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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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東日本大震災3.11から3ヶ月 この世で最も美しい旋律のひとつを捧げます

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今朝は久しぶりに自転車での通勤となりました。
3月11日金曜日の震災以来、壊れ続けていた通勤路のサイクリングロードも、少しずつではありますが補修が進んでいるようです。
仙台の6月初旬といえば、梅雨入り前の晴天が続く一年で最も美しい季節。
仙台市東郊を流れる梅田川の堤防の上に作られたサイクリングロードを、風にのって鳥のさえずりを聞きながら走るのは、いつもなら生きている事の素晴らしさを感じる瞬間のはずでした。

でも今日は6月10日金曜日、あの日からちょうど3ヶ月です。
もう3ヶ月、まだ3ヶ月、亡くなられた方、被害を受けられた方々の数はあまりにも膨大で、未だにその全容はつかめていません。
福島第一原発の事故も含めれば、災害は尚終息の見通しは立っておらず、人々は苦しみ続けています。

私自身はこれほどの災害ともなれば、当たり前のように地形・地勢そのものを変えてしまっていることに、驚く事がしばしばあります。
たとえば、私が住んでいる近くの「与兵衛沼」という小さくはない周囲500mほどの沼は、底に亀裂が走ったのかもはや干上がろうとしています。
仙台市ホームページの「与兵衛沼」の項には、『仙台藩士鈴木与兵衛が私財を投じて造った灌漑用水用の沼です。与兵衛沼や近くの大堤公園一帯は、小高い丘となっており、戦前は豊かな樹林に覆われていました。
 戦後、周囲が市街化していく中で、与兵衛沼周辺は開発から免れ往時の面影を今に伝えています。冬はハクチョウが訪れ、羽を休めている光景にも出会うことができます。与兵衛沼の豊かな緑と水は、地域の人たちに親しまれ、休日には散策を楽しむ人や野鳥を観察する人、釣り人などで賑わいます。』とあります。
それほどに歴史があり、多くの人々と関わって来た沼がひとつ、このままでは消え去ろうとしています。
さらに宮城県沿岸南部の山元町から沿岸北部の石巻市にかけては、大規模な地盤沈下が発生し、満潮時に水没する地区や未だ『陸地』として復元できていない場所すらあります。

今回の東日本大震災、『天変地異』という言葉がありますが、まさにその言葉通りの結果をもたらしました。
圧倒的な自然の破壊力に対し、人間という存在がいかに小さく無力か、という事も思い知らせました。
今日は何よりもその事で犠牲になった方に、美しい旋律を捧げ、その魂に慰めが訪れることを祈ります。
できればこの稿をお読みいただいているみなさんにも、慰めのために祈っていただけたら、と......

イギリス在住の少年合唱団LIBELA(リベラ - ラテン語で自由・解放、救済などの意味 )の Sanctus をお聴きください。
原曲はあの『パッヘルベルのカノン』ですが、主宰者のロバート・プライズマン氏がLIBERAのため編曲したものです。
私は『パッヘルベルのカノン(とジーグ)』はこの世の中で最も美しい旋律のひとつだと思います。
いつか別の機会にオリジナルをご紹介させてください。

価格の無いレストラン 「持ち合わせがなくても、十分なお食事をどうぞ!」

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所要時間 約 4分

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「何かみなさんの心を和ませるような話題は無いだろうか?」と思って、いろいろ探しているうちにこんなニュースを見つけました。
6月6日夜(日本時間7日午前)のNBCニュースから。

内容は「価格の無いレストラン」のお話です。
持てる人はより多く支払い、そうでない人は払える金額を支払えばいい、というレストラン経営が軌道に乗り、店舗数が増えている、というお話です。
チャリティの考え方が浸透しているアメリカらしい話題ですが、みなさんにとって一服の清涼剤になれば.......

