北朝鮮対アメリカという問題を北朝鮮対日本にすり替え、軍備拡大・国民の基本的人権の制限という目的に利用する安倍首相
現実以上に北朝鮮の脅威について危機感を煽り、軍備拡大・基本的人権の制限の目的のため都合よく利用する安部首相
ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ 2017年9月20日

北朝鮮による最近の核実験と数度のミサイル発射は、日本の国民を緊張させています。
10月に予定されている選挙は、北朝鮮政府に対して強硬姿勢を貫くと明言する人物を巡る争いになるでしょう。
安倍晋三首相は25日、衆議院の解散総選挙を求める発表を行いますが、その背景にはいくつかの要因があります。
日本経済は着実に成長しており、国民生活は概ね充足していますが、問題は野党が対立軸を形成できるだけの政策を打ちだせないまま組織的に混乱し、議員の離脱や再編成によって弱体化してしまっている状況にあり、これらが安部首相を利する結果となっています。
今年前半に明らかになった一連のスキャンダルにより安倍政権への支持率は低下していましたが、ここに来て政権支持率が再び50%を超え、現在は安部首相が待ち望んでいた状況かもしれません。
それを実現させたもののひとつが、北朝鮮体制による度重なる軍事的挑発であり、それに対する安倍首相の好戦的ともとれる強硬な対応です。

安倍氏の外交問題に対するタカ派的な強硬姿勢は良く知られていますが、北朝鮮による核実験、ミサイル発射、日本国民の拉致などの問題に対し、安部首相の陣営は国際社会に対しても結束してこの問題に対処することを求め、そうした対応は国内的には支持獲得のための格好の材料として利用されています。
特にここ数か月、北朝鮮の兵器開発に携わる武器科学者たちが実証して見せた明らかな技術的進歩は、日本国民の心理状態をますます不安定なものにしています。
安倍死傷の支持率は2017年7月には約26%前後と低迷していましたが、今や安倍首相は1960年代以降最長を記録している1,728日の自民党政権の首相としての在任期間を更に延長させるために、日本の一般国民が抱いている恐怖心を利用することが可能になりました。
テンプル大学日本校のアジア研究部門の責任者であるジェフ・キングストン教授は、
「日本では対外的危機が発生する度、日の丸の旗のもとに結集しようという動きが繰り返されてきました。今回は北朝鮮がそのテーマなのです。」
ドイチェ・ヴェレの取材にこう答えました。

キングストン教授はつい最近北朝鮮が行なった、熱核反応を起こす弾頭によるものだったと見られる核実験と2回に渡る弾道ミサイル発射により、
「安部首相は長年日本の憲法の改定を宿願としてきましたが、有権者に対しそれも選択肢の一つだと思わせることが可能になって来たのです。」
安倍首相は今こそ、日本人が「紛争解決の手段として永遠に戦争を放棄する」こと、そして「陸・海・空、その他の戦力を保持しない」ことを規定している憲法第9条を改定する必要があると考え、それを明言しています。
他の保守派の人間たち同様、安部首相は現在の憲法の条文は第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗北した日本が勝利者の連合国に強制されたものであり、現実の外交的環境に合わせたものに変更されるべきものだと考えています。
日本国憲法第9条については支持する国民が多数に上り、憲法の改定は政治的にハードルが高い問題ですが、キム・ジョンウン政権による脅威を理由に安倍首相が同じ論理を用いて攻勢を強めることは間違いないと見られています。

北朝鮮の脅威は現実
「北朝鮮の核実験とミサイル発射に関する圧倒的な量の国内報道により、日本の国民は北朝鮮の脅威は現実的なものであるという共通認識を強いものにしています。」
キングストン教授がこう語りました。
「日本の野党が対北朝鮮問題に関しては有効な対抗案を示せない現状を見て、自民党はことさら安全保障問題に固執しています。」
そして次のように語りました。
「北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が、今度の安倍首相の選挙にめいっぱい追い風を送り込んでいると言っても良いでしょう。」
アナリストは、2人の友人知人が関わる別々の私立の教育機関の建設問題で、担当する文部科学省に政治的影響力を行使したという疑惑を振り払うため苦しんでいた7月下旬に支持率が26%にまで低下したことを考えると、安倍首相の支持率の回復はきわめて印象的だと指摘しています。
安部首相は自分の政治生命を守るために戦っているという指摘もありました。
東京の国際基督教大学国際関係学部のスティーブン・ナジー准教授は、安倍首相が
「北朝鮮というカードを非常に抜け目なく利用している」と考えています。
「安部首相は日本の国民に対し、北朝鮮問題を扱う上で強力なリーダーシップを発揮している姿を演じ、さらには米国との安全保障関係の効果を強調しているのです。」

