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福島第一原発3号機、核燃料の取り出し

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所要時間 約 7分

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原子炉3号機建屋内の作業の様子を確認するモニター

原子炉3号機・核燃料プールからの燃料方の取り出しを開始・しかしさらに重要・危険な溶解した核燃料取り出しには難問が山積している

損傷を受けていない核燃料棒の取出し作業開始ですら4年も遅れた・そして作業は2年を要する

           

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2019年4月15日

            

8年前にメルトダウンした福島第一原子力発電所の3基の原子炉のうち、3号機の核燃料冷却プールから燃料棒を取り除く作業が開始されました。
福島第一原発を管理運営する東電は4月8日月曜日、3号機核燃料プールから使用済みおよび未使用の566本の各燃料アセンブリの取り出し作業を開始し、まず最初の1本を取り出したと発表しました。

               

この作業は福島第一原発の事故収束・廃炉作業の中で一つの段階を画することになります。
しかし一方でメルトダウンした3基の原子炉の中から溶け落ちた核燃料の取り出しが極めて困難な作業であることも改めて認識させることになりました。

                

巨大地震と津波が発電所内のバックアップ電源を破壊し、その25年前に発生したチェルノブイリ原発事故以降世界最悪の原子力事故を引き起こした2011年の福島第一原子力発電所の事故では、原子炉3号機の核燃料冷却プール内に保管されていた核燃料棒は損傷を受けませんでした。

                

東京電力はフタをされていないプールの中にある燃料棒の取り出し作業が完了するまでは2年かかるだろうと予測しています。
目的については核燃料棒を地面に移せば、再び強力な地震が発生した場合により安全を確保しやすくするためだと語っています。

                

作業員はクレーンを遠隔操作しながらプール内の貯蔵ラックから燃料を一本ずつ取り出し、保護キャスクに収納します。
その際、放射線漏れを防ぐためすべての工程は水中で行われています。

               

これらの作業は安倍首相が5年ぶりに福島第一原発へ2度目の訪問を行い、メルトダウン事故以降指定避難区域となっている周辺地区の再生を公約した翌日に開始されました。

               

福島を含めた東被災地の復興を担当していた復桜田義隆興担当大臣が、被災地を再建するよりも地元の政治家のキャリアが大切であると発言したため辞任に追い込まれたその翌日、安倍首相は
「すべての大臣が復興大臣を兼務しているというのが安倍内閣の基本方針だ。」
と語り、次のように語りました。
「福島と東北地方の復興のために力を注ぐという我々の基本姿勢を再確認した。」
少なくとも40年はかかると見られている服の事故収束・廃炉作業についても
「最前線に立って取り組む。」
と述べています。

                

安倍首相は福島第一原発の立地自治体の一つである大熊町の避難命令が部分的に解除された数日後、朝早く大熊町を訪問しました。
しかしかつて10,341人いた大熊町の住民のうち避難命令解除後に住民登録をしたのはその3.5%、367人にとどまっていると共同通信が伝えています。

            

巨大津波が襲ってきた際、福島第一原発では3基の原子炉が稼働していませんでしたが、そのうち原子炉4号機建屋から2014年、核燃料プールに貯蔵されていた核燃料数百本が取り出され、より安全な場所への移動が行われました。

              

4月15日月曜日に開始された作業の準備は、メルトダウンした原子炉内から溶け落ちた核燃料を取り出す方法を考え出さなければならない東京電力の課題が、いかに困難なものであるかを改めて強調することになりました。

            

装置の故障、原子炉建屋内の高い放射線レベル、3基の原子炉のメルトダウン直後に発生した水素爆発による放射性物質に汚染されたがれきの散乱のため、今回の燃料棒の取り出し作業は4年以上遅れました。

            

今回の作業は原子炉建屋内の放射線レベルが高過ぎるため、約500 m離れた制御室からの遠隔操作によって進められています。

           

ロボット探査によりメルトダウンした3基すべての原子炉で溶融した核燃料の残骸を探し出し撮影に成功しましたが、専門家は極めて危険なほど高い放射線レベルにさらされながら各燃料の位置を特定し、それを取り出すことができるロボットを開発できずにいます。

             

原子炉3号機の溶解した核燃料

今年2月の段階で行われた探査により、原子炉の底に固着している溶解した核燃料と福島第一原発事故以降初めて物理的に接触しました。

           

https://www.theguardian.com/world/2019/apr/15/fukushima-removal-of-nuclear-fuel-rods-from-damaged-reactor-begins

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日本は安倍政権になって以来、政治や政策は科学的根拠や統計上の根拠が希薄でもまるで『言ったが勝ち』の状態です。

状況がほとんどつかめていない上に必要な技術も開発されていないのに、『メルトダウンした核燃料の取出しを2021年に開始する』などということがあり得るはずもなく、現在の日本の政治はその見識を徹底的に疑われるべきです。

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