+ - + - + - + - + - + - +

ブライアン「今夜の『Making a Difference - 良い形になりました』は過去のあるレポートについてです。あるNPOレストランチェーンの経営者がたまたまNBCのこの番組でレポートを見て、このアイディアを採用する事を決心したのです。今ではその事により、他に対しはっきり差別化ができています。
セントルイスからロン・モットがお伝えします。」

女性スタッフ「セントルイス・ブレッド・カンパニーのカフェにようこそ。」
記者 : パンを入れるボックスには古びたパンの塊ではなく、若々しく新鮮なパンのような取り組みが詰まっています。一年前、パネラ・ブレッドは利益を目的としない、ある実験的取り組みを始めました。
今や彼らの試験的取り組みはより大きなスケールで展開されています。
モンタナ州クレイトン、ミシガン州ディアボーン、オレゴン州ポートランドにそれは広がっています。

ブライアン「食に関して何を人々に提供するのか、というビジネスのお話です。」

彼は2年前にデンバー(コロラド州)の小さなレストランが同じ取り組みをしているのをNBCのこの番組で見ました。お客さんは支払う事のできる金額を支払えばいいのです。
NPO責任者「この番組を見て私は考えました。これなら私たちにもできる、スキルもあるし経営資源もある。やるべきだ、いや、これは私たちの義務なんだ、とね。」

いくら支払うかはその人の人間性に対する問いかけです。

白人男性客「これは気軽に地域社会に貢献できる方法だよ。」
黒人男性客「たった2ドルか3ドルしか持ち合わせが無かったときもあったよ(それでもここでは十分な食事をする事ができたんだ)」このレストランには持続性がある。5人の客のうち1人が価格表が伝えている事を正しく理解してくれ、応分の寄付をしてくれる事によりこのシステムはうまく行くのだと話してくれました。
ジミー・ジャィルズやボニー・スミスのような人々は週に2回はこのレストランを利用しています。
「まったくのところ、ここのおかげで何とか一ヶ月をしのぐ事ができるんだ。」

記者 : 食事を提供するだけでなく、この会社は社会貢献を全うできるよう望んでいます。
NPO責任者「私たちは貧困そのものを解決する事はできません。でも、この取り組みを続ける事で、少しずつ地域社会を変えていっていると思います。」
パネラ・カンパニーでは貧困から抜け出そうとする人々の空腹を満たすだけでなく、彼らが自ら新たなる糧を創造する、そのための手助けをしているのです。
女性スタッフ「すすんでお支払いいただく事は尻込みせず、(暮らしやすいコミュニティー創造に)ご参加いただく事なのですよ。」

Visit msnbc.com for breaking news, world news, and news about the economy

政治不在で新たな生命の危険にさらされている被災地の人々

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数日前、「この国で暮らす事がツラクなって来ました。」と申し上げました。
しかし、津波の被害を受けた被災地には辛いどころか、新たな「生命の危険」が迫っているというのです。

オーストリア 1974年発行

オーストリア 1974年発行

6月6日の毎日JPの記事には、被災地に堆積したままのヘドロの中には中毒症状を引き起こす有毒物質のほか、感染症の原因となる破傷風菌やレジオネラ菌、ノロウイルスなどがいる、と伝えています。梅雨に入るとヘドロに含まれる最近や有害物質が雨で広範囲に広がってしまい、体内に入りやすくなり、高齢者や体力が弱った人は命にかかわる恐れもあるそうです。
このための対策は市町村では到底対処できず、国による一刻も早い対応が必要なのですが、その「国」の方針を決める人たちが何をしているかは、みなさんが毎日テレビで見せられている通りです。
もっともそれが何か大切な事のように毎日伝えているテレビもテレビです。

「あいつじゃダメだ。あいつをやめされば俺たちも協力してやる。」
要するにこういう事を最大野党は言っているのだと思います。
でも被災地のど真ん中で新聞を読み、テレビを見ても、現地に足繁く可能な限り通いつめ、復興のためのプランを考え続けている国会議員さんの話などはまるで伝わって来ません。
結局「協力する」というその内容というのは、自分たち国会議員が現地を徹底的に調査して復興計画を練り上げる、という事ではないようです。
官僚にプランを作らせ、それが国会に提出されたときに「賛成」と手を挙げてやろう、というそれだけの事ではないのでしょうか?
日本の国会議員さんというのは今のところ、単に「アタマ数」というだけの意味であるようです。

