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「ゴキブリ!」「ババア!」:故国を離れて暮らす韓国朝鮮人への執拗ないやがらせが続く日本《後編》

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所要時間 約 7分

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人権という言葉がどんな意味も持たなかった時代に逆戻りしていく日本、黙認する安倍政権

心の中では金正恩(キム・ジョンウン)体制を非難していても、口に出すことができない北朝鮮国籍の住民たち

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月2日

韓国籍や北朝鮮国籍の人間であることがわかれば差別されたり悪罵を投げつけられる恐れがあることから、各国朝鮮国籍を持つ人々の多くが日常生活で日本人の名前を使用しています。
生まれてからずっと日本で暮らしてきた若い韓国朝鮮人でさえ、日本に対しては複雑な思いを抱くようになりました。

「私は日本で生まれて日本でで育ちました。私が最初に覚えた言葉は日本語ですが、心の中では自分を日本人だとは感じていません。」
大阪の小学生のこどもたちに朝鮮の文化と言葉を教えているリュウ・ユウジャさんがこう語りました。
「私は大学に進学するまで、自分の朝鮮のルーツについて真剣に考えたことはありませんでした。しかし学べば学ぶほど、自分が朝鮮(韓)民族としての受け継いだものの意義はますます重要になったのです。」

 

1950年に朝鮮戦争が勃発したのをきっかけに祖父の代に日本に避難移住した今年28歳の若い女性は、最近は両親が彼女につけてくれた日本名の優子よりも、韓国語の名前で自分を語ることを選択することが多くなりました。
他の多くの韓国人と同様、彼女も北朝鮮にも家族関係を持ち、韓国の旅券を持っています。
「もし私が北朝鮮のパスポートを持っていれば、差別され人種攻撃を受けることになるのはわかりきっています。」

大阪にある鶴橋地区には多くの朝鮮半島出身者が暮らしていますが、金正恩(キム・ジョンウン)によるミサイルの発射が日本の北朝鮮国籍住民のコミュニティにどのような影響を与える可能性があるか、おおっぴらに話をする人はほとんどいません。
「こちらには金正恩(キム・ジョンウン)政権を批判している人がいると聞いてはいますが、私的な会話でしかありません。私の周囲にいる人々は、 - ほとんどが本当の思いを口にすることを恐れているのです。」
地元の焼肉レストランで家族と一緒の時間を過ごしていたソン・ジョンミさんがこう語りました。

 

かつて大阪の北朝鮮学校に通い、普段は日本人の名前を名乗っている48歳の男性は、
「拉致事件について北朝鮮政府が公式に関与を認めた後、私は散々悪罵を投げつけられました。今は自分のこどもたちが学校の行き帰り、安全が確保されるかどうかいつも気に病んでいます。」

 

リーさんによれば1923年に発生した関東大震災で発生した朝鮮人労働者の虐殺事件の犠牲者に対し、新たに東京都知事として選出された小池百合子氏が哀悼の辞を贈ることを取りやめた決定を行ったという事実は、日本国内の韓国朝鮮人に対する感情が変わったことを証拠立てる出来事です。

1923年9月1日の関東大震災の後、朝鮮人労働者が暴動を起こし、略奪したり毒を流したりしているという根拠不明のうわさが流布され、凶悪な暴力集団が朝鮮系住民に襲いかかり、多数の死者がでました。


「当時の虐殺事件と今自分たちが受けている差別や攻撃について考えると」

いったんは裁判で勝訴したものの上級審に持ち込まれ係争が続く中、リーさんがこう語りました。

「日本は現在、人権という言葉がどんな意味も持たなかった時代に逆戻りしているように感じます。 そして現在の政権はその事について何とも思っていない、そう感じるのです。」

 

https://www.theguardian.com/world/2017/sep/02/cockroaches-and-old-hags-hounding-of-the-north-korean-diaspora-in-japan

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人種差別に対して湧き上がる嫌悪感・不快感というものは、一種独特のものです。

確かに江戸時代の朝鮮通信使の記録などを見ても、朝鮮半島の人びとが日本人に対し好感を持ったという話はあまり聞きません。

また従軍慰安婦像の設置など、その執拗さに少々辟易することもあります。

しかしそれについては豊臣秀吉の朝鮮出兵や1910年の韓国併合など、『された側』の感情を『した側』が理解するのはなかなか難しいのだろうな、と感じる程度の話です。

 

さらには戦後日本が奇跡的な復興をとげた背景に、1950年に勃発した朝鮮戦争『特需』があったことは否定しようのない事実です。

こうした事実についても、朝鮮半島の人びとが日本に複雑な思いを持つ一因になっているのかもしれません。

歴史というものには様々な背景があり、こちら側の解釈を相手に一方的に認めさせるなど、土台無理な話だとも思います。

 

要は何かすべきことがあるとすれば、これ以上状況がこじれないように、双方にとって好ましい展開を考えるべきだという事ではないでしょうか?

そう考えると差別などというのは、対処法として最悪ということになります。

アメリカでは人種差別の意識を持つ人間、レイシストとの定義とは『最悪の部類の人間』というものです。

となれば、レイシズムを容認することもすなわち最悪だということになるでしょう。

 

近々日本では降って湧いたような国政選挙が行なわれるようです。

この機会に日本人はこれ以上『最悪』を続けるつもりなのかどうか、そんな選択もしなければならないのではありませんか?

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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