一度原子炉がメルトダウンしてしまった後の除染は容易ではなく、完全に放射性物質を取り去ることは技術的に不可能
福島の原発難民がいまだに現在進行形の放射線被ばくを経験させられているという事実を一人でも多くの人に認識してもらうことが重要
安倍政権の福島の原発難民の人々への扱いは実験台のモルモット並み、放射能汚染が解消されていないエリアへの帰還を強制し、世界に向け問題が解決したかのような印象操作を行っている
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 2019年3月8日
ここにご紹介する3本のビデオは2017年9月に私自身が福島で撮影したもので、福島近郊で実際に起こっていることを示しています。
2020年に日本が東京オリンピックを開催するため、福島第一原発の周辺があたかも正常な状態に戻ったかのような印象を与えるために人々を帰還させ、結果的に大量の放射線を浴びさせる結果になったことを忘れることはできません。
かつて福島第一原発周辺で生活していた人々のうち、数万人は遥か離れた場所に避難したまま、そこでの生活再建に取り組んでいる一方、何千人もの人々は経済的に追い詰められ今や帰還を余儀なくされています。
福島第一原発周辺に存在する移動性放射性ダストは、帰還を選択した人々にこれまでもこれからも壊滅的な影響を与え続けることになりました。
この極めて高い放射線量を持つ移動性放射性ダストは、東京のように遥か離れた人口密集地でも存在が確認されています。
福島第一原発がトリプル・メルトダウンを起こす前と同じ状態になるよう、あらゆるものを回復させようと試みてはいるものの、日本政府は日本も周辺世界もかつてとは非常に異なる場所になってしまったことを理解できずにいます。
安倍政権は原発難民を汚染されたかつての居住地へ強制的に帰還させ、放射線のさらされた福島県産品の販路拡大に取り組んでいます。
一度原子炉がメルトダウンしてしまったら、その後のクリーンアップは容易なことではなく、完全に放射性物質を取り去ることは技術的に不可能です。
実際、どこまで問題が及んでいるかの範囲の特定、深刻度、根本的な原因を検証する代わり、あちこちに絆創膏を貼りまくり、応急措置だけを繰り返しても問題は無くなりません。
そして日本の政治家や政府高官、東京電力は自分たちの政治的地位、会社の財政基盤や個人の財産、そして原子力産業の財政基盤を守るために何千人もの日本国民の命を危険にさらしています。
先週号のアジアパシフィック・ジャーナル(APJ)には、シカゴ大学教授ノーマ・フィールド博士、東アジア言語・文明学の日本研究における功労賞受賞者のロバートS.インガソール教授による秀逸なエッセイが掲載されています。
2020年の東京オリンピック - パラリンピックは当初これまでで『最もコンパクトな』で低予算での開催を約束していながら、現在はその何倍もの約3兆円の費用がかかってしまう可能性があるという予測に、私たちは凝然(ぎょうぜん)たらざるをえません。
そして日本では殊更に 『復興オリンピック』ともてはやされているのです。
これほど多額の予算を巨大地震、巨大津波、原子炉のメルトダウンという三重災害に見舞われた地域全体、特に原発難民にされた得難い思いをされているの犠牲者たちのために役立たら、という思いを持つのは当たり前のことではないでしょうか?
巨額のオリンピック予算のごく一部であっても、福島第一原発の周辺から避難者している人々 - 命令された人『自主避難』した人を問わず - が必要としている住宅支援のために使えば、人々はもっと生活の先行きを見通すことができたことでしょう。
しかし現実にはこれまで入ることが厳しく制限されていた福島第一原発の周辺の地区では、科学的根拠が乏しいまま避難区域の指定が解除されました。
これらの地区では広い範囲にわたって汚染されていることが懸念されているにもかかわらず、避難指定が解除され、元住民に対し無謀とも言える帰還を強制しているのです。
東京電力が提供しているJ-ヴィレッジは放射能で汚染された一帯の処理作業を行う作業員の防護服の着脱、仮眠、放射線量の測定場所として使われてきたため、当然放射能で汚染されているはずですが、オリンピック期間はナショナル・サッカーチームのトレーニング施設として利用される予定です。
アジアパシフィック・ジャーナル(APJ)に掲載されたシカゴ大学教授ノーマ・フィールド博士のエッセイには、最近引退した京都大学原子炉実験所の小出裕章博士の長文の論説が紹介されています。
…医療ジャーナリストの藍原寛子氏が決して少なくはない皮肉を込め、こう語っています。
「確かに東京オリンピックは「災害からの復興」を世界にアピールする素晴らしい機会になるでしょう。」
しかしその一方で、
「国家の原子力政策がもたらした人為的災害の結末、その本当の状況について」も、国際社会に明らかにすることになるでしょう。すなわち長期にわたる避難を課し、一部の地域住民に犠牲を強いること。」

