結審した刑事裁判、しかし福島における何かが終わったわけではない
国会事故調査委員会の精密な調査報告書を無視し、権力の側に都合の良い判決を下した東京地裁・永渕健一裁判長
日本の行政も司法も東京電力の役員に対し、説明責任を果たすよう求めることすらしていない

ジェームズ・グリフィス / CNN 2019年9月19日
2011年の福島第一原発事故をめぐっての唯一の刑事裁判において被告である東京電力の役員に無罪が言い渡され、避難生活を余儀なくされた何千何万という家族の希望を吹き飛ばしました。
彼らは3基の原子炉がメルトダウンした事故によって東日本の広域に降り注いだ放射性物質により、今後何十年もの間故郷で暮らすことができなくなった人々です。
東京地方裁判所は福島第一原子力発電所を運営していた東京電力の元会長と元副社長2人に無罪判決を言い渡したとNHKが伝えました。
彼ら3人は必要な安全対策を施すことを怠った過失を問われていましたが、全員が無罪とされました。
勝又恒久前会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長は、災害を合理的に予見することはできず、従って緊急避難を強いられたことにより44人の入院患者が死亡したことを含め、福島第一原発の事故がもたらした様々な結果についても責任を負う必要はないと結論づけたのです。
過去東京地方検察庁は東京電力の役員の起訴を拒否し、死亡した人々の家族と福島第一原発の周辺地区から避難を強いられた人々が協力して行った法的努力の後になって、やっと刑事事件として立件しました。

東日本大震災の地震により発生した巨大津波が福島第一原発を襲ったことにより発生した巨大災害の事故収束・廃炉作業には数十年の歳月と数十兆円の費用がかかると予想されています。
その原因を作った原子炉のメルトダウンからすでに8年が経過しましたが、いまだに何万人もの人々が避難生活を続けています。
9月、日本政府当局は破壊された原子炉炉心の冷却を続けるために注ぎ込まれた結果生じた100万トン近い放射能汚染水の貯蔵容量が限界に達する恐れがあるため、海洋投棄しなければならない可能性があると語りました。
福島第一原発では毎日約300~400トンの高放射性汚染水が生成されます
現在この放射能汚染水は敷地内に急造された数百基のタンクに保管されていますが、事故収束作業が開始されてから数年間で何度も漏出事故を起こしました。
「(放射能汚染水を)思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている。」
9月10日の記者会見で原田義昭前環境相はこう語りましたが、他の当局者は口々に最終決定はまだ行われていないと主張しました。
放射能汚染水を海洋投棄して希釈する可能性に日本政府が言及したことを受け、隣国の韓国では緊急事態の態勢に入りました。

さらに太平洋での希釈が果たして目論見通り行くかどうかは別にして、海洋汚染への懸念により日本の漁業に悪影響が及ぶ可能性があります。
福島第一原発事故の発生は当初、中国と米国西海岸でパニックを引き起こしましたが、カリフォルニアのワインの原料となるブドウから放射性物質が検出されました。
東京電力は以前、福島第一原発の事故収束作業には約40年の歳月と約5兆円の費用がかかると試算していました。
▽ 洪水のように押し寄せた悲劇
日本の歴史上最悪の原子力発電所事故の発端は海の上で始まりました。
東京の北東約370キロメートルの場所を震源とするマグニチュード9.1の地震が発生、日本の本州を東に約2メートル動かしてしまったほどの強烈なパワーが海上の波にそのまま伝わり、たちまちビルディングほどの高さの津波に変えてしまったのです。
日本の東北地方沿岸に到達するまでに、津波の高さは最大40メートルに達し、地上の車をあっという間に押し流し、建物を崩壊させ、道路も高速道路も寸断しました。
最初の地震発生から50分経たないうちに、まさにこうした事態から福島第一原発を守るはずだった高さ10メートルの防波堤を津波が乗り越えて始めたのです。