外国への「視察旅行」ならたっぷり一週間かけて行ってくる議員さんたち。
その中で現地に地盤がある人を除き、被災地の一番被害のひどいところに一週間程もカン詰になって、毎日被災者に話を聞き、被災地の惨状を肌で感じようとした議員はいるのでしょうか?

折しも今夜、地方テレビ局の報道番組で京都からボランティアに来て、被災地の石巻市で自転車店を開業する事になった青年の話を紹介していました。
京都の自転車店で働いていた青年は、被災地で自転車修理の需要が逼迫している事を伝え聞き、石巻市を訪れました。
そして今日まで、ひたすら自転車の修理のボランティアを続けてきたのです。
その姿に感動した石巻市民に望まれて、こんど石巻市で自転車店を開業する事になったというのです。店は震災をきっかけに廃業する事にした店舗経営者が提供する事になりました。
たくさんの石巻市民がひたむきな青年の姿の中に、人々のために尽くしたいという「真情」を感じ取ったに違いありません。

この青年の半分でも、被災地で「存在感」を示した議員のセンセイをご存知の方はいらっしゃいますか?

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この国で暮らす事、今日はツラくありませんか? – この曲を聴いて、癒されてください –

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所要時間 約 3分

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つくづくこの国に暮らす事が、ツラくなってきました。
6月2日の首相不信任案騒動について、新聞等で隣国の反応が報道されました。
いちいち詳しくここに書き出すより、公式コメントの裏に透けて見えるその本音は?!
韓国「この時期に一体何やってるんだ、アタマおかしいんじゃないか?!」
中国「いつもの事じゃないか......今さら驚くにあたらないよ。」
アメリカ「毎度の騒ぎだとしても、ひどい......日本は大丈夫なのか?!」
大丈夫じゃありませんよ。
このまま行くと、被災地復興のための政府の機能が、秋頃には一斉にマヒする恐れが出て来たそうです。

でも私たち日本人が選んだんですよ、この人たちを。
上方の方では府議会で最大会派になったナントカ維新の会がまずやった事、
「学校で国旗掲揚・国家斉唱する際には必ず起立すること」
という法律をつくったとか。
普段から日本の国の政治や何やらを尊敬できて、
「この国に生まれてほんとに良かった」
と思っていれば、国旗掲揚・国家斉唱、みんな自然と誇りを持ってできますよね。
アメリカ人が星条旗を愛するように、なぜ日本人の中に日の丸を愛せない人がいるのか、よくよく話し合う事もせずに、法律を作って強制する。
どこが新しい政治なんでしょうか?
『維新』という言葉、利用された坂本龍馬、西郷隆盛、桂小五郎が怒りますよね...

現実逃避しちゃいましょうか...
いやされる音楽、お聴きになりたくありませんか?
今日のおすすめはこれ。
以前、http://kobajun.biz/?p=518 でお薦めしたアール・クルーの
【雨に微笑みを】
もともとはニール・セダカのヒット曲のカヴァーですが、アール・クルー初期の代表曲になりました。ちょっとオタクっぽいことを言いますと、バッキングのギターのリー・リトナーが素晴らしい演奏をしています。
こころがすぅーっと、軽くなりますよ。

[埋め込みコード]

いまさら、末法思想 今の日本の政治家に必要なのは『アセンション』!

