波紋を広げるIIOCのベテラン委員の発言:東京オリンピックの命運がかかる3か月
延期は米国TVネットワークが対応不可・開催地変更も不可能・分散開催も不可

スティーブン・ウェイド/ AP通信 2020年2月26日
IOC委員の中で最長の任期を務めるディック・パウンド氏は、中国から急速に感染が拡大しているウイルスに脅かされている東京オリンピックについて、その運命を決めるまで残りは3か月程度だろうと語りました。
AP通信との独占インタビューの中でパウンド氏は特に騒ぎ立てるような態度はとりませんでした。
しかし7月24日に開催されるオリンピックが直面しているリスクについて、率直に語ってくれました。
パウンド氏は1978年以来IOCの委員を続けており、現在のトーマス・バッハ大統領より13年長い42年間のキャリアを持っています。

写真 : 2020年2月23日、東京で開催される東京2020オリンピックの開会式と閉会式の会場である新国立競技場で、記念写真を撮るためにマスクを着けたままポーズをとる観光客。
「遅くとも開催前2か月間までには決定を下さなければならないでしょう。」
とパウンド氏は言いました。
彼が言うのは新型コロナウイルスの感染拡大の阻止の成功するかどうかを予測しTOKYO2020を開催するのか中止延期するのか、遅くとも5月後半には結論を出さなければならないということです。
「多くのことに着手しなければなりません。セキュリティ、食料供給、オリンピック村、ホテルの運営等についてプランを練り上げなければなりません。メディア関係者は会場に特設スタジオを設営する必要があります。」
そしてどうにも先に進むことができないという結論に達した場合、パウンド氏は「おそらく中止について検討せざるをえなくなるでしょう。」と推測しています。
「これは新たなる戦いであり、私たちは向き合わなければなりません。なぜならオリンピック開催が近づくにつれ、人々はこう尋ねるに違いないからです。『東京に行っても安全だと確信できるほど、ウィルスの感染拡大は抑え込まれているだろうか?」
中国は2月25日時点で508人の新しい発症者と71人の死亡を確認、うち68人は12月に最初にウイルスが検出された武漢市の患者です。
この時点で中国本土の感染者の合計は77,658件、死亡者は2,663人に達しました。
次に感染拡大が深刻な韓国では現在、10人の死者を含む977人の発症が確認されています。
新型コロナウイルスの拡散は現在、中東とヨーロッパでも確認されています。
日本でも4人の死亡が確認されていますが、ウイルスの感染拡大が新たな段階に入った可能性があります。

写真 : 2020年2月24日に東京のお台場地区にあるレストランの窓に映るオリンピックマーク。

写真 : 2020年2月23日、東京の新国立競技場の近くに新しくオープンした東京オリンピック博物館のディスプレイに見いる女性。
こうした状況下、パウンド氏はアスリートにトレーニングを続けることを奨励しました。
オリンピックには約11,000人、8月25日に開会するパラリンピックには4,400人の参加が予定されています。
「現時点で把握される限りにおいては、TOKYO2020は開催されます。」
パウンド氏がこう語っています。
「この段階で言えることは、全て予定通りに進むことになるということです。ですから選手の皆さんは自分の競技への集中を切らさないようにしてください。IOCは選手を恐慌状態に陥らせるつもりはありません。」
1896年以降の近代オリンピックが中止になったのは、第二次世界大戦中のみでした。
ただし、1976年のモントリオール、1980年のモスクワ、そして1984年のロサンゼルス大会はボイコットに直面しました。
1940年のオリンピックは東京で開催される予定でしたが、日中戦争と第二次世界大戦のために中止になりました。
パウンド氏は先を見通せないことが最大の問題だと語り、IOCの基本姿勢を強調しました。
それはいかなる決定を行うにせよ、すべて国連機関である世界保健機関との協議に基づいて行動するというものです。
これまでのところ、東京2020オリンピックは開催することが前提です。