アジアパシフィック・ジャーナル(APJ)に掲載されたシカゴ大学教授ノーマ・フィールド博士と小出裕章博士の長大な論文を読むと、いてもたったもいられないような気持ちにさせられます。
それでも彼らはまだすべてを語っているわけではないのです。
3基の原子炉がメルトダウンしてからすでに8年、私が感じるのは16万人の福島の原発難民がいまだに現在進行形の放射線被ばくを経験させられているという事実を、一人でも多くの人に認識してもらうことが重要だということです。
この科学的事実を世界各国の政府は人々の目の届かないところに隠そうとしています。
しかし私たちが各国の政府が密接な関係がある原子力発電と核兵器の開発に巨額の投資を続けてきたという事実に焦点を合わせれば、彼らが金銭的に、政治的に、そして感情の上でも真に望むものが何であるか理解するのは難しいことではありません。
日本で初めて著作を刊行して以降、私は4度にわたる調査旅行中、数多くの原発難民の人々に会って話をし、情報を交換しました。
そしてフェアウィンズは彼らが被った衝撃的なまでの痛手を理解していると確信しています。

見逃せないのは日本政府がオリンピック開催のために多額の資金を投入していながら、福島第一原発の事故処理費用をできるだけ切り詰めようとしている点です。
そのために安倍政権は16万人に上る福島の原発難民の人々を実験台のモルモット並みに扱い、放射能汚染がまだ解決していない避難指定解除エリアに戻るように強制し、世界に向けてあたかも問題が解決したような印象操作を行っています。
そして帰還した原発難民の人々がどれだけの放射線被曝をすることになるのか、誠実な志を持った科学者が検証することを妨げるということまでしています。
オリンピック開催に数兆円という国費を投入するより、まず福島第一原発事故で自宅や故郷を失ってしまった人々の救済のために使う方がはるかに有効であると考えます。
帰還を強制されている家族が今まさに帰還を強制されている汚染された場所ではなく、遠く離れた安全な場所で永続的な雇用と住居を手に入れることができるよう、新たなコミュニティの建設のために資金は使われるべきです。
《 完 》
https://www.fairewinds.org/demystify/atomic-balm-part-2-the-run-for-your-life-tokyo-olympics
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福島の問題は話たしたち日本人の『良心の質』の問題かもしれません。
世界レベルの壮大なイベントを日本で開催することが、ただただ嬉しいのか?
このようなイベントに国を挙げて取り組む一方で、国としての体面と巨大企業救済のため、切り捨てられていく人々がいることを常に忘れずにいることができるのか?
日本政府はたった1種類の放射性物質の調査のみ優先して行い、避難民に帰還を強制している - プルトニウムは?ストロンチウムは?
被災地に散らばる放射性ダストには平均よりも最大10,000倍放射能の値が高いものが約5パーセント含まれている

アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 2019年3月8日
フェアウィンズの記事『アトミック・バーム第1部』に賛辞をいただいた皆さんに感謝の意を表し、2020年のオリンピックがなぜ東京で開催されることになったのか、その本当の理由についての分析を読んで理解しようとされているフェアウィンズの友人たちに感謝の意を表します。
第2部を始めるにあたり、2012年に立ち戻りマルコ・カルトフェン博士と私が行った科学的研究についてまずお話します。
福島第一原発の原子炉のメルトダウンによって作り出された大災害は現在も進行していますが、この事故発生以前、商業用原子力原子炉から漏出する放射線に対し、一般市民の許容被曝線量は年間100ミリレム(1ミリシーベルト)でした。
原子力発電所作業員は放射線被曝リスクの高い環境での作業によって受ける身体的ダメージの増加について補償を受けていますが、彼らには年間最大5,000ミリレム(50ミリシーベルト、あるいは5レム - どの単位が適用されているかにより表現が異なりますが)の放射線被曝が許されていました。
法的な上限ですが、実際には原子力産業のほとんどの労働者が受ける被曝線量は年間およそ2,000ミリレムに止められています(20ミリシーベルトまたは2レム)。

