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靖国神社の宮司が天皇家を批判

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A級戦犯の合祀以降、裕仁天皇と明仁天皇ともに靖国神社を参拝せず
日本の『保守』と言われる人間達の多くが天皇家について本音でどう考えているかを垣間見せた事件

英国BBC放送 2018年10月11日

 

その在り方について国内外で論議が続く靖国神社は、同神社トップの小堀邦夫宮司が天皇陛下を強く批判する発言を行った後辞任することになったと発表しました。
小堀宮司は今上天皇である明仁天皇が靖国神社を一度も参拝していない事実を取り上げ、天皇陛下は靖国を潰そうとしている、私はそう信じていると語ったと週刊誌が伝えました。

 

東京にある靖国神社は明治以降の戦没者250万人の霊が祀られていますが、第二次世界大戦後戦争犯罪者として有罪判決を受けた戦犯も合祀(ごうし)されています。
このためことあるごとに近隣諸国、特に中国との間で緊張関係を作り出す大きな原因となっています。

今上天皇である明仁天皇は来年に退位する予定ですが、これまで一度も靖国神社を訪れたことがありません。
その一方で天皇陛下は、第二次世界大戦(太平洋戦争)で日本が敵とした国々との和解を進める取り組みに献身してこられました。
さらに明仁天皇は、中国と朝鮮半島における旧日本軍の行為について後悔の念を表明されるとともに、戦死者を慰霊するため太平洋に散らばる戦地もたびたび訪問してこられました。

これまでこうした行動に日本の右翼団体がしばしば反発する場面もありました。

 

6月20日に神社内の会議での小堀宮司の発言を暴露したのは週刊ポストでした。

小堀宮司は天皇を批判するという禁忌を破り、以下のように発言したと伝えられています。
「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていく。現在の天皇陛下は靖国神社を潰そうとしている。」

小堀宮司はさらに次期皇后である雅子親王妃は神道を「嫌って」おり、明仁天皇が退位すれば、徳仁皇太子と雅子妃は靖国神社を参拝しないだろうとも語ったと伝えられています。

 

英国BBC放送のルーパート・ウィングフィールド・ヘイズ東京特派員は流出したこの発言について、日本の『保守』と言われる人間達の多くが天皇家について本音でどう考えているかを垣間見ることができるめったにない機会を提供することになったと語りました。

 

この後靖国神社は声明を発表し、小堀宮司の発言は「極めて不穏当」なものだったと言及し、小堀宮司が宮内庁を訪れ陳謝したことを明かにしました。
宮内庁は皇室関係の事務を監督する官庁です。
靖国神社は、今月中に新たに別の宮司を選出すると述べています。

 

明仁天皇の父で、第二次世界大戦当時の天皇であった裕仁天皇は、1978年にA級戦犯14人が合祀されて以降、靖国神社を訪れたことはありません。

A級戦犯の合祀以降、裕仁天皇と明仁天皇は靖国神社を訪れていませんが、安倍晋三首相を含む数十名の有力政治家は繰り返し参拝を行い、国内外の反発を誘発していました。
中でも中国は閣僚などが参拝をするたび、厳しい批判を行ってきました。

 

▽ 靖国神社とは
• 1869年、明治天皇の時代に建立
• 戦没者250万人の魂を祀(まつ)っています
• 第二次世界大戦中の首相で1948年に戦争犯罪人として処刑された東条英機元首相など、有罪判決を受けた数百人の戦犯も合祀されています
• 靖国神社側は、数千人の市民も眠っていると強調しています
• 中国と韓国は靖国神社を第二次世界大戦当時の日本の残虐行為を正当化する存在だと捉えています

 

https://www.bbc.com/news/world-asia-45821700
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この記事はすでにBBC放送自身の手によって日本語訳されたものが公開されていますが、以下の文章を綴りたかったこともあり『私訳』しました。
私もSNSに多数アップされていた小堀宮司の発言なるものを聞きましたが、これまで多くの時間を割いて戦没者の慰霊と日本の平和への祈念に人生を捧げてこられた明仁天皇に対し、なんという言い草か!と思いました。

 