写真 : 2020年2月18日、東京2020オリンピック・パラリンピックのマスコットの前で写真を撮影するため、マスクを外そうとする女性。
「中止は大きな、きわめて大きな決断であり、根拠とすべき事実が明確に確認できるまで、そのような決断は行われるはずはないのです。」
パウンド氏はこう語りました。
そしてIOCがこれまで得てきたアドバイス等に言及し、
「オリンピックのキャンセルや延期を求める意見はありませんでした。オリンピックのような巨大な開催規模を持つイベントを、そう簡単に延期することは不可能です。現在他の国での開催や延期など、さまざまな動きがあることは承知しています。延期についてもスポーツをするのに適した季節やテレビの視聴率が上昇する季節など、さまざまな話が出ています。」
「言うだけなら簡単です。『10月開催に延期しましょう』とね。」
変更が必要な場合、ポパウンド氏はすべての選択肢が障害に直面することになると語りました。
パウンド氏はありそうもないのは開催地の変更だと語りました。
「開催都市の変更は困難です。そんな短時間で施設を確保して開催準備ができる場所など世界のどこにもないでしょう。」
パウンド氏はこう語りました。

ロンドン市長に立候補しているショーン・ベイリー氏は、英国の首都を代替案として提案しました。
小池百合子東京都知事はその発言を不適切な申し出であり、ウイルスを政治的キャンペーンの材料に使っていると論難しました。
パウンド氏はさらに、会場を分散させて開催することもオリンピックとして相応しくないと述べています。
「会場をバラバラにしてしまえばオリンピックらしさがなくなってしまい、各競技毎に世界チャンピオンを決める選手権の同時開催になってしまいます。」
さらにわずか数カ月の猶予のうちに、17日間に渡って開催されるすべてのオリンピック競技種目の会場を確保することは極めて困難だと語りました。

仮に会場を東京にしたまま数ヶ月先に延期することは、北米のネットワークが対応できません。
秋はアメリカンフットボール、カレッジフットボール、ヨーロッパ・サッカー、バスケットボール、野球、アイスホッケーの試合中継でスケジュールがすでにいっぱいの状態です。
もちろん他の国の放送局もスケジュールは他の放送予定でいっぱいです。
「もし延期されてしまったら、通常のオリンピック競技の実況放送に期待されるような総合的な放送は難しくなるでしょう。」
パウンド氏はこう語り、次のように続けました。
「テレビであらゆる競技の実況放送がされなかった1964年の東京オリンピックよりも、さらに状況は厳しいものになります。」
東京開催を維持しつつ、まる1年延期したらどうなるでしょうか?
日本はすでに東京オリンピックを開催するために126億ドル(1兆2,750億円)を費やしたと公式に発表していますが、会計監査院は実際の支出はその2倍の金額に達していると指摘しています。
「さらに1年以上日本政府が巨額の支出に耐えられるのか、検証しなければなりません。」
パウンド氏がこう語りました。
「さらには国際的なスポーツスケジュール全体との調整も必要になってきます。」

