需産業にとっては逆風が吹くことになります。
日本が老朽化したF-2戦闘機に代わる国産の後継機種を生産することが求められる中、防衛省は共同国際プロジェクトとして後継機の開発に着手する可能性があります。

人口減少と同時進行で急速に老齢化が進む日本にとって、防衛費の一方的増大は負担となります。
安倍政権が打ち出した今後5年間の中期防衛プログラムのために、日本は2024年までに27兆円の軍事支出をしなければなりません。
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なぜ戦争も起きていないのにこれほど多くの国家予算を軍事に費やさなければならないのでしょうか?
現在権力中枢にいる人間たちといわゆる軍需産業との間に密接な利害関係があるからですか?
ウィキペディアには、安倍首相の祖父の岸信介氏について、次のような記述があります(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%B8%E4%BF%A1%E4%BB%8B)。
『満州国国務院実業部総務司長に就任して渡満(途中略)軍・財・官界に跨る広範な人脈を築き、満州国の5人の大物の1人に数えられた。また、山口県出身の同郷人、鮎川義介・松岡洋右と共に「満州三角同盟」とも呼ばれた。
この(1936年〜39年)頃から、岸はどこからともなく政治資金を調達するようになった。その後、満州から去る際に「政治資金は濾過機を通ったきれいなものを受け取らなければいけない。問題が起こったときは、その濾過機が事件となるのであって、受け取った政治家はきれいな水を飲んでいるのだから関わり合いにならない。政治資金で汚職問題を起こすのは濾過が不十分だからです」という言葉を残している。』
こうした言わばノウハウと『軍・財・官界に跨る広範な人脈』について安倍氏はどの程度継承したのでしょうか?
私個人は自衛隊の戦力について、中国もロシアも北朝鮮も、『軽率に日本との間に武力紛争を引き起こせば、自分たちが手痛い打撃を被る』レベルのものがふさわしいと考えています。
ただ自分は専門家ではないので具体的な指摘はできませんが、専門家が「この数はもはや自衛の範囲を完全に超えている」と指摘する現在の安倍政権の軍拡路線は明らかに行き過ぎのはずです。
そして一方では高等教育予算の減額や福祉政策の削減が行われています。
これは日本という国の質を『痩せさせてしまう』政策だと思います。
国として豊かさは教育や福祉が充実していることをもって測られるべきものであって、武器軍備ばかりが重厚な国家というのは、かつてのソ連邦のように崩壊の危うさを内包するものなのではないでしょうか?
日本軍の残虐行為に対するアメリカ軍の報復、その矢面に立たされたのは日本の民間人
女性と子供たちを標的にした大規模な空襲によって大量の市民が虐殺されても、大日本帝国とナチスドイツの戦争マシーンは関係なく動き続けた
日本国内では戦争を批判しただけで、血も涙もない憲兵隊によって即座に処断された

シェイン・クイン / グローバル・リサーチ 2019年6月18日
日米開戦のちょうど1年前の1940年12月19日、ルーズベルトは、長年日本と戦い続けてきた中国に対し、航空機の無償提供を含むの2,500万ドルの軍事援助を承認しました。
1940年当時の2,500万ドルは、今日の5億ドルに相当します。
1941年3月11日、ルーズベルトは中国を筆頭に、英国、ソビエト連邦、フランスなど、大日本帝国に対し一片の同情も持っていない国々により多くの資材を提供するプログラム、レンド・リース法に署名しました。
ルーズベルトは1940年9月の日本軍によるフランス領北インドシナ占領が周辺地域のアメリカの権益を脅かす結果となったことなどを受け、日本に対し数ヶ月に及ぶ経済制裁と禁輸措置をとっていました。
1941年7月26日、ルーズベルトはアメリカ国内のすべての日本の資産を凍結しました。
真珠湾攻撃のに先立つこと4か月のこの思い切った政策の実施は、日本に対する経済戦争の宣戦布告となりました。
ルーズベルトの決断により日本は石油輸入量の実に90%を失い、海外貿易の75%の途を絶たれてしまいました。
日本国内の石油備蓄量はそのままでは1943年1月までには使い果たされる見込みであり、日本軍がさらなる軍事侵略を行って石油資源を確保しない限り、現有していた供給源だけではどうにもならないところまで追い詰められました。