第二次世界大戦の際、日本の軍国主義者が、国民に『天皇陛下万歳!』と唱和させておきながら、実は天皇を傀儡化してオノレらの欲望を国家に仮託し、それを遂げるための『道具』として利用したことは、戦後明らかになりました。
事実に気づいて反対を唱えたりする人間がいれば、特高警察や憲兵を使って残虐非道な『取り締まり』をするという悪逆さを持ちながら、戦後になると一転して自分が首謀者ではないと言い募ったその醜悪さを、日本人は決して忘れてはならないと思います。

 

ところが2018年現在の日本政界にもこの連中と同根の人間たちがいて、国民は『お国のため』いつでも命を投げ出す覚悟を持たなければならず、そのためには憲法を変える必要があるという蒙論を繰り広げ、それがあたかも『議論』であるかのごとく語るあたり、私に言わせれば構造的痴呆集団です。

 

私は天皇制については、2000年近く家系が明確な一族など世界史的にも類がなく、また誠実で仁慈溢れる今上天皇が生涯をかけて日本、そして世界の平和を訴えて来られたお姿を見れば、このまま続いていくことが最も自然だと考えています。

 

問題なのはその存在を利用しようとする人間たちの方です。

今ほどその姿が明確になっている時はありません。

掛け声だけの地位向上 : 現実と闘わなければならない日本の女性たち

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女性たちの意見を大きく取り入れることが『民意』を反映するということである
子育てに忙しく安い賃金でパート労働を強いられ、家計のやりくりに追われる日本の女性たち
日本のいたるところで権力を握って離さない『老人』たち、将来の日本にとって深刻な脅威になる


ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ 2018年10月5日

 

日本の男性優位の政治社会に割って入ろうとする女性たちの闘いがいかに困難なものであるかを、最近起きた二つの出来事が象徴しています。
批評家は女性が今以上に力を持つことに、安倍首相が実はためらいを持っていることを象徴するものだと指摘しました。

 

安倍晋三首相は、10月20日午後、片山さつき氏を地方創生と女性活躍担当大臣を任命するなどした新しい内閣名簿を発表しました。

しかし恒例の新政権の写真撮影では安倍首相の後ろに並んでいた女性は片山氏1人だけでした。

 

政治評論家は2012年に首相に再任された際の公約に明らかに違反していると指摘しました。

5年前男女平等を促進するために公表された安倍政権のスローガンは、「女性が一人だけでは充分ではない」と宣言するものでしたが、皮肉にもその内容は首相自身の手によって無効にされてしまいました。

▽「女性の役割を前進させる」

 

安倍首相は自民党が2012年に政権を奪還する直前、「社会における女性の役割を前進させる」と宣言し、女性がその潜在能力を発揮できる社会変化の実現を約束しました。

 

2014年には内閣に5人の女性閣僚を任命しましたが、この数字はその後の内閣改造によって1人にまで減少し、現在は政権中枢にいる女性政治家1人だけと明らかに後退しています。

 

日本の政治社会が女性の進出を阻んでいるというもう一つの例は9月28日、熊本市議会で女性議員である緒方ゆうか氏が、口の中にのど飴を含んだまま質問を行ったところ、突然議場から退出を命じられた事件です。

49名の他の議員は緒方氏の行動が「議会の品位を尊重する」必要性に違反するとの決定を行いました。この時の会場内の様子を伝えた報道では議長が休憩を宣言するまで他の議員の「怒号が飛び交い」、議場は「混乱に陥った」。

 

特別懲罰委員会が開催され、緒方議員が咳止めドロップを口に含んだまま質問を行ったことを謝罪しなければならないと決定しましたが、緒方議員は議場で咳き込まないようにするための治療目的であったことを理由に拒否しました。

▽ 議会への出席停止

 

再度懲罰委員会が開かれ、緒方議員が議場に戻るのを禁じる命令を出しました。

 

2009年から2012年にかけて民主党の政治家を務め、現在は早稲田大学社会科学部の教授を務める中林美江子氏は、日本の政界がこれまで女性の本当の声を取り上げて来ことはほとんどなかったと語りました。
「安倍首相が掲げたスローガンでは「女性が輝く社会」を実現させるというものでしたが、それが意味するところは当時も今も謎のままです。」

