感染爆発は起きていないという印象操作が行われていた日本と東京…実際には?
検査可能な数の数分の一しかウイルス検査をして来なかった日本

山口真理 / AP 2020年3月30日
オリンピックの延期が公表されるまで、日本は新型コロナウイルス感染を抑え込みに成功しているような報道が行われていました。
しかし東京2020の開催延期が公表された直後から感染者の数が急増、都知事は都民に外出を控えるように求め、ロックダウンの可能性も出てきました。 (AP Photo / Eugene Hoshiko、ファイル)
オリンピックの延期が公表されるまで、日本国内では新型コロナウイルス感染拡大を抑え込みに成功しているような報道が行われていました。
しかし東京2020の開催延期が公表された直後から感染者の数が急増し、都知事が都民に外出を控えるように求めるなど、首都ロックダウンの可能性も出てきました。
東京でのウイルス感染件数の急増と東京2020オリンピックの延期が公表された直後から日本政府が突然厳しい見解を明らかにしたことについて、議会や市民の間では、日本政府が感染拡大の事実を過小評価し、国民に事実を周知させることを怠り、感染症対策において人と人との距離を開けて接触機会を減らす対策の実施が後手に回ったことを指摘する声があがっています。
それでもなお、政府は東京オリンピックがちょうど1年遅れの7月24日から開催されるという希望にしがみついています。

オリンピックの延期が決まった今、日本政府にとって事実を隠さなければならない理由がなくなったため、突如感染者数が急増したという疑いを多くの人が持つようになりました
「日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大の抑え込みに成功しているという印象を与えるため、厳しい拡大防止策を取らず、患者数を少なく見せていた」
鳩山元首相はこうツイートしました。
「新型コロナウイルスは(東京都と小池百合子知事が)手をこまねいている間に拡大しました。」
「(小池百合子知事にとって)都民ファーストは偽りであり、オリンピックファーストこそが事実でした。」
専門家は、東京、大阪、その他の都市部で、感染経路の特定が不可能な症例が急増していることに懸念を深めています。
この事実こそは、感染症の爆発的な増加の兆候なのです。
安倍首相は28日土曜日、感染経路を特定しクラスターを抑え込むことがますます困難になっていることから、日本は現在感染爆発という緊急事態の瀬戸際にあると述べました。
「一旦感染爆発が起きてしまったら、私たちの戦略はすぐにバラバラになってしまいます。」
安倍首相はこう警告しました。
「現在ギリギリ持ちこたえている状況で、瀬戸際の状況が続いています。」
緊急事態宣言はまだ必要ではないものの、日本はいつでもアメリカやヨーロッパ同様の最悪の状況に直面する可能性があると語りました。

多くの人々が花見のために公園に足を運び、安倍首相がオリンピックの延期もありうるとほのめかしていた段階では、それほど切迫感はありませんでした。
しかし、3月24日に国際オリンピック委員会委員長のトーマス・バッハとの電話会談で、安倍首相は新型コロナウイルスのパンデミックのため、東京2020オリンピックを2021年の夏頃まで延期することに同意しました。
翌日、小池東京都知事は都民に、この週末から4月中旬までできるだけ自宅を出ないよう要請を行い、新型コロナウイルスの感染例は、週の初めの16人から1日で41人に達したと述べました。
さらに28日土曜日には東京は63の新しい感染例を公表しました。
小池都知事は東京都内の感染拡大は爆発的な増加の瀬戸際にあり、ウイルスのの勢いが衰えない場合、封鎖を含むもっと強力な対策が必要になる可能性があると述べました。
「これは単なる偶然なのですか?」
野党立憲民主党の田島麻衣子参議院議員は3月25日の議会で、東京の感染者数の突然の急上昇の原因についてこう質しました。
これに対し加藤勝信厚生労働大臣は、東京オリンピックの延期発表と感染者数の急増との間には
「全く関係ない。」
と述べました。
安倍首相は専門家の見解を引き合いに出し、最近の患者数急増の大きな原因は、感染経路を特定できないケースの増加と海外からの感染の急増が原因であると述べました。
「長長期戦を覚悟する必要がある。」
安倍首相は国民に対しこう語りました。