パウンド氏は、IOCはこうした事態が発生することに備えて「緊急財源」を確保しており、その金額が約10億ドル(約1,080億円)だと語りました。
こうした資金は、オリンピックに関連する収入、およびIOCの直接的な補助に依存して運営される国際スポーツ連盟に給付されることになっています。
「これは不可抗力と呼んで良い状況です。」とカナダの経験豊かな弁護士であるパウンド氏は、「予測不可能な事態」という法的フレーズを使用して説明しました。
「保険でまかなえるようなリスクではなく、当事者となる個人や団体のいずれかに起因するリスクでもありません。関わった全ての人が損害を被ることになります。
オリンピックを主催する側にとっては収益が不足する事態に陥るでしょう。」
パウンド氏は放送局が「損失の一部を軽減する」ための独自の保険をかけているかもしれないと語りました。
4年に一度のオリンピック開催によるIOCの57億ドルの収入のうち、約73%が放送権によるものです。
パウンド氏は東京2020の命運について、新型コロナウイルスの感染拡大により失敗が見えてきても、もはやIOCの手に負える問題ではないと語りました。
「万が一、スペイン風邪のような状況になってしまったら…」パウンド氏は20世紀初頭、数百万人を殺したスペイン風邪の世界的な感染爆発を例にあげました。
「そのレベルの感染爆発になってしまったら、誰もがまず予防と治療を最優先しなければならなくなります。」
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福島第一原発事故後の状況がまだ予断を許さない段階で、安倍政権が東京2020オリンピック開催の名乗りを上げた際、
「なんと無謀なことをする政府だ!」
と憤ったことを覚えています。
事故前すでに日本の国家財政は窮迫、そこに事故の収束に天文学的数字の費用がかさんでいく中、オリンピック開催に名乗りを挙げるなど、国民の生活の福祉・改善など眼中になく、広告代理店やイベント企業の利権が優先された結果としか思えません。
私が考える安倍政治の最大の特徴はあからさまな利権の追求、そしてそのツケを国民全体に支払わせるというものです。
安倍政権とその周辺にいる人間達を支配しているのは
「釘になるよりハンマーになった方が良い」
という考え方であり、こうした人間達は政治の世界にもメディアにも置いてはいけない!
そのことを一刻も早く現実にしなければ、日本は劣化・窮迫を続けていくだけではないでしょうか!
新型コロナウイルス感染拡大、経済の悪化により予断を許さなくなってきた日本のオリンピック・イヤー
日本に不足しているのは、難しい局面で決断を下す勇気がある人々

山口真理、エレイン・カーテンバッハ/ AP通信 2020年2月21日
安倍首相は、2020年の東京オリンピックに向けて今年脚光を浴びるはずでしたが、代わりに中国から日本へ、そして遠く離れた地域にまで広がったウイルスの大流行により、安倍首相と政権与党の自民党は防戦一方の状態です。
安倍首相は「日本を再び偉大な国にする」ことを公約に2012年後半に首相に就任しましたが、政権周辺にはスキャンダルのいとまがありませんでした。
比較的堅調な経済と株価、政治的に強力なライバルの不在により、安倍氏は連立により議会の圧倒的多数を握る連立政権の首班として、日本で最も長く首相の座に座っています。
しかし1964年以来初めての東京オリンピックの大規模な祝賀に向け準備を整える必要があるタイミングで、安倍首相と安倍政権は新型コロナウイルス感染拡大の対処方法に問題があったという国内外の批判に直面しています。

特に日本政府のダイヤモンド・プリンセスの取り扱いに批判が集中しています。
豪華クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスには乗客と乗組員合わせて3,700人が乗り組んでいましたが、横浜港沖で全員を隔離している間に新型コロナウイルス感染者が増え続けました。
日本と韓国の経済的対立、そして中国と米国の貿易戦争によって輸出が不振に陥っていた日本経済は、10月1日の消費税増税により一般消費が落ち込み、2019年第4四半期にはGDPが6.3%下落しました。
2013年から2015年の第二次安倍政権の初期に指数が2倍以上になった日経225の株価ですが、その株価もこの2年間で一気に縮小しました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、日本国内の観光事業は数万件のキャンセルで危機的状況に陥っています。
中でも来日観光客の主力は2019年に約1,000万人が日本を訪れた中国人観光客ですが、ウイルスがクルーズ船を介して東京に加え沖縄、和歌山、その他の比較的遠隔地にまで広がったため、現在は足が遠のいています。
東京にあるテンプル大学のアジア研究所のマイケル・クセック準教授は、次のように表現しています。
「これはまさに負の連鎖です。」

2月21日金曜日の時点で、日本国内ではクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスで感染した634人を含め、739人が新型コロナウイルスの感染が確認され、うち3人が死亡しました。
ウイルスの最新の検査結果が陰性であったクルーズ船の乗客は日本政府による隔離政策がただ長いだけで有効ではないという批判の高まりを受け、厳しい隔離環境と感染者と健常者を隔離することが技術的に難しいことを理由に下船することになりました。
政府職員を含む6人の医療従事者がウイルスに感染したことから、安倍政権が行った感染予防対策の有効性について疑問が大きくなっています。
「基本的に、日本政府が行ったクルーズ船の隔離政策は19世紀の戦略でした。ただし、あの段階で何か決断することは難しかったのかもしれません。」
東北大学大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁教授がこう語りました。
「クルーズ船の問題は政治問題としてますます大きくなっています。」
コロナウイルスの感染拡大危機は、来年の延長任期終了後さらにもう一度3年間の総裁を務めることがてきるように、安倍首相の支持者が自民党の規則を変更しようと画策していたタイミングで発生しました。
ウイルスの感染者の数が増加と反比例するように、安倍首相への支持は低下しています。

