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安倍首相が国際社会に確約した『アンダーコントロールの福島第一原発』が「放射能汚染水を海洋投棄する」

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所要時間 約 8分

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福島第一原発敷地内の貯蔵にある100万トン以上の放射能汚染水、東京電力は2022年までに収容能力を超過すると公表
一旦開始されれば、処理済み汚染水の海洋投棄は17年続く可能性がある

                 

                

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年9月10日

                 

日本政府の環境大臣は、複数の原子炉が破壊された福島第一原子力発電所を管理運営する東電が、近い将来大量の放射能汚染水を直接太平洋に投棄せざるをえなくなると語り、周辺地域の漁業関係者を激怒させました。

                   

2011年3月東日本大震災による巨大津波に襲われ3基の原子炉がメルトダウンするという巨大事故を起こし、周辺市町村の数十万人の住民が避難を余儀なくされましたが、この事故以降、福島第一原発の敷地内には100万トン以上の汚染水が溜まり続けています。

                       

東京電力は、汚染された地下水が増え続ける事態への対処に苦しみ続けてきました。
汚染水が増え続けている背景には、破損した3基の原子炉の炉心の融解を防ぐために間断なく注ぎ込まれる水に加え、汚染された現場に地下水が流入している現実があります。

                    

東京電力は、増え続ける汚染水からほとんどの放射性物質を除去する作業を続けてきましたが、水素の放射性同位体であるトリチウムを除去できる装置は現場にはありません。
沿岸の原子力発電所は通常、トリチウムを含む水を海洋投棄しています。
トリチウムは自然界ではごくわずかに発生するのみです。

                   

                 

東京電力は昨年、一度濾過処理をしたタンク内の汚染水にトリチウム以外の別の放射性物質が含まれていることを認めました。

             

現在、福島第一原発のほぼ1,000基のタンクに100万トン以上の汚染水が貯蔵されていますが、東京電力は2022年の夏までには貯蔵能力が限界に達することを明かしました。

                  

「思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている。」
原田義昭環境相は10日の日東京で行われた記者会見の席上、こう語りました。
「これから政府全体で慎重に議論すると思うので、単なる意見として聞いてほしい。」

                   

政府が専門家委員会から報告書を受け取るまで、汚染水の処分方法に関する決定は行われません。
他の選択肢には、汚染水を気化させる、あるいは長期間陸上で保管する方法などがあります。

                 

原田環境大臣はどれくらいの量の汚染水を海洋放出する必要があるかは話しませんでした。

                 

しかし日本原子力学会において福島第一原子力発電所の廃炉方法を検討する委員会の委員長を務める宮野廣法政大学教授による最新の研究では、処理済みの汚染水を希釈して放射性物質を基準を満たすレベルにまで減らした後、処理水を排出するのに17年かかる可能性があるとしています。

                

                 

汚染水を海洋投棄するという決定は、過去8年間にわたって懸命に事業の再建に取り組んできた地元の漁業関係者を怒らせることになります。
隣国の韓国も、自国の海産物の評価に影響が出かねないとして懸念を表明しています。

              

8月韓国政府は福島第一原発の放射能汚染水がどのように処理されるか説明を求めるため、在韓日本大使館の高官を召喚しました。

                  

極東アジアを代表する2国間関係は第二次世界大戦中に日本の鉱工業の現場で強制労働を課された韓国人に対する補償問題に端を発した争いにより、すでにかなりの程度悪化しています。

                  

日本政府は破壊された3基の原子炉建屋に大量の地下水が流れ込むのを防ぐため、345億円をかけて福島第一原発の敷地を取り囲む地下に凍土壁を作りました。
建造された凍土壁は、地下水の流入量を1日あたり約500トンから約100トンに減らすことに成功しました。

                

                   

日本は来年2020年の夏に東京でオリンピックとパラリンピックが開催される前に、放射能汚染水の処理方針を具体化しなければならないという新たな圧力にさらされることになりました。

                 

6年前に東京がオリンピック開催地として立候補した際、日本の安倍首相は国際社会に対し事故を起こしている福島第一原発が「アンダー・コントロール」下にあることを保証しました。

               

https://www.theguardian.com/environment/2019/sep/10/fukushima-japan-will-have-to-dump-radioactive-water-into-pacific-minister-says

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安倍首相の『アンダーコントロール』発言には、世界中の識者、そして日本中の心ある人々が唖然としたことでしょう。

私も「日本の首相がここまでの嘘をつくようになったんだ…」

と口をあんぐりと開けてしまったことを覚えています。

                   

そして今感じることは、あの時『Not under control!』『Never under control!』ということを、もっともっと強く発信すべきだったという後悔の念です。

あの嘘に国民が一斉に怒らなかったために、今や福島の人々も日本国民も、あの時よりもっとひどい状況に追い込まれてしまっているのではないでしょうか?

                  

そして一旦汚染水の太平洋への投棄が始まったら、17年続けられる可能性がある、そんなことはほとんどの国民が知らないでしょう。

日本のマスコミは原田環境大臣の発言のみ伝え、放射能汚染水の海洋投棄が現実になったら何が起きるのか科学的に検証を行ってそれを読者視聴者に伝えようという姿勢など無いからです。

                      

政治にも報道にも良心も良識も通じない今の日本はすごく危険です。

こうした現実と戦っている人たちを可能な限り応援していきたいものです。

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