星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » 世界最強の軍隊・アメリカ軍!なぜ勝てないのか?《3》

世界最強の軍隊・アメリカ軍!なぜ勝てないのか?《3》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

広告
広告

イラク政府軍の名簿上だけの兵士5万人分の給料が全て上官たちのポケットに入っていた

アフガニスタンでは、政府の給与支払い台帳に載っている兵士と警官の半数が実在しなかった

戦争による決着、軍事的な解決という手段について、アメリカは考え直す必要がある

アーノルド・アイザック / ルモンド・ディプロマティーク 2018年5月6日

南ベトナム政府の腐敗ぶりを厳しく糾弾した報告書の編集責任者であり、汚職に関するセクションの主な執筆者はフランク・スコットンでした。
彼はベトナムで最も経験が長く、最も知識造詣の深いアメリカ政府職員の一人でした。

           

スコットンはこの問題について『丘の上の戦い』と題した回想録の中で、ひとりのベトナム人の将軍が彼にこう語ったと記しています。
「多くの腐敗した将校を名指しすることができたが、腐敗した将校でありながら有能な指揮官でもあったという人物は存在しなかった。」
この将軍は結局、政権批判を理由に免職となり、亡命せざるをえなくなりました。

        

2007年3月にルモンド・ディプロマティークに掲載されたヘレナ・コッバンの「米国:心と思いを取り戻す」という論説を読んでみましょう。
この研究グループも南ベトナムに必要な改革を提言するリストの先頭に「腐敗を徹底して減少させること」を掲げました。

            

私が政府職員として南ベトナムに赴任したのはスコットンの報告書が作成されから約6年後のことでしたが、私が目撃した現実も完全にスコットンの報告書通りのものでした。
彼が何年も前に書いていた通り、南ベトナムの最も誠実で有能な将校たちは、最もフラストレーションをためこみ完全にやる気を無くしていました。
それからほぼ3年後、私は崩壊する南ベトナムから脱出しなければならなくなりましたが、汚職こそは南ベトナム政府が戦争に負けた最大の理由であると確信することになったのです。

         

▽ 幽霊兵士部隊

          

私はイラクやアフガニスタンについては、現地に赴いたことはありません。
しかし、たとえ遠くから見ていてもベトナムと全く同じというわけではありませんが、その状況から歴史は繰り返すという事実を確認するのは難しいことではありません。

            

時折、イラクやアフガン戦争からのニュースはこれまで明らかにされた際には - ショッキングな現実認識とともに伝えられました。
2014年の秋、イスラム国の攻撃がイラク国内各地で激発し、過激派の比較的小さなグループに国内の都市が次から次へと陥落してしまった後 - アメリカ軍が訓練を施したイラク軍の現実の戦闘能力は、書類上に記されていたものに比べてはるかに低いものでした。

           

その理由はイラク政府軍の名簿上の5万人もの部隊(まるまる4個師団に相当)が「幽霊兵士」であり、現実には存在しない、あるいは支払われていた給料が全て上官たちのポケットに入っていた名簿上だけ登録されていた幽霊兵士だったのです。

例えば、過激派のイスラム国兵士が攻撃してきた際、モスル市は書類上は25,000人の政府軍によって守られていたはずでした。
しかし実際の数はその半分以下であり、いくつかの部隊では兵員数が半分にも満たない状態でした。
これは2003年にイラクに侵攻した後の10年間、アメリカが250億ドル(約2兆7,600億円)規模の支援を行った結果として特筆されるべきものです。

         

アフガニスタンでもあらゆる分野における腐敗の蔓延により、同様の状況が明らかになっています。
アメリカ軍にとってアフガニスタン治安部隊の能力向上は最優先課題とされ、訓練、助言、そして資金提供が行われていましたが、ある紛争地域では、政府の給与支払い台帳に載っている兵士と警官の半数が実在しないか、いても勤務には就いていないことが明らかになりました。

           

ベトナムで起きたことはイラクでも何から何まで同じでした。
米軍の援助によって運営されていたベトナムのある部隊では、支払われる1ドルごとに、そして一つ一つの武器、車両、弾丸、ブーツにいたるまで、給与支払い台帳に兵士1人につき2つの名前が記載されていました。
『幽霊兵士』はすでに戦死していたにもかかわらず戦死報告書の作成は行われず、そのまま給与が支払われ続け、上官はその給与を集めてまわり自分の懐に入れていました。

           

『飾りの兵士』というのもいました。
彼らは給与の全額を上司に差し出すかわり、自宅で家族と暮らし続けることが許されていました。
こうした事情からベトナム軍の戦力は、実際よりもかなり低いものだったのです。

公称300人の兵士がいるはずの大隊は、実際にはその半分、ひどい場合には100人しかいませんでした。
モスルで敗れた『幽霊兵士』だらけのイラク部隊の場合と全く同じだったのです。

              

《4》に続く
https://mondediplo.com/openpage/why-can-t-the-world-s-best-military-win-its-wars
  + - + - + - + - + - + - + - + 

           

            

イラクやアフガニスタンと同じことが日本でも起きているとは思いませんが、CIAの中で最大の規模を持つのが対日本局だと伝える本をずいぶん前に読んだことがありますが、現在は間違いなく対中国局が最大規模になっているのでしょう。

しかし日本も重視されていることは変わらない事実だと思います。

CIAが『衛星国家』を操縦する常套手段について、オリバー・ストーン監督は「右翼に金を渡し繰り返し暴力沙汰の騒乱を引き起こして社会不安に陥れ、民衆に治安の強化を願うように仕向け、独裁政権の樹立を促す…」と紹介していました。

          

日本では『暴力沙汰の騒乱』こそ起きていませんが、一つ疑問に思っていることがあります。

それは安倍政権を賛美する私に言わせれば三流ですら無い右翼雑誌が、なぜ全国の主要新聞に全面広告を掲載するだけの資金を持っているのか?ということです。

新聞の全面広告ともなれば全国紙で数千万円、地方紙やブロック紙は発行部数に応じて数百万円かかります。

あの雑誌がなぜそれほど多額の広告掲載料金を支払うことができるのか、不思議でなりません。

          

広告
広告

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連する記事一覧

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
広告
広告
カテゴリー
メタ情報