ナジー准教授はこう語り、次のようにつけ加えました。
「こうした安部首相の動きに合わせるように、ドナルド・トランプは今週の国連総会の演説で、北朝鮮人による日本人拉致問題を取り上げました。
「これは日本人にとって非常に感情的な問題であり、このタイミングで取り上げたことで安部首相の支持率を上げるために効果的に作用することになるでしょう。」
http://www.dw.com/en/japans-abe-using-north-koreas-threats-to-boost-election-chances/a-40598152
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
真に平等で自由な社会、戦争の無い民主的な社会の実現を願っている人なら、連日報じられている新党設立の動き、安部自民党が強調する北朝鮮の脅威の拡声器の役割を喜々として担っているNHKなどの国内報道に対し、モヤモヤが晴れない日が続いているのではないでしょうか?
これまでご紹介したガーディアンの掲載記事の中には、すでに核兵器保有国である北朝鮮に対し『軍事的解決という選択肢は無い』とあり( http://kobajun.biz/?p=31681 )、北朝鮮が最も恐れるのは『中国が後ろ盾になった北朝鮮国内のクーデター』だ( http://kobajun.biz/?p=31697 )とありました。
こうした分析こそ冷静な的を得たものだと思うのですが、日本国内の報道の多くはそうではありません。
まさに『北朝鮮を選挙の道具として、安倍首相が最大限に有効活用できるよう』な報道を展開しているとしか思えません。
そしてリベラルな立場をとる政治家を、ドサクサに紛れこの際政界から駆逐しようとするかのごとき『新党結成』の動き。
そうしたやり方は議論することを頭から否定する姿勢の裏返しであり、安部自民党と本質は変わりません。
このような政権、このような報道体制、そしてこのような政治の流れが続けば、今後私たちの国はどうなるのでしょうか?
今度の選挙『棄権という選択肢はあり得ない』、そうではありませんか?
安部首相への追い風となって猛威を振るう『北朝鮮の脅威』
自民党が勝つか負けるか、その要因は徹底して野党の側にある
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月25日

安倍首相は野党の混乱が自分に有利に働くと判断し、大陸間弾道ミサイルと核兵器開発を急速に進める北朝鮮への強硬な姿勢を支持するよう国民に求め、突然の解散総選挙に打って出ました。
安倍首相は25日、テレビで行われた記者会見で、今回の選挙では社会保障制度への出費計画と朝鮮半島危機への対応姿勢に対する評価が下されるだろうと語りました。
そして連立与党が過半数を獲得できなければ、首相を辞任すると付け加えました。
安部首相は日本の急速な高齢化と北朝鮮の状況を踏まえ、
「強力なリーダーシップを発揮し、国家的危機に自ら立ち向かうため最前線に立つ。」
と述べました。
「これは国家の指導者としての私の責任であり、首相としての私の使命です。」
安倍首相は、2019年に予定されていた消費税増の一部を日本が抱える巨額の公的債務の返済ではなく、育児と幼児教育に転用すると述べましたが、一方では財政改革の努力も続けると語りました。
同時に10月22日に開催される衆議院選挙が北朝鮮情勢の緊張が高まる中で政治的な空白を作り出す危険性があるという批判を否定しました。
「北朝鮮の脅威に屈してはならない。」
と述べ、次のように続けました。
「今回の選挙で改めて国民の信任を獲得し、強力な外交を推進する。」

解散総選挙は安倍首相率いる政権与党自民党の代わりに、保守系の別の選択肢として候補者を立てることができる小池百合子東京都知事が率いる新党誕生から数時間後に発表されました。
防衛大臣の経験もある小池氏は、新たに結成した「希望の党」には、旧態依然とした特別なしがらみはないと語りました。
小池氏は、「北朝鮮情勢を考えると、日本は今困難な時期に直面している。」
と語り、こう続けました。
「経済面で世界は大きな動きを見せているが、日本の存在感は徐々に弱まっている。私は明日への希望があると日本人が確信できる状況を作りたい。」
小池氏の党には他の野党から離党して参加する動きがすでに出ています。
内閣府副大臣を務める福田峰之氏は9月、小池氏の党に合流する最初の自民党を離党者になると語りました。
参議院より力を持つ衆議院議員選挙の投票は、北朝鮮との緊張関係が一気に高まる中、予想よりも一年早く実施されることになりました。
北朝鮮は先月一カ月だけで日本の北部に2基の弾道ミサイルを発射した結果、日本国内では緊急時に対応するための様々な訓練と度重なる緊急警報が発せられる結果となり、安部首相は日本が「前例のない脅威」に直面していると警告しました。