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所要時間 約 5分

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末法思想、この仏教用語はみなさんご存知ですね。
「世も末だわ…」なんてフレーズは日常語になってますが、厳密には世情不安や天変地異は含まれず、したがって末法思想は「この世の終わり」を意味するものではないそうです。

 英国領アセンション 1934年発行

英国領アセンション 1934年発行

要するに仏教を創始した仏陀が亡くなって1,000年後、2,000年後の世界について、その教えが希薄になり、その結果社会の混乱が増幅される、という事のようです。2,000年後にあたるのは2052年、仏陀の在世から遠く隔たったため、教法が次第に微細・瑣末になり、僧侶が戒律を修めず、争いばかりを起こして邪見がはびこり、釈迦の仏教がその効力をなくしてしまう時期とされているようです。
これ、教法を「日本の法律」、僧侶を「日本の政治家」に変えてみてください。

一方、アメリカ映画の『2012年』という映画、題名の通り2012年12月21日~23日に世界の終わりが来る、という内容ですが、根拠はマヤ文明の「長期暦」というものにあるのだそうです。
でも、マヤ文明について良く調べてみると、明確に「人類が滅亡する」と予言している訳ではないようです。

でも、調べているうちに2012年12月23日に「地球的大変動 - アセンション」が起きる、という別の「理論?!」に出くわしました。
アセンションとは本来キリストの昇天をさす言葉ですが、「惑星地球の次元上昇」- 人間もしくは世界そのものが現在の三次元からより高次元の存在へと進化することらしいのです。
高次元の存在へ進化?!
私たち三次元の人間が想像するのは、ちょっと難しいようです。
『アセンションの存在を支持する人々は、アセンションは2012年前後に起こるのではないかと推測しており、現在の地球の環境問題や混沌とした社会現象、人間の善悪に対する意識レベルの低下をその進化への前触れであると見なしている』- Wikipediaより

そんな事を考えているうちに
「菅首相、不信任案可決なら衆議院解散の方針」
というニュースが飛び込んできました。
「ああ、やっぱりこの人は......」自分の事しか考えていないのかもしれない。
今、このときに衆議院を「解散」させれば、被災地の人々はどうなるのでしょうか。
でも不信任案を提出した野党も、ねらってましたよね。

日本の政治家は簡単に「解散、総選挙」って言いますけど、総選挙するにはものすごいお金がかかるんですよ。
仙台市の場合、選挙公報を作って配るだけで、数千万円かかるんですよ。
選挙をするたびに国や自治体の借金が増えて、そのツケは国民が払うんですよね?!
これって『人間の善悪に対する意識レベルの低下』?

過去の一時期、首相と同じ活動をしていた人の話を又聞きで聞いた話です。
現首相はその昔、デモ行進をしている時、カメラマンが来るとするするっと最前列に出て、機動隊が来るとするするっと10列目辺りまで下がったそうです。

結局すぐには辞任も解散も無くなった今となっては、どうでもいい話になりつつありますが.......
一方、肩すかしをくった野党の党首は捨てゼリフは言うものの、
「被災地・被災された方々には申し訳ない事をした…」なんて言葉は一言もありません。
大震災も津波も、利用しているだけ、って感じです。

6月2日の一連の出来事に対する、被災地仙台で暮らす私の周囲の人々の感想は
「どうでもいい、日本の政治家はホントどうでもいい事ばっかりやってる。」
です。1人や2人じゃありませんよ。

2012年まで待たずに、とりあえず国会議事堂内、永田町の人々を『高次元の存在へと進化』させていただけないでしょうか?

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佐渡裕さんとベルリン・フィルハーモニック

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所要時間 約 4分

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今、テレビ朝日系の「題名の無い音楽会」でメイン・キャスター兼指揮者を務める佐渡裕さん。
佐渡さんになってから、私もこの番組を見る回数が明らかに増えました。
『音楽は楽しむもの』、それがびしびし伝わってくるようになりました。