福島第一原発の原子炉のメルトダウンの発生に対し、日本政府は放射線許容量を従来の20倍に増やすという規則変更を行いました。
これは原子力発電所作業員が1年間に被曝する上限の放射線量とほぼ同じ数値です。
2020年に開催予定の東京オリンピックで最も象徴的なのは、男子野球、女子ソフトボール、聖火リレー、そしてサッカートレーニング施設を、日本政府が「原子力非常事態」を宣言した地域の中に協議会場が設定されたことです。
競技選手と一般市民は、日本列島以外の場所にある運動施設で許されているより20倍も高い放射線レベルが設定されている場所に滞在することになるということを意味します。
米国科学アカデミーのしきい値なし直線(Linear No-threshold)放射線リスク・アセスメント(判断基準)によれば、アスリートの放射線関連疾患のリスクも今いる場所に留まっている場合よりも20倍高くなります。
福島第一原発事故の周辺および周辺地域に住む人々は、日本政府から、放射線量が20ミリシーベルトであれば、汚染された家や村に戻らなければならないと宣告されました。
日本国内のどの原子力発電所の近隣住民も経験したことがない、これまでの基準の20倍という多量の放射線被曝の危険にさらされる可能性があっても帰れと言われているのです。

日本政府はもっとも効果的な方法で除染を行ったから安全だと言っている訳ではなく、原子力災害被災者に対し、公的な補助金を受け続けたいと望むなら、除染が終わったとされるものの現実にはまだ放射能汚染が深刻な自宅に戻ることを強制しているのです。
一般市民が新しい基準をはるかに上回る放射線被曝の危険にさらされている点について、根本的問題が3つあります
第1の問題、それは日本政府の除染基準で、家の中とその周辺のみの作業によって除染が完了したとされている点です。
私は福島でまず高速道路の放射線量を計測した後、周囲にある森の中に50フィート(約15メートル)ほど入った場所でも計測を行いました。
その結果明らかになったのは、結局のところ森の中は依然深刻に汚染されたままだということでした。
つまり雨や雪が降ったり、あるいは風によって森の中の埃や花粉が飛ばされて来れば、そこに付着としている放射性物質が除染によって汚染が除去されたとされる場所に舞い戻ってくるということです。
私は南相馬市に行って、福島第一原発のメルトダウン事故後に完璧に除染されたとされる4か所の屋根に上りました。
これらの屋根は周囲の山や丘から風によって飛ばされてきた放射性物質によって再び汚染されてしまっていました。
これらの街並みは、周囲の山々から風によって運ばれてきた放射性物資を含む塵埃によって再び汚染されていました。
人々の家も、そのコミュニティもこうした形で日々再び汚染されてしまっていたのです。

