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10年後の今も続く、原子炉3号機爆発の真実の隠蔽

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所要時間 約 17分

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新たに公開された映像が明らかにしている福島第一原発メルトダウンの正体
10年を経ても尚、多くのことが未解明・解決方法も具体化できないまま

福島第一原発の事故に関する公正で公平な調査検証はまだ実現していない

                  

                      

フェアウィンズ 2021年2月17日

                      

福島第一原子力発電所の事故発生から10年の節目を迎えます。
この機会に世界中の環境団体、フェアウィンズをはじめとする非営利団体、技術関係団体、原子力発電を支持する団体、そして日本テレビなどのメディアが新しい情報を公開することになります。
これらの情報中には、本当に新しく、最近になって明らかにされたものが含まれています。
他のメディア・イベントでは福島第一原発で起きた巨大規模のメルトダウンが日本の人々にとって、そして世界全体にとってどんな意味を持つことになったのかが議論されます。

                     

しかし中には原子力発電に潜む危険性を認めようとはせず、原子力発電に前向きなスピンをかけることによって新しい原子力発電所を設置することにより利益を得ようとする、単なる企業宣伝あるいはエージェントによるプロモーションです。

                 

例を挙げると何が何でも原子力発電を推進しようとしている人間たちは、原子力発電所はトイザらスで働くよりも労働者にとって安全な環境を提供できる、そして原子炉はメルトダウンなどしないし、まして爆発などするはずがないと主張し続けています。
福島第一原発の事故は彼らが間違っていることを証明したはずですが、それでも彼らは同じ主張を繰り返しています!

                   

                    

福島第一原発1号機、2号機、3号機がメルトダウンしていく中、日本テレビ・ネットワークのキー局である日本テレビは撮影クルーを派遣し、メルトダウンする様子の監視を続け、一部始終を記録しました。
世界ではまだ誰も原子炉炉心が溶け落ちる様子を捕らえたことはありませんが、日本テレビはメルトダウンによって引き起こされた2度の爆発をフィルムに記録しました。

                    

公開されたばかりの日本テレビの福島第一1号機と3号機の爆発の瞬間を捉えた新しいデジタルフィルムをご覧ください。
(動画はフェアウィンズのオリジナルサイトでご覧ください。
https://www.fairewinds.org/demystify/japans-fukushima-meltdowns-10-years-later-new-video-shows-much-still-unknown?ss_source=sscampaigns&ss_campaign_id=602da17ca9775141c7a6129a&ss_email_id=602da5e6679bf7012bf908d8&ss_campaign_name=NEW+VIDEO%3A+Japan%E2%80%99s+Fukushima+Meltdowns+10+Years+Later&ss_campaign_sent_date=2021-02-17T23%3A25%3A38Z )

                    

フェアウィンズは、2011年にオリジナルの爆発時の速報映像を作成し、2021年にこの重要なリマスター版を完成させるに至った日本テレビが行った素晴らしい作業に賛辞を贈ります。

                   

                    

日本テレビが新しく公開したデジタル映像は、歴史的および技術的に重要です。
しかしながら新しい爆発の映像に続いて収録されたインタビューにおいて、福島第一原子力発電所の6基すべての原子炉を所有する東京電力が、明白に技術的に誤っている3つの見解を示していることを見逃してはなりません。

                  

第一点はこれらの爆発の原因に関する東京電力の技術的解釈についてであり、フェアウィンズはそのことにずっと重大な懸念を抱いてきました。

                  

第二は、東京電力が新たに原子炉格納容器の上部に極めて高い放射能が確認されたことについて、その原因が超音速衝撃波であるとしている点です。

                  

第三は東京電力は、原子炉3号機で最初の爆発の3秒後に2度目の爆発が発生した可能性があることについて言及していません。

                    

爆発の原因を構成するメカニズムを理解することは、福島で何が起こったのか、そしてこうした危険が世界中の原子力発電にとって何を意味するのかを理解するために重要なことです。

                     

