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【 安倍首相はフクシマの現状についてウソを言っている 】

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所要時間 約 8分

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小泉純一郎元首相が、福島第一原発の事故収束・廃炉作業が順調に進んでいるという安部首相の説明に異議

原子力発電が最も安全で、クリーンで、そして最も安価な発電手段であると主張する業界の専門家たちにだまされてはいけない

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2016年9月7日

 

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日本の小泉純一郎前首相は、最悪の原子力発電所事故を起こした福島第一原子力発電所における事故収束・廃炉作業の状況について、安倍晋三現首相が『順調に進んでいる(under control)』と国際社会に対して説明したことについて、「うそつき」であるとラベルを貼りました。

 

小泉首相は2001-06年の在職期間、戦後最も人気の高い首相のひとりになりましたが、現在は第一線を退き、同じ保守政党の政治家であり、当然小泉氏の後継首相に選任されると見られていた安倍首相が現在進める日本国内の原子力発電所の再稼働政策に公然と反対の立場をとっています。

 

安部首相は2013年9月、ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)で演壇に立ち、東京が2020年の大会の開催権を得る直前、福島第一原子力発電所における事故収束・廃炉作業状況が「順調である(under control)」との見解を明らかにしました。

福島第一原発の事故では十万を超える周辺住民が避難を強制されたまま2年以上が過ぎていましたが、IOC当局は福島第一原発の指揮内に莫大な量の高濃度汚染水が溜まり続けているという報告に懸念を募らせていました。

 

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「順調だ(under control)と語った際、安部首相は事実を偽っていました。」

小泉元首相は東京で記者にこう語りました。

そして福島第一原発を管理する東京電力が、地下水の流れ込みによって大量の高濃度汚染水が作られ続けている状況を改善するため、高額な費用をかけて凍土遮水壁が建造されている問題に触れながら、こうつけ加えました。

「状況は決して順調でありません。」

「東京電力は凍土壁を建造することにより問題を解決できると言っていますが、実際に出来ていません。」

 

さらに小泉元首相は天然資源に乏しい日本にあって、原子力発電が最も安全で、クリーンで、そして最も安価な発電手段であると主張する業界の専門家たちにだまされているのだと続けました。

「安部首相は原子力産業界の専門家の話を信じています。私も首相時代、彼らの言ったことを信じていました。安倍首相は賛成、反対、両方の議論の中身を理解していると思いますが、結局原子力発電を推進する側の主張を信じることの方を選択したのです。」

 

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福島第一原発の事故の後、小泉元首相は初めて原子力発電の真実を理解したと語りました。

「原子力発電が導入されることになるまでの過程、導入後の現実と歴史を知るにいたり、私はそうしたウソを信じた自分自身を恥じることになりました。」

 

日本政府は2030年までに日本の全発電手段の中で、原子力への依存割合を全体の5分の1程度に抑えたいと語る一方、安倍首相自身は積極的に日本国内の原子炉の再稼働政策を進めています。

現段階で日本国内に数十基ある原子炉のうち、稼働しているのは3基だけですが、このうち2基は今年後半には点検のため停止の措置が取られます。

 

現在74歳の小泉元首相は2011年3月11日に東日本大震災が発生した時、日本沖合の太平洋に空母を停泊させ、日本への救援活動に従事し、その後深刻な健康被害に苦しむことになったアメリカ海軍兵士及び海兵隊員たちをバックアップする救援活動を行っています。

 

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数百人に上るこれら兵士は、トモダチ作戦と名づけられた救援活動の間、福島第一原発が吹き上げた放射性物質を浴びたことにより、白血病を始めとする深刻な健康被害に見舞われたと主張しています。

作戦に従事した400人は2012年、東京電力が福島第一原発の事故を未然に防ぐ対策を採っていなかったこと、そして放出された放射性物質の量を偽ったとして訴訟を起こしました。

から放射線の濃度に散らかっていることで責めていて、米軍関係者を危険にさらされているようにしている訴訟を開始しました。

彼らは19,000人が犠牲になった東日本大震災の被災地に、東北地方沖の太平洋に投錨した原子力空母ロナルド・レーガンからヘリコプターで救援物資を届ける救援活動に従事していました。

 

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しかし医療の専門家は、これらの海軍兵士・海兵隊員の被ばく線量は高くは無く、健康に被害をもたらす程の放射線を浴びてはいないと語っています。

そしてアメリカ国防総省が2014年に公表した報告書では、福島第一原発から放出された放射性物質による低線量被ばくと健康被害との因果関係は証明されなかったという見解が示されました。

小泉元首相は2016年5月にサンディエゴで健康被害に苦しむ数名の元兵士たちと面談し、2017年3月までに、彼らの医療費の補てんを目的に100万ドルの募金を行う予定です。

 

「日本の人々を助けるため懸命の活動を行った人々のために、何かしなければならないと思ったのです。」

小泉元首相がこう語りました。

「100万ドルではとても足りませんが、少なくとも彼らの献身的行為に対する感謝の念だけは形に出来ると思っています。」

 

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原子力発電を推進する姿勢をとり続けているにもかかわらず、第2次安倍内閣における安倍氏の首相としての業績を小泉元首相は評価しています。

「こと原子力発電に関する限り、私たちの立場は全く異なっています。」

「しかし安倍首相は第一次安倍内閣で犯した誤りについては充分な検証を行い、第二次内閣においては遥かにその状況は改善されていると思います。」

 

長期的視点で見る限り、安倍氏の政治生命は決して悪いものではありません。

しかし第一次安倍内閣では、一連の閣僚たちのスキャンダル、自身の健康問題、そして参院選での惨敗により、在職期間が1年に満たない2007年9月辞任せざるを得なくなりました。

 

https://www.theguardian.com/environment/2016/sep/07/former-japan-pm-junichiro-koizumi-accuses-abe-lying-over-fukushima-pledge

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【 9月12日の報道写真から 】

 

アメリカNBCニュース 9月12日

 

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シリア、ダマスカス東郊の反政府勢力の支配地区ドゥマが、アサド大統領率いる政府軍のものと見られる爆撃を受けて負傷し、苦痛を訴える女の子。

12日アメリカとロシアによるシリアでの停戦が発効したが、それぞれの影響下には無い武装勢力、ISIL(ISIS)などには効力は及ばないことになっています。

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