ホーム » エッセイ » 【 再生可能エネルギー、アメリカ政府・議会の積極姿勢 】&【 キング牧師には夢があった!】
バイオ燃料の普及拡大にも、大きくテコ入れするアメリカ
アメリカAOLエナジー 1月3日
風力産業界だけが、新年のアメリカ議会における『財政の崖』論議における勝者ではありませんでした。
バイオ燃料による発電もまた、議会による強力な後押しを受けることになりました。
バイオマス発電には様々な手段がありますが、今回の法案に盛り込まれた減税措置と減価償却規則は、バイオ燃料であるセルロース・エタノールをサポートし、2011年末に期限切れとなったバイオ・ディーゼル燃料の減税措置を復活させました。
藻類を使ったバイオ燃料についても、同様の措置がとられました。
全米再生可能エネルギー燃料協会の会長兼CEOのボブ・ディニーン氏は声明の中で、
「オバマ政権のバイオ燃料に対する揺るぎない支持と、議会の再生可能エネルギーのよる自給計画の迷いの無い推進姿勢により、再生可能エネルギー分野で多くの雇用が生まれることになりました。」
さらに全米バイオ・ディーゼル協会は今回の措置により、2014年には30,000以上の雇用機会が生まれるとする調査結果について言及しました。
全米バイオ・ディーゼル協会の国内担当副会長アン・ステッケルは同協会のフェイスブックのページで、
「これは漠然とした話ではありません。」
「今回の措置によりこれから数か月で、私たちはバイオ関連企業の業績の伸長と新規雇用の増加による、景気絵の好影響を目にすることになるでしょう。」
▽グラフ : この12年間のアメリカ国内の燃料価格の推移
「それに加え、代替燃料基盤税額控除の期間延長により、今年度は市場へのE15(市販の燃料にバイオ燃料を15%以上含有させることを)の導入を速まるものとみられ、このことは減税措置同様に重要なことです。」
セルロース・バイオ燃料製造業者は、2014年の終わりまで1ガロンにつき1.01ドルの税額控除を要求し続けることができます。
さらに藻類を使ったバイオ燃料を始めとする『第二世代のバイオ燃料』にも同様の優遇措置がとられることになります。
『第二世代のバイオ燃料』は『より進化したバイオ燃料』とも呼ばれ、一層の拡大を目指すアメリカの新たな再生可能エネルギー戦略の中で、重要な役割を担う事を期待されています。
下院の共和党側が提供提供した資料のダイジェストによると、セルロース・バイオ燃料供給には10年間で5,900万ドル(51億6,000万円)、そして、バイオ・ディーゼルについては10年で21億8,100万ドル(1,900億円)の国家予算が充てられることになります。
http://energy.aol.com/2013/01/03/biofuels-a-winner-in-fiscal-cliff-deal-too/?icid=mostPopular2
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財政危機が続く中、アメリカ議会は風力発電事業に加え( http://kobajun.biz/?p=7681 )、バイオマス発電事業に対しても補助金交付の継続を決めました。
アメリカは水圧破砕法によるシェールガス開発がブームになり、膨大な石油資源を再び手にしたにもかかわらず、再生可能エネルギーの中でも地味な分野にまで補助を行うことになりました。
アメリカでは大規模送電網は災害に弱く、電気はそれぞれ使う場所で、再生可能エネルギーによる小規模発電を行う方が効率的である、という考え方が一般化しつつあり、そのための補助金の交付も行われています( http://kobajun.biz/?p=6986 )。
これに対し、日本はどうでしょう。
2日付の新聞には、各電力会社間の電気を融通しあえるように大規模送電網を整備しなおし、その事業を行う「新設機関は大手電力や特定規模電気事業者などで構成」という記事が掲載されました( http://mainichi.jp/select/news/20130123k0000m020077000c.html )。
何のことは無い、危機管理に名を借り、国民の税金を使って電力会社を守ろうという『政策』に他ならない、違いますか?
アメリカも問題の多い国ですが、これ程あからさまな我田引水は今どき見かけなくなりました。
そして下の写真特集。
歴史に興味をお持ちの方なら、キング牧師が叫ぶように言ったあの言葉、『I have a dream!』のことをご存じだと思います。
私の耳にもその肉声がこびりついており、思い出すたび胸が熱くなります。
『人狩り』によってアフリカから連れてこられたあげく、奴隷にされた先祖。
その子孫はと言えば、20世紀後半になってもなお差別され続ける。
その理不尽さを、キング牧師は飽くことなく訴え続けました。
そんな彼も暗殺されてしまいます。
キング牧師(1968年4月暗殺)、ロバート・ケネディ上院議員(ケネディ大統領の実弟・1968年6月暗殺)の2人が次々と暗殺された時私は小学生でしたが、これからいったい世の中はどうなってしまうのかという危機感に苛まれ、あんぐり口を開け、暗殺を伝えるテレビニュースに見入っていた事を憶えています。
幸いなことに現在、アメリカから人種差別はほとんど姿を消しました。
というより、人種差別は非合法化されました。
しかしここ日本では、国籍によって人間を差別しようとする人間が目立ち始めています。
かつてアメリカでもっとも苛烈に人種差別を行ったのは、『プア・ホワイト』と呼ばれる、教養のない貧しい白人たちでした。
以下、( http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-king.html )から引用した、キング牧師の演説の有名な部分をご紹介します。
『私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変身するという夢である。
私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。
今日、私には夢がある。
私には夢がある。それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいるアラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である。
今日、私には夢がある。
私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢である。
これがわれわれの希望である。この信念を抱いて、私は南部へ戻って行く。この信念があれば、われわれは、絶望の山から希望の石を切り出すことができるだろう。この信念があれば、われわれは、この国の騒然たる不協和音を、兄弟愛の美しい交響曲に変えることができるだろう。この信念があれば、われわれは、いつの日か自由になると信じて、共に働き、共に祈り、共に闘い、共に牢獄に入り、共に自由のために立ち上がることができるだろう。(以下省略)』
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【 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、彼には夢があった! 】
アメリカNBCニュース 1月20日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)
インディアナ州サウスベンド出身で、現在はワシントンで暮らすケンヤエ・リーズは何台ものバスが学生たちや観光客を運んできて、辺りをいっぱいにする中、偉大な先達の業績をたたえる気持ちで胸がいっぱいになりました。
「このメモリアルにこれだけの人々が集まるという事は、私たちが暮らすこの国が、そして世界が確かに成長した事を証明するものだと思います。そしてここにモニュメントがあるおかげで、私たちはキング博士の正しい姿を理解することが出来るのです。彼のモニュメントはこの国のあらゆる人種の若者たちに、何かを伝えてくれると思います。彼はアフリカ系アメリカ人(African-American、現在は黒人と言う言い方はしない)にとってのみ、偉大な訳では無いのです。この国のすべての人々がキング博士の在りし日の業績を偲び、オバマ大統領の二期目の就任を祝うことが出来るようになったということは、もはや人種差別が無くなったことを証明するものだと思います。もはや人種差別は無い、それがこの国の歴史のひとつになりました。ここまで来るには、長い長い道のりでしたが。」