小池都知事の警告の翌日、安倍首相は最近成立したばかりの緊急事態法に基づき、東京を含む特定の地域で緊急事態を宣言することを可能にする新メンバーのタスクフォースを召集しました。
日本の戦略は感染が疑われる全員を検査するのではなく、クラスターに焦点を当て、感染経路を特定することです。
28日土曜日に公開されたガイドラインによると、未だに検査は病院ごとの医師の判断に基づいて実施されるとなっています。
日本の専門家はウイルス検査のハードルを高くし、クラスターに関連する事例や新型コロナウイルスの症状が明らかな患者に限って検査を行っています。
これは大規模な検査の実施により深刻なニーズのある患者を収容するためのベッド数が不足し、医療システムの崩壊を引き起こすことを恐れているためです。
2月18日から3月27日まで、日本は約50,000人、1日平均1,270人のウイルス検査を行いましたが、これは、日本が1日に全国で実施可能な数千人という規模を下回っています。
3月後半になって検査数はわずかに増加しました。
厚生労働省の統計によると、東京では日本政府のホットラインに電話をしてアドバイスを求めた人のうち、検査を受けることができたのは2%未満でした。
これとは対照的に、韓国は3月中旬までに約25万人をテストしました。

安倍首相は日本が検査を制限したり、COVID-19による死亡と他の肺炎による死亡者を組み合わせたりして統計を操作したという主張を否定しました。
「日本が実際の数値を隠していると疑う人もいることは承知していますが、それは真実ではないと信じています。」
「隠蔽を行っても、死亡者の数によって事実が明らかになっているはずです。」
COVID-19に感染した肺炎患者はCATスキャンあるいはX線検査でその事実が把握されると、医師たちに説明を受けていると安倍首相が語りました。
多くの日本人専門家は本当に治療が必要な人のために病院のベッドを確保するため、検査はすべての人ではなく選択的に行われるべきだと主張しています。
「検査は主にウイルス感染の疑いが強い人のためのものであり、医療機関ごと医師による判断に基づくべきである。」
政府委託の委員であり元世界保健機関の公衆衛生の専門家である近江茂氏がこう語りました。
横浜市立大学で情報科学を専攻する佐藤彰洋教授は、最近行った報告で日本は今や欧米からのウイルスの2次感染あるいは3次感染に直面している可能性が高いと語りました。
東京では約430件の感染が確認されていますが、他の国と同様のペースで感染が加速している場合、佐藤教授は3月末時点で東京ではさらに1,000人が感染した可能性があると推定しています。
無症候性または軽度の感染症を含め、約1万人が感染する可能性があると佐藤教授は指摘しています。

厚生労働省によると、日本は28日時点でクルーズ船からの712人を含む2,578人の感染が確定した患者がおり、うち64人が死亡しました。
回復したのは約1,000人です。
現在の法律ではCOVID-19は指定感染症として定義され、陽性と判定された患者は原則的に管理入院させられますが、新しい政府のガイドラインの下では、家庭での自己隔離を含む患者自身が治療法を選ぶことが認められます。
現在、日本には感染症治療用に指定された病院の病床が2600床あり、そのうち118床が東京にあります。
しかしすでにその約3分の1はCOVID-19患者によって占められていると、国立国際医療研究センター 国際感染症センター国際感染症センターの忽那賢志(くつな さとし)氏がこう語りました。
最近の急増について忽那氏は、次のように語りました。
「残念ながら、感染症のオーバーシュートが間もなく始まるでしょう。」

安倍首相は、政府は最悪の場合のシナリオに備えて12,000台のベッドと3,000台の人工呼吸装置を確保すると述べました。
加藤厚生労働大臣は29日日曜日、NHKの番組の中で次のように語りました。
「重症患者が医療制度の崩壊によって死亡事態を恐れており、これを防止する必要があります。」
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今日30日の昼過ぎに掲載を確認した記事を急ぎ翻訳しました。
読んでみると「やはり…」と思う箇所が多々あります。
やはり現在の日本の政権は、自分たちとその取り巻きの利害をすべてに、国民の命を含めたすべてに優先しているのだという確信が深まりました。
No More Abe !
1日も早く現実にしなければなりません。
日本の政治にこれ以上国民の命を粗末にさせてはいけません!
新型コロナウイルス危機は域内にとどまるような問題でもなく、1か月程度で片づく問題でもないということを世界は思い知らされた
感染拡大の先行き、日本は高齢化社会が最大の懸念

