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佐渡裕さんとベルリン・フィルハーモニック

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所要時間 約 4分

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今、テレビ朝日系の「題名の無い音楽会」でメイン・キャスター兼指揮者を務める佐渡裕さん。
佐渡さんになってから、私もこの番組を見る回数が明らかに増えました。
『音楽は楽しむもの』、それがびしびし伝わってくるようになりました。

その佐渡さんがすでにメディアでも報道されている通り、5月20日(金)ベルリン・フィルにデビューを果たしました。
世界最高峰のオーケストラと言えばオーストリアのウィーン・フィルハーモニックとドイツのベルリン・フィルハーモニック、これには世界中の人々も異論がない - ライプツィッヒ、ドレスデン、アムステルダムやシカゴやロンドン、好みは様々あるにしても - でしょう。
佐渡さんは小学校の卒業文集に「ベルリン・フィルの指揮者になりたい」と綴ったそうですが、 その夢がまさに現実になりました、本当に良かったですね。
演奏会では、武満徹とショスタコーヴィチの作品を指揮しましたが、ベルリン・フィルがそのリハーサルを公開していますので、どうぞ画像をご覧ください。

演奏された武満徹の《フロム・ ミー・フロウズ・ワット・ユー・コール・タイム》は、パーカッションのためのコンチェルトですが、その音楽は瞑想的です。作曲家武満徹の世界での評価というのは、私たち日本人が考える以上に高いもののようです。リハーサルを見ていても、確かに不思議な魅力がありますね。
一方ショスタコーヴィチの「交響曲第5番」は、彼の交響曲のなかでも最もポピュラーで、演奏効果の上がる作品として知られています。均整の取れた古典的な形式を持ち、明快さが特徴ですが、これはスターリンの粛清を受けたショスタコーヴィチが、ソ連体制が要求する「社会主義リアリズム」に近寄って作曲したため、と言われています。しかしそこには、ショスタコーヴィチの内面の苦悩が反映されているとも言えるでしょう。
佐渡さんの恩師、レナード・バーンスタインが得意にしていた作品で、さすが直伝とも言うべきわかりやすさに溢れた演奏となっています。
演奏に対する評価については、現地の新聞の講評をベルリン・フィルの公式サイトが引用しています。
どうぞお読みください。
【新聞評抄訳】
「彼が夢見たオーケストラでのデビュー演奏会は、大勝利となった。これは注目に値することだ。なぜならベルリン・フィルは、どのデビュー指揮者に対しても、これほど献身的に演奏するわけではないからある。
ヴァイオリンの最前列には、コンサートマスターの樫本大進とダニエル・スタブラヴァが座ってい る。佐渡はレナード・バーンスタインのアシスタントだったが、彼がショスタコーヴィチの交響曲第5番の鋭角的なリズムを激しく振ると、その足はレニーばりに飛び上がる。しかしこの演奏で重要なのは、オーケストラと指揮者が細心の注意をもって作り出す響きの密度である。オペレッタのようなワルツの愉悦、最高 のピチカート、息の長いラルゴ。これは、力強さと内容の濃さに溢れた見事な解釈である」
「(武満作品では、)ベルリン・フィルの5人の打楽器奏者が、チベットの旗の色の服を着て登場し、見事な技量を見せつけた。フィルハーモニーの天井 にウィンド・チャイムが吊られ、5色のリボンを用いて演奏される。そして小さな主題が展開され、様々な色彩を生み出す。これは響き、音、ソロ・フルート、 ロマンティック・サウンドの総合であり、誰もが親しめる瞑想の音楽、ワールド・ミュージックであった」-『ターゲスシュピーゲル』紙(初日評・5月22日付)

我らが佐渡さん、おめでとうございます!

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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