日本経済新聞が9月第4週週末に行った世論調査によると、有権者の44%が総選挙で自民党を支持すると回答しました。
今年の夏の地方選挙での結果が全て不首尾に終わった最大野党の民進党は党首選挙を余儀なくされましたが、投票すると答えた有権者はわずか8%でした。
しかし特筆すべきことは回答者の20%はまだ投票する政党は未定だと答えており、これらの人びとの動向次第では小池氏の新党が国政選挙の結果に大きな影響を与える可能性があります。
当落ライン上にいる自民党の候補者をさせるため、小池氏の新党は数十人の候補者の擁立について野党間で協力しあう可能性がとりざたされています。
小池氏の新党希望の党の前身である都民ファーストの会は7月に行われた東京都議会選挙で安部首相と政権与党自民党に屈辱的結果を与えましたが、これまでの活動は東京都内に限定されており、国政の場で安倍首相に対し本格的な挑戦を行うまでの勢力にはならないだろうというのがアナリストたちの見方です。
「日本には真に対抗勢力の名に値する野党はありません。自民党はこびとの国にいるたったひとりの巨人です。安倍首相が突き進む路線に立ちはだかるものがあるとすれば、それは大きなスキャンダルです。」
東京にあるテンプル大学のアジア研究部門の責任者であるジェフ・キングストン教授がこう語りました。

アナリストの中には、過去1年間に英国と米国で起きた衝撃的な結果が日本では起きないという見方を否定する人もいます。
ベテランの独立系政治アナリストである森田実氏は、
「安倍首相の大きな賭けは、大きな驚きをもたらす可能性があります。」
と語りました。
安倍首相は自衛隊を海外に派遣し、世界の紛争地帯で積極的な役割を果たすため、日本の戦後憲法を改定したいという強い願望を持ち続けてきました。
安倍首相は戦後アメリカの統治の下で制定された日本国憲法第9条がこうした活動を厳しく制限していることに対し、保守的な立場から批判を繰り返してきました。
安部首相の支持率は今年7月に30%台にまで低下しましたが、憲法の海底を国会が発議するために必要な議席数の3分の2という絶対的優位の「過半数」を失ったとしても、連立与党が過半数を維持することは充分に可能だと見て賭けに出たものと思われます。
一部のアナリストは自民党連立政権が安部首相が憲法改定を進めるために必要な3分の2の議席を失う危険性があると述べましたが、そうなれば安倍首相の多年の宿願にブレーキがかかることになります
BMIリサーチのアナリストである佐野氏は、
「安倍首相の楽観的見通しにもかかわらず、急な解散総選挙の実施にはリスクがあります。」
と指摘しました。

しかしウィズダムトゥリー・ジャパンの責任者であるジャスパー・コール氏は、自民党が絶対優位の過半数を維持する可能性を排除するのは間違っていると述べました。
「野党は混乱しており、議員候補者が著しく不足しています。そこに北朝鮮の核開発の脅威とこの問題に対する中国の対応が追い風となり、安部氏への感情的な大衆支持が形成されることになるのです。」
https://www.theguardian.com/world/2017/sep/25/japans-pm-shinzo-abe-calls-snap-election
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
読み終えて解消されないもやもやのようなものが残る記事ですが、それが一面の真実だという事でしょう。
しょせん日本の政治はポピュリストによるポピュリストのための政治だと切って捨てても、その実害を被るのは私たち一般国民です。
今回の総選挙にも1,000億円を超える国の予算が投じられるわけですが、私たちの給与からきっちり減額されるいずれかの税金からその費用は支払われるはずです。
そして国政選挙の度、タイミングを合わせるように安倍政権が国家予算をつぎこむ『大型景気刺激策』を打ちだすこと(下の記事)に、お気づきですか?
個人的に思っているだけで根拠を示すことはできませんが、これは選挙後に自民党候補を『勝たせた』選挙区の支援業界などを中心に、公的補助金・助成金名目でばらまかれるのではないでしょうか?
その出所も私たちが納付している税金なのです!
日本の納税者が仮に6,000万人だとすると、私たちは1人当たり33,000円以上の負担を求められることになるのです。
ここの所、本気で怒らなければならないところだと思うのですが?
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【 安倍首相、衆議院解散に先立ち2兆円規模の景気刺激策を発表 】
選挙期間中、有権者の歓心を買うために利用される可能性がある
ロイター 2017年9月25日