原子炉の爆発には2種類あります。

                  

一つはデフラグレーション(爆燃)衝撃波、これは福島第一原発1号機と米国ペンシルベニア州ミドルタウンのスリーマイル島原発で発生しました。
かなりの破壊力を持ちますが、爆燃衝撃波は亜音速(音速の時速約760マイル未満)で伝わります。

                   

                    

もう一つの爆発はデトネーション(超音速衝撃波爆発)と呼ばれます。
音速を超えるスピードで衝撃が伝わるため、はるかに大きな破壊力を持っています。                                  

                       

2011年、英国のジェフ・サットン氏の協力を得て、フェアウィンズは福島第一原子力発電所1号機の爆発がデフラグレーションであったのに対し、3号機の爆発がより破壊力の大きなデトネーションであったことを明らかにしました。

                  

では福島第一原発での爆発がデフラグレーションであったかデトネーションであったかは重要なことなのでしょうか?

                  

きわめて重要です!

                   

大気中に存在する水素ガスは爆発してもデトネーションを発生させることはできません。
3号機の爆発によってデトネーション(爆発あるいは爆轟)衝撃波が発生したというフェアウィンズの2011年の調査結果は、世界中の原子力事故の科学的および原子力工学的分析に関する見解を変えるはずのものでした。

                    

世界のどこにであっても既存の原子炉の放射能放出封じ込めシステムは、デトネーション(爆発あるいは爆轟)衝撃波に耐えることはできないのです!
そのデトネーション衝撃波が2011年福島第一原発3号機で発生したという事実を、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンとジェフ・サットンが確認したにも関わらず、原子力産業界はずっと無視し続けてきました。

                    

                      

原子力産業界と各国の規制当局は、デトネーションが原子力発電所で発生するとは考えていないのです。
原子炉密閉システム(密閉容器)がデトネーションによって破壊される可能性を認めてしまったら、原子力産業界は現在の原子力発電所が構造的欠陥を抱えたままであることを認めざるをえなくなります。

                         

デトネーション(超音速衝撃波爆発)が発生すれば、既存の原子炉密閉システム(密閉容器)は機能しなくなるのです。

                   

福島第一原発では原子炉3号機のフェイルセーフ(事故が起きても確実に安全を確保する)設計の封じ込めシステムが機能しなくなり、大量の放射能が周辺地域はもちろん、世界を覆う大気中に放出されました。

                   

こうした人の手による巨大規模の悲劇は、原子力発電が存在する限り、世界中のどこかの原子炉で再現されることになります。
よく考えてみてください。
フェアウィンズが語ってきたことは、世界のどこにあろうと、デトネーション(超音速衝撃波爆発)に耐えられる原子炉は存在しないのです。
2011年に福島第一原発原子炉3号機で実際に発生したその事実について、世界中のテレビとインターネットで公開された映像に証拠が残っています。

                    

                     

日本テレビが公開した動画で伝えられている東京電力の分析に対しフェアウィンズが抱いている2番目の懸念事項は、原子炉格納容器の上部で最近確認された致死量の放射線量とデトネーションとの関連性についてです。

                    

2021年になって東京電力が初めてその存在が確認されたと主張している原子炉格納容器の上部の高放射線量について、10年前の2011年の福島第一原発の3機の原子炉のメルトダウンの直後、フェアウィンズはその同じ場所から高温の高放射性ガスが放出された事実を特定していました。

                  

格納容器は爆発が起きる前にすでに一部が破壊されており、爆発後さらに放射能を漏出し続けました。
さらに、損傷した密閉システムから重大なレベルの汚染物質が漏れ続けていることに驚いた原子力技術者や科学者は一人もいません。
密閉が破られたために、このように放射線が漏れだしたのです!