福島第一原発の施設内に大量の海水が流れ込み、建物の基礎部分を完全に水没させました。
そこにあったのが緊急時用の発電機でした。
このため福島第一原発は主電源が喪失してしまった後いかなるバックアップもないまま、重要な原子炉冷却システムも電力の供給を完全に絶たれてしまったのです。
原子炉の暴走が始まりました。
炉心の燃料棒が溶け始め、周辺地域に人間の致死量を遥かに超える放射能が漏れ始めました。
事故発生から16時間後、1基の原子炉の燃料棒はほぼ完全に溶け落ち、残りの2基の原子炉が同様の事態に陥るのは時間の問題でした。
1986年のチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故以降の最悪となる原子炉メルトダウン事故が起きましたが、日本政府がメルトダウンの事実を認めるまでにはさらに88日を要しました。
数十万人の周辺住民が緊急避難を行いましたが、中には自分の家に永久に戻れなくなった人々もいました。
福島第一原子力発電所周辺地域の一部はゴーストタウン化し、東京電力の職員、政府の調査関係者、そして人間として最悪の悲劇を自分の目で確かめようとする外部の人々の姿しか見られなくなりました。
▽ 誰に本当の責任があるのか?
東京電力の責任は、原子炉のメルトダウン以降の論争の最大の焦点でした。

東京電力は終始一貫して東日本大震災は想定が可能な範囲を完全に超えた、カタストロフィであると主張し続けました。
東北地方太平洋沖地震は世界史上4番目に大きなものであり、日本史上最大規模の地震であり、これほどの規模の災害は全く想定できるものではなかったというのが東京電力が主張する立場です。
しかし永久に故郷に戻れなくなった人を含め避難を強いられた人々は、東電側の主張は福島第一原発に関係する職員が責任を逃れることを目的にしたものだと怒りを募らせています。
事故発生後の東京電力の対応は、
メルトダウンの発表が遅れたこと
安全上様々な問題があったのにそれらを軽視したこと
浄化プロセス中に放射能汚染水の漏出事故を何度も起こしたこと
など、事件を注視していた人々に多くの攻撃材料を提供した事は間違いありません。
2012年に国会事故調査委員会が作成した報告書は、東京電力と日本の原子力規制当局が災害に備えるために講じた措置は「不十分」であり、危機への対応は「不適切」であったと結論づけました。
綿密な調査と検証を行った国会事故調査委員会は、福島第一原発事故についてきっかけとなったものは自然災害であっても、予見し対策を取ることができたはずなのにそれをしなかったための『人為的な』大災害であると指摘したのです。
事実、福島第一原発の事故について検証した数種の報告書の中で、東日本大震災の災害規模を予測することもそれに備えることも、誰にもできなかったと結論を出したのは東京電力の内部調査報告書筆だけでした。
「事故の直接的な原因はすべて、2011年3月11日以前に予測することは可能であった」
これが国会事故調査委員会の結論です。

しかしこれだけ不正の証拠が数多く揃っているにもかかわらず、日本の行政と司法当局は東京電力の役員に説明責任を果たすよう求めようとはしていません。
検察庁は3人の役員の起訴を2度にわたって拒否しました。
今週判決が出た刑事裁判は、住民が抗議し検察審査会の手続きを経て初めて実現したものだったのです。
19日木曜日の判決により、福島に関する刑事訴訟は一旦結審しました。
しかし、100万トンもの放射能汚染水が福島第一原発の敷地内に溜まり続け、事故現場には溶け落ちた燃料棒がそのまま残っています。
巨大事故の亡霊はこれから何十年もの間日本に取り憑いたまま、人々を苦しめることになるでしょう。
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唐突ですが、もしこの裁判長が太平洋戦争後の東京裁判を担当していたら、A級戦犯とされた人間たちもすべて無罪にしてしまっただろうな…ふとそんな考えが頭をよぎりました。
「予見不可能」「当時の基準では違法とは言えない」等々
張作霖の爆殺を始めとする関東軍の暴走や南京大虐殺、盧溝橋事件の偶発的衝突やバターン死の行進など、すべて「予見不可能」「当時の基準では違法とは言えない」と判断されれば、戦争犯罪などというものも成立しなくなります。
しかし東京裁判では『人類の普遍の原理』の考え方が取られた結果、捕虜や市民の大量死を犯罪と断じたのだと思います。
私個人は今回の東京地裁の判決は『人類の普遍の原理』という立場から俯瞰すれば、許しがたい判断だと思っています。
現在の日本はその異常さが日常的に見られるようになった、という危機感を一人でも多くの日本人が共有すべきではないでしょうか。
日本の司法には、福島第一原発事故によって生活を破壊されてしまった人々の人権を守ろうという姿勢が無い
国民一人一人の人権を軽んじ、権力におもねるという日本の司法の腐敗は、もはや珍しいことではない