安倍首相は今年末までに2兆円規模の新たな景気刺激策を策定するよう命じました。
安倍首相は諮問委員会との会談でこの予算パッケージは教育、育児費用の補助、生産性向上のための企業の整備投資の拡大に焦点を当てるべきだと述べました。
安部首相はこの後、政権支持率の回復と野党勢力が混乱に陥っている機会をとらえ衆議院の解散総選挙を宣言する予定になっており、この景気刺激策が選挙期間中、有権者の歓心を買うために利用される可能性があります。
http://uk.reuters.com/article/uk-japan-economy-abe-stimulus/japan-pm-abe-announces-17-8-billion-economic-stimulus-package-idUKKCN1C003Y
制裁措置の強化にはキム・ジョンウンを思いとどまらせる効果はなく、かえって計画の完成を急がせてしまう
あのトランプが中国の北朝鮮政策の方針変更を導き出す?
パトリック・ウィンツアー / ガーディアン 2011年9月15日

北朝鮮が発射した最新のミサイルは、長い射程距離を持ち広範囲の攻撃目標を設定することが可能ですが、命中精度はさほど高くはないようです。
今回のミサイルはキム・ジョンウン体制になってから最大となる3,700kmの距離を飛んで日本上空をかすめていきましたが、結果として世界各国の対北朝鮮政策をより厳しくするだけの結果に終わりました。
最も大きな外交面での影響は国連安全保障理事会の緊急会議の開催は別として、これまでずっと北朝鮮との協議再開への道を模索してきた韓国に対し、その望みをほぼ断念させてしまったことです。
韓国のムン・ジェイン大統領は国家安全保障理事会、次のように述べました。
「このような状況では対話が不可能です。」
隣国北朝鮮との対話再開を公約の一つに掲げ、大統領に選出されたムン・ジェイン大統領は北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長に対し、次のように警告しました。
「我々には北朝鮮を破壊し、二度と立ち上がれないようにするだけの力がある。」
同時にムン・ジェイン大統領は新たな脅威として浮上してきたEMP(電磁気パルス)や生物化学兵器による北朝鮮の攻撃可能性について、精密に分析し対策を急ぐことを約束しました。
ムン・ジェイン大統領が姿勢を変化させたことは、日本、米国、英国政府に歓迎されることになるでしょう。
イギリスのボリス・ジョンソン外務次官は、北朝鮮がミサイル発射を発射する以前、ロンドンで米国のレックス・ティラーソン国務長官と行った共同記者会見で、次のように語りました。
「今は共同会談という選択肢を急いで提供する局面ではありません。」

さらに今回の北朝鮮のミサイル発射を受け、ボリス・ジョンソン外務次官は追加の声明を明らかにし、国際社会が北朝鮮に対し強い姿勢で臨むよう再び結束するよう呼びかけました。
英国外務省は中国がこれまで以上に多くの取り組みをしていると考えていますが、依然として不十分であるとも考えています。
ティラーソン国務長官自身は、米国のこれまでの主張を繰り返して、問題の責任は中国とロシアにあるとの見解を示しました。
「中国は北朝鮮で消費される石油の大部分を供給しています。そしてロシアは北朝鮮の強制的に労働させられている国民の最大の雇用者です。」
「中国とロシアは北朝鮮が繰り返している無謀なミサイル発射に対し、彼ら自身が直接行動を取り核開発や軍事的挑発を許さないという態度を示す必要があります。」
さらにティラーソン国務長官は9月11日に国連安全保障理事会で承認された最新の制裁措置が、米国やその同盟国が求めていたものにはほど遠い不十分なものに終ったと失望を露わにしました。
ティラーソン国務長官は北朝鮮の繊維製品の輸出を完全に停止させることで7億ドルの外貨収入を失わせる措置を賞賛した一方で、
「我々は望んでいたのは、もっと強力で決定的な制裁措置だった。」
と語りました。
そして国連安全保障理事会の結束を保つのは重要な事だが、結果として制裁措置が不十分なものになったことは嘆かわしいことだと付け加えました。