共同通信社が行った最新の世論調査では、2月の安倍内閣に対する支持率が前月と比較して8.3ポイント低下しました。
回答者のうち安倍政権の大規模感染の抑制策に満足していると回答したのはわずか36%だけでした。
『永田町の混乱:安倍首相の超長期政権はようやく終わるのか?」ビジネス誌の『プレジデント』はこう見出しを掲げました。
安倍政権と対立する人々はこう批判しています。
中国の習近平主席が4月に来日するのを控え、当時すでに地理的に中国の中心にある武漢発の新型コロナウイルスが全土に広がる勢いを示していたにもかかわらず、安倍政権は中国政府を刺激しないようにを怒らせることを避けるため旧正月の人々の移動制限を故意に遅らせたとして、対中国外交が軟弱に過ぎると批判しています。
野党国民民主党の渡辺周衆議院議員は、安倍政権率いる日本政府には危機感が無さすぎると非難しました。
北京の日本大使館のウェブサイトには「たくさんの中国人のお客さまを迎えることを楽しみにしています。」という歓迎のメッセージが掲げられていましたが、これを見た誰もが「日本は一体全体何をしているのだろうか?」と思うだろうと語りました。
後にこのメッセージは削除されました。

国会で現在日本国内に滞在中の中国人の数について質問された加藤勝信厚生労働大臣は、「来日する中国人を100%シャットアウトすることは不可能」であると答弁しました。
彼は隔離政策の有効性をどう評価するかという質問には答えませんでした。
日本の政治家や高級官僚は2011年の東日本大震災・福島第一原発事故の三重災害が発生した時より危機管理能力を改善したはずですが、迅速で果断な行動をとることへの抵抗は相変わらずだと、テンプル大学のクセック準教授が指摘しました。
「彼らには危機管理計画があります。危機管理訓練も行っていますが、危機が発生している際には賢明なリーダーシップも必要なのです。」
「日本に不足しているのは、難しい決断を下す勇気がある人々です。」
先行きがまったく見通せない状況下で多くのイベントが中止または延期に追い込まれたことを受け、日本には今年7月に開催される予定の東京オリンピックを延期するか、あるいは会場を変更すべきだと主張しています。
3月に予定されていた自民党の党大会も今のところ延期が決定しています。
準備のためのさまざまなイベントやその他のオリンピックとは無関係のイベントが次々中止が決まる中、これまでのところ安倍首相や他の政府関係者は11,000人の競技参加者とテレビやその他のスポンサーから数千億円の投資を受けているTOKYO2020は、予定通り7月開催に向け準備を進めると主張しています。

安倍政権はオリンピックの開催地の変更あるいは延期について検討するのかどうかについて質問された菅義秀官房長官は、日本は国際オリンピック委員会からの「全面的な信頼」を得ていると回答しました。
「私たちは選手も観客も安全に参加できるオリンピックにするのを確実にするため、IOCおよび東京都と緊密に協力していきたいと考えています。」
『日本政府の対策は、船内での人から人への感染拡大を防ぐのに適切ではなかった』アメリカ政府保健当局が批判
感染への恐怖が蔓延するダイヤモンド・プリンセス船内より、アフリカ・エボラ出血熱の治療現場の方がまだましだった

英国BBC 2020年2月20日
日本政府の感染拡大対策に対する批判が高まる中、新型コロナウイルスの検査で陰性の結果が出た数百人の乗客が隔離されていたクルーズ船から下船を始めました。
横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセスに乗り込んだ日本人の感染症対策の専門家の一人は、船内の状況について「完全にカオス状態だ」と表現しました。
米国当局は、ウイルスを封じ込めるための日本政府の対応は「十分ではなかった可能性がある」と述べています。
乗客は隔離された船内での生活について、口々に悲惨な状況だと説明しています。
少なくとも621人のダイヤモンド・プリンセスの乗客と乗組員は、中国本土外で最大のCovid-19ウイルス感染現場に閉じ込められているのです。

