ホーム » エッセイ » 【 不正疑惑を連発、計算が狂い始めたアベ・ストーリー 】
何十億という単位の特典が与えられる経済特区の獣医学部建設の疑惑、簡単に見過ごされて良いはずがない
矢継ぎ早に次々と新しく派手な政策を打ちだすことによって維持されてきた安倍政権支持率
エコノミスト 2017年7月27日
首相として国政選挙で立て続けに4度の勝利を収めた後、安倍晋三氏は傲慢だとの評判が高くなりました。
議会がこの夏の6月に閉会する前、安部首相は質問に立った野党議員に対し激怒し、その質問を「ばかげている」と切り捨てました。
またあるときには居並ぶ閣僚に対し、いちいち首相に対して説明を求めることをせず、安部首相の政治方針について詳述した新聞記事を熟読するように申し渡しました。
そして7月下旬、見た目はすっかり謙虚になった安倍首相は、衆参両院の閉会中審査で職権乱用により個人的に親しい人間に恩恵を与えるような行為はしていないと主張しましたが、疑惑への追及が衰える気配はありません。
大騒ぎが続く中、安部首相の人気は急落しました。
7月、自民党は東京都議会選挙で最悪とも言える結果に見舞われ、安部首相の困惑が一気に表面化しました。
7月24日に公開された日本のリベラル派の毎日新聞が行なったアンケートの結果、安倍首相の支持率は26%にまで落ち込み、2012年それまで続いていた政治的に不遇な状況から脱して一躍首相に返り咲いて以来最も低い数字となり、6月下旬と比較しても10%ポイント低下しました。
7月24日、25日に敢えて国会の休会中を狙って開催された衆参両院の閉会中審議では、疑惑解消のための答弁が繰り返されましたが、ほとんど役には立ちませんでした。
アナリストの俊川隆夫氏は、安倍首相と古くから関係がある加計学園が西日本地区の経済特区に獣医学部を新設する問題で、政治的働きかけを一切行っていないとの安部首相の主張を信じる政治家はほとんどいないと指摘しました。
安倍首相は学園の経営者である加計孝太郎氏とは「古くからの友人」だと認めました。
同時に安部首相は、大学新設の申請に関わる話題には一切触れたことは無いと主張しました。
しかし承認されれば土地の提供や助成金まで含めて億単位の特典が与えられることになり、簡単に見過ごされて良い問題ではありません。
日本国内における獣医師への需要は、飼い犬やその他のペットの数とともに減少傾向にあります。
安倍首相のこれまでの長期安定政権は、矢継ぎ早に次々と新しく派手な政策を打ちだすことによって維持されてきました。
今回の一連のスキャンダルが明らかになるまでは、首相として戦後最長の在任期間を2019年11月時点で実現させるものと見られていました。
自民党は昨年、党総裁としての任期の上限をこれまでの2期から3期に延長することで安部首相の支持率の高さを認めました。
衆参両院を支配する自由民主党や同じ志向性を持つ政党間では安倍首相が最終目標としている、日本の軍隊についての規定の曖昧な状態を終わらせるために平和主義に基づく日本国憲法を改定するのは、もはや自明のことと見られていました。
一般国民は憲法の改定に賛成はしていませんが、実現すれば、戦後アメリカによって『押し付けられた』憲法により日本の交戦権が『不当に制限されている』と考える保守派の中で、安部首相の地位と評価は一段と高いものになると見られていました。
しかし今や自民党総裁として安倍氏が再選されるかどうかについては、疑問視されるようになりました。
8月3日安部首相は最も悪評の高かった閣僚を解任し、自分自身を負の連鎖の中から救い出そうとしました。
安倍政権延命のため斬り捨てられていったのは、失言を繰り返して足を引っ張り続けた稲田朋美防衛大臣、テロ行為やその他の重大犯罪を取り締まるとしながら一般市民の自由を侵害する恐れがあるとする共謀罪法案を6月に可決成立させた際の金田勝年法務大臣などがいます。
内閣改造により安倍首相は多少は息をつけるようになるかもしれませんが、困難そのものは解決されはしません。
日本政府による調査委員会はウルトラ国家主義の教育方針の下で幼稚園などの経営を行っていた森友学園に対する便宜供与について、間もなく報告書を公開する予定です。
この問題についても安倍首相は関与を否定しています。
アナリストの俊川氏は安倍首相はすぐに辞任するような事態にはならないだろうと語りました。
しかし2012年以降初めて、安部首相の地位がきわめて不安定になっていることだけは確かなようです。
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さて3日木曜日、実際に『第3次安部第3次改造内閣』が誕生しましたが、みなさんは何か変化の胎動のようなものをお感じになったでしょうか?
私は自民党政権が誕生する度に感じる徒労感、無力感のようなものしか感じられません。
もちろん期待感などはありません。
二階氏などという人は太鼓持ちにしか見えないし、高村氏を見ていると阿諛追従 - おべんちゃらという言葉が浮かんできます。
彼らに誠実に民意に向き合う姿勢を期待できますか…