第2の問題、それは日本政府がたった1種類の放射性物質の調査のみを全てに優先させ、避難民に対して帰還を強制している点です。
現在日本政府が公表している放射線量とは、携帯式のガイガーカウンターを使い、セシウムから直接放出されている放射線だけを測定した値なのです。
通常こうした測定方法が使われるのは、胸部X線検査のように人体を一定の形で通過する外部ガンマ線などです。
ホット・パーティクルまたは細かい放射性ダスト(またはナノ粒子)と呼ばれる放射性粒子は、人々の肺や消化器系に入り込み、その人間の内臓は何年もの間、大量の放射線を浴び続けることになります。
東京電力も日本政府も、このような微細な放射性ダストの存在を無視しています。
第3の問題、すなわち最後の問題は、こうしたホット・パーティクルの中に平均的なものと比較して異常に放射性が高いものがあることです。
カルトフェン博士と私が共同で執筆し、第三者の科学者による審査を論文において、私たちは300種類に及ぶ微細な放射性ダストについて調査研究を行った結果、平均よりも最大10,000倍放射能の値が高い放射性ダストが約5パーセント含まれていることを確認しました。
こうした高放射性ダストが存在する場所で暮らしている人々の内臓や体内組織は一般的な避難生活者と比べ、絶えず非常に高いレベルの放射線の照射にさらされていることを意味するのです。
《後編》に続く
https://www.fairewinds.org/demystify/atomic-balm-part-2-the-run-for-your-life-tokyo-olympics
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もはや日本のメディアが2020年東京オリンピックについてはこぞって『楽しみ』と大政翼賛的報道にはしる中、ご紹介するレポートは非常に貴重なものになりました。
福島の原発難民の人々の本当の意味での救済については、オリンピック以上に国民全員の議論が必要なはずですが、日本全国各放送局から聞こえてくるのは、『オリンピックへの盛り上がり』云々という話ばかりです。
これも国策なのかと、つくづく『人間として』という思考が無視される時代になったなと厭世観にとらわれそうです。
そんな中でも福島の原発難民に対する安倍政権の扱いについては、顔が青ざめるほどの怒りを覚えます。
戦後日本の政治は国民の暮らしと安全を守ることを第一義とする方向に進んできたはずですが、それが安倍政権になって国家行事を人権に優先するという思想があらわになりました。
その国家行事も安倍政権の場合は最大公約数の国民のためではなく、自分たち政権の周囲に群がる人間たちの利権につながる建設業界や長年ナショナルスポーツに寄生してきた広告業界を潤すことの方が先なのではないか?という深刻な疑問があります。
福島第一原発事故により発生した放射能汚染土砂、物理的に手っ取り早く処理する方法などは存在しない
福島第一原発の周辺地区にはまだ放射線量の高いホットスポットが残っている
帰還させた避難住民と除染作業員が直面するリスクについて、日本政府は国際社会に誤解させている

東日本大震災から8年、数カ所に残る数百万立方メートルの放射性汚染土砂に苦しめられる福島
写真:除染作業によって発生した汚染土と大熊町の土壌分別施設の作業員
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年3月12日
世界最大規模の原子力災害の被災地で処理作業を続ける、防護マスク、ヘルメット、そして手袋をつけた作業員たちを苦しめるのは、海岸から吹いてくる凍ったように冷たい風だけではありません。
一般の人々の目が届かない場所で、作業員たちは新たに収集された放射能で汚染された土砂が詰まった1,000個以上の黒い大きなビニールバッグの中身を巨大なふるいにかけています。
ふるい落とされた土砂は覆いをかけられたベルトコンベヤーで巨大な施設の隅に運ばれ、さらにその上に新たに土砂を重ねることができるように平にならされていきます。
それは骨の折れるうんざりするような作業の繰り返しですが、8年前近くにある福島第一原子力発電所で起きた3基の原子炉のメルトダウン事故によって発生し、現在最も物議を醸している汚染土砂については、物理的に手っ取り早く処理する方法などは存在しないのです。
東日本大震災・福島第一原発の事故以降の数年間、約70,000人の労働者が2兆9,000億円の予算を注ぎ込み、家屋、学校、公共施設などの近くの地域から表土、木の枝、下草、その他の汚染物質を除去し、事故で避難した数千人の被災者が自宅に戻っても安全とされるレベルにまで放射線量を下げる作業を行ってきました。
その除染作業により発生した数百万立方メートルに上る放射能に汚染された土砂は、大きな黒いビニールバッグに詰められ、福島県内の保管場所に巨大なカーペットを敷いたように置き並べられているのです。。
福島県の津波で被害を受けた浪江町の近くには、地震の被害者のための花が置かれています。

