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東京オリンピック延期の費用負担をめぐる日本政府とIOCの対立

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所要時間 約 9分

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東京2020延期によりさらに巨額 - 最大6,500億円の損失が生じる可能性 - 安倍首相にとって触れてほしくない問題
新型コロナのパンデミックにより、少なくとも15か月はオリンピック開催は無理 - 複数の科学者や研究者

                   

                

スティーヴン・ウェイド / AP通信 2020年4月21日

                  

1年間の延期が決まった東京オリンピックの想定外の追加の費用負担をめぐり、主催者とIOCとの間で争いが起きていることが表面化しました。

                  

東京オリンピック大会組織委員会のスポークスマン・高谷正哲(たかやまさのり)氏は同委員会がスイスに拠点を置く国際オリンピック委員会に対し、そのウェブサイトから安倍晋三首相が日本が延期費用のほとんどを負担することに同意したと言うコメントを削除するよう要請したと語りました。

                    

日本国内の報道によると、新型コロナウイルスのパンデミックによって延期が決まったことにより必要になる追加費用は、20億ドル(約2,150億円)から60億ドル(約6,460億円)に上ると見積もられています。
東京オリンピック大会組織委員会・I0Cともに公式の見積もり金額を公表してはいませんが、東京の武藤敏郎CEOは延期費用を「莫大」な金額と表現しています。

                      

「首相の名前をこのような形で引用することは適切ではありません。」
高谷氏は90分の電話会議の中でこう述べました。

                   

                    

日本の記者からの質問のほとんどすべてがIOCの声明の内容と日本が追加負担しなければならない費用に集中していました。

               

IOCのウェブサイトの『2020年東京オリンピックに関するよくある質問』というタイトルのページには、日本が「2020年東京大会に関しすでに合意済みの条件の下で」安倍首相は日本側が「費用を引き続き負担し、IOC側もその一部を負担する責任を担う」との見解が示されています。
日本政府の抗議を受け、IOCは安倍首相の名前と日本政府の費用負担の義務に言及している部分を削除しました。
編集後、次のように変更されました。
「東京大会の成功に向け、日本政府は開催国としての責任を果たす準備ができていると繰り返し表明しています。」

                 

トーマス・バッハIOC会長は12日日曜日、ドイツの新聞ディーヴェルト(Die Welt)のインタビューの中で、安倍首相の名前を出さずほぼ同内容の話をしていました。
バッハ会長は2013年に採れ交わされた合意に基づき、日本は「延期に伴い発生する費用を引き続き負担する」見込みだと語っていました。

                  

安倍首相のスポークスマン、菅官房長官もIOCの見解に異議を唱え、21日に次のように語りました。
「延期によって発生する追加費用に関し、そのような合意をした事実はない。」

             

               

このような対立があるにもかかわらず、具体的に誰が負担するかという点についてはあまり議論されていません。

                 

日本側に関して言えば、新型コロナウイルスの感染拡大によって経済が混乱低迷しているこの状況下、延期によりさらに巨額の損失が生じる可能性があるというのは安倍首相にとって触れてほしくない問題です。

                   

日本はオリンピックを組織するためにすでに1兆3,500億円を支出したと公式に報告していますが、昨年12月に実施された会計監査院の報告書は実際に支出されたのがその2倍であると指摘しました。
スポンサー契約や寄付によって賄われている大会組織委員会予算の6,000億円を除き、残りすべては日本の納税者が支払ったお金です。

                 

東京都が開催権利を獲得した2013年に署名締結された開催都市契約の条件の下では、東京都、日本オリンピック大会組織委員会、並びに関連する日本の団体には、東京2020大会の費用のほとんどを支払う義務があります。

                 

契約条項の第68項には次のように記載されています。
「この契約においては別段の定めがない限り、契約に基づき開催都市、開催国のオリンピック委員会は発生するすべての費用について支払い義務を負う。」

             

                

東京大会の準備状況を監督する立場のオーストラリア出身のIOCメンバーのジョン・コーツ氏は先週の東京の主催者側との電話会議で、延期によりIOCには「数億ドル」の費用負担が発生すると語っていました。
バッハ会長もドイツの新聞に取材で、同様の発言をしていました。
その内訳は困窮している国際競技連盟や各国のオリンピック委員会への資金提供ですが、日本側には提されません。

                  

コーツ氏が東京大会の開催を支援するための提案の1つは、プログラムから余分な飾りを取り除くことでした。

                     

大会組織委員会の文書にはIOCがすでに東京オリンピックの開催に約13億ドル(約1,400億円)をつぎ込んだことが記されています。
その財源となったのはリオデジャネイロ・オリンピック開催から4年間のオリンピック・サイクルにおける、57億ドル(約6,100億円)の収入です。

                   

5兆ドル(約540兆円)のGDPを誇る日本にもっと多くの財源があることは明白です。

                 

2020年4月24日の東京新国立競技場前。

                 

複数の科学者や研究者が新型コロナウイルスのパンデミックによって少なくとも15か月間はオリンピック開催は無理だという懸念を表明しているにもにもかかわらず、東京大会組織委員会の高谷氏は2021年7月23日に延期開催するという以外の計画Bは存在しないと繰り返しました。

                 

「私たちは憶測についてコメントしているのではありません。」
高谷氏はこう語りました。
「新しい日付はすでに設定されています。東京2020大会組織委員会とすべての関係者は現在、この新しい開催日の実現に専念しています。」

              

https://apnews.com/f78ab7caa98d0d7b4ec49a839524fc19

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安倍政権はすでに2兆7,000億円の国費を東京2020オリンピックのためにつぎ込んだそうですが、これを新型コロナウイルス危機の『救済金』10万円で割ると一体何人分でしょうか?

27,000,000人分です。2千7百万人です。

追加資金についても3,000億円なんて簡単に言ってますが、新型コロナウイルス危機で生活が困窮している世帯にとりあえず1年間の生活費として300万円ずつ支給すれば、100,000世帯を救済することができます。

ぜひそうしていただきたい。

オリンピック中止を直ちに決定していただきたい!

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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