ホーム » エッセイ » 原発マネー還流?! 福島第一原発事故の危機の最中に
高浜原発が立地する自治体の関係者、関西電力幹部20人に3億2,000万円を支払い
福島第一原発の事故被災者が塗炭の苦しみにあえぐ中、巨額の金品を受領し続けた関西電力幹部
山口まり / AP 2019年9月27日
日本の電力会社の社長を含む20人の幹部が、原子力発電所が立地する福井県の町の元助役から7年間で約3億2,000万円の現金と贈答品を受け取っていたことを認めました。
この事実は日本国内の行政関係者と原子力産業界との間の腐敗した関係が未だにつ付いていることを裏が゛機することになりました。
関西電力の岩根茂樹社長は2011年から2018年にかけて、高浜町の前助役から現金を含む贈答品を受け取ったことを認めました。
2011年から2016年に日本電気事業連合会の会長を務めた関西電機の八木誠元会長も同様に受け取っていました。
この事実は税務調査中に表面化したものです。
岩根社長は謝罪し、受け取った現金はほとんど返還されていると述べました。
岩根社長は2016年に関西電力の社長になった直後に初めてこの助役と面談し、社長就任祝いの贈り物を受け取ったと語りました。
岩根社長は受け取ることを断ろうとしたものの、地元で強い政治的影響力のある人の感情を傷つけてしまったら、以後の関西電力のビジネス展開に悪影響が出ると考え、受け取ったと語りました。
日本では2011年3月の福島第一原発事故が、原子力発電の安全性に対する国民の信頼を打ち砕いていました。
「贈答品を強いて返そうとすれば関西電力と地元とのの関係が損われ、この地域の原子力事業に悪影響を与える可能性があるために受け取った。」
岩根社長は贈答品の具体的な内容を明らかにすることを拒否しましたが、贈答品を安全に保管し後でそれを男性に返却するつもりだったと語りました。
菅原一秀経済産業相経済産業大臣は今回のスキャンダルについて「言語道断」と表現しました。
菅内閣官房長官は記者団の質問に次のように答えました。
「公益事業者を担う事業者は、地元や国民からの信頼が不可欠。不透明な形で金品を受領していたのはは深刻な問題である。」
現段階で刑事告発は行われていませんが、法の専門家は金銭の流れが計画的に行われた場合、金品を受け取った関西電気の幹部は贈収賄の罪に問われる可能性があると語っています。
日本国内の報道によれば、巨額の現金は高浜町の元助役が原子力発電建設を請け負った業者から「手数料」として受け取ったものです。
岩根氏は関西電力と高浜原発の建設請負業者との間の契約は適切なものであり、岩根氏と他の関西電力幹部は原発建設の見返りとして受け取ったものだとは認識していなかったと語りました。
しかしと元検事の高井康行弁護士はこのような支払いは違法であり、関西電力の幹部が資金がどこから出ていたか認識していれば背任の罪に問われる可能性があると語りました。
「犯罪性があるかないかに関わらず、日本のエネルギー産業の基盤となる電力会社の最高幹部としてやってはならない行為です。」
NHKのインタビューに高井弁護士はこう答えました。
地元自治体の職員は元助役が高浜町に2基の原子炉を持ち込んだ、強力な政治力を持つフィクサー(政治・行政や企業の営利活動における意思決定の際に、正規の手続きを経ずに決定に対して影響を与える手段・人脈を持つ人物:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%BC )だったと語りました。
「日本では伝統的に、原子力発電所と原発立地自治体が金銭によって密接な結びつきを持つ傾向があります。」
京都の龍谷大学で環境経済学を専攻し、原子力エネルギーの費用と金融の専門家である大島堅一教授がNHKの取材にこう語りました。
https://apnews.com/c6049cadc3dc483791df924109f2eaa8
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今回は【 シリーズ4:世界のメディアはどう伝えたか?!《ドイツ国際放送》福島第一原発事故・東京電力の役員に無罪判決/併載:原子力発電に将来はあるのか? 】を掲載する予定にしていたのですが、現に関する大きなスキャンダルがまた明らかになったので、そちらを先にご紹介することにしました。
関西電力の幹部が金品を受領していた期間にご注目ください。
2011年から2018年…
まさに福島第一原発の事故被災者が絶望の淵に追い込まれ、塗炭の苦しみにあえぎ続けていた期間(現在も多くの被災者の方が救われたとは言いがたい状況にありますが)とぴったり一致します。
これを良識に欠ける、あるいは良心に悖る(もとる)などというありきたりな言葉で表現してよいものでしょうか?
福島第一原発周辺の原発難民にされてしまった方々のあの時の絶望を、苦難を、悲劇を、今、一人でも多くの日本人が思いかえすべきではないでしょうか?!