中林教授はドイチェ・ヴェレの取材にこう答えました。

「私の見方では、安倍首相は自分と同じ保守的見解を持つ女性たちを宣伝したいだけに過ぎません。でもそういう人を一般の本当の女性とは言いません。」

「日本の政治も政党も、本当に民意を反映するものではありません。なぜなら女性が政党政治に本当の意味で参加してはいないからです。」

 

中林教授によれば日本の女性たちは子育てに忙しく、給料の安いサービス業での長時間労働を強いられ、さらには家計にやりくりにも追われ、政治的な声をあげる時間を確保することが極めて難しい状況にあります。

 

それでも政界に進出できるのは裕福な家庭や特権的高学歴を背景に持つ女性たちです。
しかし国会議員や閣僚といった地位についても、女性の力は限られており、男性の同僚に一貫して従属せざるを得ません。

男性の既得権益は確立されており、一朝一夕に変わる可能性は低いようです。

「状況は悲観的です。」
中林教授が認めました。
「日本の政治制度も選挙制度も政党に本当の力を与えていません。日本で権力を握っているのは政党の幹部と重鎮と呼ばれる老人たちで、女性には発言する権利すらないのです。」

 

北海道文教大学のメディア・コミュニケーション担当講師である渡部淳(まこと)准教授は、政治キャリアを持とうとしている女性にとって、日本の環境は見た限りにおいて絶望的とも言える状況であることに同意します。

「これまでの安倍首相の様々な公約が、皆空手形であったことが証明されてしまいました。」
渡部准教授がこう語りました。

 

「これは人々の心をとらえる公約で実現すれば善政といえるものでしたが、たった1人だけの女性閣僚が任命された事実により、結局はスローガンだけのものであったことを人々に認識させたと思われます。」

 

母系社会は一般に、家計は女性に任され、家系は母親を通じて続いていくものとみなされています。
さらに、財産は母親から娘に相続されていき、夫は結婚して妻の家に婿に入る形が取られます。
男性は政治的または社会的問題に関する意思決定を任せられます。
母系社会ではこうしたやり方が均衡のとれた分担だとみなされています。

▽ なお悪いのは議会の状況

 

「東京でもこれだけ悪い状況ですが、地方はもっと悪いと思います。」
渡部准教授がこうけ加えました。

「地方都市や小さな町では50年もの間変わっていない政治的手法によって運営されています。地方議会の議席に座る人々は、不動の政治姿勢と信念を持っています。」

「独自の文化と価値観を持っており、それを変えようとも変わろうとも思っていません。熊本の様に女性の政治家があらわれ、それまでとは異なった行動をしたり疑問を突き付けたりすれば、彼らは怒り狂った様に反応するのです。

 

渡部准教授は日本の非都市部で権力を握っている『老人』たちが、様々な意味で将来日本にとって深刻な脅威になると考えています。
「こうした制度や彼らの態度は進化する世界から取り残されています。そのために私たちの社会にとって危険な存在であり、日本社会の進化の障害となり発展を遅らせています。」
「それは変える必要があり、すぐにでも変えなければなりません。」

 

https://www.dw.com/en/japanese-women-struggle-to-have-a-voice-in-politics/a-45767961

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前々から思っていることですが、太平洋戦争以前、女性たちがもっと堂々と意見を言える国であったなら、日本はあの愚劣で残酷な戦争をやらなかったのではないでしょうか?

子供たちを生み育てる女性たちは何より命の大切さを思つているでしょうし、私が知っている様々な理由で子供を持つことができなかった女性たちは、血がつながらなくても周囲にいる子供たちを大切にし可愛がっています。

 

彼女たちが戦前の政界にいたら大東亜共栄圏だの八紘一宇だのという現実離れしたスローガンのために、その大切な命を差し出せとは言わなかったかもしれません。(とはいえイナダとかスギタとか最近の日本には蒙昧な政治屋が現れ、その辺りの自信も揺らいでしまっていますが…)

 

ともあれ、この記事の論調には心から賛同します。

 