ダイヤモンド・プリンセスには合計3,700人が乗船していました。
2月16日には数百人のアメリカ人乗客がアメリカ政府によって引き取られ別の場所で隔離されることになりました。
一方、英国外務省は、この船に乗っている英国人に船内に留まるように命じられていましたが、2月末に予定されている避難用の航空機への登録が始まりました。
ソーシャルメディアを使い外部のジャーナリストに定期的に情報を提供していた英国人夫婦が、19日にウイルスの検査結果が陽性であることを確認されました。
米国、カナダ、オーストラリア、および英国は、帰国後、ダイアモンド・プリンセスから解放されたすべての人々をさらに14日間の検疫のため隔離することにしています。
▽ 乗客に対する不安とは?

幾人もの専門家が、、ダイヤモンド・プリンセスの感染予防対策の有効性に疑問を呈しています。
神戸大学感染症学部の岩田健太郎教授は、船内の状況について「感染症対策に関しては完全に不十分」と指摘しました。
調査のため乗船した岩田教授は、感染者と健康な人を完全に分離しないまま感染対策が不十分な自らが目撃した状況を伝えるビデオをYouTubeに投稿しました。
岩田教授は次のように報告しました。
感染していないと思われるグリーンゾーンとウイルスに感染したレッドゾーンの間を乗客と乗組員が自由に移動している
感染者と非感染者が一緒に食事をし、居住区を共有している
医療スタッフも含め、防護服の着用手順が間違っている
感染発覚後も感染対策の専門家が乗船していない
BBCの取材に対しこの新型コロナウイルスの専門家は次のように語っています。
エボラ出血熱の流行中にアフリカの、SARS(重度の急性呼吸器症候群)の流行中に中国の対策の最前線で働いていた時よりも、ダイアモンド・プリンセスの船内では自分も感染することへの恐怖が非常に大きかったと語りました。

米国の保健当局も日本政府当局の対応を批判しました。
「日本政府がとった対策は、船内での人と人の間の感染拡大を防ぐのに適切ではなかった可能性がある。」
米国疾病対策予防センター(CDC)はこう警鐘を鳴らしました。
「特に自覚症状のない人が新たな感染拡大を引き起こしている可能性があり、そのことが危険な状況が継続していることを象徴しています。」
声明の中でこう述べたCDCは、「すべての乗客と乗組員」を米国国内に入国させない方針を伝えました。
しかし日本政府当局は、感染の大部分は船内での隔離期間より前に拡大した可能性が高いと述べ、自己弁護に終始しています。
▽ 下船した人々を待ち受けているのは?
検査結果が陰性で具体的症状が無い約500人が19日にダイアモンド・プリンセスを下船する予定であり、さらに多くの人が今後数日で下船する予定です。
解放された乗客は、待機していた大型バスやタクシーに乗り込み、その場を去ったと横浜港で取材中のBBCのローラ・ビッカーが伝えました。
検査結果が陰性とされて下船した乗客は通常の生活に戻ることが許されますが、健康状態を確認するために数日間に繰り返し連絡を受けることになると、と日本の厚生労働省の担当者が語りました。
検査結果が陰性だったものの感染した人々と船内の居住区が一緒だった人々は、船上での隔離がさらに長引くことになります。

