ホーム » エッセイ » 【 無尽蔵!日本の地下に眠る、巨大なエネルギーを取りだせ 】[ドイチェ・ベレ]
日本国内で本格化する再生可能エネルギー開発、地熱発電への企業投資
『火山列島』であるが故の巨大な可能性、高額な開発費用をどうするか
ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 2月7日
2011年3月に巨大地震と巨大津波が東日本に壊滅的被害を与えた東日本大震災が発生して3年が経とうとする日本では、国内の原子炉すべてが稼働を停止したままになっています。
日本政府やや多くの企業が輸入している石油・天然ガスなどの輸入代金の高騰に苦しむ中、エネルギー供給のため地熱発電を本格化する企業が現れています。
アナリストは日本が景気停滞から抜け出す際の最大のリスクになるのが、この化石燃料を輸入する必要性が生じていることだとしてきしています。
実際日本が2013年に記録的な貿易赤字を被ったという1月の発表は、日本政府や経済界をあわてさせることになりました。
産業界各家庭の需要が主要な部分を占める原油と液化天然ガスの輸入実績は、2013年は前年を65.3パーセント上回り、11兆4700億円という莫大な金額に膨れ上がりました。
安倍首相が率いる現在の日本政府は、こうした状況から2011年の東日本大震災発生以来、停止している原子炉を再稼働させる方針を打ち出しています。
しかし再稼働のためには地元の承認を必要としますが、原子力発電所が立地する各自治体の住民たちが福島第一原発の事故から受けた衝撃は未だに生々しい記憶として残っており、50基の停止中の原子炉を再稼働させるのは生易しいことではありません。
▽ 逆境をチャンスとして生かす
日本がこうした状況に直面していることを受け、逆境をビジネスチャンスとして生かそうとする企業が現れ始めました。
そして少なくとも今のところ、原子力発電所の再稼働を許す気がない一般市民に加え、いくつかの企業が文字通り自分たちの足元にある、実質的に無限でありながら未開発のままの、環境にやさしいエネルギー源の活用を視野に前進し始めました。
中央電力社は熊本県の新しい地熱発電所が4月に稼働を始めると発表しました。
この発電所は、15年ぶりの新しい地熱発電所です。
もう一つの事業はオリックスと東芝による合弁事業であり、2015年度前半の事業開始を予定しています。
日本の中部地方にある岐阜県での事業を予定していますが、さらに大規模な実験施設の建設を北海道、東日本大震災の被災地である東北地方、そして日本最南端の九州にも予定しています。
出光興産と国際石油開発帝石が率いる10社の企業グループは福島県の磐梯朝日国立公園で、日本最大の地熱発電所を開発する計画を発表しました。
270,000キロワットの発電能力を予定し、今後10年以内の操業開始を目指しています。
▽ 油田・ガス田開発企業の参画
「油田・ガス田開発のエキスパートである国際石油開発帝石は、掘削技術に関するノウハウと経験があり、こうした事業を率いるのに、まさにうってつけの企業だと言えるでしょう。」
東京に本社を置くMathyos Japanの設立者で、独立したエネルギー・コンサルタントのトム・オサリヴァン氏がドイツ国際放送の取材にこう答えました。
日本の地熱発電開発は、太陽光発電の分野よりはるかに遅れています。
「しかし日本は環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイヤ)の上に位置する国であり、可能性は巨大です。」
日本は地球のプレートがぶつかり合う地点に位置し、地震が多発することで世界的に知られており、火山活動が活発なことにより温泉資源も豊富です。
「日本全土は東京大学にある地震学の地図上で、真っ赤に塗られているのです。」
オサリヴァン氏がこう語りました。
「その分、地熱発電の可能性は注目に値します。」
70ギガワット相当の地熱エネルギーが日本の真下に眠っています
仮にそのエネルギーをすべて取り出すことに成功すれば、日本が現在必要としている総電力の3分の1以上を賄うことが出来ます。
しかし、開発を進めるには障害もあります。
今アメリカでシェールガス開発のために、地盤を次々と破壊していることが物議を醸しているように、地熱エネルギーを取り出すため、地中深くボーリングを行うことに抵抗する人々もいます。
有名な温泉地の旅館やホテルの経営者たちは、地熱発電により温泉資源が枯渇してしまう事を恐れています。
▽ 高額に昇る開発費用
開発費用も高額です。
20メガワット規模の地熱発電所を建設する場合、初期投資にまず7億円程度を必要とし、その後掘削事業を完遂するまで20億円から40億円の追加資金を必要とします。
そして地熱発電資源の発見から商業ベースでの事業開始まで、平均で7年程度の期間を要することも、この事業に投資しようとする者にとっては懸念材料です。
これに比べると太陽光発電は、最短で12カ月程度で採算ベースに乗せることが可能な点をオサリヴァン氏が指摘しました。