写真:津波に襲われた浪江町の付近、東日本大震災の被災者を悼んで置かれた花
日本政府は自分たちが暮らす地域を核廃棄物の最終的な投棄場所にされたくない住民との協定の一環として、汚染された土砂を県内の暫定的な保管施設に移動し、その後2045年までに福島県以外の恒久的な処分場に移動することを約束した。
しかし日本政府による汚染された土砂の具体的な処分方法は明らかにされていません。
これまでのところ、有害廃棄物を仮置きすることに合意している場所は1か所だけではありません。
廃墟と化した福島第一原子力発電所内の労働者は、流れ込み続ける1メートルトンを超える放射性汚染水を封じ込めるのに苦労していますが、その外側では14メートル立方メートルに達する汚染土砂を除去、処理、貯蔵する作業が2021年までに続けられることになっています。
しかし環境庁の平塚次郎氏によると、この作業にはさらに2年を要する見込みです。
「私たちは福島県以外の場所に最終的な保管場所を確保することを法律で義務付けられています。そのためこの場所に無期限に保管することはできません。」
取材のため中間貯蔵施設を訪れた少人数の外国人記者たちに環境庁の職員の一人がこう語りました。
「適切な場所をまだ見つけられずにいるのは事実です。問題はどれだけの空間が必要なのか、土壌中の放射能レベルがどの程度のものになるのかということです。」
また、福島の道路、堤防、その他のインフラ整備の基礎工事に、比較的低い放射線量(キログラムあたり8,000ベクレル以下)の汚染土砂を使用するという考えに反対する人もいます。

写真:2011年3月に発生した宮城県多賀城市の港での大規模地震と津波により発生した激しい火災による煙
中間貯蔵施設は福島第一原子力発電所の西に位置する大熊・双葉の両町にまたがっており、周辺地区の放射線量は住民が戻って生活するにはまだレベルが高すぎます。
これまでのところ、汚染土砂の総量の約15%にあたる230万立法メートルの土壌が持ち込まれました。
総計1,600回に上る往復運搬を行う運転手を含め、数千人もの作業員がこの作業に参加しています。
これまでに使われたトラックの累計は355,000台にのぼりますが、関係する政府職員によればこれでもまだ足りません。
「汚染土砂についてはこのまま中間貯蔵施設での保管を続けたほうが良いという意見もありますが、大熊町と双葉町の人々は非常に厳しい状況に置かれています。私はそのことが気がかりです。大熊町と双葉町の人々は最終的には福島県外の最終処分場に搬出するという約束を信じ、中間貯蔵に同意しているのです。」
平塚氏がこう語りました。

地方自治体のデータによれば、除染作業が完了し避難命令が解除されたにもかかわらず、3基の原子炉のメルトダウンにより避難を命じられた住民のうち、再びこの場所に戻ったのはごく少数のグループだけです。
朝日新聞と地元の放送局による世論調査では、政府側は除染作業は成功したと表明しているものの、避難した住民のほぼ3分の2は放射線の存在について懸念を抱いていることが明らかになりました。
3月11日月曜日、日本は福島第一原子力発電所で3基の原子炉のメルトダウンを引き起こした東日本大震災、マグニチュード9.0の巨大地震と致命的な津波が発生してから8年を迎えましたが、環境保護団体はいくつかの『安全』とされている福島第一原発の周辺地区にはまだ放射線量の高いホットスポットが残っていると警告してます。
独自の調査を行った結果、安全だと宣言されている地域で高レベルの放射線が計測されたことが明らかになり、グリーンピースは日本政府が帰還させた避難住民と除染作業員が直面するリスクについて国際社会に誤解を与えていると非難しました。