大阪市長「慰安婦」像を実質公認したサンフランシスコ市と姉妹都市を解消

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記念碑の公認に対し大阪市長は従軍慰安婦の存在は歴史的に正しくないと発言

世界各地に数十基ある慰安婦像、アメリカを代表する大都市に登場するのはサンフランシスコが初めて

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年10月4日

 

2017年にサンフランシスコで公開された「慰安婦」記念碑

大阪市は、60年にわたるサンフランシスコとの「姉妹都市」関係を一方的に終わらせました。
理由は日本が戦時中に性的奴隷として使役した女性たちを象徴するモニュメントが、サンフランシスコ市内に存在することに抗議するためです。

 

昨年2017年にサンフランシスコのチャイナタウン地区で民間団体が建てた「慰安婦」像を、サンフランシスコ市当局が公共の財産として認識することに合意した後、吉村博文大阪市長は同市との公式な姉妹都市関係を打ち切りました。

「慰安婦」像は1930年代初頭から1945年に日本が第二次世界対戦に敗北するまで、戦場の最前線の売春宿で働くことを強制された中国、韓国、フィリピンの3人の女性と十代の少女を象徴するものです。

 

「慰安婦」問題に取り組む運動家と一部の歴史研究家は、1932年から1945年に日本が敗戦を迎えるまでの間に軍用売春宿で強制的に使役された従軍慰安婦の人数は20万に達するとし、大部分は韓国、中国、東南アジア諸国の女性たちで、これに少数の日本人とヨーロッパ人が加わっていたとしています。

ロンドン・ブリード(London Breed)サンフランシスコ市長宛の10ページにわたる書簡で吉村氏は、歴史家たちは戦時売春宿の運営に大日本帝国陸軍が直接関与していたかどうかについてそれぞれ見解が異なっており、彫像にされた女性の姿には歴史的証拠がないと主張しています。

 

慰安婦像の碑文にはこう記されています。
「この記念碑は1931年から1945年の間にアジア太平洋諸国13カ国で大日本帝国によって「従軍慰安婦」という婉曲的な名の下強制的に性的に使役された何十万人もの女性と少女の苦しみを目に見える形にしたものです。こうしてた使役された女性のほとんどは、戦争中に捕虜収容所で死亡しました。」

 

吉村氏は第二次世界大戦やその他の紛争の際には世界中の各地で性的虐待が行われていたことを無視し、第二次世界大戦中の日本の行為ばかりがことさら強調されているとつけわえました。

「私は女性の尊厳と人権を守る活動に賛同しています。」
吉村氏はこう書いています
「しかし、女性の基本的人権を守ることを目的とするのであれば、日本の従軍慰安婦問題にある種特別な注意を向けさせるのではなく、世界中の兵士たちによってこれまでに性的暴力や虐待を受けたすべての女性たちに関心が広げられるべきことを提案します。」

ブリード市長の前任者のエドウィン・リー元サンフランシスコ市長は2017年にこの彫像の受け入れを決定し、その際吉村大阪市長は60年以上にわたって構築された互いに信頼し合う精神を破壊したとの不満を訴えました。
しかし吉村市長は昨年12月リー元市長のが亡くなると、正式な対応を保留していました。

 

これに対しブリード市長の事務所の声明では、1957年10月に始まった港湾都市同士の姉妹関係の打ち切りを決定したことは 『不幸』な出来事だと述べています。

 

従軍慰安婦像は近年韓国を中心に世界各地に数十基設置されていますが、アメリカを代表する大都市に登場するのはサンフランシスコが初めてです。
カリフォルニア州で最多の韓国系アメリカ人が暮らすグレンデール市では2013年に慰安婦像が建てられ、地元住民のミチコ・ギンガリーとコウイチ・メラが『日本の名誉』を守るため慰安婦像の撤去を求めて訴訟を起こしましたが成功しませんでした。

 

この問題について運動している人々は、吉村市長は歴史を歪曲しようとしていると非難しました。
「慰安婦像を理由に長年友好関係を壊してしまうことは理不尽である上、馬鹿げています。」
慰安婦正義連合(Comfort Women Justice Coalition)の共同議長であるリリアン・シング氏がこう語りました。
「大阪市長と日本の首相が歴史的事実の存在を恐れ、それを葬り去ろうとしていることを如実に証明しています。」

