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新型コロナウイルス・パンデミック / いじめとヘイトの集団発生

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罹患患者やその家族、医療従事者に対する差別や攻撃・日本の新型コロナウイルスの感染拡大
無智と偏見と悪意に満ちた攻撃のターゲットは、命を危険にさらしながら患者の治療に当たる医療従事者
全国で無分別な無差別ヘイト行動が多発している日本

                      

写真 : 2020年4月15日、門野有紗さんのYouTubeアカウントから作成された画像
姫路市内にある病院でスマートフォンビデオに話しかける門野有紗さん。角野さんが新型コロナウイルス検査で陽性で4月初旬に入院するとすぐに、彼女の友人は根拠のない噂が広まっていることを彼女に知らせました。

                     

山口真理 / AP通信 2020年5月10日

                     

日本の新型コロナウイルスの感染拡大は、感染症の蔓延だけでなく、罹患患者やその家族、医療従事者に対する差別や攻撃につながっています。

                 

こうした行為を行わないよう意識を高めるための政府のキャンペーンは、少なくとも医療従事者にとっては多少は救いになっているように見えます。
しかし、嫌がらせや排斥など心ない行為に対処する効果は限定的で、国民がウイルス検査や受診を思いとどまる原因になっており、結局は感染拡大との戦いを妨害する結果にもつながっています。。

                    

門野有紗さんが陽性反応を示し、4月初旬に入院したとき、彼女は食品業界で働く20代の女性だということしか公表されていないはずでした。
しかしすぐに、友人から角野さんに関する根拠のないうわさが広まっていることを知らされました。
門野さんが手伝いをしている家族経営のバーは新型コロナウイルスの温床になっているという内容でした。
拡大が始まった初期に感染した人気の野球選手と食事をしたという話が語られていましたが、門野さんは会ったこともありませんでした。
門野さんが病院からこっそりと抜け出し、ウイルスを拡散させているという事実無根の中傷すらありました。

                 

                        

「まるで犯罪者扱いでした。」
門野さんは姫路市の自宅で、3週間の入院を終えた後のインタビューでこう語りました。
門野さんは初日の発熱し臭いの感覚が消失したことを除けば、新型コロナウイルスCOVID-19のウイルス検査で繰り返し陽性の反応が出ましたが、重症化はしませんでした。
この時門野さんの母親は肺炎を発症し、一時的に別の病院で集中治療を受けていました。
「他にも差別と偏見に直面している人がたくさんいます。」
彼女自身と他の新型コロナウイルスから回復した人々とその家族のために声を上げることを決心した門野さんがこう語りました。
「私は感染した人を攻撃するこうした風潮を改めたいと心から願っています。」

                    

感染に対する恐怖感情とは別に、日本人が病気に間接的に関係している人々に対して抱く偏見は、専門家によれば異質、不潔、厄介だとされるものを拒否し、純粋さと清潔さを重んじる日本人独特の文化に根ざしています。

                

                   

こうした無智と偏見に満ちた攻撃のターゲットになっているのは、命を危険にさらしながら患者の治療に当たっている医療従事者ですが、食料品店の従業員、宅配業者など他の重要な仕事を担う人々も嫌がらせに直面しています。
こうした人々の家族ですら同様の目にあわされています。

                

「人々はウイルスを恐れているのでしょうが、私たち医療従事者は最前線で大きなプレッシャーを受けながら懸命に働いているのです。」
30代の看護師が、個人名を特定されれば標的にされかねないことを恐れ、匿名を条件にこう語りました。
「私たちにも大切な家族がいます。医療従事者であるという理由だけで差別されたのでは、失望しますし本当に意気消沈してしまいます。」

                   

別の看護師は子供達を公園で遊ばせていた際、近づいてきた数人の母親から公園を出て行くよう促されました。
いつも食事をしているレストランで露骨にいやがられた看護師達もいました。
タクシー運転手に乗車拒否された看護師もいました。
医師や看護師の子供たちの受け入れを拒否した保育園に対し、厚生労働省が指導を行ったこともありました。

                      

                 

北海道で働いているベテランの看護師は、同僚の母親が仕事先から出勤停止を命じられたと語りました。
別の看護師の夫は就職の面接で、妻の仕事を理由に雇用できないと申し渡されました。

                   

