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感染拡大・経済危機の最中に無能をさらけ出す政権

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新型コロナウイルス感染拡大、経済の悪化により予断を許さなくなってきた日本のオリンピック・イヤー

日本に不足しているのは、難しい局面で決断を下す勇気がある人々

                 

写真 : 2020年2月21日、東京の首相官邸で記者団の質問に答える安倍首相

山口真理、エレイン・カーテンバッハ/ AP通信  2020年2月21日

                

安倍首相は、2020年の東京オリンピックに向けて今年脚光を浴びるはずでしたが、代わりに中国から日本へ、そして遠く離れた地域にまで広がったウイルスの大流行により、安倍首相と政権与党の自民党は防戦一方の状態です。

                 

安倍首相は「日本を再び偉大な国にする」ことを公約に2012年後半に首相に就任しましたが、政権周辺にはスキャンダルのいとまがありませんでした。

                

比較的堅調な経済と株価、政治的に強力なライバルの不在により、安倍氏は連立により議会の圧倒的多数を握る連立政権の首班として、日本で最も長く首相の座に座っています。

                 

しかし1964年以来初めての東京オリンピックの大規模な祝賀に向け準備を整える必要があるタイミングで、安倍首相と安倍政権は新型コロナウイルス感染拡大の対処方法に問題があったという国内外の批判に直面しています。

                  

特に日本政府のダイヤモンド・プリンセスの取り扱いに批判が集中しています。
豪華クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスには乗客と乗組員合わせて3,700人が乗り組んでいましたが、横浜港沖で全員を隔離している間に新型コロナウイルス感染者が増え続けました。

                

日本と韓国の経済的対立、そして中国と米国の貿易戦争によって輸出が不振に陥っていた日本経済は、10月1日の消費税増税により一般消費が落ち込み、2019年第4四半期にはGDPが6.3%下落しました。
2013年から2015年の第二次安倍政権の初期に指数が2倍以上になった日経225の株価ですが、その株価もこの2年間で一気に縮小しました。

                 

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本国内の観光事業は数万件のキャンセルで危機的状況に陥っています。

                

中でも来日観光客の主力は2019年に約1,000万人が日本を訪れた中国人観光客ですが、ウイルスがクルーズ船を介して東京に加え沖縄、和歌山、その他の比較的遠隔地にまで広がったため、現在は足が遠のいています。

                    

東京にあるテンプル大学のアジア研究所のマイケル・クセック準教授は、次のように表現しています。
「これはまさに負の連鎖です。」

                  

2月21日金曜日の時点で、日本国内ではクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスで感染した634人を含め、739人が新型コロナウイルスの感染が確認され、うち3人が死亡しました。
ウイルスの最新の検査結果が陰性であったクルーズ船の乗客は日本政府による隔離政策がただ長いだけで有効ではないという批判の高まりを受け、厳しい隔離環境と感染者と健常者を隔離することが技術的に難しいことを理由に下船することになりました。

                 

政府職員を含む6人の医療従事者がウイルスに感染したことから、安倍政権が行った感染予防対策の有効性について疑問が大きくなっています。
「基本的に、日本政府が行ったクルーズ船の隔離政策は19世紀の戦略でした。ただし、あの段階で何か決断することは難しかったのかもしれません。」
東北大学大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁教授がこう語りました。
「クルーズ船の問題は政治問題としてますます大きくなっています。」

                

コロナウイルスの感染拡大危機は、来年の延長任期終了後さらにもう一度3年間の総裁を務めることがてきるように、安倍首相の支持者が自民党の規則を変更しようと画策していたタイミングで発生しました。
ウイルスの感染者の数が増加と反比例するように、安倍首相への支持は低下しています。

                    

                     

共同通信社が行った最新の世論調査では、2月の安倍内閣に対する支持率が前月と比較して8.3ポイント低下しました。
回答者のうち安倍政権の大規模感染の抑制策に満足していると回答したのはわずか36%だけでした。

            

『永田町の混乱:安倍首相の超長期政権はようやく終わるのか?」ビジネス誌の『プレジデント』はこう見出しを掲げました。

                   

安倍政権と対立する人々はこう批判しています。
中国の習近平主席が4月に来日するのを控え、当時すでに地理的に中国の中心にある武漢発の新型コロナウイルスが全土に広がる勢いを示していたにもかかわらず、安倍政権は中国政府を刺激しないようにを怒らせることを避けるため旧正月の人々の移動制限を故意に遅らせたとして、対中国外交が軟弱に過ぎると批判しています。

               

野党国民民主党の渡辺周衆議院議員は、安倍政権率いる日本政府には危機感が無さすぎると非難しました。
北京の日本大使館のウェブサイトには「たくさんの中国人のお客さまを迎えることを楽しみにしています。」という歓迎のメッセージが掲げられていましたが、これを見た誰もが「日本は一体全体何をしているのだろうか?」と思うだろうと語りました。
後にこのメッセージは削除されました。

                   

               

国会で現在日本国内に滞在中の中国人の数について質問された加藤勝信厚生労働大臣は、「来日する中国人を100%シャットアウトすることは不可能」であると答弁しました。
彼は隔離政策の有効性をどう評価するかという質問には答えませんでした。

                   

日本の政治家や高級官僚は2011年の東日本大震災・福島第一原発事故の三重災害が発生した時より危機管理能力を改善したはずですが、迅速で果断な行動をとることへの抵抗は相変わらずだと、テンプル大学のクセック準教授が指摘しました。
「彼らには危機管理計画があります。危機管理訓練も行っていますが、危機が発生している際には賢明なリーダーシップも必要なのです。」
「日本に不足しているのは、難しい決断を下す勇気がある人々です。」

                  

先行きがまったく見通せない状況下で多くのイベントが中止または延期に追い込まれたことを受け、日本には今年7月に開催される予定の東京オリンピックを延期するか、あるいは会場を変更すべきだと主張しています。
3月に予定されていた自民党の党大会も今のところ延期が決定しています。

                  

準備のためのさまざまなイベントやその他のオリンピックとは無関係のイベントが次々中止が決まる中、これまでのところ安倍首相や他の政府関係者は11,000人の競技参加者とテレビやその他のスポンサーから数千億円の投資を受けているTOKYO2020は、予定通り7月開催に向け準備を進めると主張しています。

             

                 

安倍政権はオリンピックの開催地の変更あるいは延期について検討するのかどうかについて質問された菅義秀官房長官は、日本は国際オリンピック委員会からの「全面的な信頼」を得ていると回答しました。
「私たちは選手も観客も安全に参加できるオリンピックにするのを確実にするため、IOCおよび東京都と緊密に協力していきたいと考えています。」

https://apnews.com/be31b19813161df325aa57371a4dab5f
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