慰安婦像設置のために公的なスペースが提供されたことについて、日本国内では2015年に韓国政府と日本政府の間で交わされた「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」した合意の内容に反するとの批判が起きています

 

この協定には女性たちが受けた苦難に対する日本側の謝罪が含まれていたが、1965年の二国間の相互平和条約によってすべての補償問題は解決済みであると規定され、法的責任の存在は否定されました。

この際日本政府は元慰安婦を支援するため韓国政府が設立する「和解・癒やし財団」に10億円拠出することを約束しました。

 

しかし2018年9月、ムン・ジェイン韓国大統領は、この合意は韓国内の広い支持を受けていないために『機能不全』に陥っていると警告、資金が日本に返還される可能性があると語っています。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/oct/04/osaka-drops-san-francisco-as-sister-city-over-comfort-women-statue

【 重要な課題を山積みにしたまま改憲に走るアベ政治 】

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現状のまま憲法改定を強行すれば、日本の経済改革は崩壊へと向かう

安倍氏は構造改革についてたくさんの話をしてきたが、身を入れて取り組んだことはほとんど無い
安倍政権の政策は日本の財政事情により持続不可能なものばかり

エコノミスト  2018年9月20日

 

若干の計算違いはあったものの、自民党総裁選の結果ははっきりと、そして楽勝という形で安倍首相の勝利を明らかにしました。
9月安倍晋三は自民党総裁選挙で3期連続で首位に立ち、党所属の議員票の69%を獲得しました。
自民党は日本の国会で過半数の議席を占めており、安倍氏は自動的に首相として3年間の任期を手にしました。

 

安倍氏はすでにそれまで連続2期に制限されていた自民党総裁の任期を自分の手で3期に延長しており、今度が首相として最後の3年間になるでしょう。

2019年の新天皇の誕生、そして2020年の東京オリンピック開催、安倍首相はこれらに加えこれからの3年間で何をしようとしているのでしょうか?

 

安倍首相は外交上の安全保障政策に固執しています。
彼は戦前軍国主義と植民地主義につき動かされ歴史に汚名を刻んだことにより出来上がったコンプレックスから日本を抜け出させ、国際紛争の場で日本が武力も含めどんな権限でも行使できるようにすることを強く願っています。

そのため安倍首相は、日本の平和主義の土台を築いた第二次世界大戦の敗戦後にアメリカが課した憲法第9条を廃止しようと長い間望んできました。

「憲法を見直すことは安倍氏の魂と血の中にあります。安倍氏を突き動かすマグマが入っているのです。」
ニュースレター「インサイドライン」を主宰する歳川隆雄氏がこう語りました。

 

しかし一方で安倍氏は現実主義者でもあります。
日本が平和主義から後退したことが明らかになれば、中国、韓国、北朝鮮を怒らせ、多くの有権者を警戒させることになるということが明らかになると、彼は若干の軌道修正に着手しました。

安倍首相は現在、日本が常設の軍隊の保持を禁止する条文、単に「自衛隊」の存在を正当化する一項を加えるよう主張するようになりました。

 

自民党とその連立与党である公明党は、憲法改定案を可決するのに十分な両院の過半数の議席を占めています。
しかしすべての国会議員が憲法改定に熱心であるわけではありません。
それでも尚憲法改定を押し進めると言うことになれば、安倍首相はそこに相当力を集中しなければならなくなります。
改定案はさらにその後、一層ハードルが高い国民投票での批准を必要とします。

▽ 安倍首相の『第一の公約』は経済問題だったはず

 

そのことは結局、安倍政権は経済政策に多くの時間を割くことはないという見方につながります。

安倍首相が、第3の任期中に30年間続いた日本のデフレに終止符を打つことができたと宣言することを願っている、歳川氏はそう考えています。

 

しかし日本経済は現在も尚、前例のない財政出動と金融緩和策に依存せざるを得ない状況にあるようです。
2012年に首相に就任して以来、安倍氏は構造改革についてたくさんの話をしてきましたが、身を入れて取り組んだことはほとんどありません。
最後の3年の任期もそのパターンが繰り返されるものと見られています。