国連での足並みを揃えるため、アメリカは北朝鮮への石油輸出を完全に禁止する呼びかけを取り下げましたが、それをすれば北朝鮮経済が致命的な危機に陥り、経済が数ヶ月で崩壊する可能性があるため、中国が到底同意しそうにないことによるものです。
ティラーソン国務長官は、
「中国は北朝鮮に対し絶大な影響力を持つ国家であり、石油禁輸措置によって現在の手法を考え直させることが可能になります。強力なこの方法だけで非常に強力な制裁手段となりえます。このやり方は過去にも使われたことがあり、中国が進んで決定することを願っています。」
中国外務省は直ちに反応しましたが、大量の難民を発生させかねない軍事力の行使に判定している立場を再検討する可能性を感じさせるものではありませんでした。
中国外務省の広報担当者は、再度外交的に解決すべきことを強調しました。
そして中国は国連安全保障理事会の決議を実施するために極めて献身的な努力を続けており、その誠実さには疑う余地がないはずだと述べました。
トランプ大統領が中国をまるめこむためにツイッターよりも効果な手段を使用する可能性が出てきましたが、それは朝鮮半島の危機についてソウル、東京と合わせ、北京を訪問する意向を明らかにしたことに現れています。
それは中国の立場も尊重するという意思表示の一端であり、荒れ狂う北朝鮮を米中が立つ場所とは反対側に押しやる結果を導き出すかもしれません。
アメリカ外務省のクリストファー・ヒル氏の言葉を借りれば、米国と中国が統一した戦略を実施する必要性について合意への道が開けるかもしれないのです。

外交官の中には、制裁措置の強化はキム・ジョンウンを思いとどまらせる効果はなく、かえって彼の計画の感性を急がせるだけの効果しか発揮しないという懸念があります。
危険なのは、北朝鮮の物理学者たちは国連本部にいる外交官たちとはまったく違う、進行速度が極めて早いタイムテーブルに取り組んでいるということです。
https://www.theguardian.com/world/2017/sep/15/north-korea-latest-missile-test-south-talk-engagement
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
公約するだけなら、何だって言える - 人づくり革命、女性が輝く社会、働き方改革、何でも請け合えばよい – それがアベ方式の選挙戦術
政治的空白を生じさせることの無責任さ、そして加計学園・森友学園にまつわる一連の疑惑に対し有権者が持つ嫌悪感はどうする
竹本義文、梅川隆 / ロイター 2017年9月19日

教育と育児に重点的に予算を配分すること、北朝鮮に対し厳しい外交姿勢をとり続けること、そして平和主義憲法を改定することが、安倍晋三首相の翌月に予定椅されている選挙戦の公約の柱となる見通しです。
政権与党や政府関係者によれば、安倍首相は9月28日に臨時国会が開催の際に、内閣支持率の回復、野党が混乱している状況などを有利な材料として、衆議院の解散総選挙を検討しています。
7月に30%以下にまで低下した内閣支持率が回復したことを確認した安倍首相は、日本の軍組織の存在を明確に規定するため最低でも衆議院の過半数の維持を、できれば長年の目標としてきた憲法改定を発議するために必要な3分の2以上の議席の維持をめざし解散を決意しました。

安部首相がもしこの選挙で誰の目にも明らかな勝利を手にすることができれば、来年9月に予定されている自民党の総裁選挙で第3期目の任期を手に入れ、戦後日本の最長の任期を持つ首位になる可能性があります。
「それが安倍首相の最大の目標です。」
ベテランの独立系政治アナリストである森田実氏がこう語りました。
安倍首相の支持率は産経新聞・フジテレビの9月16〜17日の世論調査では6.5ポイント上昇し、50.3%となりました。
政党別支持率では自民党の支持率は38%、野党民進党の6.4%となっています。
情報筋によると安倍首相は消費税率を8%から10%に引き上げていくことで、「全世代に対する社会保障制度」の充実を図り、教育に投資しながら全額が公的負債の返済に充てられている消費税の、税収全体に占める割合を減少させる意向を持っています。