乗客の国籍は50か国以上にまたがっており、ダイアモンド・プリンセスが世界的な感染拡大の新たな発生源になる可能性は十分にあるとの懸念をBBCの特派員が明らかにしました。
韓国政府は19日新型コロナウイルスへの15件の新たな感染例を報告し、ダイヤモンド・プリンセスの外国人乗客に対し入国を禁止すると述べた。
▽ 船内ではどのような感染防止策がとられましたか?
クルーズ船ダイアモンド・プリンセスは、先に香港で下船した男性がウイルスに感染していることが判明した後、2月上旬から横浜港で隔離状態に置かれています。
乗客は当初客室内で隔離されていましたが、後に時折デッキに出ることを許可されました。
感染予防措置がとられたにも関わらず、Covid-19ウイルスの検査結果が陽性とされた人の数は日々急速に増加していきました。
2月20日中国政府が明らかにした統計は、Covid-19ウイルスが現時点で中国国内で2,100人以上の命を奪ったことを明らかにしました。
中国本土で75,000件以上の感染が確認され、その他の国では1,000件以上の感染が確認されています。
韓国は31件の新しい感染が確認されたことを報告し、合計で82件になりました。
イラン政府は新型コロナウイルスに感染した2人がQom市で死亡したことを明らかにし、中東で初めての死亡例が報告されました。

香港政府は19日、慢性疾患を抱える70歳の男性が2人目の死者になったと伝えました。
フランス、日本、フィリピン、台湾では新型コロナウイルスに起因する死亡例がそれぞれ1件発生しています。
中国政府は17日、44,000人を超える確定症例の詳細な研究結果を発表し、死者の中で既往症のある人や高齢者の割合が圧倒的に高くなっていることを報告しました。
日本経済の悪化傾向に拍車をかけた消費税引上げ、とどめを刺す新型コロナウイルスの感染拡大
先進各国中、日本の経済成長率はイタリアと並んで最下位、弱っていた経済を消費税引上げとウイルス感染拡大が直撃

フィリップ・インマン/ ガーディアン 2020年2月17日
世界第3位の経済規模を持つ日本の経済成長率が、2019年の最終の四半期に年率換算でマイナス6.3%と大幅に落ち込んだことが明らかになり、今年に入って景気後退に向かっていることがはっきりしてきました。
世界第4位の経済大国であるドイツも、新型コロナウイルスの流行と中国との貿易の低迷に消費需要の低迷が加わった結果、成長率が低下、予断を許さない状況になってきました。
2月17日ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行は、月曜日、「悪化のペースは鈍りつつあるものの」自動車から化学製品までのドイツの主要産業部門において発注量の減少が続いていると述べました。

「いかなる状況にあるにせよ、中華人民共和国でのコロナウイルスの感染拡大に関して経済的リスクが存在します。」
ドイツ連邦銀行の最新レポートはこう述べています。
世界最大の輸出国のうち2か国が問題を抱えていることがはっきりしてきたため、世界中のエコノミストは2020年の世界経済の成長予測の見直しを始めました。
ムーディーズのアナリストによると、ドイツの経済成長は今年1%程度にとどまり、日本は回復傾向を見せたとしてもその成長率はさらに低い0.3%と、極めて低いものになると予測しています。

2019年最終四半期の日本の生産量は1.6%急落しましたが、2020年の第一四半期も、さらには第二四半期の経済成長率も引きつづき下降すると予想されています。
自律的景気後退とは、四半期2期連続で生産量が減少することを意味します。
信用格付け機関のムーディーズは、新型コロナウイルスが中国経済や日本経済に与える影響は、ドイツなどの主要な貿易相手国だけでなく関係各国に幅広い影響を与えることになるだろうと述べています。
ユーロ圏の経済成長率は2020年は1.2%の増加と予想されており、2019年の1.1%の成長率の実績をわずかに上回る程度です。
一方、ムーディーズが予測した英国のGDPは2020年2021年ともに、主要経済圏でイタリアと日本だけを上回る1%ちょうどになると予測しています。
ムーディーズはまた、2020年の中国の経済成長予測を5.2%に引き下げ、2021年は5.7%の成長になると予測していますが、2019年の6%と比較しても低下傾向にあり、この30年間で最低の数字になりました。

