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【 徹底して自己都合、安倍第3次改造内閣 】

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所要時間 約 8分

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きっかけは安部首相自身の便宜供与の不正疑惑がダブルで、そこに追い打ちをかけた稲田防衛相の妄言の数々

国民のために何をする内閣なのかは意味不明、安部首相の保身が目的であることは明白

 

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 2017年8月3日

 

写真 : 東京の首相官邸から出てきた安倍首相。最近の世論調査では、安倍政権を支持しているのは国民の3割前後。

安倍晋三首相は、一連の不祥事や不正疑惑が相次ぎ、支持率が急落した自分が率いる保守政権を支えるため、3日木曜日に新しい内閣を任命しました。

安倍首相は内閣の閣僚人事を一新、極右的政策を唱える人間を外して閣僚経験がある人間を主要ポストに割り当てるなどしました。

内閣改造はしばらく前から取りざたされていましたが、前内閣の防衛大臣が疑惑を深めるような発言を国会内で繰り返した挙句7月末に辞任したことで、急ぎ対応しなければならない事態に落ちこみました。

 

今回の人事について自民党の上層部や首相自身の口からは、国内で議論の多い問題、特に安部首相が長年の宿願としてきた平和憲法の改定などの課題はとりあえず後回しにし、まずは国民生活と関連の深い経済問題などに焦点を当てたものだとのコメントが行なわれました。
安部首相は

「2012年に政権を奪還した時の原点に立ち返り、国民を団結させ前向きに政策を進めていきたい。」
と語りました。

2012年12月に首相の座に返り咲いた安倍氏は、アベノミクスと呼ばれる景気刺激政策によって低迷する日本経済を再び成長に向わせると公約し、高い支持を得ました。

しかしそれから4年半を経た現在、日本国内の各報道機関の調査によれば、安倍政権を支持する国民の割合は3分の1にまで減少しました。

焦点となった閣僚人事のひとつ、防衛大臣には議員として長い経験を持つ小野寺五典氏を任命しました。

小野寺氏は2012年に第二次安倍内閣が発足した当初の防衛大臣でしたが、南スーダンの国連平和維持活動の任務についていた日本の自衛隊の派遣部隊の日報を処分したことについて、自分は一切報告を受けていないし把握もしていなかったと主張して批判を受け、7月28日に辞任せざるを得なくなった稲田朋美氏から防衛大臣の地位を引き継ぎました。

 

自身は否定を繰り返していますが、個人的友人や極右的教育を行っていた教育機関に便宜を図るため政治的立場を利用したという不正疑惑を持たれていた安倍首相の立場を、稲田氏の問題はなお一層悪化させることになりました。

 

外務大臣のポストは自民党内で最もリベラルな政策を表明している河野太郎氏に割り当てられました。

河野氏は2011年に福島第一原子力発電所が大崩壊する事故を起こした後、原子力発電に反対する立場を明確に打ち出し、原子力発電推進の立場をとる所属する自民党内での立場が悪化していました。

 

河野氏の父親は1993年当時内閣官房長官として、第2次世界大戦中に日本軍所属の売春婦として働くことを強制された韓国や他アジア諸国の女性たちに、政府として公式の謝罪を行った元外相の河野洋平氏です。

このいわゆる河野談話は、自民党内の右翼の国家主義者たちから批判を浴び続けてきました。

ニューヨークに本拠を置く政治的問題のコンサルタントであるテネオ・インテリジェンスの日本アナリスト、トビアス・ハリス氏は新閣僚のラインナップについて「一応政治家らしい顔ぶれが揃った」とツイートしました。

 

首相の後任候補者のひとりであり今度の内閣では大臣に就任しなかった岸田文夫氏の後任が河野氏です。

岸田氏は安倍氏の政治的なライバルのひとりですが、その政治的立場はよほど穏健です。

岸田氏は閣僚の地位に就く代わり、自民党内の最も重要なポストである政務調査会長に就任しましたが、

テネオ・インテリジェンスのハリス氏によれば、岸田氏の派閥のメンバーは前内閣の3人から5人に増え、岸田氏の政治的立場はより強いものになったと指摘しました。

 

安部首相の自民党総裁としての任期は来年末で切れますが、そうなれば日本国首相としても辞任しなければなりません。自民党が規定を変更して安部氏に第3期の総裁就任を認めれば状況は変わりますが、一般国民による支持率の急速な回復が無い限り、その事は不可能です。

 

「これだけスキャンダルや不正疑惑が続いた後だという事を考えれば、新しい安倍内閣の『目標』は明らかです。決して間違いを犯さないようにすることです。」

これまでのところ安倍政権の凋落によって何ら得るところの無かった最大野党民進党の代表をつい最近辞任したばかりの蓮舫氏がこう語りました。
「どういう感想も持ちようがない内閣です。」

 

安倍氏はさらに党内のライバルとして距離を置いてきた野田聖子氏を総務大臣に起用しました。

野田氏は2015年、安部首相の最初の任期が切れたときに、自民党総裁選挙に出馬しようとしました。

野田氏は閣僚に任命された20人の中、上川陽子法務大臣とともに2人だけの女性のうちの1人であり、安倍氏の女性リーダー育成と登用の機会を増やすという約束が明らかに後退しているという批判を浴びることになりました。

安部首相にとって最も重要な補佐役である麻生太郎財務大臣と菅幹事長の2人は、今回も留任することになりました。

 

自民党の二階俊博幹事長も続投です。

二階氏は8月3日木曜日朝の発言で、日本が軍事力行使する際の制限を取り除くため憲法を改定するとする計画について、先送りすることを提案しました。

安倍首相は自民党、そして自分自身が長い間宿願としてきたこのための憲法改定を2020年までに実現させることを提案しましたが、大多数の国民は反対であることが明らかになっています。
「さまざまな意見に耳を傾け、慎重の上にも慎重であることが大切です。」

二階幹事長はこう語りました。

 

https://www.nytimes.com/japan-cabinet-reshuffle-shinzo-abe

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内閣改造という手続きに一体どれだけの税金が投入されるのか知りませんが、国民のためでなく首相の個人的利害のために、それも自らの不始末が原因(たぶん)の内閣改造なのに費用を自弁するわけでも何でもなく、結局は私たちの給与明細にツケが回ってくるというのはどういう事でしょうか?

広島の被爆者の人たちだって税金を支払ってる、福島の原発難民の人たちだって税金を支払ってる、その人たちにとって自己都合の内閣改造にどんな意味があるのでしょう?

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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