日本で最初の地熱発電所は1999年に八丈島で操業を開始しました。(冒頭の写真)
現在まで開発された地熱発電所は、地元の支持を確実なものにするため比較的小規模なものばかりが作られてきました。
しかし福島第一原子力発電所の事故以降、事情は一変しました。
日本政府は再生可能エネルギーによる電気について、実質的な補助金制度である固定価格買取制度をスタートさせ、地熱発電についても開発を促進させる方針を取っています。
日本国内では現在、新たに20か所の地熱発電所の設置申請が提出されています。
▽ライバルの発電資源の状況
しかし日本エネルギー経済研究所の、伊藤よう子上級研究員が、国内の関心は他の再生可能エネルギー資源にばかり集中していると語りました。
「政府は補助金制度の導入により地熱発電の開発が進むだろうと考えていました。しかし実用化された地熱発電量を見る限り、その結果は期待外れに終わっていると言わざるを得ません。」
現在運転中の17か所の地熱発電所は、控えめに見積もって520メガワットの電力を供給していますが、地熱発電協会によるとこの数値は世界で8番目の実績になります。
「これまでの日本のプロジェクトの多くは、ことごとく小規模なものばかりで、限られた地域に電力を供給するにとどまっており、営利事業と呼べる規模のものはありません。」
伊藤研究員がこう語りました。
地球の汚染を進める化石燃料に頼らず、原子力発電に代わる安全な発電手段への切り替えに取り組む人々は今、これまでの小規模始業とは異なる、地下に眠る巨大な可能性を最大限引き出すことのできる、大規模地熱発電に取り組む投資家が現れるのを心待ちにしています。
http://www.dw.de/japan-digs-deep-for-alternative-energy/a-17416124
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今日の朝刊にも、福島第一原子力発電所から『過去最高濃度の放射性物質を含む汚染水約100トンがせき外へ流出』という記事が出ていました。
( http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140221t63003.htm )
福島第一原発の状態を『とりあえず人類に対する直接の脅威が無い状態』にするまで、いったいいくらつぎ込むことになるのでしょうか?
日本政府は1兆円以内には収まらないことをやっと認めましたが、アーニー・ガンダーセン氏などは最終的に40兆円はかかると見ているようです。
原発の再稼働についても『防潮壁の改修に3,000億円』なとというニュースが当たり前のように流されています。
このように巨額の資金をあっという間に飲みこんでしまう原子力発電と比較した場合、地熱発電のコストはどう評価されるべきなのでしょうか?
こうした問題にも、私たち日本人は幅広い議論をしていくべきだと思います。
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【 国際報道写真コンテスト 】《第3回》
アメリカNBCニュース 2月14日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
ジブチの海岸に集まったアフリカ人の移民たちが、近隣のソマリアから発信される電波を受信しようとしています。
受信しようとしているのは、すでに海外に移住した親戚などからの情報です。(海外の親類との薄いつながり)から安価な信号をとる試みにおいて、彼らの電話を夜に上げます。
ジブチはソマリア、エチオピア、エリトリアなどの各国を出て、ヨーロッパや経済的に豊かな中東諸国移民しようとする人々の中継地点となっています。
アメリカのカメラマ、ジョン・スタンメイヤーによって撮られるこの写真は、2013年の国際報道写真コンテスト、総合部門のグランプリ作品に選ばれました。(写真上)
2013年9月21日、ケニア、ナイロビの高級ショッピング・モールで発砲事件が起きた際、身を隠す女性と子供たち。
ニューヨークタイムズ専属のアメリカ人カメラマン、タイラー・ヒックスのこの写真は緊急速報部門で第2位を獲得しました。(写真下・以下同じ)
2013年4月27日にオーストラリア水泳選手権で、同国のダニエル・アーナムナートが、男子100メートル背泳ぎ部門でスタートを切った瞬間。
オーストラリアのカメラマン・クイン・ルーニーによるこの写真は、スポーツ・アクション部門で第3位を獲得しました。
2013年12月1日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたポロ・オープンで落馬した選手アルゼンチンのカメラマン、エミリアーノ・ラサルビアによるこの写真は、スポーツ・アクション部門で第1位を獲得しました。
http://www.nbcnews.com/news/photo/world-press-photo-awards-n31021