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『アベ友』新薬の承認を急ぐ日本 – サリドマイド同等の副作用・未実証の治療効果・新型コロナウイルス vs.アビガン《後編》

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ゴルフと会食を共にする人物の会社の新薬の使用、声高に求め続ける安倍首相
繰り返される安倍首相の『オトモダチ企業』への数百億円規模の国家予算の投入

「有効性は証明されておらず備蓄もすべきでない」という専門委の意見を無視、200万人分を大量購入した安倍政権

                    

                    

ベン・ドゥーレイ / ニューヨークタイムズ 2020年5月5日

                   

アビガンを新型コロナウイルスCovid-19の治療薬として使う場合、病気の初期段階での投与が有効である可能性が最も高いと、横浜の京友病院の感染症専門家である菅谷紀夫医師が語りました。
菅谷医師は2016年に日本政府のタスクフォースの委員を務めていましたが、当時委員会はアビガンの有効性は証明されておらず、備蓄もするべきではないと主張していました。

                     

菅谷医師は現在はその見解を緩め、広範囲にわたる試験と組み合わせればこの薬が予防薬として有効である可能性があると考えています。

                   

委員会の警告にもかかわらず、当時の日本政府当局は200万人の患者に使うのに十分な量の錠剤を購入することを決定し、現時点で全量を購入済みです。
これまでのところ、1,100カ所の日本の医療施設で約2,200人の新型コロナウイルスCovid-19患者にアビガンを投与しており、さらに1,000人以上が投与を待っています。

                    

こうした医療機関の多くは二重盲検やプラセボの使用など、アビガンの使用について厳密な科学的管理を適用していません。
彼らは先天性欠損症の副作用が問題になる可能性が低い患者、特に高齢の患者に対し潜在的な利益がリスクを上回ると主張しています。

                   

                

富士フイルムを始めとする製薬会社などが現在、新型コロナウイルスCovid-19に対し効果が見込める医薬品を特定すべく正規の手続きに則った治験を続けています。

                 

                

しかし安倍首相はアビガンの使用を一層拡大するよう主張し、病院に対しては使用を希望する患者すべてに投与を促し、患者に対してはアビガンという固有名詞を使って投与を要求するように求め、アビガンの市場拡大を急いでいます。

                

5月4日月曜日、安倍首相はアビガンの承認プロセスは開発者によって行われる本来あるべき形の臨床試験に依るのではなく、その代わり専門家が治療薬としての有効性について判断した後、「従来とは異なる形式」によって承認される可能性が高いと述べました。

                   

安倍首相がなぜそこまで声高にアビガンを売り込もうとするのかは明らかではありません。
日本の一部のメディアは、彼が富士フイルムの最高経営責任者、小森重隆氏と密接な関係を持っている点を指摘しています。
安倍首相のスケジュールを確認する限り、2人はしばしば一緒にゴルフをし、食事もしています。

                 

オンラインで公開されている会議資料によれば、2月中旬に新型コロナウイルスをめぐる国際協力に関する政府のタスクフォース会議に招待された唯一の企業が富士フィルムでした。

                  

富士フィルムの代表は27ページのパワーポイントを使ったプレゼンテーションを行い、中国政府は緊急時の使用を原則として薬を承認する準備をしていると述べました。
アビガンに関する中国国内での特許権は昨年失効しており、日本側が黙認すれば巨大な医薬品市場を失う可能性があります。

                

2月29日に行われた記者会見の場で、安倍首相は日本は新型コロナウイルスに対する3種類の治療法をテストしていると述べ、アビガンについてのみ具体的名称に言及しました。
翌週、菅官房長官は記者団に対し、安倍首相と富士フイルムの最高経営責任者との交友関係とアビガンに対する安倍首相の評価との間には全く関係がないと語りました。

                  

日本政府の官僚は「日本で作られた薬なのだから、可能なら使えば良いじゃないか。」と考えていると、感染症専門家の大和博士が語りました。

              

                   

富士フイルムの広報担当者は、安倍首相または安倍政権から「これまでいかなる形の特別扱いも受けていません。」と語っています。

                    

今年3月に中国の2つの研究チームが、アビガンを投与された軽度から中程度の症状の新型コロナウイルス患者の回復を早めた可能性があるとする論文をオンラインに投稿し、この薬はさらなる支持を得ることになりました。
当初アウトブレイクを隠蔽したとの批判に悩まされていた中国当局は、新型コロナウイルスへの対応の成功例としてこの治療例の宣伝に力を入れ始めました。

                 

しかし科学者たちはすぐに論文の内容を詳細に検証し、基本的な科学的根拠に乏しいものだと主張しました。
結局査読もされていなかったこの2つの論文は改訂され、結論は曖昧なものに書き換えられました。

                   

それにもかかわらず、中国は新型コロナウイルスCovid-19の治療にアビガンを使用することをすぐに承認しました。
日本以外の国でアビガンを治療薬として承認した初めての例になりました。

             

日本自体は、2014年に医薬品規制当局が非常に特殊と表現している状況下での使用を承認しただけでした。

                  

              

その見解において、規制当局はアビガンが季節性インフルエンザに対して「有効性を示したことはない」ため、治療薬としての使用が承認されなかったとの記述があります。
代わりに、アビガンは新型インフルエンザの出現あるいは再出現株に対し、既存の抗ウイルス剤が無効であることが判明した「危機的」な状況でのみ使用が許可されるとされています。

                  

富士フイルムの広報担当である松本氏は、承認プロセスは「揺るがせにはされておらずあくまで厳正なもの」であると述べています。

               

5月1日金曜日に発行されたレポートで、製薬業界を監視する非営利グループの『薬害オンブズパースン会議』(Medwatcher Japan - http://www.yakugai.gr.jp/ )は、アビガンの承認プロセスについて「異例の手続で承認された」と説明しています。

                    

「抗インフルエンザ薬として蓄積されたという事実があること自体信じ難いことです。」
グループの事務局長である水口真寿美弁護士がこう語りしまた。
「そして現在のような状況の下で、科学的根拠が存在しないにもかかわらず国民がアビガンを使用するよう求められている事実は、もっと信じられないことです。」

                      

https://www.nytimes.com/This Drug May Cause Birth Defects. Japan’s Pushing It for Coronavirus
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現在捜査中の河合元法務大臣夫妻の選挙違反の事件で、自民党本部から『選挙費用』として出金された1億5,000万円のうち、何割かが安倍首相側に『還流』したのではないか?

という疑惑がつい最近、いくつか国内で報じられるようになりました。

そこまでか?!

と言うのが私の感想ですが、その背景にあるのは安倍首相が海外援助で国の予算を何百億何千億円と支出した際、援助資金による事業を受注した日本企業は受注額の10パーセント前後を『献金』する慣例になっているという『疑惑』がある、という記事を何かで読んだ記憶です。

                   

そして国によるアビガンの大量購入。

薬価未収載の為日本政府がいくら支払ったのかは知りようがありませんが、上記同様の構図はどうなのでしょう?

                   

安倍首相の祖父・岸信介氏についてWEBで検索すると、『政界の連金術師』ともいうべきその姿が浮かび上がってきます。

安倍首相が受け継いだであろう政治資産。

その中身がどんなものであるか、私たち国民全体の利益と相反するものではないのか?

『巨悪』という言葉が脳裏をよぎります。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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