写真:福島の中間貯蔵施設における黒い袋の列。こうした場所は一箇所に留まりません。
「一部地域では、依然としてかなり高いレベルの放射線の存在が確認されています。」
グリーンピース・ドイツの上級原子力専門家で、現在日本を拠点に活動しているショーン・バーニー氏がこう語りました。
「福島第一原発事故が発生する以前と比較し、著しく高い放射線量が計測されています。」
自ら除染と行に参加した池田稔氏は、作業員が厳しいスケジュールに間にあわせるため各所で工程を省いたと指摘しました。
「汚染された地区の土地の表面を削り取り、葉っぱを取り除くことだけを命じられたときがあり、そのために私たちは最終的にスケジュール通り作業を完了させることができたのです。」
「時々私たちは顔を見合わせ、あたかもこう会話しているようでした。『いったい我々は何のためにここでこんなことをしているのだろう?』」
池田氏は日本政府が汚染された土砂の最終処分場を確保できるという見通しを持っていることについて、疑いを持っています。
「日本政府がすべての汚染土砂を福島県外に運び出すことができるとは、私は一瞬たりとも信じたことはありません。」
「いずれ日本政府は第二の計画を実施せざるをえなくなると思います。」
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この記事の3枚目にある東日本大震災発生の際の宮城県多賀城市のプラント火災、私も10キロ以上離れた自宅のバルコニーから立ち上る黒煙を数日間見続けていました。
宮城は太平洋側東北3県で津波による最大の死者を出しました。
それでも尚私たち仙台市民が恵まれていたのは、県内の女川原発が福島第一原発と同じ事故を引き起こさなかったことです。
東日本大震災発生から8年が経った現在、自分たちがいる場所が深刻な放射能汚染を受けたか受けなかったか、ということが比較できないほどの差を作り出しました。
どう考えても、福島の人々の苦境を救うために放射能で汚染された土砂を我が都道府県に持ってきてくださいという自治体があるはずがありません。
政治に関わる人間ならこの問題について正面から向かい合うべきですが、現在の安倍政権はこうした本質的な、それだけに簡単に答えが見つかりそうにない問題は全て後回しにし、オリンピックやカジノや憲法改定など、国民が今今解決して欲しいとは思っていないことばかり優先し、それを数の力で強引に成立させようとしています。
それに対する国民の抵抗はあまりに微弱であり、日本人というのは真の民主主義社会を実現できないまま21世紀を進んでいくのでしょうか?
ベトナムでもイラクでもアフガニスタンでも、腐敗と機能不全に陥った統治機構がはびこっていた
『敵を太らせるだけ?』アメリカの納税者から集めた莫大な資金の行方
戦争と現実の世界についての誤った理解のため、記念碑的とも言える代償を支払ったアメリカ

アーノルド・アイザック / ルモンド・ディプロマティーク 2018年5月6日
20世紀、我々アメリカ人がベトナムで支援し続け、そして崩壊した軍隊と政権、21世紀に支援したのもまた同じ性格のものであったことはもう明らかです。
ベトナムでもイラクでもアフガニスタンでも、腐敗と機能不全に陥った統治機構がはびこり、アメリカの目的達成の障害であったことを証明することになりました。
そしてこれらの問題のすべてにおいて、アメリカ人が何をしてもほとんど効果はなかったのです。
ジャーナリストのダグラス・ウィッシングが著書『敵への資金提供』に書いているように、腐敗に対して効果的な対策をとる代わり、アフガニスタンであらゆる分野に及んでいた腐敗に関する大規模な調査報告を、米国政府その大部分を「無視あるいは公開しただけで何もしなかった」のです。
外交的に配慮した表現が用いられてはいますが、アフガニスタン復興特別監察官による多数の報告書の結論ははっきりしていました。
タリバンがアメリカの資金をどうやって利用しているかそのさまざまな手口にいて具体的な説明をした後、手に入れた資金でタリバンが武器、オートバイ、携帯電話などを手に入れていると書いています。
タリバンが南ベトナム軍と違うのは、宗教的良心によって資金を利用している点です。
「少なくともタリバンは、米国の納税者から集めた現金を個人的に着服したりはしていない。」
ウィシングはこう皮肉っています。

