ホーム » エッセイ » 【 支持率急落の安倍政権、またも『目先だけ変える戦術』で逃げるつもりの安倍首相 】
安倍政権支持率 - 朝日新聞33% 読売新聞36% 日本テレビ32% NHK35%
教育機関の開設のため政治的影響力を不当に利用したとされる、安倍首相とその周囲とっては2度目のスキャンダル
山口まり / AP 2017年7月10日
2017年7月10日、フィンランドの首都ヘルシンキの大統領宮殿で、サウリ・ニーニニストとの共同記者会見に出席した安倍晋三首相は、8月中に内閣改造を行うと述べました。背景には東京都議会議員選挙での敗北、急落した政権への支持率が急落していることなどがあると見られています。
2012年12月に安倍政権が誕生して以降政権への支持率が最低を記録したことに加え、東京都議会選挙で自民党が惨敗したことを受け、安部首相は記者会見の席上、党勢回復のため8月に内閣改造を行うと語りました。
リベラル派の朝日新聞が発表した世論調査の結果は、安倍内閣に対する支持率がわずか1週間で7ポイント低下し33%にまで下がったことを明らかにしました。不支持は5ポイント上昇の47%でした。
安倍政権側に立つメディアとして知られている保守派の読売新聞・日本テレビ、そして公共放送であるNHKの世論調査も、同様の結果を明らかにしました。
政治評論家などの専門家は、政権内部で相次いだスキャンダル – 中で最も大きなものは安部首相自身が関与していると見られています –と、さらには国会で重要な法案が国民の懸念をよそに再び強行採決に持ち込まれたことなどが、安部首相に対する信頼を損ない、7月2日に行われた東京議会選挙で自民党の大敗につながったと指摘しています。
7月7日から9日にかけて行われた読売新聞の世論調査では、安倍首相の支持率は6月中旬から13ポイント下がって36%にまで低下する一方、不支持率は41%から52%に上昇しました。
日本テレビによる調査では安倍政権の支持率は32%、NHKによる調査では35%にまで下がりました。
読売新聞はわずか2カ月前には安倍政権の支持率が61%あったことを参照し、「支持率低下の大きさは衝撃的だ」と表現しました。
「安倍総理大臣は『深刻な反省』を繰り返しているが、国民の不信感はかつてない程大きくなっている。」
稲田朋美防衛大臣も大臣の椅子を追われる予定のひとりです。
稲田防衛大臣は東京都議会議員選挙期間中、防衛省の職員と自衛隊員に対し自分が所属する政権与党の候補者を支持するよう求める発言を行い、批判の渦中に立たされることになりました。
識者によれば、これは公務員と自衛隊員の政治的中立を求める法令に完全に違反する行為です。
中央政治の舞台では現時点で中道左派連合が成立する見通しはまったくと言って良い程なく、自民党内にも有力なライバルが見当たらない現在、安倍氏の首相としての立場が直ちに危うくなるという事はありません。
安部氏は2006年から2007年に一度首相を経験し、現在は第二次安倍政権の首班を努めていますが、親しい友人が理事長を務める大学の獣医学部の新設に政治的立場を利用して便宜を図ったとされる現在のスキャンダルの今後の展開次第では、どのような結果が待ち受けるか予断を許さない状況にあります。
7月10日月曜日には臨時に開かれた議会の公聴会で、この問題に直接かかわりのあった文部科学省の元官僚のトップが、獣医学部新設の許可に安倍首相の官邸が重要な影響力を行使したと証言しました。
安部首相自身はこの場にいませんでしたが、この閉会中審査が開催されたこと自体、繰り返し開催を拒否してきた与党自民党側が、妥協せざるを得ない状況に追い込まれていることを示すものです。
「加計学園に認めるプロセスに不透明・不公平があったのではないかと考えています。」
元文部科学省事務次官の前川喜平氏は10日、こう証言しました
「明らかに背後には首相官邸の意向があったと考えています。」
そして前川元政務次官は、2018年4月の開校を目標とする学園側のスケジュールに間に合わせるよう、承認の手続きを急ぐよう速度を上げるよう、安倍首相の側近から求められたと証言しました。
そして首相自身の口からこうした発言をすることは不可能なために、その側近からこの話を持ち出されたものと考えていることを明らかにしました。
これに対し政権側は承認のための手続きを歪めるものではなく、安倍政権が進める規制緩和政策の一環として行ったものだと主張しています。
獣医学部の開設に関わる今回の問題は、安倍首相とその周囲の人々にとっては教育機関の開設のため政治的影響力を不当に利用したとされている点で、2度目のスキャンダルです。
安部首相の昭恵夫人は大阪にあるウルトラ国家主義の教育機関の小学校開設に関し、緊密な立場で後援を行なっていました。
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japanese-leader-sees-popularity-sink-seeks-cabinet-shuffle/2017/07/10/70e935a6-6530-11e7-94ab-5b1f0ff459df_story.html?utm_term=.bd290651a988
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
最近、非常に気になっていることがあります。
TBSテレビの平日正午から始まる番組で、キャスターが首相を始めとする政府関係者の言動すべてに対し敬語を使っていることです。
「おっしゃった」「…された」等々、日本国首相が国家万民の上に立っているかのような印象を与えます。
日本国首相から市町村役場の戸籍係まで、民主主義国家の公務員はすべて国民の公僕のはず。
アメリカの報道機関のキャスターが大統領と同じように足を組んでインタビューするのと、あまりにも違います。
海外の報道機関が危惧する日本のメディアの自己検閲姿勢が卑屈とまで言えるレベルに到達した結果なのか、はたまた国民に対する意図的洗脳なのでしょうか?