その佐渡さんがすでにメディアでも報道されている通り、5月20日(金)ベルリン・フィルにデビューを果たしました。
世界最高峰のオーケストラと言えばオーストリアのウィーン・フィルハーモニックとドイツのベルリン・フィルハーモニック、これには世界中の人々も異論がない - ライプツィッヒ、ドレスデン、アムステルダムやシカゴやロンドン、好みは様々あるにしても - でしょう。
佐渡さんは小学校の卒業文集に「ベルリン・フィルの指揮者になりたい」と綴ったそうですが、 その夢がまさに現実になりました、本当に良かったですね。
演奏会では、武満徹とショスタコーヴィチの作品を指揮しましたが、ベルリン・フィルがそのリハーサルを公開していますので、どうぞ画像をご覧ください。

演奏された武満徹の《フロム・ ミー・フロウズ・ワット・ユー・コール・タイム》は、パーカッションのためのコンチェルトですが、その音楽は瞑想的です。作曲家武満徹の世界での評価というのは、私たち日本人が考える以上に高いもののようです。リハーサルを見ていても、確かに不思議な魅力がありますね。
一方ショスタコーヴィチの「交響曲第5番」は、彼の交響曲のなかでも最もポピュラーで、演奏効果の上がる作品として知られています。均整の取れた古典的な形式を持ち、明快さが特徴ですが、これはスターリンの粛清を受けたショスタコーヴィチが、ソ連体制が要求する「社会主義リアリズム」に近寄って作曲したため、と言われています。しかしそこには、ショスタコーヴィチの内面の苦悩が反映されているとも言えるでしょう。
佐渡さんの恩師、レナード・バーンスタインが得意にしていた作品で、さすが直伝とも言うべきわかりやすさに溢れた演奏となっています。
演奏に対する評価については、現地の新聞の講評をベルリン・フィルの公式サイトが引用しています。
どうぞお読みください。
【新聞評抄訳】
「彼が夢見たオーケストラでのデビュー演奏会は、大勝利となった。これは注目に値することだ。なぜならベルリン・フィルは、どのデビュー指揮者に対しても、これほど献身的に演奏するわけではないからある。
ヴァイオリンの最前列には、コンサートマスターの樫本大進とダニエル・スタブラヴァが座ってい る。佐渡はレナード・バーンスタインのアシスタントだったが、彼がショスタコーヴィチの交響曲第5番の鋭角的なリズムを激しく振ると、その足はレニーばりに飛び上がる。しかしこの演奏で重要なのは、オーケストラと指揮者が細心の注意をもって作り出す響きの密度である。オペレッタのようなワルツの愉悦、最高 のピチカート、息の長いラルゴ。これは、力強さと内容の濃さに溢れた見事な解釈である」
「(武満作品では、)ベルリン・フィルの5人の打楽器奏者が、チベットの旗の色の服を着て登場し、見事な技量を見せつけた。フィルハーモニーの天井 にウィンド・チャイムが吊られ、5色のリボンを用いて演奏される。そして小さな主題が展開され、様々な色彩を生み出す。これは響き、音、ソロ・フルート、 ロマンティック・サウンドの総合であり、誰もが親しめる瞑想の音楽、ワールド・ミュージックであった」-『ターゲスシュピーゲル』紙(初日評・5月22日付)

我らが佐渡さん、おめでとうございます!

– 純金の竹 – 貧乏人のワタシは見事にうろたえました

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所要時間 約 3分

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5月の中旬、中国人の友人夫婦が奥さんのご両親と一緒に我が家を訪ねてこられました。
ご主人は医者で、現在は仙台市の画像検診クリニックで、検査技師として働いています。
奥さんは主婦兼業で中国語関連のボランティアなどをしていますが、3月11日の大震災直後は二人とも、我が家で避難生活をしていました。
その後、中国にいる二人の両親の強いすすめもあり、12日後の3月23日、いったん中国に帰国したのです。
ご主人は仕事があるため4月の始めには日本に戻っていましたが、奥さんは2カ月ぶり、ご両親を伴っての再来日でした。

実はご両親は以前にも来日するたび、我が家を訪問されていました。
初めて我が家を訪れた際、
「なぜ他人の、しかも外国人に、こんなに親切にしてくれるのか?」
と、私たちと娘さん夫婦のつきあいについて尋ねられました。
私たちは別にたいした事をしているつもりはありませんでしたので、返答に窮した覚えがあります。