新型コロナウイルス患者の治療を担当していたこの2人の看護師は、本来与えられるべき防護服もウィルス検査も行われないまま厳しい条件の下で働いていまししたが、その間、家族を守るためにホテル住まいをしていました。
「新型コロナウイルスに対する恐怖感は理解できますが、医療従事者は病院内での感染を防ぐために全力を尽くしているのです。私たちには皆さんに支えられてつらい仕事を続けているのです。」
日本看護協会会長の福井敏子氏がこう語りました。
「私たちは何か特別なことを要求しているわけではありません。ひとこと感謝の言葉をいただくことがば、私たちのモチベーションを高める大きな力になるのです。」

                   

諏訪赤十字病院の臨床心理学者である森光レオ氏はNHKのテレビ番組で、新型コロナウイルス患者への差別的行動により、病気になった患者が診断や治療を求めなくなり、そのことで感染拡大のリスクが高まる可能性があると語りました。
報道によると日本の警察は先月、約十数人が孤独死したか路上で息を引き取り、死後ウイルス検査で陽性と診断された。
「新型コロナウイルスは私たちの体を蝕むだけでなく、私たちの心や行動にも感染し、災厄をもたらし、私たちの社会を分断してしまっています。」
森光氏がこう語りました。

                

本流あるいは「純粋な」日本人と見なされていない人々に対する偏見は、革なめしや肉屋などの職業に従事する一部の人々が、『不潔である』と見なされた封建時代の遺産です。
こうした人々の子孫は現在もなお差別に直面しています。
ハンセン病などの病気に苦しんでいた人々は、治療法が発見されてから数十年後が過ぎた後も孤立して生活することを余儀なくされていました。

                 

                   

1945年にアメリカが日本に対して行った原子爆弾攻撃の犠牲者である「被爆者」、そして水銀中毒などの労働災害で発病した他の人々も同様の扱いを受けていました。
最近では2011年に福島で発生した原子力発電所のメルトダウン事故により避難生活を余儀なくされた人々が、いじめや嫌がらせを受けました。

                    

九州工業大学の犯罪学と日本文化の専門家である佐藤直樹教授は、現代ビジネス・オンラインマガジンに掲載された最近の記事の中でこう述べています。
「(コロナウイルス)差別の根底にあるのは、患者が汚染されているという感覚です。」
「増大する不安と感染への恐怖が感染者に対する差別感情を大きくしています。」

                   

全国から無差別ヘイト行動が多発していることが報告されています。

  • 学生数名の感染が明らかにされた後、京都産業大学に対し放火の脅迫が行われました。-
  • 大阪市議会議員が若い患者を高齢者の「殺人者」と表現しました。
  • 三重県では新型コロナウイルス患者の家に石が投げつけられ、器物の破壊行為が行われました。
  • 岩手県では老人ホームへの入所を隣人に阻止された可能性がある男性が自己隔離の最中に死亡、自治体は男性を新型コロナウイルスによる死亡認定を拒否しました。

                   

                  

安倍晋三首相と政権の当局者はこうした行動を非難しました。
「恥ずべきことです。」
安倍首相は最近行われた国会議事堂での会見でこう語りました。
「感染する可能性は誰にでもあります。」

                  

日本の一部の場所では、ヨーロッパやその他の国々で行なわれている医療従事者やその他の重要な仕事に従事する人々を称賛し、感謝のメッセージを送信するパフォーマンスを行っています。
一部の企業は、寄付を始めとする医療機関を支援する取り組みを始めています。

静岡県で医療従事者に拍手を贈る人々

                   

遅ればせながら始まった新型コロナ差別と闘うためのキャンペーンはやっと歩み始めたばかりですが確かに始まっています、北海道の看護師がこう語りました。
「人々が私たち医療従事者を応援し始めました。」
彼女がこう語りました。
「近所のお店がお菓子やパンケーキ、焼きそば、牛乳などを時々差し入れしてくれるようになりました。」

                  

https://apnews.com/b666b40a92f26c352093494e47eeda6c

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本当に腹が立しい話です。
差別というのは、最も愚かな人間がやるのですが、時には本人たちが『正義感』すら感じているという点、厄介です。

新型コロナウイルスという恐怖を持って当然という相手と毎日戦ってくれている医療従事者は、尊敬されてしかるべきと考える方の方が多いと思います。
それを攻撃する・差別するという感覚こそ非難されるべきでしょう。
その感覚は太平洋戦争中、些細な落ち度のあった他人を『非国民』と罵ったあの感覚と全く同類です。
虫唾が走ります。

「日本人は相手が自分より弱いということを確認してから差別したり、人格攻撃をしたりする。それって、人間としてどうなの?って思っています。」
在日年数の長いアメリカ人の友人が語っていた言葉です

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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