ギャビン・ブレア / アルジャジーラ 2020年3月25日
新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、東京での生活はおおむね通常どおりの商売で、店、レストラン、クラブは賑わってはいませんが営業は続けています。
2020年7月24日に始まるはずだった東京2020オリンピック・パラリンピックは、日本政府、大会組織委員会、開催都市東京のいずれも予定通りの開催に悲観的になっていましたが、結局1年先に延期されることになりました。
3月24日火曜日の夜、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長、日本の安倍首相、東京2020組織委員会の森喜郎委員長、東京都の小池百合子知事の間で行われた電話会議に続き、東京2020オリンピック・パラリンピックの一年延期が決定しました。
世界中のブックメーカー(賭けの胴元)は何週間にも渡り東京オリンピックが予定通りに行われないという方にオッズを提供していましたが、小池都知事は3月中旬の段階でも
延期や中止は「想定していない」と主張し続けていました。
新型コロナウイルスの世界的パンデミックが加速していることを受け23日月曜日には数カ国が2020年に大会が開催されても自国チームを派遣しないと決定、安倍首相も延期は選択肢の1つであると認め、日本政府の各大臣と大会組織委員会の委員も同様の姿勢をとり始めました。

「この数週間で米国とヨーロッパではもはや事態をコントロールできなくなってしまい、新型コロナウイルスの危機は東アジア地区内にとどまるような問題でもなく、1か月で片付く問題でもないということを世界が思い知らされることになったのです。」
東京の国際基督教大学で政治学・国際関係を専攻するスティーブン・ナギ上級准教授はアルジャジーラの取材に対し、こう語りました。
「大会を延期する必要があるという認識はあったのかもしれませんが、日本にとって最も重要な課題は中止ではなく延期に決まったということです。もし延期ではなく中止に決まっていたら、根本的に異なる政治問題になっていたでしょう。」
ナギ上級准教授がこう語りました。
専門家によれば、大会の開催準備には巨額の出費を伴いましたが、日本が国際的に脚光を浴びる機会を作り出しました。
「日本が中国とは異なる成功モデルを持っていることを示すことは非常に重要なことなのです。中国のような締めつけの厳しい社会主義国家ではなく、自由な民主主義国家である日本の成功が必要なのです。」
「中止されてしまえば、それらのカードはすべて失われてしまいます。」
日本は中国以外で複数の感染例が確認されている国であるにもかかわらず、現在までの所、感染爆発などの深刻な事態を招いていないことが、中止ではなく延期というIOCの判断に貢献した可能性があります。

日本での最初の感染例は1月中旬に確認され、月末まで17の感染例が確認されましたが、その後、感染拡大は他の国よりもはるかに遅く、死亡率は低いままです。
3月24日の時点で、東京都内は162件の報告と3人の死亡しかありませんが、人口が4,000万人を超える首都圏全体では感染者は350人を下回り、死亡したのは9人です。
日本の全国平均の感染率は100万人に9人の割合です。
比較すると、ニューヨークでは20,000件以上の症例が確認されており、イタリア、スイス、ルクセンブルクではいずれも100万人あたり1,000件以上の感染率が確認されています。
日本では新型コロナウイルスの検査そのものが充分実施されていないという懸念がありましたが、多数の死者を出す感染のクラスターは確認されていません。
ただし人口の28%が65歳以上という世界で最も高い日本の高齢化割合には懸念があります。
東京での生活は店舗、レストラン、クラブは賑わってはいませんが営業はしており、おおむね通常どおりの日常生活が続いています。
高級店舗が軒を連ねる銀座でマッサージ・サービスのドライバーとDJを兼業している務める片岡哲也氏は、顧客数はどちらも減少はしているものの激減してはいないと語りました。
「1918年のスペイン風邪(インフルエンザ)の大流行では、日本での死亡者数は少なかったが、それは日本人の食生活が原因だと考える人もいます。」
片岡氏がこう語りました。