 

首相は大企業が賃金の引き上げや国内の設備投資にこれまで溜め込んだ巨額の現金を投入ことを奨励するために、税法上の優遇措置を導入するかどうか迷ってきました。
さらに起業する人々への支援策、特に地方における対策については曖昧な話ばかり繰り返してきました。

事実、2018年初めに雇用に関する法律を修正した以降は、終身雇用制度の見直しを含めはっきりと違いがわかるような経済改革を再開する様子はありません。

同様に、これまで手厚い保護の下に置かれていた産業を自由競争の波にさらす取り組みに着手したものの、競争を加速させることについてはほとんど言及していません。

 

一方、安倍首相に最も忠実な同志であるはずの自民党議員の松島みどり氏ですら、安倍首相が日本の人口減少・高齢化の問題を無視していると認めています。
人口は1日当たり1,000人ずつ減少している一方、高齢化が進行し今や5人に1人は70歳以上です。
すぐに何か対策を取らなければ、労働者と消費者の両方が減少しているという最も深刻な理由で経済が萎縮している以上、安倍氏がいかなる経済政策を採用したところですべて無駄になってしまいます。

 

しかし安倍首相は労働力不足の問題を解決するために、大きな規模で移民を受け入れるつもりはないようです。
いや、むしろ移民の受け入れ拒否のチャンピオンといってよいでしょう。

 

日本国内の企業や団体はこれまでより多くの外国人労働者を雇っていますが、雇用期間は短期に限られ、従って家族とともに日本にいるわけではありません。
ただ新たに日本にやってきた人々も永住は許されないということを強調することだけはしなくなりました。

働く女性の割合は表向き上昇しており、労働世代人口の減少を補うのに役には立っています。
しかし日本の税制は結婚している女性にとって、特に収入の低い側(女性が多い)にとってメリットがありません。
女性が150万円以上の収入があれば途端に税金が重くなるため、多くの女性は非正規労働にのみ従事しています。

 

さらに自民党総裁選挙で安倍首相の対立候補が指摘しているように、安倍政権の政策は財政的に持続不可能です。
公的負債はGDPの250%に達しています。
政府は2025年にこうした収支のバランスをとる予定ですが、既に赤字はGDPの4.4%に達しています。
安倍首相は1年間後に消費税を8%から10%に引き上げるとしているが、それによって得られる歳入のほぼすべてが無料の託児所と保育園を設備する方針が既に決定しています。

 

さらに安倍首相は定年退職年齢を70歳にまで延長し、年金支給開始を遅らせることを可能にし、裕福な高齢者には医療費の自己負担割合を引き上げる方針も明らかにしました。
すべて財政上は歓迎すべきものですが、これからさらに積み上がると予想される日本の債務解消には見るべき成果は得られないでしょう。

「安倍首相が取り組もうとしていることはある程度は評価できますが、本当に問題を解決できるほどの効果はありません。」
と早稲田大学の中林美恵子教授がこう語りました。

 

悪いことに最後の任期ということから、さらには自民党内での後継者選びが激しくなると予想されることもあって、安倍首相が任期中に改革を達成することは難しいかもしれません。
そして来年には、参議院議員と多数の地方議会選挙が目白押しになっています。

 

もし安倍首相が自分の経歴を磨きたいと思っているなら、経済改革の手は抜かない方が身のためです。

 

https://www.economist.com/asia/2018/09/22/japans-prime-minister-has-a-lot-to-do-in-his-last-years-in-office

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この記事は既にご紹介した【 アベさん、経済再生の公約を反古にして改憲に走ったら、地獄を見ますよ… 】( http://kobajun.biz/?p=34495 )と同じ日のエコノミストの電子版に掲載されたものです。

これまでご紹介しただけで

アベノミクスが掲げた経済目標の大半が失敗に終わっている(ドイチェ・ヴェレ - http://kobajun.biz/?p=29815)

問われるべきは安倍首相の経済の実績「そんなものはあったのか?」(エコノミスト - http://kobajun.chips.jp/?p=28156)

大企業とそこに連なっている投資家と、中小企業や一般庶民との間にはっきりと格差を作ったアベノミクス(ニューヨークタイムズ - http://kobajun.biz/?p=25382)

などの指摘がありました。

 

政治の良心、それはアベ政治の下では『死語』なのでしょうか?