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年9月19日
巨大事故を引き起こした福島第一原子力発電所を運営していた東京電力の元幹部3人は、2011年3月に発生した原子炉のメルトダウンを防止できなかった責任をめぐる唯一の刑事裁判で無罪判決を受けました。
法廷で東京電力の勝又恒久前会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人は福島第一原発事故において3基の原子炉がメルトダウンしたことについては謝罪していましたが、事故の引き金となった巨大津波は予見不可能だったと述べました。
検察側は元幹部3人が大津波が福島第一原発にもたらい危険性を示す情報あったにもかかわらず、情報に基づいて必要な措置を取っていなかった点を追及していました。
原子炉のメルトダウンが直接の死亡原因となったと公式に記録されている人はいませんが、この裁判は地元の病院から強制的に避難させられた最中または後に44人の高齢者が死亡したことの関連性について告発していました。
被告は全員、被害者を災害関連死に至らせたとする職業上の過失については無罪を主張し、さらに災害前に入手可能だったデータの信頼性は低いものだったと主張していました。
「不確実で曖昧な問題に対処することは困難です」
と竹黒被告は東京地方裁判所における刑事裁判でこう述べました。
検察官は3人に対しそれぞれ禁錮5年を求刑していました。

裁判所の外で抗議者は評決に口々に怒りをあらわにしました。
「私はこんな判決は受け入れることはできません。」
一人の女性がこう語りました。
グリーンピースは、日本の司法には福島第一原発のメルトダウン事故によって生活を破壊されてしまった人々の人権を守ろうという姿勢が無い、と非難しました。
グリーンピース・ドイツのシニア・スペシャリスト、ショーン・バーニー氏はもし有罪判決が下っていたら東京電力、原子力発電を支持する安倍首相とその政権、そして日本の原子力産業界に「決定的な打撃」を与えたはずだったと語りました。
「こうした事情から、日本の裁判所が証拠に基づいて判決を下すという原則の適用を怠ったことは別に驚くには当たらないのかもしれない。」
現地での取材のため東京を訪れていたバーニー氏は声明でこう述ましべた。
「福島の大惨事の発生から8年以上が過ぎた今も尚、東京電力と日本政府は自分たちが何十年もの間原子力リスクに科学的に対処することを怠ってきた事実を認めようとしていません。」
福島第一原子力発電所は2011年3月11日に津波に襲われた後、6基あった原子炉のうち3基でメルトダウン事故が発生しました。
高さが14メートルに達した津波は発電所の予備電源を含むすべての電力の供給をストップさせ、冷却機能を失った原子炉内の燃料が溶け落ちる事態につながったのです。

検察は勝又恒久前会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人は巨大津波がもたらすリスクを認識すべきであったにもかかわらず、必要な安全対策を講じることを怠ったと主張していました。
3人は専門家が福島沖で発生する大津波による脅威について警告が行われた会議に出席し、その資料も閲覧し、もし10mを超える津波に襲われた場合は福島第一原発が全電源喪失の状態に陥り、大事故を起こす危険性があることを警告されていました。
さらに専門家を集めた政府委員会の2002年の報告書に基づいて東電内部の検討結果は、マグニチュード8.3の地震の後に最大15.7mの津波に襲われる可能性があると結論づけていました。
2011年3月の巨大津波を引き起こした地震の震度はマグニチュード9.0に達したのです。
巨大津波は福島を含む東北地方の太平洋沿岸地区で18,000人以上の命を奪いました。
そして福島第一原発の原子炉のメルトダウンは放射性物質を大気中に放出し、発電所周辺を中心に16万人の住民が避難を強いられましたが、4万人以上の人々が未だに自宅に戻れずにいます。