オストロム・アセットマネジメントのチーフエコノミスト、フィリップ・ウェヒター氏は、日本の消費税引き上げのタイミングは、関税をめぐる18か月にわたる中国と米国の貿易戦争の最中に行われたために、日本の経済成長に悪影響を与えることになったと述べました。
西村やすとし経済再生担当大臣は、政府は必要な措置をすべて講じる用意ができており、新型コロナウイルスの感染拡大が経済、特に観光に与える影響をちゅい深く見守ると語りました。
日本経済は今年後半に開催予定の東京オリンピックにより活性化することが期待されています。
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本来、日本政府の官僚というものは、理想を言えば国家百年の大計を、現実には国家の安寧のため最良の選択肢を考え出すべき存在のはずです。
ところが安倍政権の官僚は、保身のために悪しき現実をどうやってごまかすか、数字をどう操作するか、そんなことばかりに狂奔する史上最悪の『連中』『輩』と化しているのではないでしょうか?
そして官僚をそんな風にしか使えない政権を1日でも早く終わらせないと、この国は真っ直ぐ『滅び』にむかって突き進むことになるでしょう。
それは政治の問題などではなく、私たち一人一人の、自分自身の問題なのだということを痛感すべきでしょう。
ベートーヴェンの音楽を愛し、自由と兄弟愛の価値を共有する、大陸を越えた共同プロジェクト
世界中のクラシック演奏会が『ペートーヴェンだらけ』になってしまうのが心配?

ギャビー・レウヒャー / ドイチェ・ヴェレ 2019年12月17日
2020年、世界は大小さまざまなエキサイティングなプロジェクトに世界中のオーケストラが参加して有名なクラシック音楽の作曲家ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェンの生誕250周年を祝います。
2020年に世界中を旅する多くの人々が、行く先々の様々な国で様々な形で演奏されるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品を聴くことになるでしょう。
ニューヨークから上海、サンパウロからケープタウン、モスクワ、そしてヨーロッパ全域の音楽家が弦楽四重奏、ピアノ作品、バイオリンソナタ、歌曲、そして最大のハイライトである9つの交響曲をそれぞれの思いを込めて演奏するはずです。
トルコ、イラク、インドの音楽家たちもベートーヴェンの音楽を中心としたプロジェクトやパフォーマンスに参加します。
大陸を越えた共同プロジェクトは、ベートーヴェンの音楽を愛し、自由と兄弟愛の価値を共有する人々をひきつけています。
作曲家が交響曲第9番『合唱』でこう謳いあげたように、「すべての人類が兄弟になろう」。
▽ ボンから世界中へ
世界中が祝福する音楽の巨人ベートーヴェンの故郷ドイツ西部のボンが、世界で行われる生誕250周年プロジェクトの発信源になります。
BTHVNベートーヴェン・ジュビリー協会はすでにいくつもの大規模なプロジェクトを開始し、ライン川沿いの都市ボンに拠点を置く約300人の音楽家に資金を提供しています。
「私たちは多くの国際的な演奏家とも連携しています。」
芸術監督のマルテ・ブロッカー氏がこう語りました。
「英国ロイヤル・フィルハーモニー協会と上海舞台芸術祭で公演するために、私たちは中国のタン・ダンにベートーヴェンの第9交響曲の作品を作曲するよう依頼しました。」
タンダンは秋にボンで開催されるベートーヴェン・フェストで、ベートーヴェンの第9交響曲と彼自身の作品「The Nine(第9番)」を初演した後、世界中でツアーを行う予定です。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンはボンで生まれ、22年間ここで暮らしてからウィーンに移り、そこで残りの人生を過ごしました。
夜間に撮影されたウィーンのベートーヴェンの墓、ライトアップされ、花に囲まれています。
▽ ウィーンのベートーヴェンの墓

ウィーンとボンの両都市で開催される特別展は、作曲家のベートーヴェンと男性としてのベートーヴェンの両方を追悼するものです。
ボンとウィーンのベートーヴェンの自宅、そしてヨーロッパとアメリカの国立公文書館と図書館は貴重なベートーヴェンの自筆文書と手紙を一般公開します。
BBC、ラジオ・フランス、Arte(フランス語およびドイツ語放送を行っている独仏共同出資のテレビ局)、西ドイツ放送(ドイツのノルトラインヴェストファーレン州を本拠地とするドイツの公共放送)を含むヨーロッパの放送各局は、記録映像・録音の中から選りすぐりの番組を放送する予定です。
ベートーヴェンの業績は圧倒的です。
ユネスコの世界遺産リストに彼の第9交響曲が加えられていることを例にとるまでもなく、彼が全ての時代を通して世界で最も偉大な古典音楽の作曲家と考えられていことは不思議ではありません。
ベートーヴェンがこの作品を書き上げたとき、作曲家はすでに完全に聴力を失っていました。
▽ 最大の人気作品