今度もご両親は何としても直接私たちに会って、震災後の避難生活のお礼を言いたい、との事でした。
お礼も何も、振り返れば我が家に避難している3人を守り通したいという思いが、震災直後の水も電気もない一番ひどいときに、私たち家族4人の心を支えていたのです。
この3人がいなければ、続けざまに入ってくる悲惨な映像や情報のために私たち自身がおかしくなっていた事でしょう。
それを思えば、本当に「お礼など、とんでもない!」のです。
ところが、ご両親が「何をお礼すればいいかわからないので、こんなものを持って来てしまいました。」
と差し出されたのが、「純金」と書かれた竹の細工物でした。
丈はすくすく伸びるところから、中国では「発展」の意味のある縁起物なんだそうです。

でも、不覚にも、ほんとにほんとに不覚にも、わたしは縁起よりも「純金」の文字を見て
「すごいもの、もらっちゃった」と少々興奮してしまったのです。
正真正銘「庶民」の我が家には、純金のものなど何もありません。
あーあ、貧乏人の悲しい性を、自分自身に見つけた瞬間でした。

そしてさらなるオチは.......
改めて良く見れば、細工物は「純金」ではなく、「純金箔」だったのでした。
もっとも「純金箔」すら我が家には無いのですが...

我が家にある「高価なもの」世界最初の切手、英国1840年発行の[ペニーブラック]未使用。
カタログ価格は720,000円ですが、ただし左側に余白が無く、減点されるかも......

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いまだに続く悲劇のなかで [再出発はどこから?]

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5月23日にアメリカ史上最悪と言われる竜巻がミズーリ州ジョップラン市を襲いましたが、現地はまだその衝撃から立ち直っていません。
その中で非常に印象的な報道に出会いましたので、皆さんにもその映像をご覧いただきたいと思います。
前半の概略を翻訳しましたので(間違いがあったらごめんなさい)、5月28日のNBC ナイトリー・ニュースのトップをご覧ください(画面の中のプレイボタンをクリックしてください)。

ミズーリ州のジョップラン市(日本のテレビ局はジョプリン市などと言っていますが、発音をよーく聞いてみてください)には、がれきをかき分けながら2,000人を超えるボランティアが現地に入り、未だ100人を超える行方不明者の捜索に当たっています。
ある10代の犠牲者などは卒業式を終えた直後に、竜巻にさらわれてしまったと見られています。
今年の竜巻の被害では少なくとも522名の犠牲者が中西部から深南部にかけて出ており、これは1947年以来の規模です。
NBCのロン・アレンが今なお、現地にとどまりレボートします。
「今日、ジョップラン市当局は水道水は飲むのに問題はなく、市としての機能も各所に於いて尚働き続けていると発表しました。しかし、被害の全容は未だつかめず、100名以上が行方不明であると推察され、被害にあった人々は愛する家族にいったい何が起きたのかを把握しきれていません。
メリッサ・クロスビーの姉リンゼイ・マリーナは9歳の息子の上に寄り添う形で遺体が初験されましたが、近所の人々が彼女と息子を発見した時の様子を話してくれました。
私たちにとってのわずかな慰めは、彼女がこの地上で最後に行ったことが息子の命を守り通すことであった、という事です。
『今確かに言える事は - 事態の終息に向けての動きと嘆きの時はいま始まったばかりだということです。』- ミズーリ州公共安全局
18歳の少年は卒業式の帰り、運転していた車から竜巻に巻き上げられ、その死体が先週有金曜日に沼の中で発見されました。………」

ニュースはアメリカでもやはりその地の、あるいは近隣の市町村の人々が真っ先に現地に駆けつけ、懸命に働いている様子を伝えます。
そして子供を守り抜いてなくなった母親の事を、上に訳した通り伝えました。
ニュース番組の価値を思い知らせる一言だったと思います。