▽ 新しいドラマ、でもシナリオはいつも同じ
2018年の世界は、半世紀前の世界とは大きく異なっています。
ベトナム、アフガニスタン、そしてイラクは全く異なる国々であり、それぞれの戦争は原因も状況も異なっています。
今日の米軍はかつてベトナムで戦った米軍とはほとんど別物です。
したがって、比較することはそれほど簡単ではありません。
それでもそれぞれの戦争をつき詰めていけば、話は驚くほど似ています。
無制限の火力を持つ大編成のアメリカ軍は、はるかに貧弱な装備しか持たない敵を相手に何年も費やしながら、まるで終わりが見えません。
その間アメリカの援助当局者は多額の現金と助言を与え続け、機能的な政府と繁栄している国家、あるいは少なくとも必要最低限の機能性とそこそこの繁栄を実現した国家を創り出すことを目指しています。
その成功によって現地の市民たちがごく自然にアメリカの側に立つことを選択するよう仕向けています。
しかし結局、アメリカ人が悪戦苦闘して手に入れようとした目標は達成できないままです。
すなわち自力で体制を防衛する能力を持ち、市民の目から見ても公正な体制であり、そして米国の国益にも好意的な安定した現地政府です。
最終的には我々アメリカ人が自分たちの手で任務を達成することは諦めた上で、現地の人々にどうすれば目的が達成できるのか、我々の成功体験を教えることになります。
ただしそこにはもう有り余るほどの物資補給はありません。
具体例を挙げれば、たとえ金持ちのアメリカ人たちがまだそこにとどまっていたとしても、現地政府軍はより少ない機数のヘリコプターを使って負傷兵を救出できるようにしなければなりません。
当然ながら、そうした方針はあまりうまく機能しません。
こうしたシナリオが、特に2度目(イラク)または3度目(アフガニスタン)の際、しょせん錯覚にすぎないということになぜもっと早くそして多くの関係者が気づかなかったのかわかりません。
部分的にはそれは疑いなく、実態がどういうものなのか、ゆっくりとしか明らかになっていかないという状況にあったからだと考えられます。

そしてアメリカ政府も国防総省の考えは、アメリカ人が思い出すことが苦痛である記憶についてはそれを美化という傾向に、さらに拍車をかけたものです。
国防総省のベトナム戦争に関するサイトがその良い例です。
起きたことを正確に記録することを避けているのです。
たとえそうだとしても、ベトナム戦争の後、アメリカ国内の戦争の専門家も、そうでないアメリカ国民も、これまでの数十年間に起きた事実と向き合わなければ、イラク介入以降、アフガニスタン介入以降、引き続きは津制している混乱を収束させることはできません。
それは現場の将軍達も自問自答していることですが、私たちアメリカ人が達成したいことは何なのか、現地の政府や軍にはその達成能力はあるのかということです。
当たり前のことですが、何が問題なのかを書き出すことは、問題を解決することよりも簡単です - ずっと簡単です。
必要なのは根本的構造、信念、そして組織的にも個人的にも自己の利益に関わる大規模で、しかも痛みを伴う変更です。
(それでもなお私たちアメリカは、米国が世界最強の軍隊を持っていると自負できますか?)
私たちは戦争と現実の世界についての誤った理解のため、記念碑的とも言える代償をすでに支払いました。
今になっても尚その教訓を生かそうとしないのであれば、その代償は悲劇的なほどに高くつくことになるでしょう。
《 完 》
https://mondediplo.com/openpage/why-can-t-the-world-s-best-military-win-its-wars
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イラク政府軍の名簿上だけの兵士5万人分の給料が全て上官たちのポケットに入っていた
アフガニスタンでは、政府の給与支払い台帳に載っている兵士と警官の半数が実在しなかった
戦争による決着、軍事的な解決という手段について、アメリカは考え直す必要がある

アーノルド・アイザック / ルモンド・ディプロマティーク 2018年5月6日
南ベトナム政府の腐敗ぶりを厳しく糾弾した報告書の編集責任者であり、汚職に関するセクションの主な執筆者はフランク・スコットンでした。
彼はベトナムで最も経験が長く、最も知識造詣の深いアメリカ政府職員の一人でした。
スコットンはこの問題について『丘の上の戦い』と題した回想録の中で、ひとりのベトナム人の将軍が彼にこう語ったと記しています。
「多くの腐敗した将校を名指しすることができたが、腐敗した将校でありながら有能な指揮官でもあったという人物は存在しなかった。」
この将軍は結局、政権批判を理由に免職となり、亡命せざるをえなくなりました。
2007年3月にルモンド・ディプロマティークに掲載されたヘレナ・コッバンの「米国:心と思いを取り戻す」という論説を読んでみましょう。
この研究グループも南ベトナムに必要な改革を提言するリストの先頭に「腐敗を徹底して減少させること」を掲げました。
私が政府職員として南ベトナムに赴任したのはスコットンの報告書が作成されから約6年後のことでしたが、私が目撃した現実も完全にスコットンの報告書通りのものでした。
彼が何年も前に書いていた通り、南ベトナムの最も誠実で有能な将校たちは、最もフラストレーションをためこみ完全にやる気を無くしていました。
それからほぼ3年後、私は崩壊する南ベトナムから脱出しなければならなくなりましたが、汚職こそは南ベトナム政府が戦争に負けた最大の理由であると確信することになったのです。