写真 : 東京で東京2020オリンピックの開催に抗議する人々。
▽ 低い感染率
専門家は日本の感染率の低さに困惑しています。
多くの要因が影響していると考えられます。
握手をする習慣がなく、家族の間でさえ抱擁し合うことがなく、人間同士の物理的な接触が比較的少ない文化が、ウイルスの蔓延を防ぐのに役立ってきた可能性があります。
しかしこれだけでは東京の満員電車に毎日乗り込んでいる通勤客の間で集団発生がなかったことの説明にはなりません。
一部の企業は早期に在宅勤務を導入し、3月2日からは学校も閉鎖されましたが、ラッシュアワーの間は相変わらず電車の車内は混雑しています。
もう一つの理由は、日本人の衛生習慣をこまめに実行しようという良心的な態度にあるかもしれません。
日本では花粉症、風邪、インフルエンザから身を守るためにマスクを着用することは長い間一般的に行われてきました。
また、2月に国内で新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以来、ほとんどの店舗、オフィス、公共施設には手指消毒剤が設置され、従業員のマスク着用が広く採用されています。

暫定的な数値ですが、人々が新型コロナウイルスの感染を防ぐためにさらに徹底した予防対策を行ったことは、感染爆発を防ぐと同時に今年の季節性インフルエンザの感染例を30~40%減少させたとみられています。
2月下旬、ロンドンの市長当選を目指すショーン・ベイリー候補は、英国の首都が東京の代わりにオリンピックを開催することができると提案しました。
しかし、数週間の間に状況は劇的に変化してしました。
ヨーロッパでの高い感染率を考えると、東京2020オリンピックに参加するためにイギリスやその他のヨーロッパ各国、そして北アメリカからのアスリート、観客、関係者の流れこみは、今や日本にとって明確な健康リスクになりました。
オリンピックの開催は小池知事と安倍首相の政治的確執の中心的な部分になっているとナギー准教授が述べています。
小池氏の国政への政治的野心は、2017年の国政選挙で彼女が設立した新しい政党が悲惨な結果しか得られなかったことで挫折しました。
それ以降この野心的な女性政治家は日本の首都に自分の業績を刻み込むことに専念してきました。

一方、安倍首相は2019年11月、日本で最も長く首相の座にいた政治家になりました。
首相としての彼の任期は延期が決まったオリンピックが幕を降ろす直後の2021年9月に終わる予定です。
しかし……
「安倍氏は首相という金メダルをこれからもずっと自分の胸にぶら下げ続けていたいと熱望しているはずです。」
ナギー准教授はこう語っています。
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新型コロナウイルス危機、日本の報道が言わないことを以下に列挙してみます。
東京2020オリンピックの延期によって、私たち日本国民は一体どれだけの追加負担を強いられることになるのか?
新型コロナウイルス危機の経済対策のため、途方もない金額の緊急予算編成をしなければならなくなった日本、その財源はどうするのか?
安倍政権がアメリカに約束したイージスアショアやF-35ステルス戦闘機100以上の購入などの巨額の兵器購入をキャンセルし、国民の生活救済に回すべきではないか?
新型コロナウイルス危機の襲来直前の消費税を引き上げた安倍政権、結果的とはいえ政権の失政ではないのか?
いつまで延期するのか、焦点はすでにその点に移っている
国際的なスポーツ競技会の開催スケジュールとの調整、予選会の日程の再編成、各種の保険手続きなど課題は山積み

エディー・ペルズ / AP通信 2020年3月23日
3月23日月曜日、IOCの役員、各国のオリンピック委員会、そしてアスリートたちが全員同じ結論に向け走り出しました。
東京オリンピックは2020年夏には開催されません。
国際オリンピック委員会で長年メンバーを続けてきたクレイグ・リーディ氏はAP通信の取材に対し、コロナウイルスのパンデミックが世界中に広がりオリンピックの参加選手が練習すらまともにできない状況を見れば、誰もが同じ結論に至るだろうと語りました。
「確率から言っても当然です。現在の日本の状況とCOVID-19(新型コロナウイルス)の世界への影響について誰もが得ている情報は、オリンピック開催は延期すべきだということを明確に示しています。」
「延期の期間をどれだけにするのか、現在のIOCの大きな課題はその点に移りました。」
IOCのメンバーであるディック・パウンド氏は、7月24日に開始される予定の東京2020について同じ結論に達したことを、3月22日の早い段階でアメリカの新聞のUSA Todayに伝えました。USA Todayによるツイートは次のとおりです。
『新型コロナウイルスに対する懸念から、東京2020の開催延期はすでに決定済み』