敵同士となった日米両軍の兵員数はほぼ拮抗していましたが、のちに戦争史上悪名高い存在となる日本兵の残虐な行為を免れるのは容易なことではありませんでした。
東京の戦争計画者は飢餓状態から解放されるためさらなる征服に食指を動かし、資源が豊富なビルマ、フィリピン、マラヤ、シンガポール、オランダ領東インド諸島(インドネシア)へと軍隊を進行させ、1942年前半までに征服事業を完了させました。
しかし戦争の進行とともに形勢はゆっくりと変化していきました。
連合国側による一般市民の生活圏に対する容赦ない爆撃は、その目的が戦争を迅速に収束させるというものでしたが、結局は効果がないまま悲惨な失策に陥っていました。
そして未だに戦争犯罪として位置付けられることもありません。
こうした倫理観がまるでない戦略には結局は第二次世界大戦を長引かせただけでしたが、未だに誰も説明責任を負おうとはしません。一般市民を血まみれにした空襲はその士気を打ち砕き、敵の戦争指導部に対する市民の反感を助長し反乱を誘発すると長い間信じられてきましたが、それは全くの幻想に終わりました。
1945年の夏になるとアメリカの海上封鎖により日本国内には徐々に飢えが広がり、日本の民間人にとっては食料を手に入れることが最大の関心事になり、それ以上のことは考えられなくなりました。
日本国内では戦争を批判しただけで、日本の軍警察、血も涙もない憲兵隊によって即座に処刑されました。

欧米の指導者たちは、1940年代初頭にナチスドイツが行った英国本土大空襲からどのような教訓を得るべきか学び損ねていました。
仮借ない空襲が英国市民の戦意をくじくどころか、逆に強くしたことを。
この現実から教訓を得たのはドイツ国防軍の上層部の方でした。
結局ウィンストン・チャーチルのような連合軍の指導者は、1945年2月ドイツの中世の遺跡が大量に残るドレスデンを無意味に破壊することを提案し、実行してしまいました。
女性と子供たちを標的にした大規模な空襲によって大量の市民が虐殺されても、ドイツと日本の戦争マシーンは関係なく動き続けました。
ナチスの軍需大臣であるアルベルト・シュピアは、ドイツ全土に対する連合国の空襲が度々工業地帯に向かわずに市民を標的としていることに唖然としていました。
おかげでシュピアは1944年段階においてもなお航空機と戦車の生産を続けることができ、ヒトラーの歓心と称賛を買うとともに、1944年12月のアルデンヌ攻勢のような『反攻』を可能にしました。
空爆(空襲)の背後にある現実は、カーティス・ルメイ将軍や彼の英国の同僚だったアーサー「ボマー」ハリス将軍やその他の人々の意図に反するものだったのです。
すべてが終わった後、ハリスは回顧録の中で次のように認めました。
「軍事施設ではなく市街地を徹底的に破壊するという攻撃の根底にある戦略は、完全に不健全な考え方であったことが証明されただけだった。」
そして次のように記しています。
「連合軍の指導者は、そのパイロット達をナチスドイツと大日本帝国の工場、通信施設、補給基地への攻撃に向かわせるべきだった。そうしていれば戦争は1945年よりもっと前に終わっていたであろう…。」