母親を失ってしまったことは、少年にとって取り返しようのない悲劇です。
しかし、この特派員の一言は彼女の死を例えようもなく崇高なものとしました。
これからこの少年が生きていくとき、この一言は自分の人生を粗末にしないための大きな支えになると思います。
そして、これからアメリカ社会で起きるかもしれない母と子の無数の悲劇に、ブレーキをかける役割を果たしていくのではないでしょうか?!
子供の虐待は日米共通の深刻な社会問題ですが、子供を傷つけようと手をあげた時、この特派員の言葉を思い出す親がいたら、そこで思いとどまる事ができるかもしません。

これこそ、報道というものの価値、ではありませんか?!

東日本大震災の際、「恐いもの見たさ」的報道をして、被災者の心を傷つけた日本のテレビ局がありました。
電気が復旧した後、日本のテレビでも、アメリカのNBCやABCやCNNのニュースでも東日本大震災の報道を見ました。
日本中の私たちと同じ普通の人々がものすごく心配してくれていること、そしてアメリカのメディアも私たち被災者を思いやってくれていることを感じたものです。
日本のテレビ・新聞だけを見て、それが現実の世界のすべてだと思うのは間違いなのではないでしょうか?

これから毎日、私は海外の報道や政府機関のアナウンスなどをチェックし、皆さんに伝えなければならない、そう思ったことをここに掲載して行きます。
まずは本当の事を理解する事から、再出発しませんか?

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次に地震が来る場所はどこ?! – 東日本大震災、その瞬間のビルの30階 –

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3月11日東日本大震災の日、大地震が襲ったとき仙台市中心部の30階建てのビルの、まさに30階のレストランにいた30代の男性の話を聞きました。
店内のテーブルと椅子が凄まじい音を立てながら、一斉に向こう側に雪崩を打ったかと思うと、今度は一斉にこっち側へ。また向こう側へ、そしてこっち側へ。まるで映画のシーンのようですが、それが実際に起き、揺れている間ものすごく恐ろしかったそうです。
そして停電、当然エレベーターも止まってしまい、ビルの外に出たければ、階段を下りるしかありません。30階から非常階段を降りて1階まで降りるのは、想像以上につらかった、と言います。20階を過ぎたあたりですでに足がおかしくなり、でも続けて地震が来る恐怖があり、あえぎながら階段を下り続けました。地上に降り立ったときは胸は苦しいし、足がガクガクして、しばらくは動くも歩くもできなかったそうです。
このビル、実は震災後屋上にあるアンテナ部分の構造物が倒れそうになり、一時付近の道路が封鎖されました。その後、この構造物を取り除く事ができましたが、内部の損傷がひどくテナントで出て行くところが多く、持ち主の生命保険会社は解体の検討を始めたとか。

高層ビルと言えばニューヨーク。
東海岸のニューヨークには高層ビルが林立していますが、日本に高層ビルを建てた日本人がこの様子を意識していない、と考える方が不自然です。
でも、ちょっと待ってください。
実はニューヨークなどの東海岸はまず地震が来ない場所なのです。ニューヨークのアメリカ人に直接聞いたのですが、一度震度3の地震がきたときには、経験したことが無く、心臓が止まりそうなくらい怖かったそうです。
震度3など『地震国日本』の住民としては、怖くも何ともないレベルですよね。
それだけ地震が少ない場所なので、高層ビルをどんどん建てても合理性に欠ける事は無いのでしょう。
一方、西海岸にあるロス・アンジェルスは大地震に見舞われた事があり、南側地続きのメキシコも地震が多い国です。
Googleの画像検索を使って、ロス・アンジェルスとニューヨークの街を比べて見てください。
ニューヨークには数えきれない程高層ビルが建ち並んでいますが、ロス・アンジェルスの方は中心部に10内外の超高層ビルがありますが、他は見事な程低層の建物がびっしり。
無理はしてない感じです。

ひるがえって我が日本、世界有数の火山国・地震国であるにも関わらず、なぜこれほど高いビルを建てる事が好きなのでしょう?
プライド?
東京スカイツリーなどは、超高層ビル建設ラッシュの続く中国・上海を明らかに意識していると思われます。
「国の勢いでは遅れを取ってしまったけど、こういう技術ではまだまだ日本の方が上なんだぞ。」
その気持ち、解ります。
耐震、免震技術なんてのは世界一なんでしょうから...