これらの報道に対しIOCはまだどのような決定もなされていないと述べ、リーディ氏も自分自身の個人としての認識であるとすぐに認めました。
そして最終的に判断することになるIOCのトーマス・バッハ会長からはどのような意向も伝えられていないことを明らかにしました。パウンド氏に対するAP通信の問い合わせに返信はありませんでした。
IOCのスポークスマンはパウンド氏の発言について、その日のうちに「22日日曜日に開催されたIOC執行委員会の決定をどう解釈するかは、IOCメンバー全員にとって自由です。」とコメントしました。
確かに一連の発言は個人的解釈や意見というべきものであり、事実だけを誤りなく伝えたものではありませんでした。
パウンド氏は先月、東京大会がスケジュール通りに開催できなかった場合、延期ではなく中止こそが唯一無二の選択肢であるとAP通信に語っていました。
しかしこの時以降状況は大きく変化し、参加予定のアスリートと各国の間では「延期」への機運が急速に高まっており、IOCが最終結論に至るのに4週間すべてを費やす必要は無くなってきたようです。
4週間というタイムリミットはIOCの執行委員会が22日日曜日に決定したものであり、この際ゲームの延期に関連する大規模な物流上の問題を調査するため、ワーキンググループを編成すると発表しました。

問題の中には、延期後の日本国内の会場確保、新たな開催日と国際的なスポーツ競技会の開催スケジュールの調整、予選会の日程の再編成、および各種の保険手続きなどが含まれます。
IOCも日本の大会組織委員会も両方ともすでに大規模な政策を実施しており、その法的要因の整理には多大な手間と時間を要します。
しかし22日のIOCの発表の後、IOCの東京大会検証チームのリーダーを務めるジョン・コーツ氏の母国オーストラリアそしてカナダの両国から、7月に開催される東京オリンピックに自国のチームを派遣できない、あるいは派遣しないという連絡が入りました。
「我が国の決定はアスリート、コーチ、スタッフ、ファンなど非常に多くの人々にとって悲痛なことだと理解していますが、これは疑いなく正しい呼びかけであり、すべての人が自分たちのリーダーに従うべきです。」
カナダのジャスティン・トルドー首相はこう語りました。
延期すべきだと声をあげている他の主要な代表団には、ブラジル、スロベニア、ドイツのオリンピック委員会とともに、オリンピックのハイライト競技のひとつを担う世界陸上競技連盟が含まれます。
合衆国チームの約3分の1の選手が加盟する米国水泳連盟と米国陸上競技連盟は、新しい開催日時が決定されることを望んでいます。
延期を要求するアスリートの声も大きくなり続けています。
トラック競技選手団体のアスレティック・アソシエーションは、別の競技選手団体のグローバル・アスリートと共同で、IOCに決断を急ぐよう促しました。

アスレティック・アソシエーションは2度のオリンピック・チャンピオンの経験を持つ米国のクリスチャン・テイラー氏が率いています。
テイラー氏は4,000人以上の陸上選手に対する調査の結果、87%が新型コロナウイルスによって自分たちの練習が悪影響を受けたと回答したと述べています。
個々のアスリートも同様に発言を続けています。
「今年はオリンピックが開催されないということには腹が立ちますが、延期がアスリートと観客の健康を守り、ウイルスのさらなる拡散を防ぐためには最良の決定である、トイうことには同意します。」
バウンド氏のコメントに対し、米国の体操選手モーガン・ハードはこうツイートしました。
延期や中止についての決定が既に行われたと発言することは早計に過ぎるとしても、そうした発表が行われるのは避けられないでしょう。
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他の国々は新型コロナウイルス対策に集中できるのに、日本だけはそれに加え東京オリンピックの延期のために、またまた多額の国費と労力を消耗しなければなりません。
もともと「福島第一原発の事故状況は、完全に制御下にある」などと、もはや放射能汚染水の問題だけでも破綻が目前に迫っているのに、あの時全世界に向け安倍首相が偽りを発信したツケが一気に回ってきそうな今の日本。
日本のメディアは一切触れませんが、安倍政権のデタラメ政治については、これまで海外メディアは様々な問題について『失政』という指摘をしてきました。
しかしことここに至っては『失政』などという生易しいレベルにとどまるものではありません。