ルメイ将軍は350万世帯以上の家屋を破壊し日本人を大量に殺したことに関しては話をしていましたが、1945年半ばに日本のインフラの多くが未だに手つかずのまま残されていることには言及しませんでした。
北海道と本州を結ぶ石炭運搬船や国内の鉄道網など、大日本帝国の極めて重要なライフラインは1945年8月まで健在でした。
ルメイ将軍の指揮下にあったB-29の大群が気づかないまま通過していったいくつかの工業地帯も同様だったのです。
(完)
https://www.globalresearch.ca/us-military-destroyed-66-japanese-cities-before-planning-wipe-out-same-number-soviet-cities/5680934
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この稿を翻訳してわかったことは、日本が2度にわたり核兵器攻撃を受けた理由ははっきりしているという考え方があることです。
これまではドイツが核兵器攻撃を免れ、日本だけがその惨禍を被ったことについて、「ドイツ人は白人であり、日本人は黄色人種だったから」という人種差別に基づくまことしやかな言説もありました。
しかしこの稿を読むとドイツが降伏した1945年5月初頭の時点ではまだ『実用可能な』原子爆弾が用意できなかった形跡があり、人種論に基づきアメリカがドイツに対する原爆投下をためらったというような話は出てきません。
逆に私たち日本人にとって衝撃的なのは、戦地における日本軍の残虐な行為に対する『報復』としてアメリカ軍が日本の市街地に原爆を投下した、とする見方があるということです。
日本の一般市民はその報復対象になり、都市部への空襲と合わせ100万人を超える無抵抗の人々がただただ殺されたことになります。
戦地で直接残虐な行為に及んだ日本兵も、その事実を知らずに自国の兵士の支援を続けた女性や子供たちも同罪だということでしょうか?
戦争というものの愚劣さをこれほど象徴的に物語る事実はない、そう思います。
日本の軍組織もひときわサディスティックで残忍であり、第二次世界大戦が始まる前から各地で残虐行為を行っていた
アメリカ軍の『報復』によって1945年の夏までに900万人以上の日本の市民が住む場所を失った
東京大空襲「夢が叶った…一面が火の海となり、東京は枯葉のように燃え上がった」米国メディアの論評

シェイン・クイン / グローバル・リサーチ 2019年6月18日
アメリカ政府が行ったこの核兵器攻撃に対し、西洋のメディアはほとんど例外なく支持を表明しました。
1945年8月上旬から1945年12月下旬まで広島・長崎への原爆投下に関して書かれた595の新聞社説のうち、200,000人以上を殺した核兵器攻撃に反対したのはわずか2%未満にとどまりました。
これら報道機関はまた、ドイツと日本の都市を次々と焼き払った大規模な空襲に揺るぎない支持を表明しました。
事実、彼らは工業地帯や軍事拠点に対する空爆よりも、むしろ「民間人を標的とした空襲を強く要求」したのです。
たとえばニューヨークのタイム誌は100,000人の一般市民を殺戮した東京大空襲について次のように称賛しました。
「夢が叶った…一面が火の海となり、日本の都市は枯葉のように燃え上がったことだろう」
アメリカが日本に対して核兵器を使用した本当の理由。それは戦争を終わらせることでも、連合軍兵士の命を救うことでもありませんでした。

一方、日本の強硬派の軍国主義者は最後の一人になるまでの戦いを主張しましたが、さらなる核兵器攻撃の脅威にさらされた結果、日本政府は1945年8月15日に降伏を発表せざるを得なかった。
事実1945年8月10日、アメリカの原爆プロジェクトを指揮していたレスリー・グローブス将軍はマーシャル将軍に対し、別の長崎型プルトニウム原子爆弾の『目標設定』が完了し、「1945年8月24日以降」に使用可能になると通知していたのです。
1945年8月8日の夕刻、ソ連が日本に宣戦布告したことも大日本帝国の降伏に影響を与えました。
翌日以降、赤軍は満州国内の日本のエリート部隊である関東軍を、熱く熱したナイフでバターで切断するようにしてバラバラにしてしまいました。
もう1つの降伏要因は、1945年8月11日に第三者を介して伝えられたアメリカの保証でした。
これは当時神のような存在であった裕仁天皇が日本の降伏後、政治権力の一切を失いはするものの天皇であり続けることができるというものです。
最初の原子爆弾攻撃の直後、当時の鈴木貫太郎内閣の内閣書記官長であった迫水久常(さこみずひさつね)は、日本が持ちこたえられるのはせいぜい2か月間、1945年10月までだと見積もっていました。
日本にはすでに制空権も制海権もなく、原油、ゴム、鉄鉱石の輸入の道も途絶えていました。
そして日本軍はビルマ及び太平洋諸島から駆逐されていました。
さらに、チェスター・ニミッツ提督(太平洋艦隊司令官)やウィリアム・リーヒー(トルーマンの参謀長)などのアメリカ軍高官の手元には、海上封鎖と絶え間ない空襲により日本は数週間以内に降伏せざるを得ない状況にあり、今さら日本本土への上陸作戦や原爆の投下は必要ないという詳細な資料がもたらされていました。

