ホーム » エッセイ » [ まいごの子ねこが5年 – 1,200キロの旅をして飼い主のもとへ ]
むかし、ポール・ギャリコというアメリカの作家の『ジェニィ』という猫たちが主人公の物語を読んで、感動した事がありました。
猫にされた少年がすてきなメス猫・ジェニィと冒険に出かけるものがたりでしたが、このABCの原稿を読んで、空白の5年間ウィローはどんな冒険をしていたのだろう、と思わず想像をめぐらせました。
そんな空想のきっかけを与えてくれたこのこの原稿、なかなかにステキです。
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【 迷子の子ねこ、 1,200キロの大陸横断 】
コロラド州からニューヨークへ5年の旅、成長して飼い主のもとへ
アメリカABCニュース マギー・パトリック
2011年9月15日
猫のウィローは本当に長い旅をしてきました。
三毛猫の子ねこがコロラド州ボールダーの自宅から姿を消したのはもう5年も前の事です。
永遠にいなくなったものと思っていましたが、彼女の家族はウィローがマンハッタンの路上を歩いていた事に驚かされる事になります。
彼女がちょうど子猫の頃、肩甲骨の間に埋め込まれたマイクロチップのおかげで、いまや6歳になったウィローは、とっくにあきらめていた彼女の飼い主と再会する事になりました。
「正直言うと、この辺りにはたくさんのコヨーテやフクロウがいるのよ。」
ボルダーのジェイミー・スクワイアーは語ります。
「彼女はほんとに小さな子猫だったの、体重は5ポンド半。私たちは『迷い猫』のポスターをあちこち貼ってまわったり、『クレイグリスト(アメリカのオンライン・コミュニティー)』に依頼を出したりしたわ。でも最後にはコヨーテの餌食になったものとあきらめたの。」
ウィローは、東第二十番街で発見され、すぐにニューヨーク市の動物避難所に連れて来られました。
スクワイアー夫妻はニューヨークの動物の救助や避難所のシステムを実行するアニマルケア&コントロールから水曜日に電話があった時、ほんとうにび
っくりしました。
「夫が私にこう言ったの、『それがウィローだって確認できるまでは、子ども達には絶対言っちゃだめだよ。』」
「手も写真を見てそれがウィローだってすぐにわかったわ、ずいぶん長い時間が経っていたけど。」
ウィローが行方不明になったのは2006年年末か2007年初頭の事、住宅改修を行っていた業者がドアを明けっ放しにしている間にいなくなったのです。
それから一家はコロラド州ブルームフィールドから10マイル(約16キロ)の同州ボールダーに引っ越しましたが、ウィローのマイクロチップを管理する会社と連絡をとり続けました。
スクワイアー夫妻にACC事務局のジュリー・バンクが、スキャナがウィローのマイクロチップを発見したと連絡してきました。
ウィローは現在体重は7ポンド、行儀の良い、健康的であり、ニューヨーク市の路上生活でダメージを受けている様子は無い、ということでした。
しかし、ウィローがどうやったニューヨークまでやってきたのかは謎のままです。ウィローがいなくなっていた5年間についての足取り、またはどこで生活していたかの手がかりはありません。
「ウィローがこの5年間、どんな生活をしていたのかはわからないわ。」とジェイミーは語ります。
「ウィローがいなくなったとき、彼女は本当に頭のいい猫だったし、本当にかわいい猫だったの。」
ウィローは、すぐにボールダーに戻り、なつかしい - そして新しい - 彼女の家族に会いました。
スクワイアー家には新しい赤ちゃんが生まれ、ウィローの旅立ちの後数年して、別のもう一匹のわんちゃんが家族の仲間入りをしていたのです。