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福島第一原子炉3号機、事故収束作業は本当に進んでいるか

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所要時間 約 6分

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福島第一原発周辺で暮らしていた子供達の病気と放射線被曝との関連性は?

技術的な問題に加え極めて高い放射線量のため5年遅れで作業を開始

核燃料プールからの燃料取り出し作業が開始された原子炉3号機

            

2011年の巨大地震と巨大津波がきっかけとなって発生した巨大事故により廃墟と化した福島第一原発を管理運営する東京電力は4月8日月曜日、メルトダウンした3基の原子炉のうちの一つ、3号機核燃料プールから使用済みおよび未使用の566本の各燃料アセンブリの取り出し作業を開始しました。

             

チェルノブイリの事故以降最悪となった原子力災害の後、作業員を大量動員して放射性廃棄物の大規模な除染が行われましたが、数万に上る元住民たちは福島第一原発周辺の地域に戻ることができずにいます。

                 

今回の核燃料取り出し作業は2014年に開始されるはずのものでしたが、技術的な問題を解決できなかったことに加え極めて高い放射線量のために遅れ続けていました。

              

原子炉2号機核燃料デブリ

福島第一原発を管理運営する東京電力は4月8日月曜日、3号機核燃料プールから使用済みおよび未使用の566本の各燃料アセンブリの取り出し作業を開始したと発表しました。
原子炉3号機の高い放射線量はメルトダウンした核燃料の所在と状態を確認する際にも大きな障害となり、2017年になってやっとその画像撮影に成功しました。

                   

「十分な訓練を行ってきたおかげで、取り出し作業は順調に開始されました。」
NHKの取材にこう答えた磯貝所長は次のように付け加えました。
「作業開始が遅れてしまった点については、発電所の全職員が大変申し訳ないと感じています。」

               

共同通信によれば2011年時点でには3基の原子炉の冷却用貯蔵プール内には1,573本の燃料棒が保管されていました。
東京電力は3号機の3号機核燃料プールからの核燃料アセンブリの取り出しは2年以内に完了させる予定であり、最終的に3基すべての原子炉からウランを取り除くことになると語りました。

              

原子炉3号機で核燃料の取り出しを行っている作業員は遠隔操作のクレーンを使っていますが、放射性物質の放出を防ぐため作業はすべて水中で行われています。
取り出し作業を行う理由について東京電力は3号機核燃料プールには覆いがなく、別の大きな地震などが発生した際には危機的状況を作り出しかねないためだとしています。

              

東京電力の今回の発表は、日本政府当局が廃墟と化した福島第一原発が立地する大熊町の放射能レベルが人間が生活しても安全なレベルまで下がったと発表し、元住民が帰還を開始した数日後に行われました。

              

昨年、日本では福島第一原発の事故収束・廃炉作業の現場で作業員一人が放射線被曝が原因で死亡したことが初めて確認されました。
その前には、28年以上にわたって福島第一原発で働いていた男性が肺がんで死亡したことが発表されていました。

               

関係当局はそれ以前、別の3人の作業員が福島第一原発で事故収束・廃炉作業を行った後、白血病と甲状腺癌を発症したことをすでに認めています。
しかし福島第一原発周辺で暮らしていた子供達の病気の原因が放射線被曝と関連しているかどうかについては、専門家たちの意見は分かれています。

               

https://www.nytimes.com/2019/04/15/world/asia/fukushima-japan-fuel-rods

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この記事を訳し終えた4月25日朝のニュースで、原子力規制員会が期限内にテロ対策の工事設備を終えていない原発に対し、停止を命じる可能性が高いとの見解を表明したことが伝えられました。

日本の原子力規制員会に一定の『見識』を感じたのは初めてです。

しかし現在の日本の政治のあり方を見る限り、原則論に基づく見識がどこまで維持されるか、危惧しないわけにはいきません。

              

さらに今回の報道ですべての原発がこのテロ対策の設備を行う期限を『延長してもらっている』ことも知りました。

原発が事故を起こせばどれ程の被害が発生するか身をもって体験させられた私たちとすれば、またも電力各社が安全をないがしろにして自分たちの利害を優先していたことを看過するわけにはいきません。

             

原子力産業の体質は福島第一原発事故を経ても尚、変わることはなかった。

福島第一原発事故を忘れてはならない、そのことの重要性を再認識させられました。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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