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ダイヤモンド・プリンセス、強まる日本政府への批判

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『日本政府の対策は、船内での人から人への感染拡大を防ぐのに適切ではなかった』アメリカ政府保健当局が批判

感染への恐怖が蔓延するダイヤモンド・プリンセス船内より、アフリカ・エボラ出血熱の治療現場の方がまだましだった

                

                 

英国BBC 2020年2月20日

                  

日本政府の感染拡大対策に対する批判が高まる中、新型コロナウイルスの検査で陰性の結果が出た数百人の乗客が隔離されていたクルーズ船から下船を始めました。

                    

横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセスに乗り込んだ日本人の感染症対策の専門家の一人は、船内の状況について「完全にカオス状態だ」と表現しました。

                    

米国当局は、ウイルスを封じ込めるための日本政府の対応は「十分ではなかった可能性がある」と述べています。

               

乗客は隔離された船内での生活について、口々に悲惨な状況だと説明しています。

                        

少なくとも621人のダイヤモンド・プリンセスの乗客と乗組員は、中国本土外で最大のCovid-19ウイルス感染現場に閉じ込められているのです。

                  

                    

ダイヤモンド・プリンセスには合計3,700人が乗船していました。

                 

2月16日には数百人のアメリカ人乗客がアメリカ政府によって引き取られ別の場所で隔離されることになりました。
一方、英国外務省は、この船に乗っている英国人に船内に留まるように命じられていましたが、2月末に予定されている避難用の航空機への登録が始まりました。

                    

ソーシャルメディアを使い外部のジャーナリストに定期的に情報を提供していた英国人夫婦が、19日にウイルスの検査結果が陽性であることを確認されました。

                  

米国、カナダ、オーストラリア、および英国は、帰国後、ダイアモンド・プリンセスから解放されたすべての人々をさらに14日間の検疫のため隔離することにしています。

                  

▽ 乗客に対する不安とは?

                      

                    

幾人もの専門家が、、ダイヤモンド・プリンセスの感染予防対策の有効性に疑問を呈しています。
神戸大学感染症学部の岩田健太郎教授は、船内の状況について「感染症対策に関しては完全に不十分」と指摘しました。
調査のため乗船した岩田教授は、感染者と健康な人を完全に分離しないまま感染対策が不十分な自らが目撃した状況を伝えるビデオをYouTubeに投稿しました。

                  

岩田教授は次のように報告しました。

感染していないと思われるグリーンゾーンとウイルスに感染したレッドゾーンの間を乗客と乗組員が自由に移動している
感染者と非感染者が一緒に食事をし、居住区を共有している
医療スタッフも含め、防護服の着用手順が間違っている
感染発覚後も感染対策の専門家が乗船していない

                  

BBCの取材に対しこの新型コロナウイルスの専門家は次のように語っています。

                    

エボラ出血熱の流行中にアフリカの、SARS(重度の急性呼吸器症候群)の流行中に中国の対策の最前線で働いていた時よりも、ダイアモンド・プリンセスの船内では自分も感染することへの恐怖が非常に大きかったと語りました。

                 

             

米国の保健当局も日本政府当局の対応を批判しました。

                   

「日本政府がとった対策は、船内での人と人の間の感染拡大を防ぐのに適切ではなかった可能性がある。」
米国疾病対策予防センター(CDC)はこう警鐘を鳴らしました。
「特に自覚症状のない人が新たな感染拡大を引き起こしている可能性があり、そのことが危険な状況が継続していることを象徴しています。」
声明の中でこう述べたCDCは、「すべての乗客と乗組員」を米国国内に入国させない方針を伝えました。

                 

しかし日本政府当局は、感染の大部分は船内での隔離期間より前に拡大した可能性が高いと述べ、自己弁護に終始しています。

                

▽ 下船した人々を待ち受けているのは?

                

検査結果が陰性で具体的症状が無い約500人が19日にダイアモンド・プリンセスを下船する予定であり、さらに多くの人が今後数日で下船する予定です。

                 

解放された乗客は、待機していた大型バスやタクシーに乗り込み、その場を去ったと横浜港で取材中のBBCのローラ・ビッカーが伝えました。

                 

検査結果が陰性とされて下船した乗客は通常の生活に戻ることが許されますが、健康状態を確認するために数日間に繰り返し連絡を受けることになると、と日本の厚生労働省の担当者が語りました。

                     

検査結果が陰性だったものの感染した人々と船内の居住区が一緒だった人々は、船上での隔離がさらに長引くことになります。

                  

                 

乗客の国籍は50か国以上にまたがっており、ダイアモンド・プリンセスが世界的な感染拡大の新たな発生源になる可能性は十分にあるとの懸念をBBCの特派員が明らかにしました。

                   

韓国政府は19日新型コロナウイルスへの15件の新たな感染例を報告し、ダイヤモンド・プリンセスの外国人乗客に対し入国を禁止すると述べた。

                    

▽ 船内ではどのような感染防止策がとられましたか?

                

クルーズ船ダイアモンド・プリンセスは、先に香港で下船した男性がウイルスに感染していることが判明した後、2月上旬から横浜港で隔離状態に置かれています。
乗客は当初客室内で隔離されていましたが、後に時折デッキに出ることを許可されました。

                 

感染予防措置がとられたにも関わらず、Covid-19ウイルスの検査結果が陽性とされた人の数は日々急速に増加していきました。

                   

2月20日中国政府が明らかにした統計は、Covid-19ウイルスが現時点で中国国内で2,100人以上の命を奪ったことを明らかにしました。
中国本土で75,000件以上の感染が確認され、その他の国では1,000件以上の感染が確認されています。

                     

韓国は31件の新しい感染が確認されたことを報告し、合計で82件になりました。

                  

イラン政府は新型コロナウイルスに感染した2人がQom市で死亡したことを明らかにし、中東で初めての死亡例が報告されました。

                  

徒歩で病院に向かう途中の路上で死亡した中国の感染患者

                     

香港政府は19日、慢性疾患を抱える70歳の男性が2人目の死者になったと伝えました。
フランス、日本、フィリピン、台湾では新型コロナウイルスに起因する死亡例がそれぞれ1件発生しています。

               

中国政府は17日、44,000人を超える確定症例の詳細な研究結果を発表し、死者の中で既往症のある人や高齢者の割合が圧倒的に高くなっていることを報告しました。

                

https://www.bbc.com/news/world-asia-51555420
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