                      

しかしデトネーションが襲う以前にすでに原子炉格納容器の密閉性は失われていたため、デトネーションが高濃度の汚染の原因であることを特定する証拠はありません。

              

最後に日本テレビのリマスター・ビデオは、フェアウィンズの3番目の懸念が現実のものであることを明快に示しています。

                

デトネーションの突然の閃光とそれに続き黒煙が上空に吹き上がっていく様子に目が釘づけになります。

               

                     

さあ、もう一度よくご覧ください。
最初の垂直爆風の約3秒後、白い雲が突然北方向に地を這うようにして水平に移動していきます。

                       

アーニー・ガンダーセンが福島県で放射性物質のサンプルを収集しているときに出会った地域ボランティアの市民科学者のひとりは、複数の爆発音を聞いたと証言しました。
彼らはそれが火の中で燃えている竹がはぜるような音だったと語っています。

                        

この新しいビデオは、爆発が少なくとも2度あったことを示しています。
1度目は垂直方向、2度目は水平方向です。

                       

より多くのデータが利用可能になれば、フェアウィンズ・エデュケーションは爆発のメカニズムをより詳細にご説明できるようになりますが、現時点では、福島3号機の爆発の全体像は原子力発電の熱狂的支持者が無視したいと考える類のものだと言うことができます。

                          

                 

彼らは、なお一層危険で放射線量が非常に高い原子炉の建設と運用を続け、人類が自らの歴史に学ぶことをしないよう望んでいます。

                     

日本テレビのアナウンサーはビデオ全体を通し、東京電力と日本の規制当局を「当局」「当局者」と敬意を表して呼んでいます。
この種の公共の場での宣伝は、東京電力、日本政府とその規制当局、および国際原子力機関(IAEA)が日本のメディアを自分たちに都合良く利用できている状況が生み出したものです。
2011年当時も、そして2021年になった今なお本当に必要とされているのは、独立した専門家です。

                   

独立した専門家とは、東京電力と無関係であり、政府当局から束縛されず、原子力産業にとりこまれてはいない人々のことです。

                    

繰り返しになりますが、フェアウィンズが求めているのは独立した立場の専門家が集まって結成された組織による調査であり、これから取り組まなければならない福島の汚染の解消のために問題の規模と程度を率直に評価できる人々です。

                     

2013年、フェアウィンズに加え16人の国際的な専門家が、このような独立したパネルを設立するよう求める手紙を国連(UN)に共同で提出したことをご存知ですか?
残念ながら国連は、このような真摯な要請や勧告を受けたことを認めるだけの分別は持ち合わせていませんでした。

                        

                

東京電力、日本政府、そして国際的な原子力産業界がおこなっている謀略は世界規模の人権問題、そして環境破壊の問題に他なりません!

                     

福島第一原子力発電所事故発生から10年が経過しましたが、幸いなことに日本の市民は未だに独立した立場の人々による公平な調査を待ち望んでいます。
日本においては、事実を隠蔽し嘘の上に嘘を重ねようとしている政府当局や電力会社などより、一般の人々の方が正しい見方をしているのです。

               

https://www.fairewinds.org/demystify/japans-fukushima-meltdowns-10-years-later-new-video-shows-much-still-unknown?ss_source=sscampaigns&ss_campaign_id=602da17ca9775141c7a6129a&ss_email_id=602da5e6679bf7012bf908d8&ss_campaign_name=NEW+VIDEO%3A+Japan%E2%80%99s+Fukushima+Meltdowns+10+Years+Later&ss_campaign_sent_date=2021-02-17T23%3A25%3A38Z

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2011年3月11日午後2時46分の揺れが襲ったあの長い長い2分間のことは忘れようとしても忘れられるものではありません。

それから10年、東日本大震災で大切な家族を失った方々の喪失感は未だに癒えていない、地元の新聞が1面で伝えていました。

                    

そして福島第一原子力発電所事故。

この二つは21世紀日本の、いや世界の価値観を変えてしまうほど衝撃的な出来事でした。

なのに今の日本の政権や政権与党の対応はどうでしょうか?

まるで『無かったこと』のようです。

これは政府与党の問題ではなく、私たち日本人の良心の問題であるはずです。

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