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東京2020の延期・安倍首相の命運は尽きるのか?

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新型コロナウイルス危機は域内にとどまるような問題でもなく、1か月程度で片づく問題でもないということを世界は思い知らされた

感染拡大の先行き、日本は高齢化社会が最大の懸念

    

                    

ギャビン・ブレア / アルジャジーラ 2020年3月25日

                    

新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、東京での生活はおおむね通常どおりの商売で、店、レストラン、クラブは賑わってはいませんが営業は続けています。
2020年7月24日に始まるはずだった東京2020オリンピック・パラリンピックは、日本政府、大会組織委員会、開催都市東京のいずれも予定通りの開催に悲観的になっていましたが、結局1年先に延期されることになりました。

                    

3月24日火曜日の夜、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長、日本の安倍首相、東京2020組織委員会の森喜郎委員長、東京都の小池百合子知事の間で行われた電話会議に続き、東京2020オリンピック・パラリンピックの一年延期が決定しました。

                   

世界中のブックメーカー(賭けの胴元)は何週間にも渡り東京オリンピックが予定通りに行われないという方にオッズを提供していましたが、小池都知事は3月中旬の段階でも
延期や中止は「想定していない」と主張し続けていました。

                

新型コロナウイルスの世界的パンデミックが加速していることを受け23日月曜日には数カ国が2020年に大会が開催されても自国チームを派遣しないと決定、安倍首相も延期は選択肢の1つであると認め、日本政府の各大臣と大会組織委員会の委員も同様の姿勢をとり始めました。

              

                    

「この数週間で米国とヨーロッパではもはや事態をコントロールできなくなってしまい、新型コロナウイルスの危機は東アジア地区内にとどまるような問題でもなく、1か月で片付く問題でもないということを世界が思い知らされることになったのです。」
東京の国際基督教大学で政治学・国際関係を専攻するスティーブン・ナギ上級准教授はアルジャジーラの取材に対し、こう語りました。

                   

「大会を延期する必要があるという認識はあったのかもしれませんが、日本にとって最も重要な課題は中止ではなく延期に決まったということです。もし延期ではなく中止に決まっていたら、根本的に異なる政治問題になっていたでしょう。」
ナギ上級准教授がこう語りました。

                        

専門家によれば、大会の開催準備には巨額の出費を伴いましたが、日本が国際的に脚光を浴びる機会を作り出しました。

                   

「日本が中国とは異なる成功モデルを持っていることを示すことは非常に重要なことなのです。中国のような締めつけの厳しい社会主義国家ではなく、自由な民主主義国家である日本の成功が必要なのです。」
「中止されてしまえば、それらのカードはすべて失われてしまいます。」

                

日本は中国以外で複数の感染例が確認されている国であるにもかかわらず、現在までの所、感染爆発などの深刻な事態を招いていないことが、中止ではなく延期というIOCの判断に貢献した可能性があります。

                 

                     

日本での最初の感染例は1月中旬に確認され、月末まで17の感染例が確認されましたが、その後、感染拡大は他の国よりもはるかに遅く、死亡率は低いままです。

                 

3月24日の時点で、東京都内は162件の報告と3人の死亡しかありませんが、人口が4,000万人を超える首都圏全体では感染者は350人を下回り、死亡したのは9人です。
日本の全国平均の感染率は100万人に9人の割合です。
比較すると、ニューヨークでは20,000件以上の症例が確認されており、イタリア、スイス、ルクセンブルクではいずれも100万人あたり1,000件以上の感染率が確認されています。

                  

日本では新型コロナウイルスの検査そのものが充分実施されていないという懸念がありましたが、多数の死者を出す感染のクラスターは確認されていません。
ただし人口の28%が65歳以上という世界で最も高い日本の高齢化割合には懸念があります。

                  

東京での生活は店舗、レストラン、クラブは賑わってはいませんが営業はしており、おおむね通常どおりの日常生活が続いています。

                 