安倍首相が提案したキム委員長との会談、口で言うほど簡単ではありません

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日本と北朝鮮が話し合いによりさまざまな問題の解決を目指すことは、他の選択肢よりはるかに優れている

日本がこれまで行ってきた取り組みについて、安倍首相はもっと具体的な成果を得る必要がある

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ 2018年9月26日

 

安倍晋三首相は北朝鮮への敵対姿勢を劇的に軟化させましたが、日本国民の拉致問題は依然として両首脳間の主要なポイントになる可能性が高いままです。

安倍首相は9月19日の国連総会の演説で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談する準備が整っていると述べ、北朝鮮に対するこれまでの強硬姿勢を軟化させました。

会談の実現により数十年続いてきた日本と北朝鮮の相互不信に終止符を打ち、「新たなスタートを」切ることができると語ったのです。

 

日本の政治アナリストは、安倍首相のコメントは、日朝の指導者間の会合を設定するため水面下で交渉が進んでいる可能性が高いことを示唆していると述べています。
安倍首相はちょうど1年前同じフオーラムで対照的な演説を行い、北朝鮮は外交の窓口を固く閉ざしていると警告した際、口調を幾分和らげ朝鮮半島の非核化に関する議論が「最大の関心事」だと語っていました。

しかし北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの問題が解決されなければ、国家間の外交関係を正常化することはできないという日本政府の立場を繰り返し強調しました。

 

解決しなければならないもう一つの大きな課題は、1970年代と1980年代に北朝鮮の工作員によって拉致された日本人の問題です。

 

▽ 可能性を探る

 

テンプル大学東京校のアジア研究担当部門責任者のジェフ・キングストン教授は、安倍首相とキム委員長の会談については今年初めに日本側の首相側で浮上したとの見方を示しました。
そして首脳会談をどう設定するかという議論については、水面下で行われてきた可能性が高いと付け加えました。

「しかし安倍首相にとって問題なのは、ここ数ヶ月の間に北東アジア地区の問題に関して行われた外交交渉や首脳会談では、結局のところ安倍首相は完全に蚊帳の外に置かれているという点です。」
「この事実によって日本は外交の舞台から完全に外に追い出されてしまいました。」
キングストン教授がこう語りました。

 

これは安倍首相が北朝鮮に対して強硬な姿勢をとり、「最大減の圧力をかけ続ける」政策の最大の支持者であったことが影響しています。
「昨年のこの時期、安倍首相は北朝鮮の体制変更を求めていましたが、現在は体制の継続を保証する考えを明らかにし、際立った路線変更を行いました。」

「それは非常に賢明な選択であり、話し合いにより解決を目指すことはその他の選択肢よりはるかに優れています。」
キングストン教授がこう語りました。

 

「安倍首相はすぐにでも実現可能だと考えられる問題から協議を始めることもできますし、まずは何が解決可能な問題か探ることから始めることもできます。」

しかし日本側が恐れていることがあります。
1970年代と1980年代に北朝鮮は日本人の民間人を拉致し、日本に潜入させる北朝鮮のスパイに日本語と文化を習得させましたが、この問題に関する交渉ができなくなる可能性があるのです。

明治大学グローバル・インスティテュートの政治アナリスト・奥村淳氏は、拉致に関する意見の根本的な違いがそれ以外のあらゆる交渉をすべてご破算にしてしまう恐れがあると指摘しました。
「安倍首相は自分に直接影響が及ぶ問題については政治的にも個人的にも立場を変える人間ではありません。北朝鮮の非核化も拉致被害者の問題もその範疇に含まれる課題です。」

「私はこの会談は決して実現しないとは言いませんが、安倍首相がキム委員長と会談を行った以上は、この2つの問題について日本が何も収穫がなく終わるということは許されないことだと思います。

 

「そしてもう一つ忘れてならないのは、すでに中国とロシアが実質的に金正恩政権の北朝鮮制裁を緩和しているため、もはや日本との外交交渉はそれほど重要ではなくなっているということです。」