▽ 幽霊兵士部隊
私はイラクやアフガニスタンについては、現地に赴いたことはありません。
しかし、たとえ遠くから見ていてもベトナムと全く同じというわけではありませんが、その状況から歴史は繰り返すという事実を確認するのは難しいことではありません。
時折、イラクやアフガン戦争からのニュースはこれまで明らかにされた際には - ショッキングな現実認識とともに伝えられました。
2014年の秋、イスラム国の攻撃がイラク国内各地で激発し、過激派の比較的小さなグループに国内の都市が次から次へと陥落してしまった後 - アメリカ軍が訓練を施したイラク軍の現実の戦闘能力は、書類上に記されていたものに比べてはるかに低いものでした。
その理由はイラク政府軍の名簿上の5万人もの部隊(まるまる4個師団に相当)が「幽霊兵士」であり、現実には存在しない、あるいは支払われていた給料が全て上官たちのポケットに入っていた名簿上だけ登録されていた幽霊兵士だったのです。

例えば、過激派のイスラム国兵士が攻撃してきた際、モスル市は書類上は25,000人の政府軍によって守られていたはずでした。
しかし実際の数はその半分以下であり、いくつかの部隊では兵員数が半分にも満たない状態でした。
これは2003年にイラクに侵攻した後の10年間、アメリカが250億ドル(約2兆7,600億円)規模の支援を行った結果として特筆されるべきものです。
アフガニスタンでもあらゆる分野における腐敗の蔓延により、同様の状況が明らかになっています。
アメリカ軍にとってアフガニスタン治安部隊の能力向上は最優先課題とされ、訓練、助言、そして資金提供が行われていましたが、ある紛争地域では、政府の給与支払い台帳に載っている兵士と警官の半数が実在しないか、いても勤務には就いていないことが明らかになりました。
ベトナムで起きたことはイラクでも何から何まで同じでした。
米軍の援助によって運営されていたベトナムのある部隊では、支払われる1ドルごとに、そして一つ一つの武器、車両、弾丸、ブーツにいたるまで、給与支払い台帳に兵士1人につき2つの名前が記載されていました。
『幽霊兵士』はすでに戦死していたにもかかわらず戦死報告書の作成は行われず、そのまま給与が支払われ続け、上官はその給与を集めてまわり自分の懐に入れていました。
『飾りの兵士』というのもいました。
彼らは給与の全額を上司に差し出すかわり、自宅で家族と暮らし続けることが許されていました。
こうした事情からベトナム軍の戦力は、実際よりもかなり低いものだったのです。

公称300人の兵士がいるはずの大隊は、実際にはその半分、ひどい場合には100人しかいませんでした。
モスルで敗れた『幽霊兵士』だらけのイラク部隊の場合と全く同じだったのです。
《4》に続く
https://mondediplo.com/openpage/why-can-t-the-world-s-best-military-win-its-wars
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イラクやアフガニスタンと同じことが日本でも起きているとは思いませんが、CIAの中で最大の規模を持つのが対日本局だと伝える本をずいぶん前に読んだことがありますが、現在は間違いなく対中国局が最大規模になっているのでしょう。
しかし日本も重視されていることは変わらない事実だと思います。
CIAが『衛星国家』を操縦する常套手段について、オリバー・ストーン監督は「右翼に金を渡し繰り返し暴力沙汰の騒乱を引き起こして社会不安に陥れ、民衆に治安の強化を願うように仕向け、独裁政権の樹立を促す…」と紹介していました。
日本では『暴力沙汰の騒乱』こそ起きていませんが、一つ疑問に思っていることがあります。
それは安倍政権を賛美する私に言わせれば三流ですら無い右翼雑誌が、なぜ全国の主要新聞に全面広告を掲載するだけの資金を持っているのか?ということです。
新聞の全面広告ともなれば全国紙で数千万円、地方紙やブロック紙は発行部数に応じて数百万円かかります。
あの雑誌がなぜそれほど多額の広告掲載料金を支払うことができるのか、不思議でなりません。