ホーム » エッセイ » 【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《後篇》
どれ程効率的に電気を生み出そうと、原子力発電所は一夜にして人々の暮らしを破壊しつくした
原発建設の助成金、事故後の処理費用、いずれも納税者に負担の義務が回ってくる
政治がカネの力や原子力産業の政治力に大きく影響を受ける今、それを変えるのは私たち自身
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 3月12日
福島第一原発の事故において、私たちは何を学ばなければならないのでしょうか?
どれ程効率的に電気を生み出そうと、原子力発電は一夜にして人間世界を破壊し尽くす危険性を持っていることを私たちは経験しました。
フェアウィンズは福島第一原子力発電所の事故について、検証を繰り返してきました。
(以下の記事等をご参照ください)
【 40年続いた幻想を、粉々に打ち砕いたフクシマ 】
『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか
【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】
アメリカの除染の専門家が明らかにする、本当の汚染状況
【 人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機 】
アメリカの除染の専門家が明らかにする、本当の汚染状況【 人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機 】〈第1回〉[フェアウィンズ]
【 発生から2年、さらに明らかになる福島第一原発事故の真相 】
【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】
原子力発電は一般納税者が支払っている税金の中から多額の助成金を受け取ることが出来る、経営する側には莫大な利益をもたらす事業です。
一方、一般国民は原子力発電のために税金を徴収され、危険と隣り合わせの生活を強いられ、万が一原子力発電所で事故が起きれば、その事故処理のためさらに多額の税金を徴収されることになるのです。
しかし世界各国のエネルギー事情は絶望的なものではありません。
ドイツは2022年までに既存のすべての原子力発電所を停止させるという勇敢な決断を行い、今後一切の原子力発電所建設を行いません。
ドイツは優れたエンジニアリング技術と経済に対する先見性が国際社会において高く評価されています。
ドイツの国民と政治家は、福島第一原発のような原子力発電所による巨大災害を引き起こして、その高い文化と生活水準を破壊してしまう危険を冒すよりは、安全で安定した未来を守るために、多少効率が悪くとも再生可能エネルギーによる電力供給の途を選択したのだと考えられます。
ドイツは原子力発電を止めても、国家として問題なく機能できる、その実例を示すことになります。
そして尚原子力発電に頼ろうとしているアメリカ合衆国、フランス、日本、ロシアと中国に対し、後に続くべき指針を示すことになるでしょう。
環境保全、健全な経済、そして市民の生命と安全を守る、そのために社会を変えていくためには、私たち一人一人がそのための取り組みに参加する必要があります。
この世界の未来がどうなるかは、私たち自身にかかっているのです。
マギーと私、そしてフェアウィンズのチームは、これからも原子力発電とその危険性に関する正確な情報を適宜提供できるよう、努力してまいります。
その情報をあなたの家族や友人、できるだけ多くの人に伝えてください。
現在世界中の政府の方針が、カネの力、そして原子力産業の政治力に大きく影響を受けています。
この状況を変えるためには、あなたのような人が考え、行動することが必要なのです。
『私たちが登場を待ち望んでいた人間、それは私たち自身なのです』
〈 完 〉
http://fairewinds.org/nuclear-power-profits-risks/
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
折から安倍政権が「エネルギー基本計画」を閣議決定しました( http://mainichi.jp/select/news/20140411k0000e010226000c.html?inb=fa )。
フェアウィンズのこの議事を読んだ後にその事実を思い合せれば、次に私たちがしなければならないことは自ずと明らかでしょう。
誰も聞いていない感想を口にしても仕方がありません。
どうすれば現実が変わるのか、もちろん暴力や非合法の行為ではなく、自分を見つめなおし、現実の一歩を前に進めるための方策を考えていきましょう。