 

▽ 関係はさらにもつれる

 

日本政府と北朝鮮との関係は、1910年から1945年にかけて日本が朝鮮半島を植民地支配し、その間の日本の「過去の不正な行為」について謝罪し補償を行うよう北朝鮮が引き続き要求すれば、一層こじれる可能性があると奥村氏が語りました。

北朝鮮は公的に補償金額を明示していませんが、数十億ドル(数千億円)規模になるとの予想が大勢を占めています。

北朝鮮の国営メディアは、ここ数カ月安倍首相と日本について、非難するタイミングを一度も逃しませんでした。
安倍首相が国連演説を行う数時間前、国営の朝鮮中央通信は「野蛮な軍国主義的野心」を持つ日本が東アジア地区の「平和をかき乱している」と非難する報道を行いました。

 

「さまざまな内容の会談が予想されますが、いずれにせよ安倍首相は日本がこれまで行ってきた取り組みについて、もっと具体的成果が得られるようにする必要があります。」
奥村氏がこう語りました。
「安倍氏がこれらの問題について正直で誠実であることを疑うことはないが、私は問題の解決は危険な賭けになる可能性が高いと考えています。」

 

[写真]北朝鮮建国70年 : 姿を見せなかった大陸間弾道ミサイル

毎年9月9日の北朝鮮の建国記念日の軍事パレード、今年はやみくもな主戦論は姿を潜めました。
建国70周年を祝う今年は大陸間弾道ミサイルを誇示することを控え、国の経済的成果を強調したプロジェクトを展開するパレードを行いました。

北朝鮮の正式名称である朝鮮民主主義人民共和国は、第二次世界大戦が終結したその日に旧ソ連と米国が朝鮮半島を分断した3年後の1948年9月9日に建国が宣言されました。朝鮮半島は平和条約によってではなく、1950〜53年の朝鮮戦争が休戦したまま今日に至っています。(写真上)

9月9日、数千人の北朝鮮軍兵士が自走砲や戦車の後に続き平壌市内を行進しました。建国記念祝典ではこれまで何十年もの間、孤立した独裁体制につきものだった好戦的姿勢には欠けるものでした。
兵士たちの隊列のすぐ後ろには数千人の市民が金経済的な成果を誇示し、朝鮮統一を求めるスローガンを掲げていました。

兵士たちの後に続いた市民たちは北朝鮮のソフトなイメージを表現するため、花と国旗を手にしていました。
韓国のリスクグループのチャド・オキャロル(Chad O'Carroll)マネージングディレクターは、
「北朝鮮は建国記念パレードについて本気で軍事的色彩を弱めようと考えたようです。」
そしていかなる形でもパレードで大陸間弾道ミサイルを誇示したら、非核化への取り組みにに疑念を抱かせる結果に終わっただろう、と付け加えました。

9月18日に平壌で首脳会談を行うムン・ジェイン韓国大統領は、北朝鮮首脳が非核化を具体的に進めるよう説得するつもりです。
すでに金正恩委員長はドナルド・トランプの大統領任期中に非核化を実現させたいと述べており、トランプは「ともに成し遂げる」とツイートしています。

 

https://www.dw.com/en/proposed-abe-kim-meeting-easier-said-than-done/a-45645446

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『外交のアベ』ということが大分揶揄されているようですが、この記事にもある通り、すでにトランプと金正恩の会談が実現し、中国とロシアが実質的に金正恩政権の北朝鮮への制裁を緩和してしまった後に日朝会談を提案するなど、機会を逸したどころの話ではなく、これほどの外交的不手際はありません。

『機を見て敏なり』という言葉がありますが、外交の要諦のひとつだと思いますが、対北朝鮮アベ外交を見る限り、まるでなっていません。

ここ十年ほどを振り返っても、イギリスやフランスやドイツがこんな下手な外交を展開した例しはありません。

拉致問題解決という点でも最悪の展開になってしまいました。

拉致被害者のご家族のみなさんも、結局はパフォーマンスだけ、そして事件を自分の利害のために利用するだけの人物ではない別の首相を迎えた方が報われるのではないでしょうか?

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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