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【 国民を地獄の業火の中につき落としかねないアベ・トランプ・ライン 】

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所要時間 約 8分

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核兵器による報復攻撃を招きかねないトランプの軍事力行使の威嚇、それを称賛する安倍首相

「北朝鮮への軍事攻撃の可能性を除外せず」しかし韓国と日本が受ける報復攻撃の危険性には言及せず

 

トム・フィリップス /  ガーディアン 2017年7月31日

「アメリカのドナルド・トランプ大統領は、拡大する北朝鮮の軍事的脅威から米国の同盟国を守るために「必要なあらゆる措置」を講じることを誓ってくれた…」

日本の安倍晋三首相は米国大統領と電話で話した後、こう語りました。

7月27日金曜日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の2回目の実験を成功させましたが、アナリストはこれによりアメリカの大半が北朝鮮のミサイルの射程圏内に入ったとの見解を明らかにしました。

 

トランプ大統領と安倍首相の電話会談はこの直後に行われました。

米国は7月29日キム・ジョンウン政権に対し実験への報復のための威嚇行動として、朝鮮半島上空で超音速B-1B爆撃機2機の飛行を行いました。

太平洋空軍司令官、テレンス・J・オホーソーネッシー将軍は、指揮下の部隊は北朝鮮に対し「直ちに致命的で圧倒的な軍事力」行使できる準備ができていると警告した。

 

中国政府も北朝鮮への圧力を強めるよう説得を試みているトランプ大統領は苛立ちを露わにし、北朝鮮の独裁者を抑え込むために中国政府が「何もしていない」と非難しました。
ロシア外務省も朝鮮半島の動向に懸念を持っていますが、一方では27日アメリカが「ロシアと中国に責任を転嫁しようとしている」と非難する声明を明らかにしました。

中国の国営メディアは31日月曜日アメリカの非難に反論し、北朝鮮のミサイル発射についてどういう影響力も発揮できない事を後ろめたく感じているトランプ大統領が、いわば見当違いの方向に食って掛かったものだとし、新聞紙面上でトランプを「未熟者の大統領」と表現しました。
タブロイド版の英字新聞のグローバル・タイムズ紙は社説の中で、「トランプ氏が中国に対する批判を強めているのは不合理だ」と述べ、「中国政府はすでに北朝鮮に大きな圧力をかけている」と主張しました。

 

「トランプ大統領は『中国ならこの問題を容易に解決できる』主張している」と、実質的には中国共産党の管理下にある新聞はこう続けました。

しかし「このような声明を明らかにするのは、北朝鮮の核開発問題について充分な知識も理解も無い、未熟な大統領だからこそ可能なことである。」

「北朝鮮はアメリカや韓国がどのような軍事的な警告を行おうが、核兵器とミサイルの開発を進める決意を固めている。いったいどうすれば中国による制裁がこうした状況を変えられるというのだろうか?」
同じ新聞の別の記事では、中国が北朝鮮の核開発危機を解決する立場にあるとするトランプ大統領の主張そのものを「不条理」だと斬り捨てました。

安倍首相はトランプ大統領との電話会談の後記者団に対し、「我々は北朝鮮に対する『新たな行動』について検討したと述べ、『アメリカは同盟国を守るために必要な手段を尽くす』と述べたとトランプ大統領を賞賛しました。

「私はさらに踏み込んだ対応をとらなければならないという点において、トランプ大統領と意見が完全に一致しました。」

安部首相の発言として共同通信がこう伝えました。

「日本とアメリカは国際社会とともに北朝鮮問題を平和的に解決するため、繰り返し調停の取り組みを続けてきましたが、北朝鮮はそれをことごとく踏みにじり、一方的に状況を悪化させました。」

安部首相はこう語り、次のように続けました。

「中国、ロシア、その他の国際社会もこの状況を真摯に受け止め、団結して圧力を強めていかなければなりません。」

 

ニッキー・ヘイリー米国国連大使も中国政府への圧力を強める動きを見せ、声明を発表しました。

「中国政府はキム・ジョンウン体制に対しどう対応するのか、最終決断を行う必要があります。話し合いの時は終わりました。」

レックス・ティラーソン米国務長官は29日土曜日、増大する北朝鮮の脅威について中国とロシアを名指しで非難し「両国は他国には無い特別な責任を負っている。」と述べました。

一部の専門家は、トランプ大統領が北朝鮮に対して軍事行動を起こす可能性がますます高まっていると考えています。

今年4月、トランプはフロリダにある自身の別荘マー・ア・ラゴ・クラブで中国の習近平主席と食事をとっている最中、誰も予想していなかったシリアに対する空爆を命じました。

 

北京人民大学の北朝鮮専門家である成せん暁可(チェン・シャオフ)氏は、米国の軍事行動の可能性は高まっているが、トランプにとってきわめてリスクの高い選択肢である点に代わりは無いと述べました。
「もしトランプ大統領が軍事攻撃に打って出た挙句議会の承認を得ることができなければ、彼の政治生命は絶たれることになるでしょう。」

上海社会科学アカデミーの北朝鮮専門家である劉明(リウ・ミン)氏は、ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、トランプ大統領は

「トランプ大統領がちらつかせている北朝鮮に対する軍事攻撃は、代償が大きすぎて現実的な選択肢とは言えません。発言によって、中国に対する圧力を強めようとしているに過ぎません。現実的政策というよりは、たちの悪い脅しに近いものです。」

カリフォルニア州にあるモントレー国際大学院ミドルブリー国際問題研究所の北朝鮮専門家ジェフリー・ルイス氏は、今日の北朝鮮の核兵器とミサイル技術の進歩がいかに進んでいるかを考えると、軍事攻撃をするぞといかに脅してみたところで現実には不可能だと述べました。

「核兵器国保有国に軍事攻撃を仕掛けてしまったら、その結末がどうなるかは火を見るより明らかです。」

 

https://www.theguardian.com/world/2017/jul/31/trump-vows-all-necessary-measures-to-protect-allies-from-n-korea-says-abe

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ある意味人類の存亡に関わるスイッチを冒頭の写真の2人がその手に握っていることについて、皆さんはどうお考えでしょうか?

人間はたった一回、たった一つの命を授けられ現在を生きています。

その人間の命をまるで薪ざっぽうのように粗末に使い捨てながら戦闘を続け、挙句最後には家庭や故郷を守っていただけの人びとの上に二度も核兵器を投下されるという結末に至った太平洋戦争。

私に言わせれば戦争末期の玉砕や特攻は戦術的にまったく無意味な、そして史上最も残酷な生命の大量投棄です。

そんな戦争を正当化しようという人間の手に私たちは何を委ねてしまっているのか、真剣に考えるべき時です。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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