高級店舗が軒を連ねる銀座でマッサージ・サービスのドライバーとDJを兼業している務める片岡哲也氏は、顧客数はどちらも減少はしているものの激減してはいないと語りました。
「1918年のスペイン風邪(インフルエンザ)の大流行では、日本での死亡者数は少なかったが、それは日本人の食生活が原因だと考える人もいます。」
片岡氏がこう語りました。

                

写真 : 東京で東京2020オリンピックの開催に抗議する人々。

                  

▽ 低い感染率

                   

専門家は日本の感染率の低さに困惑しています。
多くの要因が影響していると考えられます。
握手をする習慣がなく、家族の間でさえ抱擁し合うことがなく、人間同士の物理的な接触が比較的少ない文化が、ウイルスの蔓延を防ぐのに役立ってきた可能性があります。

                 

しかしこれだけでは東京の満員電車に毎日乗り込んでいる通勤客の間で集団発生がなかったことの説明にはなりません。
一部の企業は早期に在宅勤務を導入し、3月2日からは学校も閉鎖されましたが、ラッシュアワーの間は相変わらず電車の車内は混雑しています。

                   

もう一つの理由は、日本人の衛生習慣をこまめに実行しようという良心的な態度にあるかもしれません。
日本では花粉症、風邪、インフルエンザから身を守るためにマスクを着用することは長い間一般的に行われてきました。

                   

また、2月に国内で新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以来、ほとんどの店舗、オフィス、公共施設には手指消毒剤が設置され、従業員のマスク着用が広く採用されています。

                   

                 

暫定的な数値ですが、人々が新型コロナウイルスの感染を防ぐためにさらに徹底した予防対策を行ったことは、感染爆発を防ぐと同時に今年の季節性インフルエンザの感染例を30~40%減少させたとみられています。

                 

2月下旬、ロンドンの市長当選を目指すショーン・ベイリー候補は、英国の首都が東京の代わりにオリンピックを開催することができると提案しました。
しかし、数週間の間に状況は劇的に変化してしました。
ヨーロッパでの高い感染率を考えると、東京2020オリンピックに参加するためにイギリスやその他のヨーロッパ各国、そして北アメリカからのアスリート、観客、関係者の流れこみは、今や日本にとって明確な健康リスクになりました。

                   

                  

オリンピックの開催は小池知事と安倍首相の政治的確執の中心的な部分になっているとナギー准教授が述べています。

               

小池氏の国政への政治的野心は、2017年の国政選挙で彼女が設立した新しい政党が悲惨な結果しか得られなかったことで挫折しました。
それ以降この野心的な女性政治家は日本の首都に自分の業績を刻み込むことに専念してきました。

                  

                       

一方、安倍首相は2019年11月、日本で最も長く首相の座にいた政治家になりました。
首相としての彼の任期は延期が決まったオリンピックが幕を降ろす直後の2021年9月に終わる予定です。

しかし……

                 

「安倍氏は首相という金メダルをこれからもずっと自分の胸にぶら下げ続けていたいと熱望しているはずです。」
ナギー准教授はこう語っています。

                     

https://www.aljazeera.com/news/2020/03/tokyo-2020-postponed-japan-abe-bows-pressure-virus-200324121029308.html

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新型コロナウイルス危機、日本の報道が言わないことを以下に列挙してみます。

              

東京2020オリンピックの延期によって、私たち日本国民は一体どれだけの追加負担を強いられることになるのか?

                  

新型コロナウイルス危機の経済対策のため、途方もない金額の緊急予算編成をしなければならなくなった日本、その財源はどうするのか?

                 

安倍政権がアメリカに約束したイージスアショアやF-35ステルス戦闘機100以上の購入などの巨額の兵器購入をキャンセルし、国民の生活救済に回すべきではないか?

                    

新型コロナウイルス危機の襲来直前の消費税を引き上げた安倍政権、結果的とはいえ政権の失政ではないのか?

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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