第二次世界大戦中以外では初めてのオリンピックの中止または延期の可能性が現実味
オリンピック開催が1年遅れたら、安倍氏は首相の座には留まれないことを心配しなければならない
スティーヴン・ウェイド、山口真理 / AP 2020年3月17日
東京オリンピック開催まで4か月を切りましたが、予定通りに開催されない場合、日本の安倍首相はその影響を最も強く受ける人物になる可能性があります。
2013年にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたIOCの総会で東京での開催を強く求めて以来、安倍首相は東京オリンピックの成功に力を注いできました。
東京は「信頼できる開催地である」と自画自賛し、イスタンブールを抑えて開催地に選ばれました。
2016年のリオデジャネイロオリンピックの閉会式では、安倍首相は自ら任天堂のゲームキャラクター・スーパーマリオとして登場し、70,000人の観衆の前をパレードしました。
安倍首相は日本で最も長い任期を務めた首相として、そのキャリアを象徴するものとして東京オリンピックの成功を利用するつもりです。
しかし、日本のオリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会は、計画通り7月24日に開催する方向で準備を進めると強調していますが、しかし現在では開催が可能かどうかわかりません。

世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言した新型コロナウイルスの急速な感染拡大に直面し、第二次世界大戦中以外では初めてのオリンピックの中止または延期の可能性が現実味を帯びてきました。
そして新型コロナウイルは安倍首相にとってもうひとつの悪しき局面、日本経済の破壊をもたらしました。
東京(早稲田大学)の政治学者であるデイビッド・レーニー教授は、AP通信とのインタビューで、
「彼(安倍首相)は、オリンピック開催が1年遅れた場合、もはや首相の座にはいないということを心配しなければならない状況が確実になってきました。」
「安倍首相は日本を可能な限り最高の光で世界に紹介するというアイデアに、実に多くの投資をしてきました。安倍首相にとってそれをあきらめることは何としても避けたいでしょう。」
レーニー教授は安倍氏の首相在職が東京オリンピックの中止または延期を乗り切る可能性は低いと考えています。
安倍政権は繰り返し汚職スキャンダルの渦中に陥り、新型コロナウイルスの感染拡大問題に対し、その対応の遅さを非難されてきました。
しかし安倍首相の支持率は共同通信が3月中旬に発表した電話世論調査で約8ポイント上昇し、49.7%になりました。
しかし同じ調査で回答者の69.9%が、東京が「計画どおりにオリンピックを開催できるか?」との質問に「そうは思わない」と回答しました。
東京オリンピックを計画どおり開催できると考えているのは、回答者のほぼ4分の1にとどまっています。

「安倍首相は、新型コロナウイルスの流行が突然始まったように突然終わるという希望にしがみついている状態だと思われます。」
レーニー教授がこう語りました。
そうはならないという兆候がありますが、何十万人ものアスリートと観衆が一度に東京に集まることの安全性については別の懸念もあります。
「世界的なパンデミックのため誰も参加しないオリンピック期間中に、首相に就任したいと考える人間などいそうにありません。」
レーニー教授このようにつけ加えました。
IOCは今週、スイスのローザンヌにある本部のスタッフに対し、通知があるまで在宅ワークを行うよう求めました。
オリンピック博物館も閉鎖されました。
さらに、マドリードにあるオリンピック放送サービスのスタッフも、在宅ワークを行うよう求められています。
IOCは職員が新型コロナウイルスに感染したという報告は受けていないと述べています。
アイルランドのブックメーカー(公認の賭けの胴元をする法人)は、東京オリンピックが7月24日に開催されないことに対し、1-4のオッズを提示しています。
オリンピックの聖火がギリシャから宮城県の空軍基地に到着する20日金曜日には小規模なレセプションが計画されています。
聖火リレーは予定 通り3月26日に福島県で正式に開始される予定ですが、観衆の数については厳しい制限があります。
IOCのマーケティング・ディレクターであるマイケル・ペイン氏は、AP通信の取材に対し次のように語りました。
「IOCは20年間、大会の開催スケジュールについては繰り返し深刻な課題に直面してきました。」
「IOCはメディアや政治的圧力に関係なく、早まったことはしないという経験を積んできています。」