でも色々な学説・情報を整理すると、東日本大震災の影響により、以下の3カ所の大地震の危険性が高まっているようです。
1. 青森県八戸沖
2. 宮城県東方沖(東北太平洋沖地震よりさらに沖合)
3. 福島・茨城沖
そして、首都直下型、東南海など、地震のリスクに事欠かないのが日本。
地震の瞬間、高層ビルを見上げていた人の話を聞きましたが、「折れるかと思った!」そうです。
アメリカの9.11同時多発テロでは、世界貿易センタービルが崩壊する前に脱出できなかった人々が犠牲になりました。
個人的な意見になってしまいますが、もう高層ビルにはしばらく上らなくていい、というのが正直なところ。
私が育った昭和30年代、40年代。
町で一番高いのは銭湯の煙突、なんて時代が今、たまらなく懐かしく思い出されます。

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命が失われた世界・蒲生再訪〈2〉

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蒲生を再訪した日はとにかく晴れていました。
仙台の夏は例年三陸沖から冷たい「やませ(夏に農作物に冷害をもたらす事から『病ませ』の意味だという説があります)」という風が吹き込むため、「夏の仙台というのは、街全体に冷房がかかっているようだ」と、瀬戸内海沿岸に暮らすある人が言ってました。

フィンランド 1993年発行

フィンランド 1993年発行

ただし、やませというのは海風のため多少じめじめし、決してからっとはしていません。
それに比べ5月の仙台の風は奥羽山脈から吹下ろす事が多く、このため湿度も20~30%と低い上、気温も20度前後と一年で最も気持ちのいい季節のはずでした。
5月の仙台、それはまさに青葉茂れる季節であり、新緑とそこを吹き渡るさわやかな風の世界であったはず。

ところが、津波の直撃を受けた地区というのは、
「茶色の世界」
なのです。がれきとスクラップに成り果てた車には乾いた泥がこびりつき、道路にも茶色い粉塵が堆積しています。
そしてこの日は黄砂。重金属など数々の有害物質、それに微生物まで含むと言われるこの黄砂は、西風とともに被災地にも容赦なく吹きつけます。
私は花粉症で、春先盛んにくしゃみが出る日があります。黄砂が飛ぶ日もくしゃみが出ますが、黄砂と花粉症の違いはすぐに体で感じる事ができます。黄砂が多い日は顔の皮膚がひりひりし、目のかゆみが半端ではなく、くしゃみも止まらなくなります。
記憶をたよりに、ごく大ざっぱな言い方を許してもらえるなら、中国が「世界の工場」化してから、私のこの症状はひどくなりました。

5月の薫風もこの辺りでは粉塵を舞い上げる厄介者に過ぎないようです。行き交う人々は復興作業に従事する人もそうでない人も、皆一様にマスクをつけています。
昔見た映画に近未来を砂漠化した世界として描いているのがありましたが、実際にその地に立たされたような気分に陥りました。
水を張った田に植えられた苗。
木々に豊かに蓄えられた新緑。
小鳥たちのさえずりと飛び交う姿。
貞山運河や干潟にたくさんいた水鳥たち。
ゆっくりと畑を耕したり、小さな工場(こうば)で黙々と働く人々。
そしてそれらの間を五月の風が吹き渡る。

それら一切が葬り去られた世界。
野球のグラウンドが2つあり、鮮やかでたっぷりとした緑で縁取られていた蒲生海浜公園には、がれきと破壊された車がうずたかく積み上げられ、クレーンだけが単調な動きを繰り返しています。
命が失われた世界、それは想像するよりもずっとひどい世界でした。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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