東京電力はメルトダウンした原子炉の炉心から溶け落ちた燃料を見つけて取り除くのに40年かかるとの見解を秋からにしていますが、一部の専門家はすべての原子炉の廃炉が完了するまでにはさらに多くの時間がかかると見ています。
日本政府は福島第一原発の廃炉解体費用、周辺地域の除染費用、被害者への補償の総費用は20兆円以上と見積もっています。
何重もの苦境に立たされている東京電力は、福島第一原発の敷地内に貯蔵されている100万トン以上の放射能汚染水の処理方法を間もなく決定するとみられています。
最も可能性の高い『太平洋に汚染水を投棄する』という選択肢は、これまで8年間かけて事業再建に取り組んできた地元の漁業関係者に強く反対されています。
当初、東京電力の役員が直接刑事責任を問われる可能性は低いとみられていました。
東京地方検察庁は証拠不十分と犯罪性が低いとの理由で、過去2回3役員を起訴することを拒否しました。
しかし2015年、一般市民で構成される検察審査会が3人の男性を裁判にかけるべきだと裁定した後、刑事訴訟が行われることになりました。

東京電力の元幹部に対する刑事告発を行った福島県民5,700人以上の告発を代行する河合弘之弁護士はすでに判決の前、敗訴した側が控訴するために法廷闘争は約10年続くと予想していたと語りました。
「この判決は大きな戦いの始まりを告げたにすぎません。」
河合弁護士は集会でこう語りました。
「私たちの究極の目標は、多くの住民を絶望の淵に追い込んだ危険な原子力発電所を根絶することです。」
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福島第一原発事故の原因を作り出した東京電力の3人の役員に対する刑事裁判における『日本の裁判所』の無罪判決は、世界のメディアが一斉に取り上げました。
まだ作業途中ですが私が確認した限り、取り上げていない著名なメディアはありません。それらをじっくりたっぷり、シリーズ化してご紹介したいと思っています。
それぞれ行間に怒りがにじむような記事になっていますが、私の翻訳ではその行間の怒りも文字になってしまっているかもしれません。
「違う!」と思われる方は、どうぞご自分で翻訳の上、ご紹介なさってみてはいかがでしょうか?
『保守の論客』なる人物、実は見返りを期待して体制や金主におもねる人間の稚拙で意味不明、しかも呆れるほどに無内容な文章を読んだことがありますが、完成度の高い日本語の文章という点でも、「星の金貨』の文章が彼らの『論説』に劣るものだとは思っていません。
「再処理計画は実現不可能!」フランスは『核燃料サイクル計画の放棄』を発表、共同開発を希望していた日本を痛撃
福島第一原発の事故収束・廃炉には8兆円を超える費用、第二原発の廃炉の同時進行は可能なのか?

山口まり / AP 2019年9月2日
2018年11月28日静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所の原子炉2号機を解体する作業員。
日本の原子力政策決定機関は、日本が大規模な原子力発電所の廃止措置の時代に入っており、安全対策の徹底と数十年の作業期間に加え数千億円という巨額の費用を必要とする作業について、予め計画を完備するよう各電力会社に促す内容の報告書を採択しました。
日本では現在24基のすべての商業用原子炉の40%にあたる24基の原子炉の廃炉が計画されています。
その中には2011年に東北地方を襲った巨大地震と巨大津波により深刻な被害を受けた福島第一原発の4基の原子炉が含まれています。
日本原子力委員会で今年採択された年次原子力白書は、電力事業者に米国と欧州の事例、特にドイツ、フランス、英国の事例から学ぶよう強く促しています。
日本はまだ原子炉の廃炉措置を完させた経験が無く、放射性核廃棄物の最終処分についての具体的な計画もありません。
「廃止される原子力施設が今後さらに増加することを考慮し、一連の作業を効率的かつ円滑に実行するために新しい技術とシステムを開発する必要がある。」
報告書にはこう記述されています。
「これは我々が前進させ取り組まなければならない、すべてがまったく新しい段階である。」

日本の電力会社は、福島第一原発の事故後に導入された安全基準をクリアするための改良作業に投資する代わり、老朽化した原子炉を廃棄する選択を行いました。
もっとも一般的な原子炉の場合、その廃炉措置には約600億円の費用と数十年の作業期間が必要です。
日本政府が運営する日本原子力研究開発機構が明らかにした79の原子力研究施設の約半分を廃棄する計画に言及し、報告書は原子力に関する基礎研究が弱体化することについての懸念を提起しました。
福島第一原発の事故以前、日本には60基の商業用原子炉があり、国内の電力需要の約25%を供給していました。
安倍政権は新しい原子力発電所の建設すら視野に入れた原子力発電の推進政策をとっていますが、原子力規制当局が時間をかけて検査を行っているため、原子炉の再起動はゆっくりとしか進んでいません。
一方、原子力発電の継続に反対する感情は日本国民の中に根強く、電力会社が原子力発電の継続のために施設の改良工事等を行う際に現地の同意を取り付けることが一層困難になっています。
中でも放射性核廃棄物の貯蔵に関連する計画はいかなるものであっても、強い抵抗を受ける傾向があります。