ペイン氏はオリンピックの開催はまだ4ヵ月先のことであり、今、決定しなければならない理由はないと述べました。
「現状は深刻ですが、今後状況が大きく変わってくる可能性があるため、最終決定は開催時期に非常に近いものになるでしょう。」
現在もIOCの顧問を務めるペイン氏がこう語りました。
IOC側は中止または延期の決定に対し大きな権限を持っています。
これは2013年にIOCが東京都と日本オリンピック委員会との間で交わした開催都市契約に明記されています。
現在危機的状況にあるのが何十億ドルという金額に上る放送契約とスポンサー契約です。
日本政府と東京オリンピック素式委員会はすでに126億ドル(1兆2,750億円)を費やしたと公式に発表していますが、会計監査院は実際の支出はその2倍の金額に達していると指摘しています。
IOCのメンバーで東京大会の検証チームを率いるジョン・コーツ氏は、オーストラリアの新聞取材に対し、1980年当時のモスクワ大会でのボイコットの方がもっと大きな懸念が生じていたと語りました。
「1980年当時、私たちが抱いていたほどの不確実性は無いということだけは確かです。」
2020年2月のAPとの独占インタビューで、IOCの副会長を務めたこともあるディック・パウンド氏は、オリンピック運営組織が5月末までには開催か否かの結論を公表しなければならないだろうと推測していました。
インタビューの中でパウンド氏は中止あるいは延期が最も現実的な選択肢であることを示唆しました。

IOCが放送事業者、スポンサー、スポーツ連盟、アスリート、および200に上る各国オリンピック委員会と金銭的合意に到達できるのであれば、延期が妥当な選択肢だとして提案している人もいます。
ほとんどのスポンサー企業はIOCと長期的な関係を持っており、大勢に従うというインセンティブを持っています。
無観客でオリンピックを開催することも検討されています。
「大会の延期はWHOなどの助言の下で、日本政府が観客とのホスティングのリスクが大きすぎるという結論に達した場合の唯一の選択肢です。」
有名なスポーツ・マーケティングの専門家パトリック・ナリー氏がAPの取材にこう答えました。
ナリー氏もペイン氏もIOCのスポンサーシップを推進する上で重要な役割を果たしてきた人物です。
無観客大会についてナリー氏は、そうなった場合にはオリンピックらしい『雰囲気』がなくなってしまうとして、その選択肢を否定しました。
無観客大会になってしまえば、地元の大会主催者の約10億ドル(11,000億円以上)のチケット販売収入がなくなってしまいます。
チケットの多くはすでにスポンサー企業に販売されており、これらの企業は顧客向けに非常に価値のある特典として利用する予定でした。
「無観客になってしまえば競技者にとっては虚しさばかりが募ることになりり、質の高いパフォーマンスなど期待できない状況に陥ってしまいます。」
ナリー氏はこう語り、次のように続けました。
「これは私の見解ですが、一般観客がいない大会など不可能であり非現実的な提案です。」
核廃棄物再処理工場周辺では、癌の発生率が著しく高くなったことが繰り返し明らかになっている
放射性核廃棄物とそれを生み出すすべてのものから、一定以上距離を置くことが重要

ティム・シャウエンベルク / ドイチェ・ヴェレ 2020年3月11日
▽ 核兵器を所有しないドイツも核廃棄物を投棄
IAEAによると、1967年、ドイツもポルトガル沖に480個のバレル(金属製の樽状容器)の海洋投棄を行いました。
これらのバレルの状態に関し2012年に環境保護団体から情報を公開するよう求められたドイツ政府は次のように回答しました。
「バレルは海底で放射性物資の恒久的な密閉を保証するように設計されていません。従って、少なくとも部分的には完全ではないと考えなければなりません。」
ドイツ政府もフランス政府も自国が投棄したバレルを回収したいとは考えていません。
グリーンピースの活動家であるヤニック・ルースレット氏でさえ、次のように語っています。
「錆びてしまったバレルを安全な状態で海底から引き上げる方法は存在しない。」
これはすなわち放射性核廃棄物が今後数十年間も海底を汚染し続ける可能性が高いということを意味します。

『核のない世界財団』(Nuclear Free Future Foundation)のホルスト・ハム氏にとって、その長期的な影響は明らかです。
放射性物質は「周囲の海洋動物に取り込まれ、最終的に漁網に巻き込まれ、私たちの食卓に戻ってくるのです。」
2012年に環境保護団体に回答を提示した際、ドイツ政府は汚染された魚による人間へのリスクを「無視できる」程度のものだと説明していました。
しかしルースレット氏は結果はそうはならないと見ています。
「海岸沿いのエリア全体が放射能で汚染されてしまっています。海の中だけでなく、沿岸の草の中、砂の中、いたるところで放射性物質が検出されています。」