1944年3月の段階でグローブス将軍が強調していたように、原子爆弾は新たに登場した長期にわたるアメリカの敵となるソビエト連邦への実物警告として広島と長崎に投下されたのです。
核兵器を使わない空爆とはいえ、カーティス・ルメイ少将の下で行われた日本国内の数十の都市に対する戦術的空爆は大量殺戮の度合いを強めていきました。
ただし日本の軍組織もひときわサディスティックで残忍であり、第二次世界大戦が始まる前から各地で残虐行為を行っていたことを忘れてはなりません。
しかしそのことで、アメリカの軍事力の矢面に立たされたのは日本の民間人でした。
1945年5月30日、ルメイは記者会見を開き、米国の空爆が100万人以上の日本人を殺したと公の場で自慢しました。
1945年の夏までに900万人以上の日本の市民が家を失い、そのほとんどが農村や山村に避難しました。
原爆投下の直前まで、アメリカ軍機によって破壊された日本の病院は969もの数に上っていました。
その4年前、フランクリンD.ルーズベルト大統領が述べたハワイのパールハーバーにある米海軍基地に対する日本の「挑発的で卑劣な攻撃」が行われた背景には、実際に根拠のある懸念が日本側にはありました。
1941年12月7日の真珠湾攻撃に先立つ5か月間、ワシントンはB-17重爆撃機をパールハーバーを始めとする太平洋の米軍基地、フィリピンのクラーク空軍基地とデルモンテ空軍基地に移動させていました。
1941年半ば以降、アメリカの大型の爆撃機の半数が大西洋側から太平洋側に移動していましたが、こうした状況については日本の軍参謀たちも気づいていました。

この太平洋方面軍の増強の背景にある理由は1940年の後半、有名な戦前の軍事構想の専門家である空軍将官のクレア・シェンノートが具体化したものでした。
彼はB-17爆撃機がどのようにして「焼い弾で大日本帝国の産業中枢を焼き尽くす」のかその方法を説明しました。
「大量のアリが群らがっている竹で作った蟻山が集中している本州と九州への攻撃」…
シェンノート将軍の計画を聞いたルーズベルト大統領は「ただただ喜んで」いました。
日本が真珠湾攻に踏み切る1941年以前、日米両国はすでにアジア大陸と太平洋地域において互いに相容れない野望を持つ主要なライバル同士だったのです。
アメリカ政府は大日本帝国に宣戦布告することにためらいはなかったはずです。
真珠湾攻撃の3週間前の1941年11月15日、マーシャル将軍は記者団に対し、『オフレコのブリーフィング』で、アメリカ軍航空機が『紙で作られた日本の都市に火をつけることになるだろう』と語っていました。
「相手がたとえ民間人であろうと、我々は爆撃をためらうことはない。」
(後編に続く)
https://www.globalresearch.ca/us-military-destroyed-66-japanese-cities-before-planning-wipe-out-same-number-soviet-cities/5680934
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10数年前に80代で亡くなった同じ町内に住む男性が、太平洋戦争時代のことについて話してくれたことがありました。
この男性は戦後警察官僚として定年退職を迎えましたが、太平洋戦争当時は下士官として中国にいました。
「自分が軍から命令されて中国でやったことは、一生誰にも話すつもりはない。」
「家族にも話したことはないし、絶対に口にするつもりもない。あんなことをやったなんて他人に言えるはずがない…このまま墓まで持っていくしかないんです…」
こう語ると男性は絶句して下を向き、そのまま動かなくなりました。
何も具体的なことは話してくれませんでしたが、それだけ苛烈な体験を、そして多分忌まわしい体験を強いられたのだと思います。
その時の男性の姿は鮮明な記憶として残っています。
歴史修正主義者の無恥無反省の都合の良い話ではなく、自国で食い詰めた挙句ににやってきた外国人の日本に対するおべんちゃらでもなく、日本人が再び戦争という最低最悪の選択をしないように、市井で暮らし続けているこうした日本人自身の実体験を一つでも多く記録していきましょう。