放送だけではありません。
主要なオーケストラの今年の演奏日程を見てみると、第9交響曲がベートーヴェン生誕250周年を記念する今年、最も数多く演奏される曲目であることがわかります。
パリ、シカゴ、東京、サンパウロ、香港の有名オーケストラは、9つの交響曲作品全曲を演奏する予定です。
ギリシャのスター指揮者であるテオドール・カレントジスとロシアのペルミ市のムジカ・アエテルナ・オーケストラは、ウィーン、ザルツブルク、ボンのベートーベン・フェストで演奏する予定になっています。
指揮者のリッカルド・ムーティが指揮するシカゴ交響楽団は、ベートーヴェンの交響曲9曲全曲とピアノソナタを演奏する予定です。
世界の音楽愛好家は、パリで開催される演奏会でダニエル・バレンボイム、フィリップ・ジョーダン、ウィーン・フィルハーモニー、サー・サイモン・ラトル指揮のロンドン交響楽団のなどの世界的に有名な指揮者と演奏家たちの手による協奏曲全曲、室内楽曲の全作品を楽しむことができます。

サンフランシスコ、香港、北京、ロンドン、ハンブルクのクラシック音楽愛好家は、アンネ・ゾフィー・ムターとランバート・オルキスがベートーヴェンの最も有名なバイオリンソナタを演奏するのを楽しみに待っています。
▽ ベートーベンだらけ
「モンスター級の誕生日イヴェント、ベートーヴェン」
フランスの日刊紙「ル・フィガロ」はこう見出しをつけ、世界中の演奏会の演目が「ベートーヴェンだらけ」にならないようクギを刺しました。
事実、世界の主要なコンサートホールの有名な演奏家、指揮者、オーケストラは、文字通り互いにベートーヴェン・プログラムを競い合っているかのようです。
モスクワは、ベートーヴェンと19世紀ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーの両方に捧げるフェスティバルを企画しました。
ベートーヴェン生誕250年の2020年はチャイコフスキー生誕180年にもあたります。
ロシアのフェスティバルは2月22日にモスクワの新しいザリャジェ・コンサートホールで始まります。

写真 : ベートーヴェン・フェスト2019での最終公演:モスクワのチャイコフスキー交響楽団
「女性対ベートーヴェン」は、ストックホルム・コンセルトフセット・コンサートホールでのオーケストラ・フェスティバルのタイトルであり、ベートーヴェンの9つの交響曲と合わせ重要な女性作曲家の作品を紹介しています。
▽ 世界がひとつになる
ボルティモア交響楽団とサンパウロ州立交響楽団の音楽監督である生粋のアメリカ人女性マリン・アルソップは、5大陸で第9交響曲を指揮する「オール・トゥギャザー(All Together)」プロジェクトを計画し、ニュージーランド、米国、ブラジル、イギリス、オーストリア、オーストラリア、南アフリカでそれぞれの地のオーケストラでベートーヴェンの第9交響曲を指揮することになっています。

写真 : ベルリンでサンパウロ州立交響楽団を指揮するマリン・アルソップ
このプロジェクトにおいて特徴的なのは各公演で、最後の合唱『Ode to Joy(歓喜に寄せて)』がそれぞれ現地の言葉に訳されて歌われることです。
シドニーでは先住民がパフォーマンスの一環として伝統音楽を披露します。
ベートーヴェン・イヤーの一連の行事は、2020年12月にニューヨークのカーネギーホールでのコンサートで終わることになっています。
この演奏会には全米の都市から250人の歌い手とさまざまなジャンルのゲスト・アーティストが参加します。