毎日、今度の大震災に関する特別報道番組を見ているうちに、季節はいつ間にか春になっていました。例年ですとゴルフ好きの私は、「いよいよマスターズが始まるぞっ!」と、テレビ中継の録画の準備をしたり、アメリカPGAツアーのホームページでいろいろ確認したりと、いそいそ・ソワソワしていました。
ところが今年はゴルフどころか、ともすれば自分の腕を持ち上げることすら億劫になっている自分に気がつきます。
そんな日を送るうち、友人が「マスターズが始まってるよ...」と声をかけてくれました。
ふと気がつけば、もう二日目が終了していました。
嬉しいことに、賞金全額を今度の震災の為に寄付すると言ってくれた石川遼クンと、「2度目の地震に心が本当に痛んだ」と言って、参加について直前まで迷った仙台の福祉大学2年生のアマチュア松山英樹クンが予選を突破しました。遼クンはP.ミケルソンらと同じ20位タイで、松山クンはE.エルスらと同じギキリギリ43位タイ(7人・予選通過は44位タイまで)で、しかし今回参加した世界のトップアマチュア6人中、たった1人見事予選を通過しました(予選通過時点で170万円以上の賞金獲得が確定しますが、松山クンはアマチュアなので、どんなに上位に入っても賞金は受け取れません)。
最終ラウンドに向け、さらなる活躍を祈りましょう。
ところで、マスターズが開催されるのはアメリカ・ジョージア州の[オーガスタ・ナショナル]というゴルフコースですが、マスターズ開催に向け信じられないほど入念に手入れされることで有名です。開催半年前になるとコースは閉鎖されてラウンドできなくなり、ひたすら手入れだけが続けられます。
そして開催。
ところで[オーガスタ・ナショナル]は、他にも世界のどのゴルフ場にも無い特徴を持っています。ゴルフコースは18個の『ホール』があり、普通は何番ホール、という言い方をします。もちろん[オーガスタ・ナショナル]も何番、という言い方はするのですが、他に全ホールに植物の名前がついていて、ホールごとにその植物が見た目に美しいように配置されているのです。
ちょっと並べてみましょう。
1番 キンモクセイ
2番 ハナミズキ(赤)
3番 桃の木
4番 野生のリンゴの木
5番 モクレン
6番 ビャクシン
7番 シロガネヨシ(pampas glass)
8番 イエロージャスミン(カロライナ・ジャスミン)
9番 キャロライナ・チェリー(カロライナ・ローレル・チェリー)
10番 カメリアツバキ
11番 ハナミズキ(白)
12番 ヤマブキ
13番 アザレア
14番 モミの木
15番 サンザシ
16番 ハナズオウ(米国原産;Oklahoma州の州木)
17番 南天
18番 ヒイラギモチの木
どうです?マスターズの開催にあわせ、春に花をつける植物たちが植えられているのです。
マスターズでのラウンドはキンモクセイ・ホールを出だしに、季節の花々を巡りながら展開されることになります。ただ今年はアメリカも厳冬が長く、春の訪れが遅くなっており、開花している花は少ないようです。
遅い春、でもその分たくさんのいいことが[オーガスタ・ナショナル]にも大震災の被災地にも、密度高く訪れてくれることを願いつつ、遼クンと松山クンを応援しましょう。