日本の社会福祉制度は高齢者への支出割合が極めて高く、最新の政府データによると日本の65歳以上の人口は全人口の27.7%という桁外れの高さになっています。
「公約するだけなら、何を言うのも可能です - より公平な社会の実現、女性が輝く社会、働き方改革、すべての世代に対する福祉の実現等々、何でも請け合えばよいのです。」
テンプル大学日本学部のアジア研究部門の責任者であるジェフリー・キングストン教授がこう語りました。
「それが安部首相が持っている、勝つための戦術なのです。」
しかし公的負債の削減のために投入される税金の額を減らすことは、2020年度の政府の基礎的財政収支の黒字化の達成を困難にし、財政規律が再び緩んでしまうことに対する懸念を高める可能性があります。
麻生太郎財務相は記者団の質問に対し、「財政規律を維持しなければならない。」と語りました。

安倍首相は記者団に対し、衆議院の解散総選挙を行うかどうかについては、9月22日に米国から帰国した後、決定を下すと述べました。
野党民進党は一桁台の支持率だけでなく、議員の一連の離脱にも苦しんでいます。
小池百合子東京都知事との関係を軸に結党の準備を進める国民ファーストの会が一定程度の票を獲得することは可能ですが、政策や綱領を起草したり、政党として正式に登録したり候補者を選んだりすることはできません。
政界のアナリストは、こうした状況を受け自民党と公明党の連立与党は、衆議院での3分の2の大多数の議席獲得を目指した候補者擁立に打って出るだろうとの見方を示しました。
一方でアナリストの一部は、北朝鮮の核開発・ミサイル計画に対する緊張感が高まっている中であえて政治的空白を生じさせることの無責任さ、そして加計学園・森友学園にまつわる一連の疑惑に対し有権者が持つ嫌悪感によって、安部首相の選挙基盤が大きく揺らぐ可能性もあると見ています。

ニューヨークにあるコロンビア大学で名誉教授を務めるゲリー・カーティス教授は次のように語りました。
「私は、有権者が驚くべき結果を突きつける可能性を否定しません。」
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【 米国との『偶発的』核戦争の勃発を防いだソビエト軍将校、77歳で死去 】
ドイチェ・ヴェレ 2017年9月19日
旧ソ連軍の将校で「世界を救った人」と呼ばれていたスタニスラフ・ペトロフ氏が77歳で亡くなりました。
1983年に下された彼のわずかコンマ数秒の決断は、米ソ間の偶発的核戦争の勃発を防ぎました。
1983年9月、モスクワ近郊にあるその存在すら極秘のソビエト早期警戒施設でペトロフ氏が勤務中に、米国から大陸間弾道ミサイルが発射されたことを警告する警報が鳴り響きました。
44歳だったペトロフ中佐は、ソ連が実際に攻撃を受けているかどうかを数分以内に判断しなければなりませんでした。
ペトロフ中佐の選択肢の中には上官に対し、アメリカへの報復攻撃を命令するよう進言することも含まれていました。
しかしペトロフ中佐は警報は誤りであると判断し、上司に対しいかなる報告も行いませんでした。
http://www.dw.com/en/soviet-officer-who-averted-nuclear-war-with-us-dies-77/a-40589955
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
その時その場所に誰が居たか、歴史はそれによって大きく変わってしまいます。
その意味で今回、この2つの記事を併せて掲載しました。
「あの時、あの人間の再選を許したがために、こんな日本になってしまった…」
そんなほぞをかむことにならないよう、罵倒したりけなしたりそれだけではなく、現実を変えるために自分が今できることを真剣に考える、そうありたいと思っています。
人権という言葉がどんな意味も持たなかった時代に逆戻りしていく日本、黙認する安倍政権
心の中では金正恩(キム・ジョンウン)体制を非難していても、口に出すことができない北朝鮮国籍の住民たち
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月2日

