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ユニクロ、戦時中の従軍慰安婦の犠牲者女性を揶揄したと非難され韓国のテレビCMを中止

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所要時間 約 7分

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何気ない広告表現も政治問題化してしまう現在の日韓関係

隣国との感情的緊張関係により、経済・外交の好機を失い続ける日韓両国

                  

ソウルのユニクロの店舗前での抗議

                 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年10月21日

                 

ユニクロは戦時中の従軍慰安婦の犠牲者である女性たちを揶揄したとして非難を受けた後、問題になった韓国内の広告のテレビ放映を中止しました。

            

第二次世界大戦の戦前戦中、アジア各地の日本軍の管轄下の施設で行った売春行為は強制されたものだという元従軍慰安婦の証言に対し、ユニクロが放映したコマーシャルビデオの韓国語の字幕は証言内容に疑問を呈しているようにとれるという指摘を受け、同社は15秒のCMの放映を停止したと発表しました。

              

今回のユニクロの決定は、戦前戦中の冷気指摘事実をめぐっての日本政府と韓国政府と確執が外交論争に発展して何ヶ月も続いた後に行われました。
両国の争いは昨年、韓国の最高裁判所が朝鮮半島が日本の植民地であった当時、日本国内の鉱山や工場での強制労働を課された韓国人に対し賠償をするよう日本企業に命じたことがきっかけで激化しました。
日本側は、すべての賠償請求は戦後締結された日韓平和条約によって既に解決済みであると主張しています。

              

日韓の争いは貿易問題に波及した後、観光部門にも拡大し、さらには来年開催予定の夏の東京オリンピックの準備などを巡っても問題が起きています。

              

               

問題になったユニクロの広告では、97歳のモデルのアイリス・アプフェルが13歳のデザイナーケリス・ロジャースに、自身の13歳当時どんな服装をしていたか尋ねられます。
アプフェルは「昔の事は思い出せない。」
と答えます。
しかし、韓国語の字幕付きバージョンでは、「なんとまあ、80年以上前に起きたことなんてもう思い出せないわ。」
という字幕が表示されます。

               

韓国の元従軍慰安婦や強制労働に従事させられた徴用工などの虐待されたとする証言に対し、日本の右翼の政治家や学識関係者などが疑問を呈していることを受け、韓国内の一部の視聴者がユニクロの広告の過去に言及する発言について、韓国内の視聴者の一部が元従軍慰安婦や元徴用工を揶揄しようとするものだと解釈したと、韓国の英字紙コリアヘラルドが伝えました。

                   

こうした指摘に対し、ユニクロは数日で韓国内でのCMのテレビ放映とYouTubeでの動画配信を中止し、同社は元従軍慰安婦や元徴用工に対して一切害意を持っていないと釈明しました。

                 

「問題の広告はフリースの25周年を記念して各国で放映されている広告シリーズの一つであり、政治的または宗教的な課題や、組織的信念などとは無関係ですが、多くの方々が不快に感じたことを重く受け止め、広告の放送中止を決定しました。」
その上で同社は韓国語の字幕の表現について、単にアプフェルとロジャースの年齢の差を強調することを意図したつもりだったと表明しました。

                        

                  

歴史研究者の一部は、大日本帝国の陸軍が最前線に設置した売春宿に、約20万人に上る女性と少女(そのほとんどが韓国出身)を強制的にあるいは騙して送り込んだと考えています。

                 

韓国に186店舗を展開するユニクロは、韓国の日本製品ボイコットのターゲットの中でも、格好の標的の1つにされています。

                

https://www.theguardian.com/world/2019/oct/21/uniqlo-accused-mocking-wartime-sexual-slavery-victims-south-korea
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私はこの記事に取り上げられたCMを実際に見ていないので、「抗議を受けなければならないほど」の、あるいは「抗議しなければならないほどの」問題だったのかどうかわかりませんが、「問題」はこうした抽象的な個人の述懐のような表現まで『攻撃性がある』と思われるほど日韓関係が悪化してしまっていることの方だと思います。
『嫌韓』ということについて、隣国との関係でこれほど馬鹿げた態度はないと私自身は思います。

               

日韓について直接考えると解りにくいので、フランスとドイツに置き換えて考えてみましょう。
ごくごく大雑把な捉え方ですが、ヨーロッパ最大の工業国ドイツと農業国フランスが協力すれば比類ないパワーを発揮しますが、長大な国境線を持つ両国が一度争えば第一次・第二次世界大戦のような地獄が出現します。
第一次・第二次世界大戦は前線にいた兵士だけにとどまらず、ユダヤ人をはじめ様々な場所の様々な立場の人々が地獄を体験させられました。
しかし第二次世界大戦後にドイツが自国の歴史に対する真摯な検証と謝罪を重ねたおかげで、今やフランス・ドイツが中核を形成するユーロ圏という強大な経済圏を形成し、それぞれか孤立していた時よりもその国際的立場は強力なものになりました。

                     

所詮資源のない島国である日本が『世界第3位の経済大国』でいられるのも、様々な分野のネットワークを世界に張り巡らせているからです。
そのネットワークの肝心の足元を『嫌韓』だの『差別』だの、最も愚劣な動機で破壊する意味がわかりません。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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