福島第一原発の事故以降、日本国内で再稼働した原子炉は9基にとどまり、安倍政権が目指す野心的20~22%の強引な目標と比較すると、その割合は全電力供給の約3%に過ぎません。
東京電力ホールディングスは2月、2011年の東日本大震災の際メルトダウン事故をかろうじて免れた福島第二原発の原子炉4基すべてを廃炉にする計画を発表しました。
地元の住民と自治体は福島第一原発の事故以降ずっと福島第二原発の廃止を求めてきましたが、8年が経ってやっと結論が出ました。
東京電力は福島第二原発の廃炉だけで4,100億円の費用と40年という時間がかかると語っています。
しかし専門家は、現在、廃墟と化した福島第一原発の現場で事故収束・廃炉のために絶えず数多くの難問を抱え込んでいる東京電力にとって、この数字が現実的なのかどうか懸念を表明しました。
福島第一原発の事故収束・廃炉には8兆円を超える費用がかかると見積もられています。
2001年から東海原子力発電所の廃炉作業を続けている日本原子力発電は、作業完了予定を5年間、2030年まで完了時期を延期すると発表しました。
これは同社が原子炉炉心から高放射性廃棄物を取り出すことができずにいる上、保管方法も見つかっていないためです。
この日本政府が運営していた東海核燃料再処理施設の廃止措置には70年かかり、費用は7,700億円に上ることが予想されています。

さらに日本については備蓄量が47トンに達しているプルトニウムについて国際社会の懸念が高まっているにもかかわらず、原子力白書は核燃料サイクル計画と高速増殖炉の開発計画を推進すると述べています。
これに対し原子力委員会はプルトニウムの備蓄量を減らし、事実をありのままに公にするべきであると述べています。
フランスは最近になって、理論的に燃料として使った以上のプルトニウムを生成する次世代高速増殖炉・ASTRID計画の放棄を公表しました。
再処理技術を共同開発することを望んでいた日本にとって、大きな痛手となる可能性があります。
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日本という国が原子力発電を止められないのは、科学的になにか根拠があるからではなく、そこに群がって汚れた利権を漁り続ける人間たちがいるからだということが、8年間福島第一原発事故に関する海外メディアの記事を翻訳し続けてきた結果、私の中に出来上がった答えです。
アベ政治の本質を知っている自治体と住民は切り捨てられる
安倍政権は住宅問題・環境対策予算を削減してオリンピック予算にまわしている

AP / 2019年9月15日
同町の熊谷大(ゆたか)町長は、2019年9月14日土曜日、2020年東京オリンピック開催が2011年東日本大震災の被災地の復興に役立っていないと日本政府を批判しました。
「利府町に対する日本政府からの援助はなく、予算は全くありません。」
2020年開催の東京オリンピックで男子と女子のサッカーを開催する宮城スタジアムのメディア・ツアーで、熊谷町長はこうコメントしました。
オリンピックサッカーの試合を開催する予定になっている東北地方の自治体の町長が、2020年に開催される東京オリンピックを被災地の復興に活用することを約束した日本政府からの資金提供を受けられないでいると語りました。
日本政府と東京2020の主催者はオリンピック開催を通し、2011年に発生した東日本大震災からの日本の復興を世界にアピールすることを望んでいます。
サッカーや野球など、いくつかのオリンピック・イベントが東北地方で開催される予定になっています。
しかし開会式まであと1年を切ったこの時点で、宮城県利府町の熊谷町長は、利府町が日本政府からの資金援助を受けていないと語りました。
「政府からの資金援助はありません。いかなる予算提供もありません。全くありません。」
熊谷町長は9月14日土曜日、こう語りました。
「東京2020は復興の象徴と位置づけられていますが、こと予算に関しては、この利府町にはオリンピックの予算はやってきません。」
熊谷町長は2020年のオリンピックで男子と女子のサッカーを主催する予定の49,000席の規模を持つ宮城スタジアムのメディアツアーで、こうコメントしました。

