ホーム » エッセイ » 【 拝啓、中国殿。これからも泥棒国家として、やっていくおつもりですか?】
アメリカもそろそろ、下手な遠慮はやめた方が…
エコノミスト 2月23日
世界各国の政府と企業は、彼らを包囲監視している中国人のハッカーの背後には、中国の軍当局がいるものと疑ってきました。
そして2月19日、アメリカのセキュリティ会社のマンディアント社が、そのことに間違いはないという証拠を提示しました。
この6年間、同社は中国人のハッカーたちに「ろくでなしのゴリラ」や「とりわけ手ごわい奴」などのコードネームをつけ、一人一人を徹底的に追跡しました。
それらの調査が結実したこの報告書は、このハッカーたちを追跡した結果、本拠中国上海の特徴の無い場所にある、中国人民解放軍の61398部隊が所有するビルにたどり着いたことを明らかにしました。
この発表に対し、中国政府は直ちに非難声明を発しました。
一方、アメリカ政府は2月20日、今後の企業秘密の窃盗を防止するための計画を発表しました。
に、アメリカは、企業秘密の窃盗を防止する計画を発表しました。
今回の報告書には被害を受けた企業名は記載されていません。
しかしニューヨークタイムズの取材により、アメリカの情報機関にセキュリティ技術を提供している会社が、狙われていたことが明らかになりました。
さらにハッカーたちはアメリカの防衛システムに関連する企業からも、情報を盗み出そうとしました。
ハッカーたちが北アメリカのガスパイプライン、そして送電網を管理する企業に技術定期用を行っていた企業のネットワークに侵入したことに、現在一番懸念が持たれています。
もしこれらの企業がサイバー攻撃を受けた場合、その損害額がどれ程巨額なものになるか、見当もつきません。
しかしこの世界のほとんど誰もが、中国はどんな攻撃をしてくるかわかったものでは無いと思うようになっています。
アメリカ自身も、サイバー・スパイ活動については潔白ではありません。
むしろ積極的にその子に関わってきましたが、一方で国を守るという点においてならその正当性は確立されるという認識を持っています。
それと同時に、こうした活動について一定のルールを確立するため、各国が参加して「サイバー軍縮」会議を行うべきだという考えも持っています。
しかし今回、マンディアント社の報告書は、中国が国家安全保障のため行っている活動の中に、窃盗以外の何ものでもない行為が含まれれていることを明らかにしました
明らかになった教訓のひとつ、それはすべての企業がセキュリティを強化しなければならないという事です。
バラク・オバマ大統領は、アメリカ国内の企業と政府機関が、より緊密に情報交換を行うよう呼びかけました。
これまでは各企業とも、顧客や投資家に対する配慮から、ハッキングの被害についてはできるだけ明らかにならないようにしてきました。
しかしこれからは企業自身の利益を守るためにも、こうした情報を進んで公開していく必要があります。
アメリカ政府も、こうした犯罪行為に国家が関わることは容認できない、そのことをはっきりと意思表示する必要があります。
これまでアメリカ政府は、中国によるサイバー攻撃の問題については、非公開で中国側の担当者との記容疑を行い、解決を図ろうとしてきました。
しかし今回、中国の卑劣な犯罪行為についてこれだけはっきりした証拠が示された以上、はっきりと名指しで非難することも考慮する必要があります。
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中国側の新たな指導者が教訓とすべきものは、もっとあります。
新たな指導者となった習近平氏は、中国が法による支配をきちんと受け入れた上で、数々の改革を行う必要性を強調しました。
彼がもし心からそう思っているのであれば、今がそのための絶好の機会です。
中国はマンディアント社の報告書には欠陥があり、「技術的根拠」が示されていないと批判しています。
しかしそんな態度では、みすみす機会を逃してしまうことになります。
例えそのことが秘密主義を専らとする共産党政権の実力者たちの癇に障るようなことであっても、サイバー攻撃に国家の機関が関わるような行為は、結局は政権担当者たちの立場を損ねるものであるという認識を、習近平氏はしっかりと持ち続ける必要があります。
それをしなければ、今後西側の各国が「中国の脅威」について語られる場で中国が行う発言は、各国により相手にされなくなる可能性があります。
さらには中国企業が海外で買収を行なったり、海外支出を図ろうとしてもねその意図を疑われることになるでしょう。
中国は盗賊の集団と化したその軍を、法の下での規律ある組織に戻す取り組みを始める必要があります。
http://www.economist.com/news/leaders/21572200-if-china-wants-respect-abroad-it-must-rein-its-hackers-getting-ugly
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中国61398部隊の暗躍については、日本ではそれほど大きく扱われることも無く、何だかさらっと流されてしまった観があります。
しかし、アメリカ、イギリスのメディアは2回、3回と続報を掲載しています。
なかでもこのエコノミストの記事は秀逸だと思い、ご紹介することにしました。
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写真集(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
アメリカNBCニュース 2月24日
一息つくアフリカ、マリ共和国の労働者。2月24日、ガオ。(写真下、以下同じ)
オペラハウスロイヤルバレエのオープンに向けて。2月23日、ブラジル、リオデジャネイロ。
地中海の南フランスの海岸に立つ男性。2月23日、フランス、ニース。
アメリカ中西部を襲ったブリザードのため、立ち往生してしまった車の列。2月23日、カンザス州オーバーランド・パーク。
夕日に染まるサハラ砂漠。撮影年月未表記。