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写真集 : 福島第一原発事故発生10年後の今

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所要時間 約 8分

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人間の想像を超えた破壊、予想もしなかった荒廃

物理的荒廃と人々の暮らしがそこで断ち切られてしまった痛みを伝える福島の廃墟

                 

                     

山口真里 / AP通信 2021年3月10日

                    

福島第一原子力発電所から約10 kmの場所にある富岡町の一部は、メルトダウンによって放射性物質による汚染が発生してから10年経った現在でも帰還困難区域となっています。

                   

立ち入りが禁止されている帰還困難区域は町の面積の約12%ですが、かつては富岡町の人口16,000人のうちの約3分の1にあたる人々が住んでいました。
2017年には原発周辺の他の市町村の居住禁止が解除されましたが、この場所はその後も閉鎖されたままです。

                  

町役場の正式な許可を得た人だけが日中、自宅を訪れるためにエリア内への立ち入りが許されます。
夜ノ森と呼ばれる富岡町の一部は、商店街、住宅街、セブン-イレブン、そして地域の人気スーパーマーケット・ヨークベニマルなどが点在する商業の中心地でした。

                   

桜並木に囲まれた夜ノ森公園では町民が花見の宴会に集まり、花の下でピクニックをしたり、桜の花のトンネルを散策したりしていました。
帰還困難区域の中でこの部分は特別復興場所に指定されており、当局は2023年の解除を目指しています。

                  

しかし残りの半分は放射性核廃棄物の処分場と化しています。
町中から集められた放射能に汚染された切り払われた木の枝、汚染土、瓦礫などが詰まった黒い大きな袋が積み上げられています。
これらの袋は最終的に、福島第一原発が立地する双葉町と大熊町にある放射性核廃棄物の中間貯蔵施設に送られることなっています。

                    

冒頭の写真
2021年2月27日(土)、福島県富岡町の帰宅困難区域に立つ、雑草に囲まれた廃墟となったレストラン。
富岡町の北東角にある帰宅困難区域は、2011年に大量の放射性降下物を噴出させた福島第一原発の約10 km圏内にあります。

                    

写真上 : 2021年2月27日(土)、福島県富岡町の帰宅困難区域にある廃墟となったレストランの内部。
2011年に破壊された福島第一原子力発電所から大量の放射性降下物が噴出し、周辺一帯に深刻な汚染を広げました。

               

写真上 : 2021年2月26日(金)、福島県富岡町の帰宅困難区域にある公園内で、雑草に囲まれた銅像。

                    

写真上 : 2021年2月26日(金)、バリケードで閉鎖されたままの福島県富岡町の帰宅困難区域。

                     

写真上 : 2021年2月27日(土)、福島県富岡町の帰宅困難区域にある廃墟となった事業所の内部。

                   

写真上 : 2021年2月26日(金)、福島県富岡町の帰宅困難区域にある放射性核廃棄物の一時保管場所。福島第一原発事故の影響を受けた地域から収集された放射能に汚染された土壌、切り払われた木の枝などの廃棄物が詰め込まれた黒いバッグが大量に積み上げられています。

                    

写真上 : 2021年2月26日(金)福島県富岡町の帰宅困難区域にある公園。富岡町職員が案内する見学ツアー中に訪れた場所の一つ。汚染物質を詰め込んだ大型の袋の一時保管場所として使われていました。町役場の正式な許可を得た人だけが日中に限ってこの地域に入ることができます。

                 

写真上 : 2021年2月28日(日)、福島県双葉町の消防署の内部。消防署はかつて帰宅困難区域に指定されていた地域にありますが、2020年3月の一部解除により立ち入りが許されることになりました。(AP Photo / Hiro Komae)

                      

写真上 : 2021年2月28日(日)、開いていた窓越しに撮影した福島県双葉町の民家の内部(AP Photo / Hiro Komae)

                  

写真上 : 2021年2月27日土曜日、福島県大熊町、破壊された福島第一原子力発電所、背面側から見た1号機の原子炉、および1号機2号機の原子炉で共有する排気筒。 安全上の懸念からこの排気筒は上部構造が切断されています。

                    

写真上 : 2011年4月8日福島県南相馬市小高地区。津波で破壊され廃墟と化した街並みを見つめる首輪をつけた犬。
福島第一原子力発電所から約10km圏内の一部地域は、福島第一原発の3機の原子炉のメルトダウンによって放出された放射性降下物が地域を深刻に汚染してから10年経った現在でも、立ち入りが禁止される帰宅困難区域のままになっています。

                     

https://apnews.com/article/world-news-japan-459df85eaf8df17ea68f7bf42693eab7

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ちょうど10年前、この【 星の金貨 】のブログを始めた理由は福島第一原子力発電所の事故の報道内容が国内メディアと海外メディアではあまりに違うことでした。

                    

福島では本当は何が起きているのか?!

                   

私はインターネットを通して世界各国の英字ニュースを読み進むうち、国内で報道されないことの多さに危機感を募らせ。一人でも多くの方に海外メディアが何をどう伝えているかを知っていただきたくて【 星の金貨 】を続けていました。

                    

始めて1年ほど経つと【 星の金貨 】の月間のアクセス数が400万を超え、一定の役割を果たせたのだと感じることができました。

                      

あれから、いったいどれだけの回数『廃墟』という言葉をタイピングしただろうと考えると暗然としてしまいます。

人の一生の一面はささやかな幸せを積み上げていくことだと考えていますが、10年間海外メディアの翻訳を続けてきて、戦争と原発事故はそれを根こそぎ奪うものだ、ということを思わざるをえません。

                     

このAPの写真集に綴られている廃墟は、物理的荒廃と同時に人々の暮らしがそこで断ち切られてしまった痛みを伝えるものだと思っています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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