復興庁によれば、2019年8月現在、東北地方では約50,000人がいまだに避難生活を強いられています。
宮城県女川町長の須田善明町長も熊谷町長の発言に同調しました。
女川町は利府町同様、東日本大震災の津波により壊滅的な被害を受けた沿岸の自治体です。
「私たちは日本政府から1円も補助金を受けていません。」
須田町長がこう語りました。
「会場設営からオリンピックの試合を観戦するために訪れる人々の接待まで何から何まで、私たちは自力でやらなければなりません。」
首都圏でのオリンピック建設事業を急ぐために地域から建設労働者が連れ去され、その結果地方での復興の取り組みがを妨げられていると一部のメディアが伝えています。

日本は世界で最も地震と津波が発生しやすい場所の1つです。
2011年3月11日、東北地方太平洋の沖合でマグニチュード9.0の地震が津波を引き起こし、福島第一原子力発電所で3基の原子炉がメルトダウンする事故を引き起こしました。
この地震と津波は東北地方の太平洋沿岸地域に甚大な被害を与え、18,000人以上の命を奪いました。
2013年のオリンピックの指名争いでは約8,000億円の総開催費用を予測した日本政府は現在、約2兆1千億円を超える予算をつぎ込んで首都圏を中心にオリンピックを開催できるように準備していると伝えられています。
海外からも多くの人々が参加した日本の反オリンピック活動家のグループは、今年の夏、「反五輪の会」の名の下で小規模な抗議やその他のイベントを開催しました。
彼らは東京オリンピックに巨額の国家予算を支出することに反対しています。
「反五輪の会」の主張によれば、日本政府は住宅問題と環境問題のための国の予算を削減してオリンピック予算にまわしています。
「反五輪の会」の人々は福島県の再建のためにもっと国の予算を回すよう求めています。
これに対しオリンピック組織委員会は福島の復興はオリンピックの主要なテーマであり、野球、ソフトボール、サッカーの試合を開催し、福島はもう安全であるということを世界に証明する機会にすると主張しています。
しかし日本のオリンピック組織委員会は東京での開催準備を進める際、一連のハードルに直面しました。

今年8月には東京の夏の暑さにより、女子トライアスロン予選競技が短縮されました。
東京の夏の暑さは来年のオリンピックの試合にも悪影響を与える可能性があります。
日本のオリンピック委員会の竹田恒和前委員長は、東京にオリンピックを誘致するための不正な買収行為に関与したため、今年初めに辞任させざるを得ませんでした。
竹田氏は不正行為を否定しましたが、フランスの検察当局が買収資金だったと認定している約200万ドルの出費に署名したことは認めました。
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一度書いたことがありますが、地方の業界団体の理事をしている友人がいます。
彼は大きなプロジェクトに政府の資金援助が必要になると、自民党本部に陳情に行かなければなりません。
そしてプロジェクトの中身について説明しようとすると、発言の蒙昧さと権力者への徹底した阿諛追従ぶりで今や大層評判の悪い自民党のN幹事長にピシャリとこう釘を刺されるそうです。
「中身なんか関係無いんだよ。あんたのところの選挙区が、我々にどれだけ投票してくれたかで決まるんだよ。」
そう言って企画書類など見ようともせず、前回の選挙戦での自民党の得票一覧票を引っ張り出し、そちらの方を詳細に確認しはじめる…
そのため彼は国政選挙になると目の色を変えて担当地方を走り回り、自民党候補者への投票を頼んで回らなければなりません。
この話を知っていた私は、今年7月の参議院選挙で秋田、岩手、山形、宮城の4県で自民党候補者が落選したのを見て、この4つの県はいずれ何らかの形で『報復』されるのだろうと思っていました。
その結果の一つを伝えたのがこの記事なのだと考えています。
現在の日本の『国政』が何を基準にして動いているのかを象徴するものでしょう。
このような政治は従来の自民党支持者にとっても受け入れがたい状況のはずです。
ちなみに先の友人は自民党本部に陳情に言った後、決まって体調を崩します。
「でもあなた自身が、そうした体制の存続に力を貸しているんだよ。」
とは、さすがに可哀想で言えずにいます。
なおこの記事の原題は『Mayor of town in north Japan bemoans lack of Olympic fund』であり、そのまま翻訳すれば『オリンピック試合開催の資金提供が無いことに不満を表明する東北地方の町長』ということになり、私がつけた題名を連想させるものでもありません。
「もう一度原発事故を起こしてしまったら、日本は破滅する」
難しくなった2030年までに30基の原子炉を再稼働させるという安倍政権の目標