フランスのラ・アギュ(オラノラ・アギュ再処理工場)で行われている再処理は、現在でも放射能汚染水を海に放出しています。
欧州議会が調査した結果、オラノラ・アギュ再処理工場がある地域では癌の発生率が上昇しています。
▽ 核廃棄物処分場
フランス北部の海岸線に沿った地域で放射線量が上昇しているという事実の背景にある主な理由は、水中の核廃棄物バレル(金属製の樽状容器)ではなく、ラノラ・アギュ再処理工場の存在です。
グリーンピースのルースレット氏は再処理工場が海岸に直接位置し、「放射性物質を含んだ水を毎年3,300万リットルずつ海に合法的に投棄しています。」と語っています。
ルースレット氏はこの事実はスキャンダラスなものだと考えています。
近年、ラ・アギュ地区では放射能レベルの増加を含め、様々な事件の舞台となっています。
核廃棄物バレル(金属製の樽状容器)の海洋投棄は、1993年に海洋汚染防止に関するロンドン条約によって禁止されました。
しかし放射能で汚染された液体を海に投棄することは、依然として国際的に認められているのです。
▽ 急上昇したがん発生率
欧州議会が調査を行い、その結果をまとめた統計によると、ラ・アギュ再処理工場周辺の地域では癌の発生率が著しく高くなったことが明らかにされています。
イングランド北部のセラフィールドにある核廃棄物処理工場の近くでも、がんの発生率が上昇しています。
2014年の調査では、長年にわたってセラフィールド工場から海に放出された放射性物質の総量は、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンした事故で放出された量に等しいとの結論が出ています。

報告書は、病気と原子力関連施設からの放射能放出との間に直接の因果関係があるという明確な証拠がなくても、健康への影響は「除外できない」としています。
「放射能の正確な影響を測定し、証明することは非常に困難です。影響があるということしかわかっていません。」
ルースレット氏はこう語り、今言えることは放射性核廃棄物とそれを生み出すすべてのものから一定以上距離を置くことが重要であるとつけ加えました。
▽ さらに多くの核廃棄物を海洋投棄する福島第一原発
福島第一原子力発電所の運営会社である東京電力は、計画どおり処理済みの放射能汚染水を海に放出される前にトリチウムを除く62種類の放射性物質すべてが安全なレベルまでろ過されると主張しています。
日本政府の諮問委員会も、処理済みの放射能汚染水を海洋投棄することは、汚染水を蒸発させるなどの他の選択肢よりも「安全」であると考えています。
トリチウムが人間にどれだけ有害かについては、未だに論争が続いています。
東京電力によると、汚染水タンク内のトリチウムの濃度は原子力発電所から排出される従来の冷却水よりもはるかに高い場合があります。

「地元の漁師と住民は汚染水の投棄を受け入れることはできません。」
中央水産研究所の森田貴海氏がプレスリリースでこう述べました。
漁獲物の汚染レベルは有害な限度を下回っていますが、福島県産の漁獲産品への需要は事故前の5分の1に減少しています。
処理済みの放射能汚染水を海に放出することは「水には希釈特性があるため、良い方法です。」
フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のザビーネ・シャルマッソン氏がこう語りました。
「安全面で実際の問題はないと考えますが、社会的な観点から見て難しいでしょう。適切な手段かもしれませんが、放射性物質を環境中に投棄することは決して簡単な問題ではありません。」
プレスリリースでグリーンピースはこう表明しました。
「海洋中または大気中に意図的に放射能汚染を加えることについては、どんな正当化もできない。」と述べた。
《完》
https://www.dw.com/en/fukushima-how-the-ocean-became-a-dumping-ground-for-radioactive-waste/a-52710277
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想像してみてください。
気の遠くなるような量の放射能汚染水の貯蔵タンクが立ち並ぶ近くを、開催できるかどうかわからない東京オリンピックの聖火が駆け抜けて行く様子を。
その映像を見せられて、世界中のいったいどれだけの人が『復興を世界にアピールしたい』という思いを受け止めてくれるのでしょうか?