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沖縄全域にとどろき渡った『米軍基地建設反対!』の声

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在日アメリカ軍に関する負担を不当なまでに過重に背負わされている小さな島沖縄

国家安全保障のための負担は国民全体が平等に負うべきであることを理解・議論すべき

           

アキコ・カシワギ、サイモン・デンヤー / ワシントンポスト 2019年 2月25日

     

沖縄県の有権者は2月24日日曜日に実施された県民投票で、自分たちの島にアメリカの新しい軍事基地が建設されることを圧倒的大差で拒否し、日本政府と在日アメリカ軍に改めて頭痛の種をもたらしました。
沖縄には在日アメリカ軍54,000人の約半数が駐留しており、アジア太平洋地域で最大の米国空軍基地があります。
アメリカ軍は、沖縄における米軍の存在は日本の防衛だけでなく、東アジア全域の平和を維持するためにも必要不可欠であるとしています。

             

しかし県民は沖縄のような小さな島が日本に駐留するアメリカ軍に関する負担を不当なまでに過重に背負わされていると感じており、日曜日の投票結果はその憤りを明らかにするものでもありました。
開票の結果、投票した人の72.2パーセントが沖縄本島北部にある辺野古に米国の基地を建設することに断固として反対していることを明らかにしました。
投票率は52%を超えました。

        

辺野古基地建設計画はもともと沖縄の世論を沈静化させるための方法として考え出されたはずのものです。
辺野古に比べ、はるかに人口が密集した地域にある米海兵隊航空基地を移転させることを意図していたからです。
しかし反対派はただ単に普天間市にある飛行場を辺野古に移転させるだけでは不十分だと主張しています。

          

環境保護活動に携わる人々は、辺野古の基地建設のために近隣の海を埋め立てることにより、貴重なサンゴ礁とジュゴンの生息地が破壊されてしまうと抗議の声をあげています。

           

行政に対する拘束力を持たない県民投票ですが、昨年9月に選出され、辺野古基地の建設への反対運動を続けてきた沖縄県知事の玉城デニー氏によって提案されたものです。
しかしこれまでの玉城知事の新基地建設の中止を求める訴えは、安倍首相とその政権によって聞き捨てにされてきました。
安倍政権は普天間基地を閉鎖し、代わりに辺野古に新しい基地を建設するという以外の選択肢は無いという態度を明確にしています。

          

玉城知事は県民投票の結果を「極めて重要だ」と述べ、日本政府に対してその立場を見直し、普天間基地の廃止をめぐり沖縄の人々と対話を行うよう強く促しました。
「普天間飛行場の移転については、日本国民全員が一人ひとり自分自身の問題として話し合いに加わり、国家安全保障のための負担は国民全体が平等に負うべきであることを理解し、そして議論することを願っています。」
NHKによると玉城知事はこう語りました。

            

沖縄の人たちは、米軍基地を離発着する低空飛行の航空機の騒音や事故の危険性、そして米軍の基地関係者による犯罪が長年にわたり続いていることについて不満を訴えています。
これに対し米軍は基地関係者の犯罪率は沖縄の一般人の犯罪率を下回っていると主張しています。

        

今回の県民投票では、「普天間航空基地の代替として、日本政府が名護市辺野古で米軍基地を建設する計画に基づく埋め立て作業について」有権者に尋ね、答えを反対、賛成、どちらでもないの3つから選ぶ形で行われました。

           

県民投票の条例によると玉城知事は「結果を尊重し」、「賛成」または「反対」投票が沖縄の全登録有権者の4分の1、または290,000票を獲得した場合にはその結果について安倍首相と米国大統領に提示することになっています。
最終的に「反対」投票は434,273票を獲得し、昨年9月の沖縄県知事選挙の際に玉城知事が獲得した票数を上回りました。

           

沖縄国際大学の教授で基地問題に詳しい前泊博盛(まえどまり ひろもり)氏は、
「沖縄県民は新しい基地の建設に断固反対する意思を明確にしました。」
と語り、昨年9月の沖縄県知事選挙で玉城氏の勝利によって明らかになった県民の意志を無視する「安倍政権への批判票」となったと指摘しました。
前泊氏はさらに、通常政治に無関心だとされる若者の多くが基地建設反対を支持することになったとも語りました。

          

県民投票は当初、この計画を沖縄県議会に提出するため大学院を卒業したばかりの27歳の元山仁士郎氏によって提案されました。
元山氏は「辺野古」県民投票の会を設立し、署名活動等により条例制定を直接請求に必要な署名数の4倍近い93,000筆の署名を集めたことにより実現しました。
投票は日本国内はもちろん、著名なロックバンドであるクイーンのギタリストのブライアン・メイさんを含む世界中の著名人からの関心を集めることになりました。
アメリカ大統領府(ホワイトハウス)に対し、沖縄の人々の意志を尊重することを要求する請願には21万人以上の人々が署名しました。

           

25日日曜日に行われた県民投票は、沖縄のアメリカ軍基地に関する2度目の投票でした。
1996年には米国基地関係者3名が12歳の少女を強姦したことに対して全県的な怒りが巻き起こり、沖縄に駐留する米軍兵士の数を減らすよう求める決定的な投票が行われました。

           

普天間基地を閉鎖して辺野古に代替の新しい基地を建設するという計画はこの投票から生まれましたが、まもなく手続きの遅延、言い逃れや法的な法的な問題に悩まされることになりました。
埋め立て作業は2ヶ月前に少再開されたばかりですが、この時点で反対の議員たちにより地質的に脆弱な海底の状態により工事費用が膨大な金額に上り、工事事態にも遅れが生じることを指摘した論議の的になっていました。

           

菅官房長官は、23日金曜日に彼の定例記者会見で県民投票について尋ねられると不快な表情を隠そうとしませんでした。
「辺野古基地への基地移転の問題は、世界で最も危険な飛行場と言われている普天間基地の危険を取り除くための取り組みから始まったと我々は信じています。」
「玉城知事がどのようにして危険を除去し、普天間基地が現在の場所に固定化されるのを防ぐつもりなのか説明していないことは極めて残念です。」

           

※ サイモン・デンヤーはワシントンポストの東京支局長であり、日本と南北朝鮮を担当しています。
彼は以前、北京とニューデリーでポスト紙の支局長を務めていました。
ロイターの支局長としてワシントン、ニューデリー、イスラマバードに、特派員としてナイロビ、ニューヨーク、ロンドンで勤務した経験を持っています。

            

https://www.washingtonpost.com/In Japan’s Okinawa, voters deliver a resounding no to new U.S. military base

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