韓国籍や北朝鮮国籍の人間であることがわかれば差別されたり悪罵を投げつけられる恐れがあることから、各国朝鮮国籍を持つ人々の多くが日常生活で日本人の名前を使用しています。
生まれてからずっと日本で暮らしてきた若い韓国朝鮮人でさえ、日本に対しては複雑な思いを抱くようになりました。
「私は日本で生まれて日本でで育ちました。私が最初に覚えた言葉は日本語ですが、心の中では自分を日本人だとは感じていません。」
大阪の小学生のこどもたちに朝鮮の文化と言葉を教えているリュウ・ユウジャさんがこう語りました。
「私は大学に進学するまで、自分の朝鮮のルーツについて真剣に考えたことはありませんでした。しかし学べば学ぶほど、自分が朝鮮(韓)民族としての受け継いだものの意義はますます重要になったのです。」
1950年に朝鮮戦争が勃発したのをきっかけに祖父の代に日本に避難移住した今年28歳の若い女性は、最近は両親が彼女につけてくれた日本名の優子よりも、韓国語の名前で自分を語ることを選択することが多くなりました。
他の多くの韓国人と同様、彼女も北朝鮮にも家族関係を持ち、韓国の旅券を持っています。
「もし私が北朝鮮のパスポートを持っていれば、差別され人種攻撃を受けることになるのはわかりきっています。」

大阪にある鶴橋地区には多くの朝鮮半島出身者が暮らしていますが、金正恩(キム・ジョンウン)によるミサイルの発射が日本の北朝鮮国籍住民のコミュニティにどのような影響を与える可能性があるか、おおっぴらに話をする人はほとんどいません。
「こちらには金正恩(キム・ジョンウン)政権を批判している人がいると聞いてはいますが、私的な会話でしかありません。私の周囲にいる人々は、 - ほとんどが本当の思いを口にすることを恐れているのです。」
地元の焼肉レストランで家族と一緒の時間を過ごしていたソン・ジョンミさんがこう語りました。
かつて大阪の北朝鮮学校に通い、普段は日本人の名前を名乗っている48歳の男性は、
「拉致事件について北朝鮮政府が公式に関与を認めた後、私は散々悪罵を投げつけられました。今は自分のこどもたちが学校の行き帰り、安全が確保されるかどうかいつも気に病んでいます。」
リーさんによれば1923年に発生した関東大震災で発生した朝鮮人労働者の虐殺事件の犠牲者に対し、新たに東京都知事として選出された小池百合子氏が哀悼の辞を贈ることを取りやめた決定を行ったという事実は、日本国内の韓国朝鮮人に対する感情が変わったことを証拠立てる出来事です。
1923年9月1日の関東大震災の後、朝鮮人労働者が暴動を起こし、略奪したり毒を流したりしているという根拠不明のうわさが流布され、凶悪な暴力集団が朝鮮系住民に襲いかかり、多数の死者がでました。

「当時の虐殺事件と今自分たちが受けている差別や攻撃について考えると」
いったんは裁判で勝訴したものの上級審に持ち込まれ係争が続く中、リーさんがこう語りました。
「日本は現在、人権という言葉がどんな意味も持たなかった時代に逆戻りしているように感じます。 そして現在の政権はその事について何とも思っていない、そう感じるのです。」
https://www.theguardian.com/world/2017/sep/02/cockroaches-and-old-hags-hounding-of-the-north-korean-diaspora-in-japan
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
人種差別に対して湧き上がる嫌悪感・不快感というものは、一種独特のものです。
確かに江戸時代の朝鮮通信使の記録などを見ても、朝鮮半島の人びとが日本人に対し好感を持ったという話はあまり聞きません。
また従軍慰安婦像の設置など、その執拗さに少々辟易することもあります。
しかしそれについては豊臣秀吉の朝鮮出兵や1910年の韓国併合など、『された側』の感情を『した側』が理解するのはなかなか難しいのだろうな、と感じる程度の話です。
さらには戦後日本が奇跡的な復興をとげた背景に、1950年に勃発した朝鮮戦争『特需』があったことは否定しようのない事実です。
こうした事実についても、朝鮮半島の人びとが日本に複雑な思いを持つ一因になっているのかもしれません。
歴史というものには様々な背景があり、こちら側の解釈を相手に一方的に認めさせるなど、土台無理な話だとも思います。
要は何かすべきことがあるとすれば、これ以上状況がこじれないように、双方にとって好ましい展開を考えるべきだという事ではないでしょうか?
そう考えると差別などというのは、対処法として最悪ということになります。
アメリカでは人種差別の意識を持つ人間、レイシストとの定義とは『最悪の部類の人間』というものです。
となれば、レイシズムを容認することもすなわち最悪だということになるでしょう。
近々日本では降って湧いたような国政選挙が行なわれるようです。
この機会に日本人はこれ以上『最悪』を続けるつもりなのかどうか、そんな選択もしなければならないのではありませんか?