ホーム » エッセイ » 【 日本、尖閣諸島の近隣に最新鋭のミサイル部隊の配備を計画 】《前篇》
最新鋭の地対空ミサイルと対艦ミサイルを装備、侵略に対する防衛戦闘を行う部隊を配置することを検討中
日本政府による国有化によって泥沼化してしまった尖閣問題
日本政府は東シナ海における小さな無人島・尖閣諸島について、南沙諸島同様の中国の好き勝手を許すつもりは無い
ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ(ドイツ国際放送) 12月1日
中国の軍事力増大による緊張が高まる中、日本は中国も釣魚諸島として領有権を主張している尖閣諸島の近くの島に500人の自衛隊の部隊を配置することを検討しています。
この配置は2019年に始まる中期防衛計画の中で完了し、緊急事態に対応することになっています。
日本は中国も領有権を主張している沖縄県の南西端にある無人の尖閣諸島から約170キロメートルの場所にある島に、最新鋭の地対空ミサイルと対艦ミサイルを装備する500人規模の自衛隊の地上部隊を配備する計画を持っていることが明らかになりました。
ジャパン・タイムズによると11月26日、若宮健嗣防衛副大臣は尖閣諸島に最も近い場所にある石垣島の市長を現地に訪問、会談を行いました。
匿名筋の情報として同紙は「日本政府が離島が侵略を受けた場合、最新鋭の地対空ミサイルと対艦ミサイルを装備し、いち早く防衛のための戦闘を行う部隊を配置することを検討している」と伝えました。
ジャパン・タイムズはこの配備計画が、2019会計年度から始まる次の中期防衛計画の中で実現される見込みであるとつけ加えています。
▽ 中国の『侵犯』
この報告は、領土紛争の焦点となっている東シナ海の尖閣諸島周辺の海域での中国海軍の艦艇が急増している中でもたらされました。
11月30日中国沿岸警備隊の3隻の艦艇が尖閣諸島周辺の日本の領海を侵犯しました。
2012年に日本政府が尖閣諸島を民間の所有者から買い上げ国有化すると、中国政府は一気に態度を硬化させ、領有権を強く主張する態度をとるようになりました。
今年に入ってから尖閣諸島周辺での中国艦船による日本の領海侵犯は、これまで32回起きています。
自衛隊の部隊は日中両国が領有権を主張している尖閣諸島から最も近い場所にある島に配備されることになっています。
11月末にも爆撃機を含む中国の軍用機による大規模な演習が沖縄の近くで実施され、日本政府はF-15ジェット戦闘機を緊急発進させるなどして対応しました。
10月に日本政府は、4月以降の半年間に中国軍機の領空接近に対し、自衛隊のジェット戦闘機が合計231回の緊急発進を行っていることを明らかにしました。
今回明らかになった石垣島に地上部隊を配備する計画は、こうした一連の状況を受けて日本政府が『中国の軍事的台頭』に対応するため採られた措置です。
この地域における日本の防衛能力を強化するための重要な政策の一環として、さらに多くの部隊が宮古島や奄美諸島にも配備される予定です。
尖閣諸島そのものに自衛隊の部隊を配置することは中国政府を一層刺激し、現在以上の緊張状態に発展することは明らかであり、日本政府はその対応はとるつもりはありません。
▽ 重大な懸念
中国は現在南シナ海において環礁などを干拓するやり方で人工島を建設中ですが、主として軍用目的の施設を建設中であるとの観測が専らであり、この点を考えると日本が中国の海洋進出に極めて神経質になるのも致し方が無い部分があります。
南シナ海では早くから重要な資源が豊富に埋蔵されている可能性が取りざたされ、ベトナム、フィリピン、そして台湾などが周辺の海域やいくつもの小さな島々や岩礁などに関する領有権を主張してきました。
しかし中国政府は南シナ海における人工島建設に対する各国政府の抗議を一切無視しています。
そして日本政府は東シナ海における小さな無人島、尖閣諸島について中国の好きにさせるつもりはないという決意を増々強めているように見受けられます。
〈 後篇に続く 〉
http://www.dw.com/en/japan-may-deploy-troops-missiles-near-disputed-islands/a-18886571