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安倍首相の政治生命を脅かす新型コロナウイルスCovid-19《後編》

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所要時間 約 8分

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延期によって生じる巨額の追加費用・誰がどうやって負担するのか?!

日本経済、現在は深刻な不況に陥るかどうかという瀬戸際にある

延期と新型コロナウイルスの感染拡大により、増えている『オリンピックはもうどうでもいい』と感じる人々

                 

モトコ・リッチ、ベン・ドゥーレイ / ニューヨークタイムズ  2020年3月25日

                   

安倍首相にとってのもう1つの課題は経済です。
日本経済の相対的な強さが安倍首相の政権寿命を延ばしてきましたが、現在は深刻な不況に陥るかどうかという瀬戸際にあります。

               

昨年の終わり頃から新型コロナウイルスの感染拡大とともに日本の観光産業の業況は悪化していきましたが、それ以前から中国への輸出の減少、日本の急速な高齢化、そして昨年10月に安倍首相が行った消費税の増税による消費者支出の減少により、日本経済は不況局面に入っていました。

                   

オリンピックは日本経済を復活させる起爆剤になるはずでした。
しかし今やその効果が期待できるまで1年待たなければならなくなりましたが、その間に世界経済の方が悲惨な不況に陥る可能性が高くなってきました。

                  

東京オリンピックの延期に伴う施設のリース期間延長や開催まで会場のメンテナンスを継続するための追加費用を、いったい誰が負担するかは明らかではありません。

                        

                    

東京2020オリンピックの延期は、
「経済危機の最中にオリンピックに向け日本政府が準備資金の追加支出を強いられることになるため、政治的に重荷になる可能性があります。」
法政大学の政治学者である山口二郎教授はこう述べています。
「オリンピックは安倍首相にとってもはや政治的なチャンスというより、重荷になっているでしょう。」

                 

世論調査の結果、今年大会を開催すべきではないと大多数が意思表示した日本国民にとって、延期は倦怠感につながる可能性があります。

               

都内の建物メンテナンス会社で働き、陸上の五種競技とサッカーの観戦チケットを購入した50歳の正木一郎さんは、来年そのチケットが使えるのかどうかわからないと語りました。
「正直なところ、最初にチケットを入手したときほど興奮しているわけではありません。」
正木さんはこう語りました。
「仕事のスケジュールが許せば試合を見に行くでしょうが、払い戻しを受ける方を選ぶかもしれません。」

                  

                

東京2020の聖火リレーは2011年に福島第一原子力発電所の事故があった福島で26日に開始されるはずでしたが、オリンピックの延期が発表されたのは大会組織委員会がリレーを中止できるギリギリのタイミングでした。

                

福島県は東京2020の一連の行事を、9年前に発生し県沿岸部を壊滅させた巨大地震、巨大津波、3基の原子炉のメルトダウン事故からの復興を世界に向け発信する機会としての恩恵を期待していました。
リレーの延期は、これらの希望をさらに1年延期することになりましたが、今迫りつつある脅威を回避するのに役立つ可能性があります。

                   

先週、いくつかの県でオリンピックの聖火が公開され、何千人もの観客が集まりました。
福島県での宣伝広報を担当するオリンピック組織委員会の鈴木淳氏は、26日2時間ほどの間福島の主要駅前に3,000人が集まり、聖火台の炎を見学したと語りました。

               

                   

しかし国の保険衛生当局はそのような群衆が感染拡大の原因となる可能性があることを警告しており、先月末以来、安倍首相は大規模なスポーツや文化イベントの延期または中止を要求していました。
観衆の中に聖火リレーの中止を聞いて初めは悔しがっていた若いランナーの1人が来ていました。

                  

「新型コロナウイルスが世界中に広まっているので、延期は仕方ないと思いました。」
こう語ったのは、祖父が1964年の東京オリンピックで聖火ランナーをつとめ、今回自分がランナーに選ばれた12歳の渡辺あつきさんです。
和歌山県岩出市に住むあつきさんは、ランニング用に新しい赤と白のスニーカーを購入し、感染防止のため学校が閉鎖されていた間自宅近くでリレーの練習に励んでいたと語りました。
少年は2021年にも聖火ランナーに選ばれることになったと聞いて安心したと語りました。
「来年こそはぜひ走りたいです。」

                      

https://www.nytimes.com/2020/03/25/world/asia/japan-olympics-delay
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世界第3位の経済規模を持つ日本の首相を務めるためには、冷徹な計算も必要です。目的はもちろん国民のためです。

ところが安倍首相がやっているのは、自分とソリ取り巻きのための欲得ずくの算段ばかりです。

                   

そして何より安倍首相には弱い立場の人々を思いやるという『心』がありません。

堯舜禹とは言いませんが、権力とはまるで無縁であるために不幸の谷間に落ちやすい人々を救う義務が権力者にはあるはずです。 

数々の言行録を見る限り安倍首相にはおそらくそんな感覚はない、私はそう考えています。

自分とは利害関係がない人間の窮状や死を、痛みとして感じることは無いのだろうと思っています。

                    

そうした安倍政治の深刻な欠陥が新型コロナウイルスの感染拡大という、明日は誰が犠牲者になるかわからないという状況の中で、はっきりと見えてきました。

                    

邪な動機を隠すためのカモフラージュとして口にするのはなく、心から、そして当たり前のこととして『国民ひとりひとりの安全』を願っている人物を首相に据えましょう。

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