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年9月12日
新たに環境大臣に就任した小泉進次郎氏は、福島第一原発事故を繰り返さないためにすべきことは原子力発電所の再稼働ではなく、原子炉の廃炉であるべきだと語りました。
戦後日本で3番目に若い閣僚に任命された数時間後、小泉進次郎氏が明らかにしたコメントは、彼を原子力発電推進派の安倍首相との対決路線に
置く可能性があります。
「日本国内の原子炉をどのようにして保持するかではなく、それらをどうすれば廃炉にできるのか学んでいきたい。」
38歳の小泉氏はこう語りました。
「別の原子力発電所事故を起こしてしまったら、私たちは破滅することになるでしょう。この国ではいつ大地震が起きるかわからないのです。」
こう発言した小泉氏ですが、すぐに日本が原子力発電を全廃することは『非現実的』だと主張する新任の経済産業大臣から反論されることになりました。
「原子力にはリスクもあり懸念もあります。」
菅原一秀経済産業大臣は記者団にこう語りました。
「しかし『原発ゼロ』は、現時点においても将来においても現実的ではありません。」

日本政府は、原子力発電が2030年までに日本全体の気発電割合の20%から22%を構成することことを望んでいます。
しかし原子力発電に反対する人々は大地震や津波に見舞われる可能性の高い国土の特性を考えると、原子力発電所の存在は日本を常に危険にさらすことになると批判しています。
しかし安倍首相は原子力発電所の再稼働を要求し、原子力は日本が二酸化炭素排出目標を達成し、輸入に頼らざるをえない天然ガスや石油への依存割合を減らすのに貢献すると主張しています。
2011年3月巨大津波に襲われた福島第一原子力発電所で3基の原子炉がメルトダウンする事故を引き起こした後、日本国内にあつた54基の原子炉はすべて停止しました。
当時原子力発電は日本の総電力生産量の約30%を占めていました。
しかし現在は福島のメルトダウン事故後に導入された厳格化された安全性基準に適合した原子炉9基だけが再稼働しています。
しかも安倍政権が目指す2030年までに30基の原子炉を再稼働させるという目標は、地元の強い反対と法的課題を前に達成できる可能性は低くなっています。
小泉進次郎氏は自らの主張について閣内からの反対意見に直面するでしょうが、少なくとも父親であり反原発運動家として知れる元首相の小泉純一郎氏の支援を受けることになるでしょう。

日本の原子力の将来についての議論は続いていますが、将来の首相候補とも取りざたされる小泉進次郎氏は現在、福島第一原発内に貯蔵された100万トンを超える放射能汚染水をどうすべきかという論争の中心に立たなければなりません。
小泉氏の前任者である原田義昭環境相は9月10日の記者会見で、福島第一原発を管理運営する東京電力が放射能汚染水を無期限に貯蔵することは不可能であり、太平洋に放出して希釈する以外の選択肢はないと語りました。
放射能汚染水を海洋投棄するという見解に地元の漁業関係者は怒りの声をあげ、隣国である韓国も抗議を行いました。
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小泉進次郎氏個人について私自身は何か関心があるわけではありませんが、私の一般論(ちょっと変な言い方ですが)は【 政治の良心が死んでいく国・日本 】エコノミスト( https://kobajun.biz/?p=36138 )でご紹介した通りです。
それよりも今回驚いたのは、小泉氏を批判する菅原一秀経済産業大臣についてウィキペディアを参照していたときのことです。
『詐欺漢』や『食言』『欺瞞』『劣悪』『陰湿』という単語は、私にとっては安倍内閣という単語の連想句になっています。
またか!
というのがその感想です。
こうした政治屋一人一人も問題ですが、安倍政権を見ているとその周辺にはそうした人間が際限もなく登場してくる印象があります。
自分に身近な利害しか眼中にない政治屋を生む土壌というものがあるはずです。
平等で自由で、そして平和な日本を守るために戦わなければならない最大の敵とは何か?
私はそれを見失わないことが一番大切だと思っています。