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福島第一原発事故発生から9年、日本の隠蔽は続いている《2》

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所要時間 約 9分

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メルトダウンの進行中、原発崩壊の深刻さをできるだけ軽く見せようとしていた日本政府当局

原子力推進の行政と多国籍企業が連携し、福島第一原発事故の実態の隠蔽を進めていた

「何が何でも原発は安全だと信じ込ませろ!」第一原発事故後に世界を駆け巡った業界メール

                   

アーニー・ガンダーセン、マギー・ガンダーセン / フェアウィンズ 2020年3月10日

                

▽ メルトダウンが進行している最中、その事実を否定した東京電力

                    

東京電力が福島で緊急事態を起こした初日、福島第一原発が危機に瀕していることが私の目にははっきりと映っていました。
地震直後に日本で起きたことを調査するため、私はマギーにすべての電話を保留にするように頼みました

私はメルトダウンが進行中であることを確信していました。

                 

私はその当日と次の2日間を費やし、資料の山の中から探し出した福島第一原発の原子炉の正確な設計図とそれらが持っている可能性のある脆弱性の記録について徹底的に検証しました。
それと同時に、東京電力(TEPCO)は日本の政府と規制当局に誤った情報を提供し、社内のエンジニア、マネージャー、広報担当者などに「メルトダウン」という言葉を使用することを禁じました。
福島第一原発が爆発する様子がテレビで生々しく伝えられている間、日本政府は原発崩壊の深刻さをできるだけ軽く見せようとしたため、矛盾は大きくなる一方でした。

                

情報公開法に基づき米国原子力規制委員会へ請求した結果、米国政府の原子力規制当局は日本でメルトダウンが進行中であることを十分に認識していたことを証明する多数のメールが存在していることが明らかにされました。
マギー・ガンダーセンは正確な情報が隠蔽されることを防ぐため、フェアウィンズにおける映像資料とポッドキャストの開発を組織、インターネットやテレビで眼前で展開されている本当の悲劇について世界中に知らせ続けました。
日本に住んでいる人々は自分の国で実際に起きていることを説明する私たちの資料映像、ポッドキャストを視聴しようとフェアウィンズのウェブサイトに集まりました。

                  

                   

しかし残念なことに東京電力が隠蔽を認め、福島第一原子力発電所でメルネトダウンが発生していることを日本で暮らしていた人々に伝えることをしなかった謝罪したのは2019年になってからのことだったのです。

                      

東京電力の責任者は3月10日、当時の責任者が2011年3月の危機の初期の福島第1原子力発電所の状況を説明する際「炉心熔融(メルトダウン)」という用語を使用しないように命令していたことについて謝罪しました。
「誠に遺憾です。」
東京で行われた記者会見で広瀬直美社長はこう語りました。

                        

▽ 原子力産業は環境中に放出された放射能の危険性を軽視し続けてきた

                    

日本政府はメルトダウンが起きているという事実すら認めようとしませんでしたが、他の国々の原子力産業と核兵器産業、そして彼らのいいなりになっている政府の原子力規制当局は目の前で起きていた悲劇を過小に見せようと様々に画策しました。

                   

しかし英国の新聞ザ・ガーディアンは見事な分析を行い、同紙の記者は福島第一原発事故の発生から2日も経たないうちに始まった事実の隠蔽行為を白日のもとにさらしました。
一方で英国政府の原子力当局者は、東日本大震災のわずか2日後、放射能汚染の程度が明らかになる以前に、福島第一原発事故に対する一般市民の印象を弱めるため原子力関連企業が協同で広報戦略を策定するよう働きかけを行いました。

                     

                        

ガーディアンはこうした業界内を行き来したメールを入手して公開し、政府の経済産業部門とエネルギー部門が多国籍企業(EDFエナジー、アレバ、ウェスティングハウス)と見えないところで緊密に協力し合い、福島第一原発事故が英国が進めていた新世代原子力発電所の計画の邪魔をしないよう画策していたことを明らかにしました。

                        

「これは世界規模で原子力産業が進めてきた計画を台無しにしかねない。」
英国政府ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の関係者の一人 - 氏名は非公開 - がこう語りました。
「我々は原子力開発に反対するうるさい連中が福島第一原発事故によって有利な材料を手に入れないようにする必要がある。私たちは有利な地盤を手に入れそれを守り続ける必要がある。私たちは原子力発電の安全性を本気で信じ込ませる必要がある。」

                     

東日本大震災発生から7日後の2011年3月18日、米国エネルギー省長官が福島第一原発事故の規模は米国政府がスリーマイル島の事故を評価した際と同様のレベル5であると発言しました。
チェルノブイリについて評価したレベル7ではなく…
その夜のCNNの番組で、私は主流メディアに登場した中で、福島第一原発事故とそれによる放射能放出はすでにチェルノブイリと同規模にまで悪化していると発言した世界で最初の専門家になりました。

                     

CNNはャスター、ジョン・キング「米国エネルギー省長は状況はスリーマイル島よりも悪いと語っていますが…」
アーニー・ガンダーセン「私は現実にはチェルノブイリと同じレベルだと思います…1年前にシュミレーションした最悪のケースより100倍悪い状況です。」

                    

フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンは事実を自身で検証するため日本を訪れた専門家の一人です。

                     

                     

                   

フェアウィンズがビデオ、ポッドキャスト、ニュースレターを公開したり、テレビやラジオに出演したりするたびに、私を20年間雇用していた原子力産業業界から、私が嘘つきで無用の恐怖を煽っていると公然と攻撃されました、

                   

私は最初に原子炉技術者および原子炉運転者として自分のキャリアを始め、最終的に原子力発電企業の上級副社長になりました。
ただし全ては私が原子力産業界の内部告発者になるまでの話です。
公の場で真実を語り解雇された後、私は過去30年以上にわたって心に抱き続けていた原子力の正しい安全管理を訴える評論家の役割を担うことになりました。

                   

《3》に続く
https://www.fairewinds.org/demystify/japans-nuclear-cover-up-continues-nine-years-after-the-fukushima-disaster
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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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